「行くぞ!速攻!」
「オッケー!」
男性が突っ込んでくる。この数のゴブリンに圧倒された様子は無い、そこだけは褒めるべき…?いや、ただの無謀ですね。
「二分、Aは陣形"攻撃"!Bは"迎撃"!そして鼓舞!」
連携スキルの分隊です。自分の仲間に二〜四つに分かれることを伝えるスキルです。
プレイヤー相手だと。
ここ大事です。プレイヤー相手だと伝えるだけで後はプレイヤーの判断に任せないといけませんが、僕の場合、伝える相手はアンデッド、僕の仲間しもべであり、僕の命令は絶対。
二分ったら二分!!綺麗に半分!!楽で嬉しい。
こんなだから連携ってマイナースキルなんだよね。
「くっ…そっちに行ったぞ!」
「わわ!任せて!」
「そうだ!こっちは気にするな!」
「ああ!わかっ「ダークボール!」へぶっ!」
ヘッドショット成功、余所見するから…。
「あんたっ!よくもシュウの顔に当てたわね!」
「ひ……!だ、て……。」
そう言うゲームだし!(頭に当てるとかの意味では無い)
[流石は藍選手!今回もヘッドショットが冴え渡る!]
[確かにこのゲームでの魔法は使用者の思うように飛んでいく仕様ですが………ここまでヘッドショットが決まると凄いを通り越してなんだこれ、てなりますね]
えーと、今日のお昼はピーマンの肉詰めにして貰おう。後アボカドのサラダとかでも良い。
「余所見を、するな!」
「はあ!くっ!ただのゴブリンじゃない!」
「「「グガァァァァ!!」」」
「えっと、少しづつ包囲。」
「少しづつで良い!数を減らすんだ!このゴブリンの数も無限じゃ無いはずだ!」
「分かった!」
それも良い手段ではあります、けどそれはこのゾンビを直ぐに倒せるようになってからです。正しい攻略法は僕を落としに来ることです。
「後ろ!大丈夫か!?」
「多分…大丈夫じゃ無いかも!!」
「……無理。」
すでに魔法使いの片割れは落としたらしいですね。ナイスです。
ダークボールを撃ちながらそんな事を考える、因みに今度はヘッドショットをして無い。武器を狙ってます。だって顔狙うと怒られるし。それならさっさと武器を壊すか落とすかして袋叩きます。
格闘スキル無いと無手の時の威力に補正が掛からないのです。(wiki調べ)
「メイ!下がるぞ!」
「うん!!」
下がりますか?なら追い打ちしますね。
「ダークボール。」
「キャア!」
「メイ!?」
ダークボールを背中に受けてメイさんとか言う女性がこける、そこにゾンビさんが棍棒でこめかみを強打した。もちろんクリティカルで即死。自分の教育の賜物だけどやっぱりちょっと辞めさせた方がいいかな……?
男性…シュウさんだっけ、がこちらを向いて睨んでくる。僕シーラナイ。
「助けに来た!」
「は、早くぅぅ!死んじゃうぅぅ!」
「…まじヤバイ……!」
うん、まあ予想の範囲内だよね。
「A陣形"迎撃"!B"攻撃"!」
「何ぃ!?」
「ちょ!!」
「…オワタ」
そこからはまあ、一方的だったよね。騒がしい弓使い、魔法使いの片割れ、シュウさんの順に落ちた。
[まさに圧勝!圧倒的な戦力に他のプレイヤーは対抗できるのでしょうか!!]
[これはちょっと無理じゃ無いですか?]
その時の歓声は今日一番の大きさだった。野太い声が若干……ほとんどだった。