前回のあらすじ「協定と言いながら喧嘩を売るスタイル」
強者を倒すのには何が必要か?
知恵?力?技術?いや、何よりも………スピードだっ!
当たらなければどうということはない!
私が協定を破棄して一ヶ月後。
私との修行を味わって来た諏訪子は確実に強くなっただろう。多分。
しかし………
「遂に戦争………」
「どうしたの?怖いの?」
「怖い訳じゃないよ………けど……」
「そんな深く考え込まないで諏訪子は大将とだけ戦って勝てばいいんだから私と初めて会った時みたいにやれば良いんだって」
「あ~う~だからあの時は…………芽衣こそ無茶しないでよ?」
「はいはい、分かったよ」
相手には神奈子より強い神様が混ざっていると思うんだよね。
何かそんな気配が感じられるし。会った事は無いけど絶対に強いよね。
まぁ、神様は信仰が有れば死なないって言うし本気出しても大丈夫でしょ。
あんまり、殺すっていう行為はしたくないんだけどね。例外はあるけど。
でも神様相手に手を抜いたら逆にやられちゃうかもしれないからね。
だったら敬意も合わせて本気で行った方が良いよね。
…………そろそろ行こうかな。
「こんにちは、数日ぶりかな?」
「そうだな、小さき神よ。私の神力を受けて平然と受けてられるのは敬意に評すぞ」
「洩矢様に散々浴びせられましたから。それと洩矢様は貴方と一対一の勝負を望んでおります。他の神の方は私が相手します、どうでしょうか?」
「くくくっ、面白い奴だな。いいだろう、その提案を受けよう。…………また会えるのを楽しみにしてるぞ」
本当は私が諏訪子をしごいていたんだけどね。
後、神奈子が最後に何か言った様な気がするけどまぁいいや。
「それよりも…………」
『なんだ?お前?もしかしてこの相手を前にして勝負になると思ってんのか?』
『わはははは、無理無理お前みたいな弱い神が勝負になんねぇよ』
「「「「ぎゃははははは」」」」
神様って色んなのがいるんだなー(棒)前にもこんな神様(笑)を相手にした様な気がする。
こんな神様は絶対に信仰したくないね。
神奈子の侵略に便乗しただけの神様かな?ハイエナの類かな?
まぁ、それより……
「いいから、まとめてかかって来て下さいよ。時間の無駄です」
私は極めて笑顔で言葉を放つ。諏訪子と神奈子の戦いを見たいしね。
「ああ、そうだな。じゃあ、さっさとくたばr…………がっ!?」
「「「!?」」」
一人突っ込んで来た神は見えない衝撃破で吹っ飛んだ。うん、数百メートルは飛んだかな。ただ単に物体に影響が出るほど音を圧縮して放っただけだけどね。
これで一名リタイヤ。
「私は言ったよ?まとめてかかって来てと………じゃないと………
お話になりませんよ?」
そう言う私の渾身のキメ顔。ちょっと恥ずかしい。
『くそっ!お前らぁ!いくぞぉおお』
「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」」
………計画通り。……今、私絶対に悪い顔してる。
まぁ、簡単にかかってくれた神様に感謝感謝。
『ぎゃあああ』
『お前!?何をしている!?』
『なっ………違っ………身体が……勝手に………』
『ぎぁやあああ』
『な、何がどうなっ………ぐはっ!』
私に襲いかかって来た神様は何者かに操られたかのように仲間割れを起こし始めた。
近くいた仲間を殴ったり蹴ったり、はたまた持っていた武器で攻撃したりと多くの神は仲間を仲間と思わない殺し合いの仲間割れを始めた。
そして一人対多数な筈なのに其処は戦場に変わった。
だが唯一の救いは神は仮に死んだとしても信仰があれば復活すること。
一応、死なない様にはしているけどね。
勿論その操った何者かは、言うまでもなく私である。
そんな状況下で私の事を気にかける物など居らず………
「どうしたんですか~。仲間割れはいけませんね~?」
「しまっ……」
ドゴぉ!
容赦の無い拳。
今度は敵のど真ん中で吹っ飛ばしたせいか周りを巻き込んで吹っ飛んで行く。
私も追撃をやめない。最初にちゃんと戦うと決めたから。
本当にちゃんと戦っているのかは不明。だって全部倒すのに時間かかると思うし。
私が自分の手で倒した相手は三分の一もいないんじゃないかな。
そして、私が無双している最中、膨大な神力が発せられそこから操られない神が三人……
「よくもやってくれたのう」
「本当、私たち以外皆操られてる」
「それもすぐ解けます。あの神を倒せば」
「貴方達は……
ラスボスの様な何かが来ちゃったよ……。強いぞーオーラがビンビン出てるね。
というか、天照さんと須佐之男さんが居るのは別におかしいとは思わないけど……月夜見さんって月に移住したんじゃなかったっけ?なんで居るの?
