神に気に入られし人間   作:新城真宵

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前回のあらすじ「楽しい宴会でしたね……」

遅れて申し訳ありませんでした。今月で最後の投稿だと思います。
来月は一話ぐらいかな…。


文々。新聞

 

「芽衣さん!約束通りに新聞の配達と取材をしに来ましたよ!」

「………ありがと、でも今はまだ眠いんだけど…」

 

現在、朝の4時である。太陽もまだ出ていない時間だ。ちなみに今日は曇り。

でもキシと詩音は起きていた。

キシは文が神社に近づいた瞬間に目を覚まし、詩音は最初から起きていた。何故かは分からない。

今、キシは朝ご飯を作り、詩音は神社の掃除をしている。

 

「あややや、すいません。いても経っても居られずに……来ちゃいました♪」

「……まぁ、いいや。上がっていいよ」

「それでは失礼します!」

 

音妖神社の家の中は和風で統一されており、和室・寝室・調理場・実験部屋・儀式場などが一通り揃っている。普通の家と比べ物にならない程大きいのが特徴だ。

 

「しかし……博麗神社とは大違いですね、巫女は早起きだし掃除も行き届いている……素晴らしいですね!」

「いや……普通じゃない?」

「それを霊夢さんに言ってあげて下さいよ」

「あーそうだね………………今度、掃除しに行ってあげよ………」

「それでは、早速!取材の方、いいですか?」

 

文は使い慣れたメモ帳とペンを両手に構えている。

 

「まぁ、答えられる事なら」

「あ、取材と言っても簡単なものですから安心して下さい。ではまず、芽衣さんは能力などお持ちでしょうか?別に答えたくなければ無理しないで大丈夫ですよ」

「能力?あ、えーと………『真似する程度の能力』?」

「………具体的には?」

「何かを真似たり出来るよ、紫の能力とか、ほら」

 

そう言って、私はスキマを開ける。

 

「それはまた、凄い能力ですね……妖怪の賢者の能力を真似する事が出来るとは……知り合いで?」

「そうだね、古い知り合いだよ」

「へぇ~………あ!そう言えばこの前会ったのは数百年前ぐらいですよね!?人間辞めてるじゃないですか!」

「え?……そりゃ、別の能力を真似しているから……」

「便利ですね~例えば、いくつくらい真似出来るんですか?」

「………数十個?」

 

と言っても私本当の能力から考えると数百、或いは数千程度の能力を扱えるだろう。

だけど私はあまりそれを使わない。あくまで人間だから。

 

「それでは質問を変えますね、………実際、この神社にいる人で誰が一番強いんですか?」

「………キシか詩音かパウじゃない?皆、凄く強いよ」

「え?芽衣さんは?」

「私は敵わないよ」

「へぇ~、そんな便利な能力でも実践では使いにくいとかですか?」

「そうだね、扱いが難しいよ」

 

実際、この神社にいる一人が幻想郷、全てを敵に回したとしても圧勝する確率がとてつもなく高い。

強さで言うと、芽衣=星月>キシ>詩音=パウ>プリニー>幻想郷の方々、と言う風になる。

そして幾つもの質問をして次の質問に入ろうとしていた。

 

「それでは次に……」

「芽衣お姉ちゃぁあああああああん!!!」

 

文が次の質問をしようとした時、外から物凄い勢いで声をあげながら窓も障子も破り芽衣の腹に飛び込んで来た人物がいた。

 

「ごふっ……や、やぁ、フランちゃん……」

 

飛び込んできた人物はフランドール・スカーレットだ。

フランちゃんは目に涙を溜めて私にしがみついている。

 

「うぅ……芽衣お姉ちゃん……」

 

私はそんなフランをそっと抱きしめる。

 

「ごめんね、この前は」

「……怖かった……芽衣お姉ちゃんが変わっちゃったと思って……」

「私は私だよ、それはずっと変わらない。だから安心して」

「ぐすっ……うん!」

「……えーと……確かこちらの吸血鬼は……」

「フランだよ!」

「それは分かっているのですが……何故、芽衣さんをお姉ちゃんと?」

「?、お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ?」

「貴方にはレミリアさんと言う姉がいるではありませんか」

「アレはお姉様」

「……………芽衣さ~ん」

 

文は私に説明を求め悲願する。

 

「あー………それはただ呼んでるだけだよ」

「あ、そういう事だったんですね」

「ねぇねぇ、芽衣お姉ちゃん!弾幕ごっこやろうよ!」

「え?でも、取材が……」

「あ、構わないですよ?それに芽衣さんの強さがどれくらいか見てみたいですし」

「じゃあ、久々に体を動かしますか」

「やったー!」

 

