神に気に入られし人間   作:新城真宵

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前回のあらすじ『フランちゃん、うふふ』

レミィが出なかったのは理由があります。
異変が起きる時に分かると思います。
だが、まだまだ先は長い……


プリズムリバー四姉妹

 

~妖怪の山 川~

 

河の近くで将棋をする二人の妖怪…

 

「最近、鬼を見かけなくなって来たね」

「何でも地底と言う所に移動したとか、なんとか」

「へぇ~、大変だね~」

「私は天狗の領域が増えて喜ばしい事ですけどね」

「……いいのかい?白狼天狗がそんな事を言って…」

「いいんですよ、鬼はもう居なくなるんですから。貴方達、河童も酒飲みにもう付き合わなくて内心ほっとしてるんじゃないんですか?」

「それはそうだけどさ……」

「!……少し仕事みたいですので行きますね」

「おや?侵入者かい?」

「どうやら、その様です」

 

一人の白狼天狗は何を感じたのかその侵入者の下に飛んで行った。

残された河童は将棋盤を見つめる。

 

「あれ?これ私の勝ちだったんじゃ……」

 

手は河童の番でもう詰みで終わりだった。

 

「運が良いじゃないか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「其処の侵入者!止まりなさい!此処からは天狗の領域です。それでも進むというならば、それ相応の対処をしなければなりませんよ!」

 

其処には一人の女性が立っていた。少し長い髪を一つ束ねて白色の髪をしている。服は見た事が無い。余所者だろうか?

 

「聞いているのですか!」

「ん?ああ、ごめん。聞いてなかった」

 

私はこの人間にとても腹が立った。私達、天狗を舐めている様な態度をしている。

 

「……天狗を愚弄しますか。人間」

「いや、そういうつもりじゃ」

「問答無用です。貴方は天狗を怒らしました」

 

私は持っていた法螺貝を吹いた。こうすればすぐに仲間が集まって来る。

そして数十秒で女性を囲むように普通の天狗と白狼天狗が集まった。

 

「何でこうなるかな~?」

 

!……まだ自分の立場が分かっていない様だな。

 

「捕まえろ!」

 

そう声を掛けると近くにいた白狼天狗三人が女性に刀で斬りかかる。

 

「っと!……危ない危ない」

 

な………!!ギリギリで躱した!?……いや、完全に見切って……紙一重でかわした。

こいつ…人間だと侮っていたが…強い!!

 

「聞きたい事があるだけなんだけどな~。まぁ、いいか」

 

そう言うと女性は一人の白狼天狗から刀を奪い刃とは逆の方を使い一人、また一人と倒して行く。

そして最後に私が残った。

 

ザっ…

 

「!……」

 

私は女性が近づいてきたので刀を構える。

まずい…今こいつとやり合っても勝てる気がしない…。

直ぐに応援を呼ばねば…。

 

「ああ、戦うつもりは無いよ。ただ聞きたい事があって。鬼はまだこの山にいる?」

 

その女性は私にそう質問する。

質問に答えればこの女性は立ち去ってくれるのだろうか…。

 

「……鬼は地底と言う場所に移住した今この山には残っていない」

「そう……ありがと。じゃあ、私はここ等で消えるとするよ。これ返すね」

 

女性はその事を聞くと私に刀を押し付けてさっさと山を下りて行った。

 

「何だったんだ、一体……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あ、鬼はもう地底にお引越しかぁ~」

 

私は一人山を下りながらそう呟いた。

殆ど、私の長旅の所為である。(約500年)

いや、でも歴史の分岐点や偉人に会えたし充実した旅だった。

 

「次は何処に行こうかな~」

 

すると、見慣れない洋館が目に入った。

 

「あれ?こんな洋館、前に在ったっけ?」

 

場所は妖怪の山のすぐ近くの場所だ。

 

「まぁ、とりあえず行ってみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中は思ったより綺麗だね、けど少し寒気がする……」

 

っと、やめよう。ブルーベリー色の巨人が襲ってくる。だが駆逐してやる!

 

「誰も居ないのかな?」

 

すると上の方で、

 

ガタッ!