「ふん、下らん雑談なんかするつもりはない」
「さっさとこの術を解いてくれないかしら?私達一人一人は神奈子より相当強いわよ?それでも戦うと言うの?」
「ええ、是非。本気で一度は戦ってみたいですからね。手加減無しで」
「あら、残念。そんな事したら貴方は反応出来ずに終わってしまいますわ」
「本人が手加減無用と言ってるんだ要らないだろう」
「………そうですね。せめて痛みを感じさせずに殺りますか」
そう呟くと同時に月夜見は極太のレーザーを撃ってきた。
それに続き、天照は太陽と自分を重ねる様にして其処から火炎の様な物を放ってきた。
そして、須佐之男はそのレーザー等を掻い潜り私に近づき接近攻撃をしてきた。
須佐之男の近接攻撃を受けた私は後方に転がり追撃と言わんばかりに私の体にレーザー等が当たる。
反応する時間等は無かったと言っても言いぐらい。それはたったの一秒弱ので出来事。
その全ての攻撃を受けて私は立っていた場所から数十メートル程後ろに吹っ飛ぶ。
ずどおおおおおん!!
周りに凄まじい音が響く。
私は砂塵にうもれて周りが良く見えない。
「………呆気無かったな」
「能力に頼り過ぎね。身体がまるで子供ね」
「こんな神に手こずらされたのね、私達の軍は」
三人が警戒を解いた、その時……
「ん?なんだ。この頭に響く音は………」
「須佐之男!……っ!……私にも……何か………頭に………」
「須佐之男!天照!な、何が」
須佐之男と天照は地面に倒れ伏せる。
当然、そんな事を出来る人物はこの場で一人しか居ない。
「そうです。私です」
爆発した所から無傷の私が登場。
あの攻撃はとっても痛かったからね!今更になって避ければ良かったと思うよ!
霊力を限界まで薄めて高めた障壁を体に貼ってたけど衝撃は来るからね!
「あ、貴方、生きていたのですか?それに、いつそんな仕掛けをしたのですか?全く身に覚えがありませんが………?それに加え私達は貴方の能力に細心の警戒を張っていた……」
「ふふ、私が攻撃を受けた直後にですね、音を飛ばしただけですよ。大丈夫です、脳に音を飛ばして機関を麻痺させただけですから。あ、後遺症とか残らないでご安心を。………月夜見さんもそろそろ限界じゃないですか?」
「くっ…………」
限界が来たのか月夜見も地面に倒れる。
そして歴史在る神達は一人の神に倒された。
私は周りを見渡す。既に操られていた神や仲違いしていた神は全て倒れていた。
これで終わりかな。予想以上に簡単だったね。
まともにあの三人とその他大勢を相手にしたら絶対に無事じゃ済まないと思うからね!
あれぐらいはしないと時間もかかるしね!仕方ないよね!
それに強者の一番の弱点はやっぱり慢心と油断だね。
私はそうならない様に気を付けようっと。
………さてと、結構早く終わらせたつもりだけど向こうも終わっちゃったみたいだね。
残念ながら二人の戦いは見れなかったけどさてはて諏訪子は勝てたのか負けたのか、どっちだろ?
「……………降参」
「ふっ、中々強かったぞ洩矢の神よ」
あ、諏訪子が負けちゃったのか~。
見る限り善戦はしたみたいだけど駄目だったみたいだね
「やぁ二人共。殴り合って友情を深めた様な目をしちゃって、青春だね~」
「め、芽衣!?」
「ん?何故お前が此処にいるのだ?我が軍はどうした?」
「ちゃんと全員倒して来たけど?」
「「…………え?」」
あれ?聞こえなかったのかな?
「全滅したよ?」
「なっ………!月夜見とか須佐之男はどうしたっ!」
「倒したよ?」
「「」」
何故か神奈子と諏訪子は絶句している。
何でだろう?そこまで凄い事なのかな……。まぁ、新米神様だしね!私!
「あ、そうだ。私から神奈子に提案があるんだけど」
「て、提案?」
「八坂は洩矢に勝った。だけど信仰を奪うのは非常に難しいよ?」
「ど、どうしてだ?」
「それは、諏訪子が祟り神だからだよ。村人達は復讐で祟られるのを恐れて信仰は変えられない」
「じゃあ、どうしろと………」
「八坂と洩矢を合わせた新しい神様を信仰させれば良いんじゃないかな?そうすれば信仰を得られるでしょ?勿論、諏訪子もだけど」
「…………なるほど、それなら私も信仰を洩矢も信仰を………か」
まぁ、決めるのは勝者の神奈子だしこれ以上は口出ししないかな。
「……良し、その提案は賛成だ。文句は無いな諏訪子」
「文句は無いけどなんで名前で呼んだの?」
「これから、一緒に住むんだし気楽に行こうかなと」
「……じゃあ、神社の新しい名前は守矢でいいかな?」
「ああ、良いと思うぞ」
「決まり~」
諏訪大戦終了。
いや~めでたしめでたしかな?
あれ?そう言えば何か忘れてるような……。
天照達が放置プレイ中。
投稿遅れて申し訳ない。忙しくて出来ませんでした。
次回ももよろしくお願いします!