人妖狩り 幻想郷逸脱審問官録   作:レア・ラスベガス

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こんばんは、レア・ラスベガスです。
最近色々あって人生について考える時間が増えています、本当にこのままでいいのか、この生活が本当に自分の望んでいた生活なのか、このまま大人になっても後悔しないか、人生は一度きりしかない、その言葉が今自分を帰路にたたせている様なそんな気がします。
それでは第十九録更新です。


第十九録 月明かり覆う黒い翼 九

火炎玉の爆発で飛んできた火の粉を浴びた逸脱者だったが流石に火の粉程度では大した外傷を与えることは出来ない。

「ちいっ!・・・・・この手も駄目か、ならば!」

どうやら逸脱者は逸脱審問官の戦いに備えて作戦を幾つもたてていたようだ。

逸脱者は蝙蝠の群れを一旦下がらせるともう一度単体で逸脱審問官との戦いに挑む。

逸脱者は速度を上げながら急降下を始め結月達と守護妖獣に接近する。

構える結月達と守護妖獣、逸脱者はどんどん距離を詰めていく。

そして伸ばしていた足を地面に向けて爪を大きく開いた。

「来るよ!結月」

その言葉と共に結月と明王は右側に鈴音と月見ちゃんは左側に避ける。

その直後低空飛行の逸脱者が結月達のいた場所を通り抜け地面に勢いよく着陸する。

さっきと同じように地面に爪をたて勢いを落とし停止する逸脱者。

素早く跳躍し体を捻る様に反転し結月達の方を向いた逸脱者、振り返った逸脱者の目に飛び込んできたのは自分に向かって走ってくる二匹の守護妖獣の姿だった。

「ガオゥ!」

月見ちゃんのまるで猛獣の様な咆哮と共に明王と月見ちゃんは逸脱者に向かって飛びついた。

しかし逸脱者も素早く後ろへ跳躍し明王と月見ちゃんの攻撃をかわした。

「五月蝿い畜生め!目障りだぞ!」

左翼を大きく振り上げて明王と月見ちゃんに向けて振り下ろす。

地面が比較的離れている結月達にも感じられるほどの縦揺れと土煙が舞い上がる。

しかし振り下ろされた左手に肝心の明王と月見ちゃんの姿はない。

明王は逸脱者の攻撃を後ろに向かって跳躍する事で攻撃をかわし逸脱者に対して今にも飛び掛かりそうな様子で唸り声をあげていた。

「もう一匹は何処だ?」

逸脱者は何となく目の前にいる明王がこちらに注意を逸らしているようにも見えた。

飛び掛かるなら既に飛びかかっているはずだからだ。

「むっ!そこだな!」

逸脱者は右翼で右側面を薙ぎ払った。

果たして月見ちゃんは逸脱者の右側から回り込むように走っていた。

逸脱者の鋭利で鋭い五本の爪が月見ちゃんの後ろに迫る。

ブオン!

しかし月見ちゃんは後ろに迫った右手を守護妖獣ならではの高い跳躍力でギリギリかわし地面に着地すると逸脱者の後ろへ回り込んだ。

逸脱者は明王と月見ちゃんに前後を挟み込まれるような形となり不利な状況になった。

先に動いたのは明王、不規則な動きで動きを読まれないように動きつつ逸脱者に接近してきた。

しかし逸脱者は左翼で正面を大きく薙ぎ払った。

接近していた明王も一旦後ろに後退し攻撃を避ける。

逸脱者が明王に気を取られている間に月見ちゃんも動き出し無防備の逸脱者の背中を狙う。

しかしそれは逸脱者の予定の内だった。

逸脱者に飛び掛かる月見ちゃん、しかしその瞬間、月見ちゃんの生存本能が警報を鳴らした。

その直後、まとまった数の防御触針が背中から飛び出した。

しかし月見ちゃんは背中についた翼を広げると大きく羽ばたかせた、防御触診は月見ちゃんの下を通り抜け月見ちゃんは逸脱者との距離をとる様に着地する。

(さて、逸脱審問官の方は・・・・)

逸脱者は逸脱審問官の方を見る、鈴音も結月も逸脱者から距離を置くように走っているのが見えた。

どうやら逸脱者が守護妖獣に気を取られている間に距離を稼ごうとしているらしい。

(やはり安全な距離から射撃を行うとするか・・・・・・だがそれが命取りとなる)

逸脱者は逸脱審問官が自分から距離を置こうとする事は分かっていた。

むしろそれは逸脱者の狙い通りだった。

逸脱者はその場で大きく口を開けると耳をつんざく様な咆哮を響かせた、明王と月見ちゃんがその音に怯んでいる内に逸脱者は翼を広げ空に羽ばたいた。

(まずはあの男から仕留める!)

