前回のあらすじ「神様降臨!」
今回は急展開?です。
朝、私はいつも通り、寝室から水場に行き髪を整えていた
其処にとある人物が声を掛けてきた。
「お嬢様、おはようございます。朝食の準備は既に出来ております」
「うん、おはよう。キシ。いつも朝早くから悪いね」
其処には長身で少し細い銀髪の男性が執事服の様な物を着て立っていた。
「いえ、お嬢様は私という存在を創って頂いたのですから当然の事です」
「そんな、大袈裟な……」
話からも予想出来る通りこの男性はキシ。大蜘蛛から人間の姿に変わっている。
何でも私の身の回りの手伝いをしたいらしい。理由は上の通り。
何故、急にそんな事になったか。それは私がキシの年齢を操っちゃったんだよね。
そしたら知恵をが付いて自立しました。まぁ、それも数年前の話だけど。
私としては色々な事が出来るし、頼もしい存在だね!
あ、そうそう。キシによると人間が急激に進歩しているって言ってたね。
一回私が何かしたのかと聞かれたけど私は能力開発であんまり森から出ていない。
なので考えられるとすれば原作キャラの永琳が居るんじゃないかな。
「だから今日は~」
と言いながら横目でキシを見る。
「どうされましたか?何か御用ですか?」
「YES!人間の所に行こう!」
「人間の所…………ですか。分かりました。準備をしますのでその間に朝食を」
「は~い」
キシは奥の部屋に行き何かを探している様だ。
その間に私はご飯を頂くけどね。
今日の朝食は……魚だね。うん、美味しい!
そして数十分。私がご飯を食べ終えた頃、キシが奥の部屋から戻ってきた。
「何を探してたの?」
「金ですね。それともしもの為の物です」
「それ、どうするの?」
金は換金でもするのかな?それにもしもの為の物とは…?
「金は普通に人間に売買出来るでしょう。もしもの為の物は一昨日、お嬢様が作った物です。金もお嬢様が作ったじゃないですか」
「そうだっけ?」
………ああ、この前私が「石を他の物質に錬金してやるー」って言って金にしたあれかな?
それと一昨日は………再生爆弾だよね。広範囲で大爆発して被害が大変な事になるけど5分で壊れた地面や木が再生するっていう画期的な爆弾。この前森で使ったら妖怪が逃げちゃったんだよね。
探してみたら森の手前まで逃げてた……。悪い事しちゃったな~。
仲が良いという訳でも無いけど今度ちゃんと謝ろう。
「まぁ、これはもしもの為…ですから」
「いらないと思うけどな~………あ、そういえば此処から人間達の所までどれ位掛かるの?一回も森から出た事無いから分かんないけど」
「飛んで往復一時間程度です」
「じゃ、早速行こう」
さらっと流したけど私とキシは普通に飛べる。能力は使っていない。
私は普通に浮けるかなと思ったら普通に浮いて飛べた。
キシは妖怪だからかな?普通に飛べるみたい。
「ですが街中にそのまま降りる訳には行きませんよ」
「わかってるよ~」
街中に降りたら絶対に面倒な事になるしね。
………というか今更だけど私の家って森の中だから外から見えないんだよね。
数回、この森に人が迷い込んで来た程度でもこの家は見つかんなかったみたいだし(キシ情報)
人間も来ないし妖怪も近寄って来ない。平和って言葉がピッタリの数年だった。
まぁ、それもキシが妖怪の時に此処が縄張りだったからだと思うけど。
約、三十分後。無事に人間の街に着いた。
勿論、入る手前の所で人に見つからない様に慎重に降りた。
大きな門の前には兵士の様な門番が数人立っていた。
その一人が私たちを見ると直ぐに声を掛けてきた。
「お前達、何者だ?」
……正直に答えようかな~と私が迷っているとキシが答えてくれた。
「私達は森に住んでいる狩人の様な者です。今日はこちらに食材を調達しに来たのです」
「ふむ………いいだろう。妖怪じゃあ無さそうだしな。通って良いぞ」
「ありがとうございます」
キシと私は軽くお辞儀をして中に入る。
「…………狩人ねぇ」
「間違ってはいないでしょう。実際、獣を狩る時だって有るのですから」
「まぁ、そうだね。じゃあ此処からは自由行動で、集合は此処で」
「分かりました。お嬢様、くれぐれもお気を付けて…」
「大丈夫、大丈夫」
そうして私とキシは別々に行動を始めた。
私は適当に街を歩き永琳に会えれば良いな~みたいな感じで探索していた。
まぁ、都合良く会える筈も無く集合場所に戻る。永琳は研究でもしていて忙しいのかな?
