ぐらんどおーだー 人理の天地 カルデア脇役録   作:七⭐

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登り始めたばかりさ!このガチャ坂をよぅ‼


俺たちの戦いはこれからだ!

たらればの話になるが、君の前に整理の行き届いた仕事机があるとする。

君は熱を入れていた書類仕事を一つ終えて、気分も新たに次の仕事を始めた。

 

その矢先のことだ、何気なく見た最初の仕事に小さな違和感を覚えた。

見れば、些細な、本当に些細な汚れを発見する。

たまたま文字が分かる程度につぶれていたとか、句読点の一つが水かなにかで滲んでいたとか、その程度のものだ。

別段気にするほどのことでもない。

よくあると言ってしまえば其れまでのもの。

でも君は几帳面で、その性格は机を見れば一目瞭然だ。

 

さて、君なら、いや君だからこそ、そんな時どうするだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

『じ、じゃあ試しにレイシフト初心者の工藤くんと資源収集に行ってもらえないかな?…え?いきなりどうした?いや、いきなりバビロニアはどうかと…、ガトー君ならいける?神性強化ある?これには英雄王も思わずニッコリ?いやいやいや、それ神性持ちが味方とは限ら…え、ラムセスは持ってる?ランクC?円卓クラスがゴロゴロでてくるかもしれないんだよ?…その時はノートンが殿をする?本人は承諾?……………工藤くん、切り捨てる様な…え、違う?むしろバフ付くからましましで反撃?全体即死持ちが火を吹くぜ?ジャイアントキリング?そんな都合よく宝具は…うん、打てるんだったね、カレスコいっぱいあるもんね……いや、いや飲まれるなぼく(っぼそ)………ほら、再臨とか!っえ?済んだ?………ぐだ子ちゃんから素材もらった?経験値は礼装売ったメロンゼリーでダヴィンチショップ?ガトー君、褌一丁まで脱いで、最終的に法衣姿に落ち着いた…………そう、

 

 

 

工藤くん、冬木ね(強制)』

 

うーむ、解せぬ。

ロマンを安心させようとしたのだか、なぜか最後はキレ気味だったなぁ(自覚無し)……激務だしカルシウムが足りていないと見た!

よし、冬木だし凶骨集めじゃ‼

スケルトンは何処ぞ‼

 

 

 

 

「あきらかに人骨じゃないか!」

 

「!っぷ、ど、どうしたのさロマ二?」

 

ところかわって会議室。

指令部のスタッフを前に電波を受信したロマニが叫ぶ!

カニバリズムはグロ!

コーヒーにスティックシュガー2つの甘党は断じて認めない‼

 

「あ、いや、なんか茨木童子みたいに口のなかがコロコロと…って元を正せば君のせいだろレオナルド!何で工藤くんに爆買いさせたのさ⁉

大体、"召喚陣のジャマー"は?何で起動してないんだ?」

 

緩んだ空気と、ダヴィンチの吹き出したコーヒーを拭いながら、ロマニは肝心の議題を切り出した。

 

「おぉ…其を言われると痛い…経験値はぐだ子ちゃんのおつかいだと思ってたし、ジャマーに至っては完全に予想外だったんだ…。

アレは幾つかの条件付けがなされててね?

特に

 

"召喚者が女性であること"

"聖晶石による召喚ではないこと"

"直接的な縁に基づく召喚以外は行わないこと"

 

の最終三連関門は破れないはずだったのに…‼」

 

文字通り最後の選別。

順に一つでも引っ掛かれば結果を礼装へとコンバートするシステム。

 

つまり

 

"男"である工藤には呼べない。

それを退けても、

"聖晶石"で呼ぶ工藤には呼べない。

例え間違いが起こっても、

"レイシフト"出来ない工藤には呼べない。

 

これだけの条件を越えてそれでも工藤は"呼び出した"。

 

「あり得ないなんてあり得ない」

 

そう呟いたのは誰だったか、それを最期に工藤の"異様"さを知るスタッフ達が一斉に押し黙る。

『ローマ』の事では『ない』。

 

たった一月

 

いや、戦線に加わったのを考えればもっと短い。

当初、彼は傷を癒していたのだから。

彼が現れ、フランスの"第一"特異点が定礎復元してから、たったそれだけで、もう"第七"特異点に手が届こうとしている。

一年という絶望的な時間が、今では余裕すらある期間へと変貌を遂げている。

違える筈もない。キーパーソンは間違いなく工藤人理という"一(逸)般人"。

その証左として、コンバートされて尚、結果が"アレ"なのだから。

 

「…落ち着こう、彼にレイシフトを行わない為にやった事だが、こうして破られた以上、彼、ひいてはマスター達に"なんらかの"影響をもたらすのは仕方がない。僕たちに出来るのは其をプラスの方向へとおいやることだけだ」

 

「それは、…そうだね」

 

「よし。とは言え、まずは原因を究明しよう。これから先、工藤くんの負担が増えるのは仕方ないが、彼のサーヴァントが増えるのはあまり良いとは言えない」

 

サーヴァントが増えると言うことは、手数が増えるという事、すなわち特異点へのレイシフトが増えるという事でもある。

"兵力"の話ではない。"対応力"の話だ。

 