逸脱者は結月の方に向かって飛び始める。

速度はどんどん加速し逸脱者を追いかける守護妖獣でも追いつけなくなっていく。

「・・・・・っ!」

逸脱者が自分に向かって飛んできている事を理解した結月は全力疾走をする。

しかし守護妖獣でも追いつけないような速度で飛ぶ逸脱者を前に物凄い勢いで距離を詰められていく。

逸脱者と結月の距離が五mまで縮まった時、逸脱者の目が完全に結月の背中を捉える。

逸脱者は昨日自分が殺した猟師と同じ事をしようとしていたのだ。

「まずは貴様からだ!」

逸脱者がさらに結月との距離を詰めて足を構えたその瞬間だった。

突然逸脱者の視界が狙いを定める結月の方から飛んできた何かによって遮られる。

逸脱者の視界を遮ったもの、それは逸脱審問官の上着だった。

「なっ!」

上衣を脱いだ結月はその場で姿勢を低くし転がり込んだ。

逸脱者は突然視界を奪われ何が起きたのか分からずとにかく目の前にいるであろう結月を狙って足の爪を振り回すが結月の頭上を掠める程度でそのまま結月を通り過ぎ何とか視界を遮る上着を取ろうと暴れていた。

逸脱者が視界を奪われている間に結月は無防備な背中に向けてスナイドル銃を向ける。

既に薬室に金属薬莢を詰めてあるため撃鉄を起こし引鉄を引いた。

銃声と共に放たれた銃弾は逸脱者の右肩に撃ち込まれる。

命中と同時に血が噴き出したかと思うとその数秒後もう一発逸脱者の左肩に銃弾が撃ち込まれる。

撃ったのは逸脱者から百五十m以上も離れた所にいる鈴音だった。

流石狙撃手を任されている智子に勝るとも劣らない射撃技術で逸脱者を的確に撃ち抜いて見せた。

二発の銃弾を左右の肩に立て続けに撃ち込まれ逸脱者は地面に倒れる。

この瞬間を待っていましたかのように明王と月見ちゃんが結月を追い抜き地面に這いずる逸脱者に向かって飛び掛かる。

明王と月見ちゃんは逸脱者の背中にしがみつくと鋭く並んだ牙で先ほど明王が引っ掻いた部分に噛み付き肉を剥ぎ取り腹に収めていく。

しばらくは明王と月見ちゃんの攻撃に悶えていた逸脱者だったが顔以外の全身に生えた毛が全て引っ込む。

危機を察知した明王と月見ちゃんが背中から離れた瞬間、逸脱者の体は防御触針に覆われ何だかその姿は蝙蝠の翼が生えた栗のようにも見えた。

明王と月見ちゃんが離れた所で逸脱者は起き上がると頭を振って上着を取った。

背中は明王と月見ちゃんの攻撃で血塗れで逸脱者の口からは息が上がる。

「くそ・・・・・こうなったらあの技を使うしかない」

逸脱者にとってこの技はどうやらあまり使いたくない技のようだ。

逸脱者は体を捻じらせその場で大きく回転する逸脱者の妖術なのか逸脱者の周囲に旋風が起きて逸脱者を狙う結月達の視界を遮った、その旋風の中から逸脱者が現れると激しく翼を羽ばたかせ螺旋状を描きながら一気にスナイドル銃の射程範囲外まで飛行し高度を上げる。

先程の蝙蝠の円陣の時とは比べ物にならないほど高度を上げていく。

「大丈夫?結月」

不審な動きをする逸脱者を見上げていた結月のもとへ鈴音が駆け寄ってきた。

「ああ・・・・・大丈夫だ、だが逸脱者は何か仕掛けてくるつもりだぞ」

鈴音も夜空を見上げ姿がどんどん小さくなっていく逸脱者を見つめる。

「気を付けて結月、相手は人間離れした身体能力と妖力を持つ存在だから何を仕掛けて来てもおかしくないよ」

逸脱者は例外を除いて同じ姿形の逸脱者はいない、だから一体どんな攻撃を仕掛けてくるかその逸脱者の特性と技量によって変わるため予測は難しかった。

「それにしてもあの逸脱者・・・・・恐らくは蝙蝠を素体として使って人妖へと変わったのだと思うが・・・・その割には蝙蝠の特性を生かせてないな」

結月は蝙蝠にそれ程詳しくはないがそれでも逸脱者からは人間の面影残る一面が見られた。

「確か蝙蝠は視力があまり良くない代わりに超音波を出して跳ね返ってくる音で状況を把握する事が出来ると聞いた事があるが何だか逸脱者は目も人並みに見通しが効いて視覚を重視しているようにも感じる」

逸脱者と戦っている最中、薄々そう感じていたのだが先程の上着を投げその上着が逸脱者の顔を覆った時、逸脱者が自分を完全に見失ったかのような様子を見て確信に変わった。

勿論、上着によって超音波が使えなかった可能性もある、だが超音波が使えなくても人妖なのだから気で相手の場所を探ったりする事も出来たはずだ。

「元々人間だから目もある程度は見えるのかもしれないね、後人間は自分で見た事はあまり疑わない傾向があるのよ、だから超音波よりも慣れ親しんだ視覚を優先してしまうのかもしれないね」