 

「……え?まさか……無いない……とりあえず行ってみよう」

 

私は二階の音のする部屋に行った。そして扉を開けると其処に……

 

「あら、こんにちは。久しぶりに人を見た様な気がしますね」

「こ、こんにちは(良かった~ブルーベリーの巨人じゃなくて)」

「私の名前はレイラ・プリズムリバーと言います。貴方は?」

「私は星羅芽衣。旅人だよ」

「へぇ!旅人さんですか!それじゃあ、色々な所を旅されて来たんですか?」

「うん、まぁ」

「そうですか!ならお話をしてくれませんか。私は体が弱いのであまり外を歩けないので外の事は良く知らないんです」

「分かった、話してあげるよ」

「ありがとうございます!」

 

私は昔、人間が月に向かった事や輝夜姫の話をしたり紫とした戦争の話などもした。

当然だが世界を旅した事も話した。

レイラはそれを物珍しそうな顔で淡々と聞いていた。

そして話が終わる頃にはもう日が暮れていた。

 

「あら?もうこんな時間に、そろそろあの子達が帰って来る頃かしら」

「あの子達って……」

「ええ、私には姉が三人居るんですよ。幽霊ですけど」

「……へぇ~」

「あんまり驚かないんですねってそれもそうですよね……これより驚くお話を聞かせてもらいましたし………あ、噂をすれば」

「たっだいま~レイラ!」

 

勢い良く扉を開けてレイラの妹と思われる人物が入って来た。

 

「あれ?その人はどうしたの?レイラ」

「ああ、この人は芽衣さんって言うの、何でも旅人さんの様です」

「ふ~ん。あ、私はリリカ・プリズムリバー」

「私はメルラン・プリズムリバー」

「私がルナサ・プリズムリバー。よろしくお願いします」

「よろしくね、私は芽衣だよ」

 

軽く挨拶をすませばリリカ達からお腹の音が聞こえる。

もう夕食の時間なのでその日は、私が泊まって良いと言われたのでお礼に夕飯を作った。

想像以上に喜んでくれたので私としてもとても嬉しい。

そして夕食の後、レイラは自室に戻り芽衣は上の姉妹に呼ばれた……

 

「え?楽器の使い方を教えて欲しい?」

「うん、私達、三人でレイラに少しでも元気になって欲しいから音楽でも奏でようかな~なんて思ったの。芽衣さんなら使い方が分かるんじゃないかと思って」

「それで、教えて欲しい楽器はどれ?」

「あ、コレとコレとコレです。今日探していたんですよ」

「……弦楽器(ヴァイオリン)と管楽器(トランペット)と鍵盤楽器(キーボード)ね」

「分かる?」

「うん、大丈夫だよ。あ、唐突なんだけど能力って知ってる?」

「能力?それって芽衣さんが言っていた〇〇する程度の能力ですか?」

「そうそう。思い浮かべたら簡単に出るもんだよ」

「私は……手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力?」

「あ!私もそれ!」

「私もだよ」

「てことは、姉妹揃って皆、同じだって事だね。じゃあ演奏の仕方を教えようか」

「「「はーい」」」

 

 

 

 

 

そして数時間後……

 

「こんなもんかな」

「疲れた~」

「めっちゃ汗かいたよ……」

「以外に難しい……」

 

三人はそれぞれ練習で大まかだが使い方を私が教えた。

能力を初めて使った時は体力使うよね。私も初めはそうだったし。

それに才能があるからもう教える事がないんだよね。正直。

 

「じゃあ、私は帰るね」

「え?帰るの?泊まっていくんじゃ?」

「いやぁ…何か今外を歩けば友人に会えそうだし…勘だけど」

「また旅に出るの?」

「一日ぐらいいいじゃないか~」

「まぁ、私の家は案外、すぐ近くだからね。何か教えて欲しい事があったら来なよ。音妖神社って言う所にいるからさ、普段は」

「分かりました。夜道に気をつけて下さいね」

「ありがとね、レイラにも宜しく言って置いてね」

 

私はプリズムリバー邸を後にした。

 





短くてすいません。今回は少しネタが入っていましたね。
それとリリカ達の能力が原作と少し違うかもしれませんが(レイラの死後取得)些細なので許してください!もし不快に感じられたら申し訳ありません!
次回は遅くなると思います。

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