 

 

 

 

少女準備中………

 

 

 

 

 

勝負の内容は先に二回被弾した方が負けでスペルカードは無制限。

少し神社から離れた場所で私とフランは勝負する。

 

「いやぁ、芽衣さんはどれくらい強いんでしょうね?わくわくしますよ」

「あんま期待しないでよ………」

「私から行くよ!『禁忌「クランベリートラップ」』」

 

フランは魔法陣を展開して縦横に移動しつつ私を狙って弾を発射してくる。

そして難易度はちりばめられた弾幕の数を見れば分かる通りLunatic……いやそれ以上。

うん、見ていて綺麗な弾幕だ。そしてスペルは終わる。

 

「あ、あれ?簡単に突破されちゃった」

「じゃあ、次は私だね。『言符「飽きない言葉」』」

 

私の周りに幾多の文字、言葉が浮かび上がり不規則にそして幾つかはフランに向かって飛んでいく。

ふふ、これは私の知っている言語が飛び交うスペル。その量はとても多い。

 

「私の知っている言語は千を超えるからね」

「やっぱりお姉ちゃんは物知りだな~……っとと、危ない」

「あ、そうだ。フランに教えとくよ、まだ展開している言葉は2割を切っていないよ?」

「ええ!?」

 

それに対して驚いたフランちゃんは弾幕に当たってしまう。

 

「こんなもんかな。スペル解除」

「え?」

「ほら、次はフランちゃんの番だよ?」

「あ、う、うん」

 

フランは何故スペルを止めたのか分からないまま自分のスペルを唱える。

 

「『禁忌「フォーオブアカインド」』!!」

「「「「手加減しないよ!」」」」

「全員でかかって来なよ」

 

私は軽く体を動かし挑発する。フランちゃんもそれに乗り全員で襲いかかる。

一人は直接私を攻撃しに行く。二人目は遠くから弾幕を三人目は遠くからレーザーを最後の一人は攻撃と弾幕を使い分けて攻撃する。

だが私は接近戦を挑んできた一人目の攻撃を避けて逆に二人目、三人目の放った弾幕を利用して一人目に当てる

それを見て遠くから弾幕を放っていた二人は私に突っ込んでくる。

その判断は甘い。

私は四人目を掴むと突っ込んできた二人に向けて投げる。四人目は突っ込んできた二人をラリアットする様な形で巻き込み三人とも落ちていく。

地面に落ちたフランちゃんは気絶して伸びていた。

 

「あらら、これは私の勝ちでいいのかな?」

「それで良いと思いますよ。それにしても凄い動きでしたね、人間じゃない動きをしていましたよ」

 

遠くから見ていた文は勝負が付いたと同時に凄い速さで戻ってきた。

 

「そんなに………?」

「ええ、これで良い記事が書けそうです」

「これで取材はいいの?」

「はい、朝早く明日に新聞持ってくるので読んでくださいね!それでは編集があるので!」

 

文は手をかざして瞬く間に空を飛んで帰っていく。

 

(流石、幻想郷一早いだけあるね。おっと気絶しているフランちゃんを運ばないと…というかもうお昼かな?)

 

曇りなのであまりわからないが少し空腹を感じる。

 

(お腹空いたなー、早く帰ってキシのご飯食べよう。そうしよう)

 

私はフランを背負って神社へと戻る。

 

(それにしても大きくなったな~フラン)

 

 

その時の芽衣がフランを見つめる眼はまるで母親の様だった。

 





~後日談~

「お嬢様、昼の食事の準備が終わりました」
「ありがと、キシ。この娘も一緒に食べるけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です」


食事準備中…


「「「「いっただっきまーす!」」」」
「美味しい!」
「そりゃ、キシのご飯だからね、不味いわけが無いよ。というか久しぶりに食べたな~ちゃんこ鍋」
「ええ、そうですね。今回は海の魚がメインとなっております」
「海?」
「フランは海の事知らなかったっけ?」
「うん……」
「海はね見渡す限りが全部水でとても大きい所なんだよ、其処にはいっぱい魚が泳いでるし」
「そんな所があるの!?……行ってみたいな~」
「いや…フランは……(太陽とか流水とか色々と…)」
「行けないの?」(上目遣い)
「………いや、行けるよ。うん。今度一緒に行こうね」
「うん!」



紫「勝手に外に出ていたのね…芽衣…行く時は私にも声をかけてくれればいいのに…」←覗き中

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活動報告で幻想郷縁起の様な物を出したいと思います。それでは。

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