まさか咲夜が紅い悪魔に対して鈴音と同じ事を言っているとは鈴音が知る由もない。

「人間の癖が抜けきれないか・・・・・何のために逸脱者になったのだろうな」

逸脱者になっても人間の頃に慣れ親しんだ能力を優先してしまうとは何とも滑稽である。

最も強大な力が欲しい、脅威から逃れたい、もっと長生きしたいなど逸脱者になる理由は世俗的な考えが多いため人間の癖を引きずってしまうのも当然と言えば当然だった。

とにかく考えによっては戦いを有利に進める事が出来そうな要素でもあった。

「人間であった頃の癖を見抜けばそこから好機を引き出す事が出来るかもしれないな」

そんな事を考えていると逸脱者に大きな動きがあった、高度を上げていた逸脱者が一転して今度は翼を畳み垂直に急降下していく。

落下速度は急速に上がっていきさらに翼を畳んだ事により空気抵抗がなくなり地上に近づくにつれどんどん加速していく。

(一体何を・・・・・)

結月は物凄い速度で落下する逸脱者の姿を見て嫌な予感が込み上げてくるのを感じた。

逸脱者と地面との距離が三十mくらいに達した時、逸脱者は畳んでいた翼を広げ空気抵抗で体を水平にするように持ち上げようとしていた。

「っ!結月早く逸脱者の進路上から退避しないと!」

逸脱者が何をしようとしているのか理解した結月と鈴音はスナイドル銃を背中に担ぐと急いで守護妖獣の体にしがみついた。

その間にも逸脱者は地面すれすれで体を水平にさせ超低空飛行で風を切り裂き土煙と野草を巻き上げながら結月達に向かって物凄い速度で飛んできた。

明王と月見ちゃんは逸脱者の進路上から離れるよう走り出す、明王と月見ちゃんの毛に必死にしがみつく鈴音と結月は振り落とされないよう手に力を込める、もし振り落とされようものなら逸脱者の周囲で発生する乱気流に巻き込まれ体中がズタズタにされて死ぬか空高く飛ばされて落下死のどちらかである。

そうでなくとも逸脱者の突進に巻き込まれるか巻き込まれないかの瀬戸際だった。

逸脱者が高速で迫る中、明王も月見ちゃんを命懸けで走った。

次の瞬間、凄まじい風の音と大地を揺らす程の衝撃が轟轟と響いた。

明王と月見ちゃんはギリギリで逸脱者の突進を避けていた。

間一髪だった、あと少し判断が遅れていたら逸脱者の突進に巻き込まれていた所だろう。

何とか逸脱者の突進をかわした後、明王と月見ちゃんはゆっくりと減速し止まった。

「結月!大丈夫だった?」

月見ちゃんにしがみつくのが必死で結月の事まで気が回らなかった鈴音が明王のいた方を見る。

「何とか・・・・・・流石地上での運動能力は妖怪の中でも指折りと言われているだけの事はあるな」

結月のその言葉に明王は息をあげながらも誇らしげな顔をする。

結月は逸脱者が通っただろう進路の方を見る、そこには雑草が生えてない一直線に窪んだ荒れ地が伸びており逸脱者の突進の際に発生した気流の威力を物語っていた。

「だがこれから一体どうする?どうやら逸脱者のあの突進攻撃はかなり強力な技のようだがあまりの速度が出ているため逸脱者も進路変更は出来ないらしい、だが攻撃しようにも逸脱者の周囲に発生している乱気流でネイビーリボルバーの弾丸はおろかスナイドル銃の銃弾さえも気流に流されて逸脱者には当たらないだろう」

先程は初見だっただけに逸脱者がどんな攻撃を仕掛けてくるか分からず判断が遅れて後もう少しで巻き込まれそうだったがどういった攻撃なのかは経験したので逸脱者がまた突進攻撃を仕掛けて来ても今度避ける事はそう難しい事ではないだろう。

だがあの突進攻撃を仕掛けてくる限りこちらも迂闊に近づく事は出来ないし拳銃やスナイドル銃などの銃系統は風の抵抗を受けやすく逸脱者の突進攻撃の際に発生する乱気流の影響をもろに受けてしまい恐らく当たらないと思われた。

一方で逸脱者は物凄い速度のまま急上昇していき再び突進攻撃を仕掛けようとしている。

つまり突進攻撃を仕掛けてくる限りこちらは一方的に攻撃を受け続ける訳になるのだが結月の話に対して鈴音は既に対抗策を練っていた。

「私に任せて結月、さっきは逸脱者がどんな技を仕掛けてくるか分からなかったけどどんな攻撃が分かった以上、対策は既に考えてあるわ、これでも私は結月よりも多くの逸脱者と戦ってきたんだからね」

