前回のあらすじ『芽衣さん、やり過ぎです(笑)』
あ、そうそう。まだレミィは子供です。当主ではありません。
今回は穏やか(意味深)になると思います。
そろそろ芽衣とかの絵でも描こうかな~とでも思ってるこの頃、まぁ絵なんて殆ど書いた事が無いんですがね。誰か書いてくれないかな~(ちらっ)。
私が扉を開けると其処には大きな窓と長テーブルがあった。
長テーブルの奥には見た目、少し老けている男性が座っていた。
いかにも待っていました感が出ているのでテーブルに座り質問をしてみる。
「貴方がこの屋敷の当主?」
「そうだ、私がこの館の当主、エクス・スカーレットだ。貴様は何だ?」
「私は星羅芽衣。ただの人間だよ」
「ふ…はーっはっはっは!家の門番と魔女と戦い無傷な人間とな?面白い!私の名はエクス・スカーレットだ!」
「いや…まぁ…その…ありがとうございます?」
「何故にお礼を言う?私は感想をそのまま言っただけだぞ?人間?」
スカーレット家、当主。
彼は彼女の実力をひしひしと感じていた。
それと同時に何をしても彼女には勝てないという事を本能で分かってしまっていた。
エクス・スカーレットは目の前にいる人間に決して怯えはしない。
何故なら彼は屋敷の主。自分が屈したら屋敷の者達に示しがたたない。
「さて、挨拶はここ等でいいだろう。単刀直入で聞く。何しに来た?吸血鬼退治か?」
「いや、貴方の所の門番が家の所の戦争に加担してくれたからそのお礼に…と」
「ふむ、あの戦争の首謀者か。それでお礼とはどんな事だ?」
「首謀者ではないんだけど……そうだね、今貴方が悩んでいる事を一つ解決してあげるよ」
まぁ、本当は願いでもいいんだけどね……なんて。
「……それなら、娘の教育を頼もうか。私は若いころから戦う事しかしてなくてな、教育とか全然、分からんのだよ。妻も死んでしまったし何も出来ぬのだ」
「それが貴方の悩み?」
「うむ、そうだっと、一つ言い忘れたことがあったな。娘は姉妹で姉の方は妻が少し教育を施してくれたので大丈夫だが妹を生んだと同時に死んでしまったのだ。そしてその妹に問題があるのだが……」
「問題……情緒不安定とかですか?」
「!……ああ、その通りだ。娘の能力も合わさりとても危険な状態なのだ。昔…娘を抱いたら腕を吹っ飛ばされてしまった。なので地下に閉じ込めておるのだよ。私は気にしないし大丈夫なのだが周りはそうもいかないのでな」
「そう、分かった。ついでに狂気も治しとくから数年間かかるよ、良い?」
「……狂気をついでと………ああ、是非よろしく頼む」
「じゃ、早速案内してくれる?」
「分かった、では付いて来てくれ」
そう言うとエクスは監禁している場所へと歩く。私もそれに続く。
そして数分後、地下の一室の前に着いた。
「此処だ、今は魔法陣がかかっていて入れないが今、魔法使いを呼んでいる」
「あ、それについてはご心配なく~」
私は部屋のドアノブに手を掛けて普通に開けて入った。
まぁ、少しビリっと来たけど。
「!!」
「それでは、また数年後……」
バタンッ
「どういう事だ?」
エクスは部屋に魔法陣がかかっているかどうか疑問に思い取ってに手を掛けた、次の瞬間。
バチィッ!
エクスは魔法陣によって侵入を拒まれてしまった。
手を見ると原型が見えない程に焼け爛れてしまっていた。
「……」
と、その時
「スカーレット、呼ばれたから来たわよ」
パチュリーが階段を下りてきた。
「ノーレッジか……悪いが用は無くなってしまった」
「どういう事?」
「先の人間?が部屋に入って行ったのだ」
「!?……どういう事なの?魔法陣は正常に稼働しているのに……」
「全く、謎だらけだな。あ奴は..」
~地下室~
其処には人形の残骸や動物で在ったと思われる破片、床にまき散らされた血。
見て分かる通り異常だった。
と其処に……
「お姉さん、だ~れ?私はフラン、フランドール・スカーレット」
「私は芽衣。人間だよ」
「人間?人間は飲み物でしか見た事が無いよ、騙したりしてる?」
「してないよ。普通の人間」
「そう、なら貴方が新しい玩具?」
そう言い、フランちゃんは両手を向けて何かを潰した。すると、
バンッ!
