Free Choice Online   作:猫の子

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1st 1-9 孫子曰く、そのジョブ不遇である

 

 まさかのイベント強制参加を告げられたのが昨日。

 そして、さっきまで北の森でレベル上げしていました。

 

 レベルが二十になりました!

 新しくジョブを選べます!

 

 一度街に戻ってゆっくり選ぼうと思います。

 

   ***

 

 街に戻って来ました。帰りに沢山モンスターが出たけど、七割はゾンビ化させました。

 今は、街の広場みたいな所のベンチに座って、ジョブを選んでます。どんなジョブにしようか……悩みます。

 そうだ、姉さんに聞いてみよう!姉さんにフレンドコールしてみました。

 

[藍君!呼んだ!?あ、今戦闘中だけど気にしないで!所詮は雑魚だから!]

[誰がざぐぇ]

「えっと…?良いの?」

[うん!良いの良いの!で、どうしたの?]

「レベルが二十になったんだけど…良いジョブ無い?」

[ん~そうだね~。藍君のプレイスタイルならサモナーとかテイマーとか、モンスター使うジョブが良いんじゃない?ただでさえ癖の強いネクロマンサー使ってんだし。おっと、もうそっち方面に一直線したら?今のゾンビなん匹居るの?そーい!]

「えっと…許容量が200で、所持数が74だよ?」

[あれー?β時代のネクロマンサーでもそんなに多く持ってなかったよ!?遠くの死体回収が大変で腐るのが早いって聞いたんだけど?]

「壁の子に持って来させれば良いし。」

[あー、成程!でもね~アンデッド系のモンスターだけだとこの先厳しいよ?基本的に光属性の魔法に弱いから!]

「うん、分かった!ありがとう、姉さん。」

 

 よし、じゃあとりあえずテイマー、調教士って名前のジョブを取ります。

 そうだ、ついでに料理も取って、これでよし。

 

「よし、取った。狩りに行こう。」

[あ、藍君!?取ったってどっち!?]

「?調教士だけど?」

[そっちは…不遇職なんだよね…。]

「……え?」

[えっと…モンスターを仕舞うのに宝石が要るし、テイムの確率も低いし、強ければ強い程良い宝石が要るしで………ぶっちゃけコストが凄いんだよね……自分で掘るにしても専用のスキルが要るしで…藍君?]

「………ぅぇ……」

[へ]

「泣いて…無いから!!!……ぐす」

[待っててね!?今すぐ行くから!どけぇ!貴様達!一旦切るよ!]

「ぅぅぅ……ぐす……うん……」

 

 うぅぅ…まさか不遇職だなんて…転職は出来ないからもうどうにもならないし……。というか、何で宝石なんか使うの…?何でコストかけちゃうの?なんかもうやだ…。

 

「……どうしたの?弟君?」

 

 ビクッ

 

「え!あ……え?」

「弟君、そんなに泣かないでさ、ゲームなんだし楽しくしようか?」

 

 えっと……誰だっけ?何か見たこと…あるような、無いような?

 

「覚えていないかもだけどね、少し前に狩りに誘って断られたんだけど…。」

「え、……えっと、すみませんでした……ぐす。」

「いやいや、気にしないで良いよ、それで?弟君、どうしたの?そんなに泣いて…。」

「ぐす……ごめんなさい……えっと……何で、弟君…?」

「死神…赤火の弟君でしょ?名前知らないから、名前は?僕はギルギルだよ。」

「あ、藍です。藍色の藍。」

「うん、藍、どうしたの?」

「ジョブを……調教士、取っちゃって……姉さんが…不遇職なんだよねって…」

「アハハ!何言ってるのさ!」

「だって、ジョブの枠、一つ無駄にしちゃった…から」

「そんなこと無いよ。不遇なんてレッテルは所詮、使い難いってだけさ!育てればきっと化けるよ!」

「……そう、でしょうか?」

「ああ、勿論!あ、敬語じゃなくて良いよ?ゲームなんだし。」

「はあ……。」

「そうだ、フレンド登録しようか。」

「あ、はい、お願いします……?」

「……はい、ありがとね!いやはや、赤火が大慌てで君を探して元気づけろって言うから、何事かと思ったよ。」

「姉さんと知り合い、ですか…?」

「うん、β時代はよくPvPしたもんだよ。闘技大会では賭けも有ったね。」

「あ、貴方は、一体…?」

 

 

「ん~?そうだねぇ…βテストランキング一位の、しがないプレイヤー、かな?一位ってのは密かに自慢なんだ。」

 

 

 

 わお……大物ですか……?

 


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