自慢げにそう語る鈴音の言葉には二年間人間離れした能力を持つ逸脱者との戦いに生き残ってきた先輩としての説得力あった。

「頼りにしている鈴音先輩」

結月の言葉にニィと笑みを見せた鈴音。

そうしている間にも急上昇していた逸脱者が急降下を開始する。

「月見ちゃん!いつもの技をお願い!」

しかし鈴音に焦らず月見ちゃんに使い慣れた妖力攻撃を指示する。

月見ちゃんは逸脱者の落下地点に向けて目を見開いて爪を地面に立て体を固定し翼を広げると口を大きく開ける。

大きく見開いた目は光っており十分な妖力が溜まっている事を示していた。

月見ちゃんの口の前に小さな旋風が現れ周囲の空気を巻き込み幾重もの風が吹き荒れる球体を作りだす。

結月は月見ちゃんが使おうとしている技は自分が初めて逸脱者と戦った時に使った『風圧弾』である事を理解した。

(だが例え風圧弾でも逸脱者に命中するだろうか?)

逸脱者の周囲には強い気流が発生しており風圧弾でも気流を流されて逸脱者に当たらないのではないかと結月は思った、だがそれは鈴音もその可能性がある事は百も承知のはずだ。

吹き荒れる風の球体は初めて逸脱者と戦った時よりももう一回り大きな球体になっており風の吹き荒れる音もあの時よりも大きく聞こえた。

「もういいよ!月見ちゃん」

鈴音の指示で月見ちゃんが口を閉じると吹き荒れる風の球体は圧縮していく、吹き荒れる風の球体は圧縮するにつれ月見ちゃんは歯を食いしばる。

どうやら月見ちゃんは吹き荒れる風の球体をさらに圧縮しようと力んでいるようにも見えた。

そんな努力もあってあの時も一回り大きな吹き荒れる風の球体はあの時よりも小さく圧縮された風圧弾へと姿を変えた。

急降下していた逸脱者も再び翼を広げて体を水平にすると土煙と雑草を巻き上げながら結月達に向かって飛んでくる。

しかしそれでも鈴音は逸脱者の進路上から逃げようとしなかったし結月もまた逃げようとしなかった、それは鈴音の言葉を先輩である鈴音を信頼しているからだ。

「必殺!風圧弾」

月見ちゃんは大きな口を開け周囲の雑草が激しく揺れる様な咆哮を上げると風圧弾が逸脱者に向かって放たれる。

「さっ早く逸脱者の進路上から逃げるよ!」

そう言って鈴音は月見ちゃん背中に跨る。

こんなにゆっくりしていていいのかと思いつつも結月も明王の背中に跨ると急いで逸脱者の進路上から逃げるように走る。

物凄い速度で突進する逸脱者と逸脱者に向かって飛んでいく風圧弾は距離を一瞬で縮めた。

「今よ!月見ちゃん」

逸脱者の目の前まで迫った風圧弾が解き放たれ圧縮されていた風が狂風となって吹き荒れた。

「なるほどその手があったか」

結月は鈴音の思惑を理解し驚嘆した。

一回り大きな吹き荒れる風の球体をいつも以上に圧縮した事で風の密度が高くなりその圧縮状態から解き放たれた風の力は想像を絶するものだろう。

幾ら気流で守られているとしてもそんな狂風を受けたらどうなるか大体の予想は着いた。

鈴音の読み通り強い狂風を受けた逸脱者は体の体勢を大きく崩すと右翼が地面に接触したのをきっかけに空気抵抗に呑まれる様に体は回転し逸脱者は勢いそのまま地面に激突した。

乱気流が周囲に発生する程の勢いだっただけに逸脱者は中々止まらず何度も地面に転げ回った。

地面に接触しても中々勢いは止まらず結月達の横を逸脱者は地面に叩きつけられながら通り過ぎていく。

ようやく勢いが弱まり停止する頃には逸脱者は完全に気に失っているのか、それとももう死んだのかは定かではないがぐったりと仰向けに倒れピクリとも動かなかった。

「予想以上に上手くいったわね」

流石の鈴音もここまで上手くいくとは思ってなかったようだ。

「逸脱者に動きはない・・・・・だが死んでいるとは限らないな」

もしかしたら逸脱者は単純に気を失っているかもしれないし死んだ振りをしてこちらの油断を狙っているかもしれない、仮に死んでいるとしてもちゃんと死んでいる事を確認しなければ断罪したとはいえない。