彼の異能は有用で、彼自身は何処か、端的に言えば、壊れている。

それが工藤のカルデアにおいての価値。

 

惜しい。壊れていなければ、或いは"異能がなければ"、それはそれと区別も出来たろうに。

 

壊れていなければ、完全無欠のマスターとして迎えれた。

異能がなければ、理由をつけて取り除けた。

 

彼だったから、騙して運用しなくてはならない。

カルデアは、人類は、そこまで追い込まれているのだから。

 

「①女性であること、②石による召喚ではないこと、③縁による召喚であること。

普通に考えれば、①の時点で省かれる。最初の条件にしたのはぐだ子ちゃんが召喚する際②と③の条件を飛び越す為だし、工藤君があのとき性転換でもしてなければ、こんな結果は出るはずないんだが…」

 

「これはもう故障だとか、エラーの次元の問題だ、②と③に至っては、呼符(黒)で②が消えて、③については、…なんだろう?確かに縁による召喚ではあるんだが、順番がおかしいというか、ひよこ(森)が先か卵(ガトー)が先か、と言うか」

 

縁を繋いだ相手が擬似サーヴァントになるというのは、確率にしてどれ程のものなのか、こうなると"工藤だから"と言われた方が納得が行く。

 

「あのぅ、工藤君に正直に話すと言うのは…」

 

「それは…いや、"もう"ダメだ。彼が納得するしないじゃない。戦力になってしまった。逆に彼を使わない理由が"無い"んだ。個人の理由を尊重出来る時期はもう過ぎてる」

 

「そんなの!」

 

「分かってる!ぼくが、僕らが勝手にしたことで、勝手に振り回して、勝手に恐れてるだけだ」

 

"君の異能は有益だが、君は危険だ。だから戦うな、ただ黙って見ていろ"

 

等と、言えるはずがない。

その資格はもう自分達にはないのだ。

拒絶が怖いのではなく、失われる信頼が"無駄"になる。

ここまで来てしまった。

後戻りなど考えもせずに、なら、

 

「僕らに出来るのは嘘を本当にする事(つき続ける事)だけだ」

 

それが何時かばれることだとしても、その結末がどうであろうと、

 

自業自得、と彼等は腹をくくった。

 

 

 

 

 

 

そんな渦中の彼(バカ)はと言うと、

 

 

「骨置いてけ!なあ!スケルトンだ!スケルトンだろう⁉なあスケルトンだろうお前!」

 

「ギ!?キキギ⁉(泣き目)」←※イメージです

 

「わがんねぇよう…なに言ってんのかさっぱりわがらねぇ、日本語しゃべれよう」

 

「ギーキーギー‼(号泣)」←※イメージです

 

「日本語しゃべれねぇんなら…死ねよ…」

 

「ギーーーーー…………‼(だって声帯無いものーー………‼)」←※断末魔(マジ)です

 

 

 

 

「ノリノリだねぇ!ダーリン!」

 

「……………いや、サーヴァントに指示してください!何で、素手で勝ってるんですか!」

 

妖怪骨おいてけと化していた。

全ては指令部の胃のため(トドメ)カルシウムの鬼となった。

シリアス?あいつなら奥で寝てるよ…。

 

「見事である工藤青年!ぁあ、美しきかなソバット!抉るようだパヤット!おぉ、首を極める転蓮○は弥勒のよう!」

 

「いや、見事なんですがね。呼吸しない相手に絞め技は有効なのでしょうか?」

 

「いや、もぎ取っとるぞアレ。坊的にはアレも凶骨なんじゃろうか…」

 

 

ーーやだなぁ、お爺ちゃん。

骨は骨でしょう?←暴論

ーー第六の味覚はカルシウム味って(富士)テレビで言ってたしこれにはロマンもニッコリに違いない!お、俺はやるぞーー‼

 

一(人)狩行こうぜ!

 

「あーーーー!お願いですから一人で突撃しないで下さい!マスターも!真似しないで‼…yama(形)育ちはクレイジーだぜ?いえ、人類は皆が皆魔法生物を倒せるわけではありません!グンマなら?成人式がバンジー?…え、ホントに?…っは、やめてください!怒られます!運営とか、いろんなとこが敵になります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「冬木よ!俺は"帰って"きたーーー‼」

 

 

 

 

 




オジマンが工藤に寛大だったのは間に合わないとタカをくくっていた第六特異点に、ぐだ子一行が間に合い、三銃士(聖杯)+十字軍vs円卓vsカルデア+エジプト勢で割って入る原因を作ったため。









そうして、室内は紅に染まった。

見間違いと彼は信じ、だが、計器は非情なまでに正確だった。

あの時と、全く、変わらなかった。



あぁ、カルデアスが燃えている。
赤く赤く燃えている。

穿つように輝く七つの輝きが、瞬く間に消えていく。

「なんだ!何が起こっている!」

「原因不明!マスター達を意味消失させるな!」

「は、波形が!くそ!何でだよ!」

「落ち着け!持ち場から離れるな!」

「………………」

「?っおい!」




「聖…杯…出現。冬木、きゅ、急速に定礎崩壊していきます……」



「な…んだと…?」

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