前回のあらすじ「諏訪大戦,終了」
例大祭………行きたかったな~。
愚痴っても仕方ないので執筆します。
「もう行くのかい?」
「そうだよ~もう少しゆっくりしていっても………」
「駄~目、前から決めてた事なの。少しは自分の神社に帰らないと心配だからね」
諏訪大戦が終わってから数週間、あれから信仰の事は問題にならず大丈夫のようだ。
問題が有ったとすれば私が夜に人や妖怪を集めて演奏会を開いていた事。
諏訪子は慣れてるとして神奈子は妖怪に慣れている筈も無く最初は大変だった。
そして私にも問題がある。神様が自分の神社に数百年帰らないのは流石に不味いと思う。
なので一度、家に帰る事にした。
「まぁ、気が向いたら神社に寄るよ」
「うん、絶対だよ!」
「ふふふ、待っているぞ」
「じゃ、またいつか」
「ばいば~い」
「じゃあな」
諏訪子と神奈子に見送られながら私は自分の神社に帰る。
………一瞬、自分の神社の場所を忘れてしまったと思って焦った。
覚えるのは得意だけど………数百年も経った景色とは確実に変わってしまう。
そんな情景を見ながら悲しい顔を浮かべる自分に私は気づかなかっただろう。
なんやかんやあって無事に自分の神社周辺まで戻ってこれた私。
「さ~て、自分の神社に到着……………あれ?」
帰るなり早々奇妙な事があった。
自分の神社に巫女?さんがいるのだ。
私の神社に巫女は居ない筈だ。……………少なくとも数百年前までは。
一応、神力は隠して霊力だけ出して階段から上がろう。
諏訪子の所に居た所為で日常的に神力を出していたからね、今後は注意しよう。神だけど。
(………それにしてもあの子、誰なんだろう?見た事も無かった顔だし……まぁ、話しかけてみれば分かるよね)
私が階段を上り終えて例の巫女?さんに近づく、
「あの~」
「あ!参拝客ですか?どうも、此処の神社の巫女です」
「いや、参拝じゃないんだけど、キシいる?」
「え?キシさんですか?…………居ますけど貴方は誰ですか?」
「私?私は______」
丁度、その時。神社の中から見覚えのある人影が見えた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
「え?お嬢様?て事は……………ええぇーーー!?」
「え?何?どういうこと?」
~~~青年?説明中~~~
「なるほどね、そういう事だったんだ」
「はい、勝手ながら申し訳ありません」
「いや、別にいいよ。巫女が居ない神社ってのも寂しいからね」
「ほえ~」
説明の内容はキシが神社には巫女が必要だと感じて毎回此処に参拝に来る妖怪に力を与えて此処の巫女にさせたらしい。本人も嫌じゃないらしい。(実は半妖だったらしいが)
名前は
実年齢は以外にいっているらしい。
基本的に霊力で戦うが危なくなったら、妖力,神力を使うらしい。(神力は私の力を少し借りれるらからだとか)
攻撃をする時は殆どが口寄せ………というか召喚らしい。
能力は『口寄せを操る程度の能力』らしい。
「じゃあ、これからもよろしくね、詩音?」
「は、はいっ!よ、よろしくお願いします!!」
「そんな緊張しなくてもいいのに~」
「で、でも…………」
(か、可愛い~)
そんな事をしていると、
「キシ~お腹空いた~」
と神社の中から聞こえて来た声は私は聞き覚えのある懐かしい声だったのですぐに分かった。
「キシ。もしかしてパウが来てるの?」
「…………はい、昨年ぐらいに帰って来ました」
すると、待ちきれなかったのかパウが境内に出てきた。
「あれ?芽衣じゃん。久しぶり!」
「うん、久しぶり。元気だった?」
「勿論、毎日元気だよ!それでさ、あれから皆の所に帰ってね色々頑張ったりしたの。そしたら妖精のリーダーにされちゃった」
「良かったじゃん。それだけ皆に認められたってことで」
「良くないよ~だって、数十万もの妖精のリーダーだよ?疲れるったらもう(ぐちぐち)」
「あはは………」
自分の神社はいつまで経っても楽しいなと思う芽衣だった。
芽衣は今日の夜に自分で楽器を演奏しながら歌っていた。
久しぶりに自分の神社でやる演奏だったので人や妖怪が居るかなと思ったけれど諏訪子の所でやった演奏会に出ていた妖怪,それと人も居たので私が此処に帰って来たという情報でも回ったのだろう。
