前回のあらすじ『Ω<ナ、 ナンダッテー!ゆ゛る゛さ゛ん゛!』
芽衣が紅魔館の中に入る所からですね。注:芽衣がたまに口が悪くなっている所があります。
それと遅れて申し訳ありません。
私は美鈴に頼まれてフランちゃんを助ける事になった。
ついでにレミリアを教育する。私の本当の目的は別にあるけど。
「先にフランちゃんの様子でも見に行こうかな、心配だし。でも途中で咲夜さんが来るだろうな~」
私は前に来た時と同じ道を通り地下室に向かった。
空間を操られていて広くなっていたがそれを通る時、空間を戻していたので関係無かった。
幽閉しているなら、其処に閉じ込められている筈だから。
そして何事も無く地下室の扉の前まで来れた。
そう、何事も無く。
(……何で咲夜さんが来ないんだろう、私の侵入には気づいている筈なのに……まぁ、いいか)
扉には見て分かるぐらいの魔方陣が描かれていた。だがどれも描かれているだけだ。
(パチュリー…フランちゃんがいつでも一人で出れる様にしたんだ、てっきりレミリア側だと思ったよ。さり気ない優しさが目立つね。サンキューパッチェ)
「むきゅ?」
「どうしました?パチュリー様」
「今、誰かに何か言われた様な……気のせいね」
「そうですか」
そして芽衣は地下室の扉を開ける。何の障害も無い。
部屋の中には前とは違い人形の残骸や動物で在ったと思われる破片、床にまき散らされた血などは無かった。在るのは新品では無いが、傷一つ無い人形と其処に座っているフランちゃん自身だけだった。
(やっぱり、狂気は無い。なのに……)
芽衣は考えるのを止めてフランちゃんに近寄り声を掛ける。
「フランちゃん?大丈夫?」
フランちゃんは首を少し動かし小さく呟いた。
「私……いい子に…してたよ…」
フランちゃんはそう呟き、意識を失う。眠っただけの様だ。
「……フラン…」
その時、芽衣の中で何かが固まった。
「……レミリアの所に行こう」
私がレミリアの所に行く途中、一人の女性が現れた。
「待ちなさい!侵入者!」
其処には『時を操る程度の能力』を持っている十六夜咲夜だった。
だが見るからにボロボロだ。
だが私はそれを華麗にスルーする。
「待ちなさいと言っているでしょう!!」
咲夜ちゃんからナイフが投げられる。それは私の頬を掠める。
「何?」
「何?……ではないです。この館に何の用ですか?それとも門番に何か頼まれたのですか?倒しても何も言わないので」
私がフランちゃんの所に行く時に咲夜ちゃんが出なかったのは美鈴と戦っていたからなのか。
「……此処の主を教育しに」
「そうですか、貴方はただの侵入者ですね?」
「侵入者だね」
「なら……殺しても問題はありませんね」
そして咲夜ちゃんは『時』を止める。
「一瞬で串刺しです」
咲夜はナイフを芽衣の周りに数十数百と投げる。
「さよなら」
時を動かし、そのままナイフが私にささ……らない。
「……こんにちは」
「なっ……!」
私はナイフを躱し咲夜ちゃんの目の前に立つ。
「何故、反応出来たの!……えっ?う、動けないっ……馬鹿なっ!」」
「私が時を止めた」
某奇妙な冒険の様なセリフを吐いてポーズを取る。結構つらい。
そして私は咲夜ちゃんにデコピンをする。
「そして時は動き出す……やれやれだね」
咲夜ちゃんは壁に吸い込まれるように壁に激突して倒れる。
「う……」
「手加減はしたよ、怪我も直に治る。じゃ」
私は咲夜ちゃんを乗り越えレミリアの元に行く。
「よく来たな、人間。何の用だ?わざわざ食べられに来たのか?」
昔、エクスが座っていた場所にはレミリアが座っている。
エクスと比べれば威厳はミクロ程無い。
「いや、質問を答えて貰う為に来た」
「言ってみろ、なるべく答えてやるぞ。どうせ此処で死ぬのだからな」
「まず、一つ目。前の主はどうしたの?」
「……数百年前、病気で亡くなった」
「二つ目……何でフランを幽閉したの?」
レミリアの目が見開く。
「何故、お前が知っている?」
「答えて」
「……あいつは……フランは……狂っている!自身の父親を殺そうとしたんだぞ!フランは……!私の……!」
「それでフランは幽閉された」
「ええ、その時に、でも数年後にあいつは外に出てきてた!父様に聞いたら、もう暴れる心配は無いって!でも…そんなの信じられない!」
「……フランの話は聞いたの?」
「聞く訳無いじゃない!フランは狂ってるのよ」
……相当なトラウマになっているんだ。
でもそれは気づこうと思えば気づけた筈だ。
レミリアは現実から目を背けているだけだ。
「そろそろ、戦おうか。戦っている時に本当の事が解るよ、きっと」
「ふん、私もお前との会話に飽きて来た頃だ」
そして両者はそれぞれ、レミリアはグングニルを手に芽衣は退魔ノ剣を手に両者がぶつかり合う。
「それで本当の事ですって?何が本当なのか言ってみなさいよ!」
「じゃあ、言うけどフランは狂っていない」
「何を言っているの?フランは狂っている!」
剣と槍が擦れ合う。周りの壁などが悲鳴をあげている。
なので、さっきからぶつかり合う時、屋敷に大きな音が響いているだろう。
そのせいで、誰かが目を覚ましてしまうかも知れない。
「狂ってるのは貴方だよ、レミリア」
「!……私の名前を……私が狂っているってどういう事よ!」
「貴方は父親の言葉を信じなかった。あの時、もうフランは貴方と同じ普通の吸血鬼だった。なのに貴方はフランが狂気だと思い込んでいた、だから狂っている」
「違う」
「貴方は自分が主になったらフランを幽閉した!実の妹を!貴方の父親が生きていたら物凄く怒るでしょうね、そしてフランの実の姉に裏切られた気持ちも考えて見れば?きっと悲しみで心が潰れると思うけど」
「嘘よ..嘘嘘嘘嘘嘘嘘っ!!フランは狂っている!!!」
「現実を見ろ!レミリア!」
ガキンっ!
レミリアのグングニルが手から離れる。
「これで……終わりだよ……」
グシャ……
少し後味が悪いのは許して下さい。次回に全て?が分かると思うので。
感のいい人はもう気づいてるのではないでしょうか。
次回も遅れると思います。