アラガミ転生記2〜飛べ!!メイデン隊長!!!〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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主人公が大型アラガミ.....極端に言うとウロボロスとか見たらどんな反応するんだろうね?


第4話 同種

あの人間達と出会って一週間。

 

何故かここら辺を出歩く人間が増えた様な気がするぞ。

 

ここに居たらマズイと本能的に感じた俺は、朝は地中で過ごして夜に思いっきり移動する生活を続けている。

 

キョンシーも真っ青なピョンピョン移動だ。

 

.....真っ青なキョンシーって普通じゃね?

 

そんなどうでもいいことを考えながら俺は今日も地中で夜を待つ。

 

「なんだかさ、最近ここら辺での任務多くね?」

 

おっと、上から人間の声が聞こえる。

 

そしてドサッ!!と言う音もした。

 

これは、座りやがったな。

 

「あぁ確かに、何の為だろうな?」

 

「知らね。だけどなんだかサカキ博士が妙にやる気になってたよな。」

 

「変な物でも食ったんじゃね?」

 

「かもな。今度聞いてみるか?」

 

「気軽に質問できるくらい俺らとあの人って仲良かったっけ?」

 

「なんとかなるだろ。」

 

....そうして少しだべった後で人間達は立ち去った。

 

一体なんだったんだ。

 

 

 

 

 

 

そして夜中。日中は特に何も無く暇な時間だった。

 

最近は完全に夜型になっている俺だった。

 

地面から出てきて、いつものピョンピョン移動で移動する。

 

しばらく移動していると、雨が降ってきた。

 

体に付いた土が取れていくのが分かる。

 

気持ちいいであります。

 

ケ〇ロが終わった時はショックだったなぁ....。

 

しばらく移動すると日の出が見えてきた。

 

同時に俺は地面に潜る。

 

そろそろいいんじゃないかと思ったが念の為だ。

 

 

 

 

 

少し周りの様子が見たくて頭だけ地面から出していると信じられない物を見てしまった。

 

今俺の目の前には、メイデンが居る。

 

俺の様なメイデンが居るのだ。

 

しかも群れなのか複数体。

 

ドッペルゲンガーか何かかと思ってしまった。

 

どうやらメイデンは俺だけじゃなかった様だ。

 

だが、全く動かない。

 

見ていて不安になってきた。

 

針でつついて見たり頭突きしてみたりしたが全くの無反応。

 

と、思ったのだが一斉に動き出した。

 

そしてそのまま前に向かって砲弾を打ち出した。

 

なんだなんだと思っていると砲弾が向かう先には....。

 

「コクーンメイデンの群れを発見。クエストの対象はこいつらか?」

 

『はい!!迅速に撃退してください!!』

 

「了解!!」

 

例の大型武器を持った人間がこちらに向かってきた。

 

前とは別人だった。

 

「数だけ多くてもダメだぞ!!」

 

結構な速度で他のメイデンをバッサバッサと切り捨てていく人間。

 

俺はヤバイと思って地中に逃げた。

 

上で音がする。

 

金属音と肉が裂かれる様な音がする。

 

怖くて震えてしまっていた。

 

やがて音がしなくなった。

 

もう大丈夫かと思って地中から思い切って出てみた。

 

すると......。

 

「ギャァァァアアアア!!!!!」

 

頭の上から悲鳴が聞こえた。

 

え、何!?

 

ビックリして体が跳ねた。

 

「グアア!!やめろ動かないでくれぇぇええ!!!!」

 

その這い出でるような声に震えが止まらなかった。

 

「震えるなぁあああ!!!!」

 

もう何がなんだかわからなくなって頭をブンブン振ってしまった。

 

「イタイイタイイタイ!!!!!お前遊んでるだろ!!やめろぉぉおおおお!!!!」

 

すると、なんの拍子かスポッ!!っと軽い音がしたと思ったら上から人間が落ちてきた。

 

あまりのことに驚いてすぐに地中に逃げた。

 

もう嫌だ。軽い気持ちで外には出ないようにしよう。

 

そう思った。

 

.....そういえば、なんだかあの人間お尻が赤かったな....。

 

痔か?

 

かわいそうに。見た目若かったからからかわれてるんだろうなぁ.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日から、人間達の話を聞く限り、『ケツ掘りコクーン』とかいう化物が出てくるらしいという噂が流れていた。

 

怖いな。ますます日中は地面に潜ってそうだな。

 

あの人間も見なくなった。痔が悪化したのだろうか?

 

どちらにしろ、一刻も早くここから離れようと思った。




ケツ掘りコクーンは結構響きが良いと思います

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