そして演奏が終わり………
「…………今日も皆ありがとね~」
『今日も最高でしたー』
『惚れ惚れするっす!』
『また今度も来ます!』
今日もいつも通り演奏会は大成功だった。
それとなく観客を見渡してみると気になる人物が一人いた。
姿は人間の少女と特に変わりはない。
けれど髪は金髪ロング。毛先をいくつか束にしてリボンで結んでいる。
瞳の色はによって金色にの様だ。
そう、私の知っている知識の中に一人該当する人物がいる。
「あの………ちょっとよろしいですか?」
私がこっちから声をかけようかなと思っていると向こうから声をかけてきた。
「はい、なんでしょうか?」
「さっきの演奏とても良かったです、聴いてて心に響いた感じがしました」
「それはそれは、ありがとうございます」
「私の名前は八雲紫、たった一人の隙間妖怪です」
「私は芽衣。普通の人間だよ」
やっぱり紫だった。まだ幼い感じがある、という事は最近生まれたばかりなのかも知れない。
「…………少し……私の話を聞いてくれますか?」
「良いよ、聞かせて」
「私は生まれてから間もない妖怪です。最初にこの世界に生を受けた時、私は一人でした。人間には『妖怪は悪』と言われ妖怪にも相手にされず誰に頼れる事も無く一日一日を生きるのに必死でした」
と事は紫は生まれてまだ何も分からない時から一人だったんだ………。
「それは……また酷いね」
「はい……その繰り返しの時に誤って強い妖怪の食料を盗んでしまったのです。私は必死に逃げました。無事に逃げ切れたとしてもまだあの妖怪が追って来るようで怖くて仕方が無かったとき、通りかかった二人が声をかけてくれました」
「その二人って?」
「その二人は人間と妖怪でした。その二人は、私の事を気遣ってくれてとても不思議な気持ちでした。人間と妖怪が一緒に暮らせれば凄く平和になるなと思いました。私は何故二人にそんなに仲が良いのかと尋ねました。そしたら『ある人の演奏を一緒に聴いて気が合ったから』と答えました。『種族なんて関係無い』とも言ってました。私は決意しました。人間と妖怪が一緒に暮らせる場所を作ろうと、そして今日、その二人に勧められて此処に来ました。」
イイハナシダナー…………種族なんて関係無い………とても良い響きだね。
私の歌で仲が良くなるのなら私は声が枯れるまで歌おうとも思えちゃうね。
「………それで、そのある人が私だったと」
「はい、そうです。長い話をしてしまい申し訳ありません。それで貴方の意見を聞きたくて此処に来ました」
「何の意見を?」
「………人間と妖怪が一緒に暮らせるかどうかです」
………難しい話だな~人は妖怪を恐れる。その力の違いの所為でね。妖怪も人を襲う。
まぁ、キシと暮らしている私が言える事じゃないんだけどね。
でも、どっちかって言うと………
「普通に出来るんじゃない?」
「ほ、本当ですかっ!?」
「本当、本当。さっき紫が話してくれた話とかこの演奏会とか見ればきっかけが在れば誰だって仲良く出来るよ。例に挙げるなら酒好きで宴と喧嘩が大好きな人間、鬼と気が合うでしょ?」
「………は、はい」
紫は何となく分かったのか頷く。
「妖怪には人間を食べ物としか見ない輩もいる。人間にも妖怪を恐怖でしか無いと見ている者もいる。だけどその逆もいる。だから私は紫の夢を無理だと言わないし笑わない、紫が諦めなければきっとその夢は叶うと思うよ」
「…………ありがとう!芽衣さん!」
「どういたしまして」
「じゃ、暇な時はまた演奏を聴きに来てね?」
「はい!ありがとうございました!」
「じゃあね~」
そう言って紫は先程、話に出していたと思う人と妖怪の組と一緒に帰って行った。
それにしても、紫………凄い幼かったね。普通に別人かと思ったよ。
…………でもあんなに堂々と宣言しちゃったけど大丈夫かな?
まぁ、大丈夫だよね。さてと家に帰って寝ようっと。明日も良い一日になります様に。
新キャラ登場です、神社の名前は音妖神社です。
なんか、それっぽい名前が浮かんだのでこれにしました。
この神社は博麗とは関係ないですよ?間違わないで下さいね。
………幻想郷に神社が三つ建つのか……。
それと紫がロr………子供でしたね。