のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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お待たせしました。更新です


8話 みんなで田植えした

 

「〜〜〜♪」

 

今日はみんなで遠足である。俺もナツ姉からそれを聞いたときは小躍りした。

ただひとつ心配なのは発案者が一穂先生という事だ。あの人のことだからなんかくだらないオチが待ってそうである。だから普通に遠足なのを祈りながら俺はお菓子をリュックに詰め、台所に向かった。

台所に向かった俺はナツ姉、コマ姉と一緒におにぎりを作った。

 

「ねぇねぇお弁当にロシアンおにぎりやんない?一個だけ辛子たっぷり入れてさ」

 

「俺は良いけど…あんまりやりすぎないでよ?冗談は冗談で通じるレベルが良いんだから」

 

「はいはい、しっかし今日は絶好の遠足日和だね〜♪」

 

 

学校

 

「あれ?先輩たち、なんでそんな大きなリュックを?」

 

学校に着くと俺たちが大きなリュックを背負っていたのを見て、蛍は疑問を投げ掛ける。

 

「? 今日は遠足だって先生が言ってたんだけど」

 

「え、私は何も聞いてないんですけど・・・」

 

無理もない、俺も聞いたのはつい昨日のことなのだから

 

「どこ行くのかなー。遊園地とかかなー」

 

夏海が楽しそうにどこに行くのか予想をしているが、蛍はいまいち不安が拭いきれないでいた。

というのも、突然すぎる上に、あの一穂の提案だからである。

小鞠と一輝も楽しそうにしているが、卓は何か思い当たる節があるのか、あまり乗り気ではなさそうだ。

 

「とにかく、せっかくの遠足なんだから、おもいっきり楽しもー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなよく集まったねー。それでは、楽しい遠足、田植えのはじまりはじまりー」

 

 

ところ変わって、宮内家の所有する田んぼの一角、作業着を着た一穂が集まったみんなに声をかける。

一穂の隣には、同じ作業着を着た、どこかどんよりしたれんげが立っている。

 

「と、いうわけでー、今日はこちらの田んぼのお手伝いをしましょー。といっても先生のウチの田んぼだけどねー」

 

「えーっと……、一穂先生……?」

 

「おっと、違うんよー。先生が頼まれたけどメンドかったとかじゃなくて、課外授業っていう体でーあ、もしかして遠足の情報、十分に伝わってなかったのかな? 夏海には声をかけといたんだけど、でもれんちょんは遠足って聞いてキャッキャしながら楽しみにしてたもんねー。」

 

「・・・ホント、笑わせてくれる」

 

れんげの顔は全く笑ってなかった。

 

「………うん! それじゃー楽しい田植えのはじまりはじまりー!」

 

そうだ…そういえばこの時期はよく田植えの手伝いやらされてた…チクショー!!

 

「はぁ……仕方ない、パパっと終わらせてお弁当食べて帰ろう。」

 

「でも私お弁当持ってきてないですよ…」

 

今日はじめて遠足のことを知った蛍はお弁当がなく困っていた。

 

「な…なぁ蛍、もし良ければ俺の…」

 

「私が作ってきたおにぎりならあげるよ」

 

「いいんですか? (先輩のおにぎり…がんばろう)」

 

「………。」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜…うまくいかないな…やっぱ俺って奥手なのかな…?」

 

一輝は溜息を吐きながら田んぼに苗を植えていた。因みに蛍はコマ姉のおにぎりのためにスイッチが入りとんでもない集中力を発揮していた。最近になって自分が蛍を意識していると気づいたのは良いが全く行動に移れないことから自分がヘタレなのかと思うようになった。

 

「まぁでも行動しないといけないからな、頑張ろっと。」

 

そう思うと俺は再び作業に戻った。ふと気付くとスグ兄が竹竿で両手を固定され頭に傘をかぶりカカシにされていた。おそらくナツ姉のイタズラだろう。

 

 

 

「一輝〜助けてくれ〜!!」

 

するとナツ姉の声が聞こえその方向を向くとナツ姉とコマ姉が両手を互いに掴みながらこっちに助けを求めていた。

 

「2人ともどうしたの!?」

 

「ぬかるみにハマった!!」

 

「なにやってんだよ全く…俺が支えてやるからその隙に抜けな。」

 

「すまん一輝、助かった!」

 

「はいはい、まずはコマ姉からな」

 

やれやれ、そう思いながらコマ姉を支えながら力一杯引っ張りあと少しで抜けそうになった瞬間

 

どん!!

 

「うおっ!?」

 

「…え?」

 

突然れんげがナツ姉に後ろからぶつかりドミノのように俺にぶつかり…

 

「ギャアァァァァァ」

 

ドッポーン

 

田んぼに落っこちた。

 

「…もうやだ、もう田植えなんかしない」

 

「ナツ姉なんもやってないだろ」

 

俺たちは泥まみれになりながら蛍やれんげ、スグ兄に泥を拭いてもらっていた。

 

「ていうか主催者の先生はどこいった?」

 

すると、

 

「いやー、やっぱり機械の方がいいわー」

 

 

田植え機を運転している一穂がそんなことをのたまっていた。

 

「人の手とどっちがいいか試してみたかったけど、やっぱ断然機械だね。あ、みんなまだいたのー。もう帰ってもいいよー。」

 

と、かなり予想外のオチに、みんな固まってしまった。

 

「はぁ〜お弁当食べて帰ろ」

 

そんなわけでお弁当をみんなで食べた。蛍はコマ姉におにぎりをもらっており美味しそうに食べていた。

 

「はぁ〜」

 

「ねぇねぇ一輝」

 

お茶を飲んでると突然ナツ姉が小声で俺に話しかけてきた。

 

「なんだよナツ姉?」

 

「一輝ってさ、ほたるんのこと好きでしょ?」

 

ブハッ

 

思わずお茶を吹いた

 

「ゲホッゴホッな、ナツ姉なにを」

 

「お〜♪その反応はマジか〜だって一輝ここ最近ずっと」

 

「うわぁぁぁぁあだまれぇぇぇえ!!」

 

俺は慌てておにぎりの一つをナツ姉の口に押し込んだ。

 

「ウギァァァア!!」.

 

どうやらそれが辛子入りだったらしい…

 

 

一番バレたくない人にバレた。

 

 

 

 

 




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