まさかのイベント強制参加を告げられたのが昨日。
そして、さっきまで北の森でレベル上げしていました。
レベルが二十になりました!
新しくジョブを選べます!
一度街に戻ってゆっくり選ぼうと思います。
***
街に戻って来ました。帰りに沢山モンスターが出たけど、七割はゾンビ化させました。
今は、街の広場みたいな所のベンチに座って、ジョブを選んでます。どんなジョブにしようか……悩みます。
そうだ、姉さんに聞いてみよう!姉さんにフレンドコールしてみました。
[藍君!呼んだ!?あ、今戦闘中だけど気にしないで!所詮は雑魚だから!]
[誰がざぐぇ]
「えっと…?良いの?」
[うん!良いの良いの!で、どうしたの?]
「レベルが二十になったんだけど…良いジョブ無い?」
[ん~そうだね~。藍君のプレイスタイルならサモナーとかテイマーとか、モンスター使うジョブが良いんじゃない?ただでさえ癖の強いネクロマンサー使ってんだし。おっと、もうそっち方面に一直線したら?今のゾンビなん匹居るの?そーい!]
「えっと…許容量が200で、所持数が74だよ?」
[あれー?β時代のネクロマンサーでもそんなに多く持ってなかったよ!?遠くの死体回収が大変で腐るのが早いって聞いたんだけど?]
「壁の子に持って来させれば良いし。」
[あー、成程!でもね~アンデッド系のモンスターだけだとこの先厳しいよ?基本的に光属性の魔法に弱いから!]
「うん、分かった!ありがとう、姉さん。」
よし、じゃあとりあえずテイマー、調教士って名前のジョブを取ります。
そうだ、ついでに料理も取って、これでよし。
「よし、取った。狩りに行こう。」
[あ、藍君!?取ったってどっち!?]
「?調教士だけど?」
[そっちは…不遇職なんだよね…。]
「……え?」
[えっと…モンスターを仕舞うのに宝石が要るし、テイムの確率も低いし、強ければ強い程良い宝石が要るしで………ぶっちゃけコストが凄いんだよね……自分で掘るにしても専用のスキルが要るしで…藍君?]
「………ぅぇ……」
[へ]
「泣いて…無いから!!!……ぐす」
[待っててね!?今すぐ行くから!どけぇ!貴様達!一旦切るよ!]
「ぅぅぅ……ぐす……うん……」
うぅぅ…まさか不遇職だなんて…転職は出来ないからもうどうにもならないし……。というか、何で宝石なんか使うの…?何でコストかけちゃうの?なんかもうやだ…。
「……どうしたの?弟君?」
ビクッ
「え!あ……え?」
「弟君、そんなに泣かないでさ、ゲームなんだし楽しくしようか?」
えっと……誰だっけ?何か見たこと…あるような、無いような?
「覚えていないかもだけどね、少し前に狩りに誘って断られたんだけど…。」
「え、……えっと、すみませんでした……ぐす。」
「いやいや、気にしないで良いよ、それで?弟君、どうしたの?そんなに泣いて…。」
「ぐす……ごめんなさい……えっと……何で、弟君…?」
「死神…赤火の弟君でしょ?名前知らないから、名前は?僕はギルギルだよ。」
「あ、藍です。藍色の藍。」
「うん、藍、どうしたの?」
「ジョブを……調教士、取っちゃって……姉さんが…不遇職なんだよねって…」
「アハハ!何言ってるのさ!」
「だって、ジョブの枠、一つ無駄にしちゃった…から」
「そんなこと無いよ。不遇なんてレッテルは所詮、使い難いってだけさ!育てればきっと化けるよ!」
「……そう、でしょうか?」
「ああ、勿論!あ、敬語じゃなくて良いよ?ゲームなんだし。」
「はあ……。」
「そうだ、フレンド登録しようか。」
「あ、はい、お願いします……?」
「……はい、ありがとね!いやはや、赤火が大慌てで君を探して元気づけろって言うから、何事かと思ったよ。」
「姉さんと知り合い、ですか…?」
「うん、β時代はよくPvPしたもんだよ。闘技大会では賭けも有ったね。」
「あ、貴方は、一体…?」
「ん~?そうだねぇ…βテストランキング一位の、しがないプレイヤー、かな?一位ってのは密かに自慢なんだ。」
わお……大物ですか……?