「そうだね、念のため確認しに行くよ、結月」

鈴音の言葉に頷いた結月は明王に発破をかけ仰向けになって動かない逸脱者に向かって鈴音が乗る月見ちゃんと共に走り始めた。

逸脱者に接近するにつれ結月は逸脱者の体が僅かに動いている事に気づいた。

「どうやら逸脱者はまだ生きているようだな」

あれ程の攻撃を受けその上地面に何度も体を打ち付けたのにまだ息がある事に結月は逸脱者の生命力に驚かされる、流石は人妖と言った所だろうか。

「止めを刺しに行くよ、結月、逸脱者が起き上がらない内にもう空を飛べないよう月見ちゃんと明王に逸脱者の翼の皮膜を破いておこう」

幾ら生きていて戦う力が残っていたとしても飛行能力を失えば逸脱者の戦闘能力は大きく低下するだろう。

そうと決まれば結月と鈴音は相棒である明王と月見ちゃんに指示を出す。

結月と鈴音の命令で疾走していた明王と月見ちゃんは減速し始め降りても大丈夫な速度に入った所で結月と鈴音は守護妖獣の背中から飛び降りた。

結月達が背中から降りた途端明王と月見ちゃんは再び速度を上げ逸脱者に接近する。

結月達が降りる事により負荷がなくなり明王と月見ちゃんはより早く逸脱者の元へ駆けつける事が出来るからだ。

結月達は明王と月見ちゃんが皮膜を破った後飛行能力を失った逸脱者に止めを刺すだけだ。

「これで終わりだな」

逸脱者の間近に迫った明王と月見ちゃんが逸脱者に飛び掛かろうとした。

その時だった、結月が何かおぞましい程の気配を察知し右側の上空を見上げた。

「!!」

結月が見上げた夜空、そこには夜空を全て覆い隠してしまう程の数えきれない蝙蝠が飛び回っておりそのおぞましい数の蝙蝠が結月や鈴音、明王や月見ちゃんにも襲い掛かった。

「きゃっ!なっ何よこれ!?」

鈴音も大量の蝙蝠に襲われ困惑していた。

「鈴音!くっ・・・・・離れろ!」

鈴音を助けようと結月は前に進もうとするが視界を埋め尽くすような数の蝙蝠がそれを妨害する。

小刀を抜いて振り払おうとするも幾ら切ってもキリがなかった。

「グルルッ!ガウッ!ガッガウ!」

明王や月見ちゃんもまた数えきれない程の蝙蝠に襲われ振り払おうとするも全くの徒労だった。

数えきれない程の蝙蝠はまるで自分達を逸脱者の元へ近づけさせまいと必死に妨害しているようにも見えた。

「くっ!このままでは・・・・・!」

蝙蝠は噛み付いて来たり爪でしがみついたり視界を遮ったりして前に行かせる事を拒んでいた。

蝙蝠の牙や爪程度では対人妖装着甲冑で防ぐことが出来たがそれでもしがみつかれる分だけ体は重くなり進まなくなる。

結月と鈴音それに明王と月見ちゃんが無数の蝙蝠にてこずっている間に逸脱者は気を取り戻しヨロヨロと体を起こした。

「ぐっ・・・・・お前達・・・・・ようやく来たようだな・・・・・遅いぞ、あまりにも遅すぎる」

逸脱者は奥の手である突進攻撃を仕掛ける時点で強い超音波を出して幻想郷にいる自分が従えさせた蝙蝠を全てここに召集させていた。

これは本当に最終手段だった、何故ならここに蝙蝠が集結すれば自分がここにいる事を今戦っている逸脱審問官の仲間に知られる危険があったし騒ぎが大きくなればもう一人警戒すべき存在、博麗の巫女に感づかれてしまう可能性があったからだ。