集合場所に行くとキシが多くの食料を持ち待っていた。
折角なので食事をして帰った。まぁ、食事と言っても今は二時過ぎだけど。
私とキシは大分、この街を探索してたのだろう。
「それじゃ、帰ろうか。キシ」
「はい、お嬢様」
___帰り道___
「それにしても、今日は疲れたね~」
「そうですね。まさか、あそこまで人間が多いとは思いもしませんでした」
「いやいや、そうじゃなくて」
「?」
周りの人達に多大な霊力やらを隠すのが疲れたんだよね、私はいつも出しっぱなしだし。
能力使えば良かった……というか私の霊力が多過ぎでしょ。
よくキシは妖力を隠すの疲れないよね~。
………そういえば、街中を見た感じまだ都市というより街だったんだよね。
て事は、まだ永琳は成人一歩手前ぐらいだって事だよね。
まだ、少しかかるかな。都市になるには。
私がそんな事を考えていると………
『きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!』
森の奥から微かに女性の悲鳴が聞こえた。
「女の人の声?」
「どうやら、そうみたいですね。ですがこれと言って珍しい物でもないでしょう。妖怪も少なからず居ますし、森に入れば人間は格好の餌食ですよ」
まぁ、だからといって悲鳴を聞いても助けに行かないなんて事は無い。
………でも、森に入る人なんて限られてくる。それに女性となれば尚おかしい。
「キシ、急いで助けに向かうよ」
「はい、お嬢様がそう仰るのなら」
なんなのよ!?此処には薬草を取りに来ただけなのに、どうしてこんな目に遭わなきゃならないのよ!?此処はまだ妖怪が居ない所だってのに……何でいつも奥の方にいる妖怪がこんな近くに…。
周りには腹を空かせたであろう妖怪が数十匹……囲まれた。逃げれる筈も無かった。
「だ、誰か……!……助けて………!」
こんな森の中に誰がいる訳もないのに必死に声を上げる。
此処で人生を終えるのかと思ったその時………
「大丈夫?怪我とかしてない?」
その時、空から誰かが降りてきた。
私は何故か安心感を感じそれと共に其処で気を失った。
「あれ?助けに来たら、気絶しちゃった……」
その子はまだ19程度の女の子だった。
というかこの子…永琳?かな……髪色こそ違えど顔が似ている。
それにしてもこんな所に女の子を一人で行かせるなんておかしいよね。
護衛も無しに……。
「お嬢様」
「あ、キシ。……………この子を襲っていた妖怪は?」
「人間達の所で買った食材を半分ほど渡したら帰って行きましたよ」
「そう。この子を一回、私の家に連れて行くよ。今日はもう遅いし」
現在は日も落ちかけていて暗くなろうとしていた。
「分かりました」
どうやってこの子に説明するかな……狩り人って言っても私飛んでる所見られたし……。
まぁ、何とかなるかな?
「………あなた達、誰?」
案の定、敵意剥き出しで睨まれました。デスヨネー。
「人に名前を聞く時は自分からとか言われなかった?」
「私は………八意永琳……一応科学者よ」
やっぱり永琳だった。
というかこの年齢で科学者って頭良すぎでしょ。まだ成人もしてないのに。
「私は星羅芽衣。………普通の人間だよ。ほらキシも」
「……私はキシ。お嬢様にお仕えする妖怪だ。これから食事を用意しなくてはいけないから失礼する」
「ちょ、キシ………」
そんなこと言ったら怪しまれるか敵と見なされるかもしれないでしょうよ。
「………私に何の……用……よ」
言い方は強気だけど声が震えてる。
そりゃあ、さっきまで死ぬかも知れない体験をしたら普通は誰だってこうなる。
それとも妖怪が怖いのかな?