私の両腕が吹っ飛んだ。
とても痛い。凄く痛い。
「キャハハハ、この玩具も直ぐに壊れちゃう!」
「………これは思ったより重症かな」
そして私は早速この常人なら数分で死に至らしめるであろう狂気を収める為に能力を行使する。この狂気の感覚は似ている。あの西行妖に。
「………精神状態を確認。狂気の感情が溢れ危険域突破。常人の数千倍。これより狂気の感情を常人と同レベルまで時間をかけて治します。なおこれより使用者の体力を削り相手の精神を徐々に下げていきます。予想時間………63113851.9秒、1051897.53分、17531.6255時間、730.484398日、104.354914週間、24月、2年かかる事になります。今の体力で約540分の1減ります。宜しいでしょうか?_________了解。_______それでは開始します」
ふふ、この超精神分析(全てを操る程度の能力)で精神を治す!
すぐに正常に戻さず徐々に狂気を下げる事でフランちゃんの脳に後遺症を残さないから安心だ!
「どうしちゃったの?頭も壊れちゃった?」
「……さて、これから礼儀・マナー・作法・常識、全部を叩き込むから、しっかり付いて来てね」
「?……そんな体で何を……!?」
さっき吹っ飛ばされた私の腕の破片を分子レベルで元に戻す。
そうして私の体はどんどん元の姿に再構築されていく。
「さて、授業を始めようか」
「早く、壊れちゃえっ!」
そして私はフランちゃんからの攻撃を全て受けながらのフランちゃんの為の授業を開始した。
~数日後~
「~であるので、人との接し方は~」
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
グキッ!ベチャ!バアン!グチャ!ドカン!ボキッ...
フランちゃんはまだ私に対して攻撃を行う。
常人だったら見てるだけで失神するレベルであろう痛さを私は笑って受け流す。
ふふ、話を聞いてくれません。
~数か月後~
「~なので、人間と妖怪は~」
「……」
フランちゃんは遂に攻撃をしなくなった。意味がないと分かったのか、それとも効果が表れ始めたのか。
~一年と半年後~
「~という事なので人間と妖怪は私みたいな例外を除く」
「はい!質問!」
「はい、フランちゃん」
「何で芽衣さんは妖怪と仲が良いんですか?」
「うん、良い質問だ。それはね~」
フランちゃんも積極的に芽衣の授業に参加して質問もする様になった。
とても嬉しい…こんなに嬉しい事なんて(ry
~そして二年後~
「~以上で全ての過程を終了してフランちゃんを一人前の吸血鬼として卒業させます」
「ありがとう!芽衣お姉ちゃん!」
「さてと、少し報告する事があるから付いて来てくれる?」
「うん!」
こうしてフランちゃんは異常な程あった狂気は普通になり元の…いや本来のフランドール・スカーレットになった。
「ふむ、本当にあれほど有った狂気が消えているな。改めてお礼を言わせて貰おう。本当にありがとう」
「いえいえ、これでフランちゃんは一人前の吸血鬼として過ごせますよ。もう隔離する必要はありません。安心して下さい」
「そうか、なら自由に屋敷を歩いてもいいぞ。フラン」
「!……ありがとうございます。お父様!」
「そうそう、お前に姉がいるんだ。後で紹介しよう」
「え!私に本当のお姉ちゃんが?」
そういえば、フランちゃんは姉……レミリアと会った事は無かったみたいだね。一度も話題に出て来なかったし。
「じゃ、私はこれで帰るよ。何か困った事があれば幻想郷に、幻想郷は(紫曰く)全てを受け入れるからね。フランちゃんにも一通り話したけどね」
「え?芽衣お姉ちゃん行っちゃうの?」
「うん、でも生きていればいつか会えるよ」
「本当に?」
「本当に」
「絶対に?」
「絶対に」
「本当の本当の本当の本当の本当の本当に?」
「本当の本当の本当の本当の本当の本当に」
「こら、フラン。あまり彼女を困らせるな」
「う~………約束だよ!」
「うん、約束」
私はそう別れを告げフランちゃんと指切りをして屋敷を後にした。
「最後まで不思議な奴だったな」
「あ!芽衣お姉ちゃんの事を奴とか言ったら駄目なの!」
ポカポカポカ
「む……わ、悪かった」
「分かったなら、許してあげる!」
「家に帰る前に色々と世界を調べようかな!500年ぐらい世界を見て回ろう」
まだ私の旅は続く……
次回、「幻想郷で一波乱の予感?」
次回もお楽しみに!