逸脱者も逸脱審問官と博麗の巫女、二つの存在を同時に相手するのは難しいと分かっていた。

だから最終手段は使いたくなかったのだがもう既に最終手段を使わないといけない状況下に陥っていた。

逸脱者の体は先程の地面の激突を含め全身傷だらけで血がポタポタと体から滴り落ちていた。

「血・・・・・血があ・・・・」

逸脱者は自分の体から滴り落ちる血を見てそう呟いた。

逸脱者の視線が自分の目の前で数えきれない程の蝙蝠に襲われる守護妖獣に向けられる。

「貴様の血を寄越せええっ!」

逸脱者の咆哮と共に結月と鈴音それに明王と月見ちゃんを襲っていた蝙蝠が一斉に夜空に退避する。

「!・・・・・はっ!」

視界を遮っていた蝙蝠がいなくった結月と鈴音が最初に見たのは月見ちゃんに向かって飛びかかる逸脱者の姿たった。

「月見ちゃ・・・・」

自分が標的にされている事を理解する月見ちゃんだったが既に時は遅かった。

飛び掛かった逸脱者は大きな口を開け月見ちゃんに噛み付いて持ち上げた。

「ガアッ・・・・」

月見ちゃんは首元に鋭く伸びた二本の牙が食い込み口から血が零れる。

逃れようとするも上顎に生えた二本生えた牙は月見ちゃんに深く刺さっており血が溢れ出ていた。

「月見ちゃんっ!」

鈴音は背負っていた既に薬室に金属薬莢を詰めたスナイドル銃の手に取り撃鉄を起こし逸脱者に構えた。

月見ちゃんは鈴音の方を見ると犬の様に吠える、結月にはそれが撃つなではなくむしろ例え自分に当たったとしても撃てと言っているかのように聞こえた。

月見ちゃんの目はそう言っているかのような眼差しだった。

「・・・・・・・っ!」

しかしその時鈴音に異変が起こる。

「どうしたんだ?鈴音、早く撃て!」

鈴音が一向にスナイドル銃の引鉄を引かないのである。

鈴音の射撃の腕ならこの距離なら逸脱者の頭を撃ち抜く事くらい出来るはずなのだ。

それに守護妖獣は例え誤って撃たれたとしても死ぬ事はない、新陳代謝が大幅に低下し肉体を維持できなくなれば肉体としての死はあるだろう、しかし人工とはいえ守護妖獣は立派な妖怪、例え肉体を失っても魂は残り、時間をかければ再び肉体を作りだし蘇る事が出来る、守護妖獣にとっての死は双血の刻印によって繋がれた主である逸脱審問官の死だけだ。

もちろん死なないからって平気で撃っていいという訳ではないが場合によっては逸脱者の断罪のため守護妖獣の肉体を犠牲する事も致し方なかった。

しかも今回は月見ちゃんが自分の事は気にせず撃てと言っているかのような顔で吠えているのだ、今の逸脱者の状態を考えれば銃弾一発でも体にかなり堪えるであろう。

しかし鈴音は何か躊躇っている様な様子だった。

「一体どうしたんだ!鈴音っ!早く撃たないと・・・・」

しかし何かがおかしい不審に思った結月が鈴音の元に駆け寄る。

(!?・・・・・震えている)

鈴音の銃を持つ手が小刻みに震えているのだ、銃というものは僅かなズレでも途端に命中しなくなるものだ、結月が見る限り今の鈴音では撃てそうになかった。

結月はすぐにスナイドル銃を逸脱者に向ける。

既に薬室に金属薬莢を詰めているので撃鉄を起こし狙いを定め引鉄を引く。

(俺に鈴音程の射撃技術はない、だが当てなければ月見ちゃんが危ない、頼む、当たってくれ)

祈る様に放たれた銃弾、逸脱者との距離はかなり離れておりここからの射撃は初めてだった。

銃弾は山なりを描きながら逸脱者の方に向かって飛んでいく。

狙いは勿論逸脱者の頭部の額だったが、急いで狙って撃ったため銃弾は若干狙いより逸れる。

バシュッ!銃弾は逸脱者の右耳を貫いた。

「あぎゃ・・・・・」

撃ち抜かれた右耳は跡形もなく吹き飛びその痛みで口から月見ちゃんが零れる。

ドサリと音をたてて地面に倒れる月見ちゃん。

(っ!外したか、月見ちゃんは・・・・・・)

結月は逸脱者の口から落ちた月見ちゃんを見る、月見ちゃんは地面にぐったりと倒れたままである、首に二本の鋭い牙が刺さり大量の血液が失われた事を考えれば無理もない。

すぐに明王が駆け寄り月見ちゃんを安全な所へ避難させようと首元を甘噛みし一生懸命引きずる。

「明王を援護しなければ・・・・」

逸脱者は月見ちゃんを運んでいる明王を狙う可能性があるので援護しようと遊底を開き薬室に金属薬莢を詰める結月、しかし一方の逸脱者は明王の事など見向きもせずフラフラとしていた。

「うえええあああ・・・・・・」

逸脱者は頬を膨らましたかと思うと口を開け嘔吐した、口からは大量の血が地面に吐き出される。

「?どうしたんだ・・・・」

一件不可解に見える逸脱者の行為、何故飲んだ血を吐き出しているのだろうか?しかしその理由はすぐに分かった。

「はあ・・・・・はあ・・・・・やはり獣の血ではだめか」

どうやら獣の血は逸脱者の体に合わないようだった、逸脱者が人間を執拗に狙っていたのは逸脱者の発言から察するに人間の血だけしか体に合わないのが理由のようだ。

とにかく逸脱者が嘔吐している間に明王も月見ちゃんを安全な場所に運べるだろう。

「・・・・・・おい!鈴音、大丈夫か?」

結月は鈴音の事を思い出して声をかける。

「・・・・・・私は・・・・・私は」

鈴音は俯き視線は定まらず、その言葉だけを繰り返し呟いていた。

明らかに何かに怯え動揺していた。

「しっかりしろ、鈴音!」

その言葉にハッとし結月の方を見る鈴音、その顔は今にも泣きだしそうな弱弱しいものだった。

「・・・・・・結月?」

戸惑いや動揺が感じられる視線を結月に向けながらそう呟いた。

結月は直感で今目の前にいる鈴音はいつもの鈴音ではない事を理解した。

「・・・・・・何かあったのか?」

その言葉に激しく首を横に振る鈴音。

「ご、ごめん、こんな時に限って緊張で手が震えちゃって撃てなかった、代わりに月見ちゃんを助けてくれてありがとね、結月」

嘘、鈴音が明らかに嘘を着いたと結月は思った、決してあの様子は緊張とかではない、何か嫌な事を思い出していたような様子だった。

(待てよ、確か前にもこんな顔をした時が・・・・)