「まぁ、取り敢えず。これでも飲んで落ち着いて。大丈夫、大丈夫。何もしないから」
私はそう言ってお茶を永琳に渡す。
「…………」
何かを警戒しているのか口をしない。デスヨネー(二回目)
……知らない人から何か貰っても普通は飲まないよね……。
「本当に何もしないから。……あー、したと言えばさっき妖怪から助けた事ぐらいだけど……」
「え?…………あ、そうだ。私、妖怪に襲われて……………って貴方!空から飛んで来なかった!?」
「…………能力を使ったんだよ。それと今日はもう遅いから明日に家に送るね」
「あ、ありがとう御座います。そ、それと助けてくれてありがとう御座います」
そう私に言うと頭を下げて永琳は渡されたお茶を飲み始めた。
……一応、信じてくれたみたいだね。良かった。というか普通に嬉しい。
「あ、そうだ。キシがそろそろご飯を作り終えると思うから一緒に食べよう」
「え?……あ、有り難く頂きます」
その日の夜は一緒に永琳とキシと私でご飯を食べた。
最初は少しキシの作ったご飯を疑っていた永琳だけど一口食べたら疑わずにどんどん食べ進んでいった。全部食べ終わった時に、
「………とっても美味しいです」
ってキシに言っていた。キシの誤解が解けたのなら嬉しいけど。
___翌朝___
「此処でいい?」
私は朝早くに街の少し手前の所に永琳を運んで飛んで来た。
途中、空なので妖怪に襲われる事も無かった。
「はい、大丈夫です。今回は本当にありがとう御座いました。いつでも私達の街に来て下さい。いつでも来れるように警備の人に私の知り合いって言えば通しておく様に言っておきます」
「ありがとう。それじゃあ、またね」
「ええ、それでは」
「ただいま~」
「お帰りなさいませ、お嬢様。朝ご飯が出来ていますので先にそちらに」
「ありがと。後キシ、これから妖怪が多分何かするから変化が現れたら報告宜しくね」
妖怪の巣は大きく分けて三つある。
まずは此処の森。キシが縄張りにしていた事もあって妖怪は少ないが多少はいる。
次は少し遠くにある山。何か鬼とか色々いるみたい。
最後にその山を超えた辺りにある森。此処はキシみたいなのが居ないから多く妖怪が住んでいる。
まぁ、全部キシに教えて貰ったんだけどね。
「?…何か………とは?」
まぁ、別にキシに言ってもいいよね。
「多分、戦争だよ。これから近い内に人間と妖怪の大戦争が起こる。まぁ、多分だけど」
「………了解しました」
キシはそう言うと早速、調べる為に出かけて行った。
恐らく、この森の妖怪達にでも手伝わせに行ったのだろう。
行動が早くて確実だからキシは頼りになる。
____数年後____
時は進んで数年後の昼。
「お嬢様、妖怪の方で動きがありました」
「妖怪が集まって何かをするとか?」
「……その通りでございます。数日後に人間の街を一斉に攻撃するそうです。向こうの山にいる鬼を筆頭に向こうの森の妖怪全員が参加の様です。此処の森の妖怪達は乗り気では無いようです」
「分かった、この数年間調べるのご苦労様。永琳に伝えに行くから留守はお願いね」
「仰せのままに」
さてと、永琳も多分知っていると思うけど一応伝えに行かないとね。
人と妖怪の戦争が始まるって事を……。
いつも通り、街………いや都市の手前で飛ぶのをやめて門の方へ向かう。
其処では前とは違く、張り詰めた空気が流れていた。
門番の人数も多くなっていて数回程度来ていただけの私は殆どの人の顔を知らない。
そして門に近づくと、声を掛けられた。
「誰だっ!貴様は!」
そう言って私に銃?の様な物を向けてくる。
今、この都市は私が知っている時代より数世紀先の技術を完成させている。
「私は永琳の知り合いだよ」
「!……失礼しました。今現在、警戒態勢で警備を行っておる所存ですので無礼をお許し下さい。それて知っておられると思いますが数日後にロケットが発射されます」
「ありがとね、それとお仕事頑張ってね」
「ありがとうございます。八意様の家はここから真っ直ぐ行った所にあります」
………この前見た時より永琳の家が大きくなってる。
というか全体的にまた文明が進歩してるね掃除ロボットとかいるし。
さてと、永琳でも呼んでみよう。
「えーいーりーんー」
暫くすると中から一人の女性が出てくる。
「………いったい誰よ、こんな忙しい時に」
「やぁ、永琳。久しぶり」
「星羅さん!」
「芽衣で良いよ」
「なら芽衣さんで」
三年振り位に会ったけど……大きくなったね………胸とか胸とか。
もう22歳ちょいだっけ?
「あ、それよりも、もうすぐ妖怪が一斉に攻めてくる事は知ってる?」
「………やっぱりですか」
「やっぱりって?」
「ここ最近、妖怪の攻撃が無くなったと知らせを受けていたんです。何か企んでいると思っていましたが……」
一応、伝えていと良かった。推測の判断と確実の判断は違うからね。
「そうだ芽衣さん。芽衣さんとあの執事はロケットに乗りますよね?」
「私は………この地球に残るよ。私が残るからキシも残ると思うけど」
「…………理由を聞かせてもらってもいいかしら?」
「理由は至極単純。月は
まぁ、実際。別に言っても良いんだけどね。暇な時に遊びにでも行こう。
「………あはは!面白い理由ですね。それじゃ芽衣さんに良い事教えてあげますね」
「え?何々?」
「私達が月に行くときに此処を消し去る為に核を打ち込むんです。妖怪に知識を与えない様にですね。ですが妖怪を全て死滅させようとする訳ではないのでこの都市を全て消し去る程度の核です。ですから森にいればまず被害を受けないと思いますよ。あ、でも核を打ち込んだ都市には近づかないで下さいね。体に毒ですから」
まぁ、要するに森にいれば安全だって事なのね。
でもこの大きな都市を消し去る程度って………本当に技術が進んでいるね。
「ありがとう、永琳!ロケットはいつ出発するの?」
「二日後よ」
「分かった、じゃあ二日後にまた来るよ!」
「え?」
私はそう言ってその場から飛んで帰った。
永琳が芽衣をさん付けしているのは助けて貰った恩と年上だろうという理由からです。