前回のあらすじ『弾幕はパワーだぜ!』
今回は霊夢が異変を解決する前に起こった事です。
夏の始め……人里では紅い霧が徐々にではあるが蔓延していた。
キシに人里の皆をなるべく外に出さない様にして置いてと頼んだので今頃はプリニーが家から出ないと指示して体調が悪い者はプリニー医療班が頑張ってくれているだろう。
原作通りだとすれば霊夢達が異変の解決に行くのはもう数日先の話。
そして所変わって、私の神社。
「紫、其処にいるんでしょ?出て来て」
「何の用かしら?芽衣」
「紫の事だしこの異変の首謀者と繋がっているんでしょ?内容は貴方はスペルカードルールを広める為に首謀者は幻想郷の挨拶って所かな?」
「……貴方、心を読むより未来を読むの方が正しいんじゃないかしら?」
「そうかもしれないし、違うかもしれないよ」
「まぁ……いいわ。ええ、そうよ。私は首謀者と繋がっている、内容も殆ど合っているわ。後は霊夢が動けば完全に異変となるのよ、だから貴方は手出し無用でお願い出来ないかしら?」
「う~ん、そうだね。なら異変解決では無く挨拶だったら、どう?」
「それなら構わないわ。あまり騒がないでくれたら嬉しいわ」
「私の中での予想外の出来事が起こらなきゃ、何も起こらないよ」
そう言うと紫はスキマを閉じて消えてしまった。
「ま、フランが元気かどうか見に行くだけなんだけどね」
私は紅魔館のある場所へと移動を開始した。
~森の中~
「貴方は食べても良い人間?」
私は早速、ルーミアちゃんと遭遇していた。
「(多分物理的に)食べれない人間だよ」
「そーなのかー。でもお腹が減ったのだー」
「じゃあ、これでも食べる?」
芽衣が差し出したのは、キシ特製のお弁当。
「食べるのだー」
ムシャムシャ、ガツガツ………
ルーミアは夢中になり弁当を食べ始めた。仮にも数億年も料理をしてきた人の弁当だ、不味い訳が無い。
「美味いのだー」
「それは良かった、作った人にそう伝えとくよ」
「お前は良い人間なのだー」
「それは、どうも」
「それじゃあ、ばいばいなのだー」
ルーミアちゃんはそう言ってふよふよと飛んで行ってしまった。
~霧の湖~
私は森を抜けて湖に来た。
だがしかし、一向にあの氷精が来る気配が無い。
そう周りを見渡すと木の根元で体育座りをして座っている妖精が居る。耳を澄ますと泣いている様だ。見た感じチルノちゃんの様だ。
「どうしたの?こんな所で泣いて?」
「……ぐすっ…みんな、あたいをばかにするんだ……」
「庇ってくれる友達は居ないの?」
「……?」
「だから、それを言われたりした時に守ってくれる様な友達がいる?って事」
「……大ちゃんとかが…」
「それなら泣く事なんて無いよ、守ってくれる友達がいるならそれでいいじゃないか、それにだったら笑わないと!」
「……どうして?」
「その友達がした事が無意味になっちゃうからさ、ほら噂をすれば」
すると湖の方から一人の妖精がチルノちゃんに近づいて来た。
「チルノちゃん!何処行ってたの!?探したんだよ!」
「ご、ごめん。大ちゃん」
私はそれを見てその場から離れ様とする。
「ま、待って!」
「?」
「あ、あの……ありがとう……あたい、いつか友達を守れるような最強になる!」
「ふふふ、それは良い事だね。そうだ!………ならこれをあげるよ」
私は即席で作ったスペルカードをチルノちゃんに渡す。
ふふ、これは未来の強いチルノちゃんを自分と入れ替える事が出来る。
特製、10年後スペルカード。さっき思いついた。
「……し、しんふ?…アドバンスチルノ?…何これ?」
「それはね、本当に友達が危険な事になった時に使いなよ。まぁ、弾幕ごっこでも使って良いけどね。じゃ、また何処かで」
私は湖を飛んで紅い屋敷に飛んで行った。
「チルノちゃん、さっきの人は誰なの?」
「……あたいの師匠…かな?」
「そんなんだ…あ、そうだ!チルノちゃん、さっきのね_______」
「この屋敷に来るのも数百年ぶりだな~……相変わらず美鈴は寝てるけど」
「ZZZ……はっ!ね、寝てませんよ!」
「あ、起きた」
「あれ?貴方は……星羅さん?」
「そだね」
「あ、貴方に頼みたい事があるんです!!」
美鈴が顔を寄せてくる。普通の頼み事では無さそうだ。
「今、このお屋敷の主はレミリアお嬢様なんですが…その…」
「ん?」
「妹様を地下に幽閉させてるんです……」
「…………………………え?」
どういう事なの?フランは狂気も消えたし普通の吸血鬼として生活出来た筈なのに……。
「何かあったの?」
「はい、実は______と言う訳でして…」
ふむふむ、美鈴の言う事によると、私が居なくなって後、エクスが病で死んでレミリアが当主になりフランを幽閉したと、理由はあの子は狂ってると……でも狂気は消えているとレミリアに説明をしたが聞いて貰えない。原因は子供の頃、お父様(エクス)の腕をフランが吹っ飛ばしたのを目撃したからだと、その時からフランをずっと狂っていると思い込んでいる。フランの話も聞かない。
唯一の妹をそんな事で数百年も幽閉したのか。
だけど気持ちが理解出来なくもない。
確かに父親の腕を吹っ飛ばされる所を見たらトラウマ物だ。
「!?………星羅さん、どうか落ち着いて……」
「……大丈夫、私は落ち着いているよ」
少し怒りそうにもなったが直ぐにその気持ちは消えた。
怒りより悲しさが心を満たしたからだ。
あの時、フランだけじゃなくレミリアも精神分析していれば良かった…。
「……星羅さん。中では新しく紅魔館に入ったメイド長の咲夜さんがいます。彼女はレミリアお嬢様の命令なら何でも聞きます。とても強いですよ」
「……分かった」
主を正すのは周りの役目……でもキシなら私が間違った方向に進んだら正してくれるのだろうか…?今度聞いてみよう。
「妹様の事…頼みます……」
あ~あ、本当は様子を見に来るだけだったのにな~。
でもフランはこの数百年、何も悪い事なんてしていないのに幽閉……ね。
それは流石に悲しすぎる…何もしなかった私に怒りが芽生える。
私は紅魔館に強力な結界を貼り外に自分の力が漏れ出さない様にした。
さてと……本気の半分って所かな……やりますか……荒療治だけど。
今の私はスパルタだよ。
次回も遅いので気長に待っていて下さい。