それが何なのか思い出す前に逸脱者に大きな動きがあった。

「このままでは・・・・・・許さぬぞ逸脱審問官共・・・・・貴様らの血一定残らず搾り取ってくれる」

逸脱者はその場で翼を広げ羽ばたくと空を飛ぼうとする。

結月が撃鉄を起こし引鉄を引こうとするがそこへ再び複数の蝙蝠が襲い掛かり結月を妨害する。

結月は振り払おうとするが蝙蝠も必死で妨害する、しかし今度はすぐに妨害をやめ上空へと戻っていく、しかしその時には逸脱者は宙を浮き数えきれない程の蝙蝠が蠢く空に紛れていた。

「くっ・・・・・」

逸脱者は恐らく人間の血を求める、つまり自分達を狙うだろうから逃げる事はしないだろう、だが逸脱者の姿を完全に見失った以上、逸脱者は数えきれない程の蝙蝠を利用して姿を隠し奇襲を仕掛けてくるだろう。

(蝙蝠の隙間から逸脱者の姿を見つけ撃ち込むか、何とか逸脱者の奇襲攻撃を避けた後、銃弾を的確に撃ち込まなければ)

今の所方法はそれしかなかった、だが一つ不安もあった。

「鈴音、逸脱者は蝙蝠に紛れて姿を隠している、無数の蝙蝠に隠れる逸脱者を探し出し撃ち込め、後逸脱者は恐らく奇襲攻撃を仕掛けてくるかもしれない、常に空に気を配り奇襲攻撃を仕掛けて来たら回避行動をとってすかさず銃弾を叩き込むぞ」

それはいつもとは様子が違う鈴音だった、何か考え事をしているのか、浮かない顔だった。

「わ・・・・・わかった」

いつもと比べ頼りない返事をした後、スナイドル銃を無数の蝙蝠が飛ぶ夜空に向ける。

一抹の不安を覚えつつも結月もスナイドル銃を夜空に向けた。

無数の蝙蝠が飛び交う夜空、その蝙蝠と蝙蝠の隙間から逸脱者の姿を探すのは至難の業だった。

結月は集中に徹し目を動かして逸脱者の姿を探す。

(弾は無駄撃ち出来んな)

スナイドル銃は単発銃である、銃弾を撃てば空薬莢を排出し新たな金属薬莢を詰めなければならない。

その間に逸脱者から奇襲される可能性もあった。

その上銃弾も有限だ、持って来た銃弾は腰に取り付けた胴乱に入っている分と使い切った時用の逸脱審問官の正装の収納袋に入った銃弾だけだ、銃弾を失った時、小銃は無用の長物となり攻撃手段や戦術も失われるだろう。

結月は必死に無数の蝙蝠の現れては消え消えては現れる僅かな隙間から逸脱者の姿を探した。

その時、結月の目は僅かな蝙蝠と蝙蝠の隙間から何か大きく蠢く影が見えた。

銃声、僅かに大きく蠢く影に向けて銃弾が放たれた。

 

「うおっ!・・・・・・馬鹿な」

結月が撃った銃弾は逸脱者の体を僅かに掠り皮膜を撃ち抜く。

自分の姿が見えてないと思っていた逸脱者にとって自分の姿を目視してきた逸脱審問官に動揺していた。

そんな同様の中で再び銃声が響く。

身構える逸脱者だったが、銃弾は幾ら経っても飛んでこない。

その後も銃声は聞こえるが銃弾は飛んでこない。

「なんだ・・・・・・・さっきのは偶然だったのか?」

しかし油断していた逸脱者に元に銃弾が今度は頭を掠め撃つ。

「っ!・・・・・違う、逸脱審問官は二人いた、一人が正確な射撃を行い、もう一人は我を捉えきれていないだけだ」

逸脱者は先程的外れの銃声が聞こえた方に向かい蝙蝠と蝙蝠の隙間から覗く。

そこには怯えた表情でこちらに向かって銃口を向ける女性の逸脱審問官の姿があった。

「明らかに動揺しているな・・・・・・流石にこの蝙蝠の数に竦み上がったか」

鈴音は決して蝙蝠の数に動揺している訳ではないのでこれは逸脱者の見当違いだったが、どういう理由であれ逸脱者にとって逸脱審問官が動揺しているのは好都合だった。

「あいつの血を・・・・・・飲み干すとするか」

逸脱者の口から鋭く長い二本の牙が見えた。

 

