「さて、着替えて見たは良いけどどんな感じなのかな?」
俺は今、新しい服をひたすら貯めた貯金を使ってで購入し、試しに着ていた。
少し大人っぽい衣装を着てみたかったのでネットや雑誌を読んで調べ揃えてみた。
無地のTシャツの上に紺色のジャケット、下はデニムにして頭につばの広い帽子をかぶり、首にシルバーのチェーンとリングをつけてみた。
うん、自分としては悪く無いと思うが少し冒険しすぎてしまっただろうか?俺はいつもジーパンとTシャツなど春や夏は簡単な服装にしているのでこういった服装はいつもと違って見える。
「そうだな…ナツ姉は確か釣りに行っちゃったしコマ姉はさっきでてっちゃったみたいだし…とりあえず外を歩いてみようかな。」
そう考えながら一輝は家を出た。
「さてと…とりあえずどこに行こうかな…やっぱり駄菓子屋のところにでも行こうかな…それとも蛍のところにでも…いや、待てよ…それだけの目的で蛍の家にいってもかえって蛍に迷惑じゃないかな…ええい!!そんなんでどうする越谷 一輝!!そんなんじゃまったく親しくならないぞ!!」
一輝はそう意気込むと蛍の家へと向かっていった。
「もうすぐ着くな、にしても蛍が家にいると良いけどな…とりあえず近くの電話ボックスで聞いてみよう」
そう言いながら一輝は蛍の家の近くにある電話ボックスへと向かった。
「……?」
電話ボックスが見えてくるとそこには二つの影があった。
1人はいつもは着ないようなワンピースを着ているコマ姉、もう1人はおしゃれな服を着ており、眼鏡をかけた少女が一緒にいた。その少女をよく見てみると……
「あれって……蛍?」
普段の姿だけでもどこか大人っぽい蛍がファッションを着こなしておりさらに魅力的だった。
「(とりあえず話しかけてみるか…)おーいっ」
「……あっ先輩、どうしたんですか?」
蛍も俺に気づいたのかこちらに近づいてきた。
しかし、コマ姉は俺と蛍をまるで初対面の人を見るように見てきた。
(……コマ姉どうした?さすがにそんな目で見られたら傷つくぞ?)
小鞠side
ど、どうしよう……蛍に新しいワンピース見せよう待ち合わせしていただけなのに…なんか知らない大人の女性に道案内することになっちゃいそうなんだけど……しかもなんかさらに大人っぽい男の人が来たんだけど……なんかこの女の人と知り合いみただけど……こっちを見ているし……どうしよう……
小鞠side out
「それで?どこ行くの?」
「これから2人で駄菓子屋に行くことになったんですけどもしよかったら先輩も一緒に行きませんか?」
「俺は別に良いけど……良いのか?」
「はい、先輩も一緒に行きましょう」
そうして俺と蛍はなんかビクビクしているコマ姉と一緒に駄菓子屋へと向かった。途中のお化けトンネルを潜るとすぐに駄菓子屋が見えて来た。
「うわぁ〜♪私、本物の駄菓子屋さんに来るの初めてなんです♪」
「そうなの?結構いろんなお菓子があるよ」
「何買いましょうか?」
すると、少し慌てた声をコマ姉が出した。
「あ、わ、私…あんまりお金……」
「奢らせてください、案内していただいたお礼です」
「いや、ここは俺が奢るよ。女の子に奢ってもらうのは少し気がひけるしね」
そう言いながら俺たち3人は駄菓子屋へと入っていった。
ここの駄菓子屋の店主とは俺たちもは知り合い色々とお世話になっている。
「それじゃあ何買う?」
「そうですね…あっかき氷がありますよ。アレにしません?」
「良いね、そうだなぁ……俺は《抹茶宇治金時》にしようかな?」
「じゃあ私もそれでお願いします」
「え、ええと……私もそれで……」
俺と同じものを2人とも頼んだ。最近俺は抹茶系のお菓子にはまっているのだ。2人にもこの美味しさを知ってもらいたい。
抹茶宇治金時が出来、俺たちは駄菓子屋の前にある椅子で食べ始めた。この抹茶のほろ苦さが甘さと合ってとても美味しい。隣では恐る恐るそれを食べるコマ姉と満面の笑みでかき氷を食べる蛍がいた。どうやら蛍は抹茶宇治金時を気に入ってくれたようだ。
蛍が気に入ってくれたのは嬉しかった。
「今日は色々とありがとうございました」
空も夕焼けになり、そろそろ帰ることになった。
「それじゃあ俺が送るよ」
「えっ?良いんですか?」
「夜道は危ないからさ、家の前まで送るよ」
そして俺はバス停でコマ姉と別れて蛍を家に送った。
「ただいま〜」
「おかえり蛍、あら?その子は?」
蛍の家に着くと蛍のお母さんらしい人が待っていた。
「始めまして、越谷 一輝です。」
「あら貴方が?蛍から聞いてるわよ?いつも自分を気にかけてくれるって」
蛍が俺をそういってくれてると思うと少し嬉しかった。
「それじゃあまたね蛍」
「はい、今日はありがとうございました一輝先輩」
そうして俺は家に帰っていった。
その後、帰って来た俺を見てコマ姉がようやくさっきまで一緒にいたのが俺だと知ったのはかなり凹んだ。
その頃、蛍の家では
「蛍、あの一輝って子、中々良い子ね。」
「うん、一輝先輩っていつも私にこの村のこと色々教えてくれるからとても助かって……」
「ああいう子なら、蛍を任せられるかもね♪」
「えっ?////ちょ、ちょっとママ…」
母親の言葉に蛍は顔を真っ赤にしていた。
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