やはりいつもの鈴音じゃない、結月は横目で鈴音の姿を見ながらそう思った。

鈴音は何か焦っている様に銃弾を撃ち排莢し装填しては空に銃口を向けひたすら撃っていた。

しかし結月には鈴音は逸脱者との戦いに集中しきれておらずとにかく銃を撃っているように見えた。

実際鈴音も空を見上げ蝙蝠と蝙蝠の隙間から逸脱者の姿を探してはいるが集中しきれておらず逸脱者の姿を捉えきらないまま必死に銃弾を撃っていた。

(集中・・・・・戦いに集中しないと)

鈴音も必死に戦いに集中しようとしていたがあの出来事が脳裏によぎり鈴音から冷静さを奪っていった。

「おい、本当に大丈夫か?鈴音、しっかりと逸脱者の姿を捉えているか?」

結月は鈴音にそう声をかけるも鈴音から返事は帰って来ずただひたすら空に向けて何かに怯えた表情で銃を撃っていた。

(確かあの顔・・・・・・前に何処かで)

その時、結月はあんな顔をする鈴音を以前何度か見た様な気がした。

(確かあの時は・・・・・・・っ!)

記憶を辿る内、結月は気づいた。

「そうか・・・・・そう言う事だったのか」

結月の頭の中で散らばっていた記憶の断片が組み合わされ答えとなる。

その答えに辿り着いた時、今の鈴音の状態では逸脱者と戦う事が出来ない事と理解した。

その時だった、鈴音の銃口を向ける先、飛び回っていた蝙蝠が突如何かから避けるように四散していく。

それを見た瞬間、結月は鈴音の危機を察知し走り出した。

「・・・・・あ」

鈴音が銃を構える空、飛び交っていた無数の蝙蝠が四散しぽっかりと空いた穴から逸脱者が自分に向かって飛んできていた。

本来の彼女なら既に危険を察知し回避行動をとっていたが冷静さを失っている今の鈴音は迫りくる逸脱者に対してただ茫然と立ち尽くしてしまった。

逸脱者の鋭く鋭利な爪が鈴音に迫った。

その時、鈴音の横から何かが飛び込んだかと思うと逸脱者の視界から鈴音が消える。

その直後、逸脱者の両足の爪が鈴音のいた場所の地面を突き刺さった。

「うう・・・・・後少しという所で」

逸脱者は恨めしそうにそう言うと空へと戻っていく、逸脱者に正面から逸脱審問官と戦う力はもう残されてないからだ。

「いてて・・・・・・・えっ?」

鈴音は横から何かが飛び込んで来てそのまま地面に倒された鈴音、地面に体を強打し痛みで我に返った鈴音が目を開けると間近に迫った結月の顔があった。

「ゆ、結月?」




第十九録読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?最近偉人の名言を通して哲学のついて書いてあるサイトを見つけて読んでいるのですが見れば見る程自分の人生について色々考えてしまいます。
環境破壊による気象変動、差別や紛争などの無益な争い、使う道具以外は昔から何も変わらない人間、人生とは何か、生死とは何か、今は大丈夫でも未来はどうなっているのか・・・・・色々考えこんでしまいます。
こんなに悩むのであればこの哲学サイトを見つけなければ苦しむ事はなかったとも考えてしまいますが、一方で目を逸らし続けても結局は壁に立ちはだかるため今のうちに気づけて良かったと思う気持ちの方が大きいです。
偉人の様な有意義な人生を送りたいと思う一方で誰しも偉人のようにはなれないというのが現実、誰しも偉人の様も自分が見出した目標に命を使い切れるような人生を送れたのなら恐らく大半の偉人は一般人として埋もれていた事でしょう。
もし自分が見出した目標に命を使い切れる様な人間だったら社会形成なんて出来なかったかもしれません。
だとすればどうすればいいか、それに気づいて考えるようになっただけでも大きいと思います。
限られた一度きりの人生を有意義に送るというのはもしかしたら心を圧迫する事かもしれません、実際私もどうしたらいいのか悩んでいました。
本当にゲームで遊んでいる暇があるのだろうか?この小説を書く前にやるべき事があるのではないか?
そんな風に考えた時もありましたが色々考えた末、この先の未来や環境に配慮しつつも自分の好きな様に生きたら良い、誰しも偉人になれないのなら無理して偉人の様な人生を送らなくてもよいと思うようになりました。
この先自分がどれだけ生きられるか分からない、けれども残された時間は決して短くないはずです、かつかつになるより余裕を持つ事も大事な事だと考えています。
一生懸命生きて精一杯人生を楽しむ、国内も海外も気象も変わるけど一喜一憂せず精一杯生きる、誰かに意思に流される事なく誰かの意思に従うとしても自分の意志で選択し人生を送れたらそれで良いと思います。
そうすれば偉人になれなくても子孫を残せなくても波乱万丈でもきっと幸せな人生だったと思えると私は考えております。
それではまた金曜日に。

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