のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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アニメ2話中編です


6話 みんなで飴を取り合った

「はぁ〜ひどい目にあった。」

 

チョークの粉をなんとか取り終えたコマ姉は溜息を吐きながら席に着いた。

 

「はははっ、ドンマイコマ姉。」

 

「どの口が言うか、一輝だって夏海と一緒に私のことコマちゃんって言ってたくせに…」

 

だってコマちゃ…コマ姉からかうと面白いんだもん。

昔もナツ姉が俺の部屋の戸棚にコマ姉の大事なぬいぐるみのしょうきちさんを隠した時俺が隠したと思って泣きながら俺にポカポカして来たんだよな…あの時マジで「この人本当に俺の姉か?」って思っただけな…

 

カサッ

 

「ん?」

 

コマ姉がカバンを開けると中から駄菓子屋の飴玉が出て来た。確か新作のミルクコーラ味だっけ?…なんつーか…すこし気になる味だな…

 

じー……………

 

ふと視線を感じたのでそちらを向くと、

 

「良いな…飴」

 

相変わらず嗅ぎつけるの早いなれんげは…

 

「なになに〜?」

 

そこへナツ姉も合流した。

 

「飴を発見しました。新作のミルクコーラ味」

 

「おやおや〜ダメでしょコマちゃん、学校に飴持って来ちゃ〜」

 

「だからコマちゃん言うな!!昨日駄菓子屋で買った飴カバンから出し忘れてたの。フン、私ももう中二だしね、流行も追っていかないと大人の女性として。」

 

コマ姉……駄菓子屋の流行自慢されてもリアクションに困るんだが…

 

「そんなことより、うち飴欲しいん〜」

 

そう言いながられんげが両手を上下に動かしておねだりした。

 

「あ〜うちもうちも〜」

 

それに便乗する形でナツ姉も両手を上下に動かしてコマ姉の飴を狙った。

 

「コマ姉……弟の俺に飴プリーズ」

 

ついでに俺もコマ姉にお願いした。

両手を上下に動かすのはやらなかったけど。

 

「えーやだよ、さっきあんなことをしたくせに…」

 

コマ姉はまださっきのことを根に持ってるようだ…

 

「えーさっきのはわざとじゃないジャーン」

 

「そうだーそうだーそうだーぞー!!」

 

ナツ姉とれんげがブーブー苦情を言った。

 

ガタン

 

「お前らにやるくらいなら、ハイ蛍」

 

そう言いながら席を立つと蛍に飴を渡した。

なるほどその手があったな…

 

「えっ…良いんですか?」

 

「うんっ」

 

まあ良いか、今度駄菓子屋で買ってみよ。

ふむ…結局あの飴はどんな味だったのだろう…

 

 

「なんだよく〜れ〜よ〜」

 

「おくれ〜」

 

「もうありません〜」

 

ナツ姉とれんげは飴がもらえずにブーブー言っていた。

 

「…………ん?」

 

ふと気配を感じて後ろを向くと蛍が満面の笑みで飴を大事に持っていた。

よほどコマ姉に飴をもらったのが嬉しかったのだろう

 

「……………………。」

 

うん、やっぱりなんか面白くない…

 

「れんちょん、れんちょん」

 

突然ナツ姉が俺とれんげに話しかけて来た。

 

「ここは一旦、泣き落とし作戦でコマちゃんを攻めてみよう…もしかしたらこっちに飴くれるかもよ」

 

「なんですと!?」

 

ナツ姉顔悪!!どんだけ飴欲しいんだよ?まぁでも良いや、この飴争奪戦がどこまでいくか見てみよ…

 

「コマちゃんコマちゃん」

 

「だからコマちゃんって…えっ?」

 

コマ姉が振り向くと、ナツ姉とれんげが絶望したような顔でこちらを向いており

 

「コマちゃん…うちら結構長い付き合いだよね…あの時は楽しかった…コマちゃんが昼寝してる時に顔に良い感じの文字書いた時は」

 

それはコマ姉にとっては良い思い出ではないと思うぞ。

 

「ウチも昨日、プリン一口あげたのに.…」

 

「一口じゃん!!それに、そのプリン私のだったしね!!」

 

あ、あのプリンコマ姉のだったのか…やべえ、俺もナツ姉に貰ってた、それも三口も

 

「プリンの一口は、飴玉一個分の大きさでしょ!!」

 

「……それもそうか」

 

「単純な娘大好き♡」

 

おいコマ姉、本当にそれで良いのか…

 

「蛍、あの子達うるさいから飴返して…てっ?」

 

その瞬間、蛍の目から涙が溢れて来た。

 

「そ、そんな。せっかく…飴…貰えたのに…」

 

「お、落ち着け蛍!!大丈夫、飴は取らないから!!」

 

「べ、べつにウチらもそこまで欲しかった訳じゃないから…その泣き落としには勝てません、どうぞ持っていってください」

 

「うんっうんっ」

 

瞬間、蛍の顔が再び満面の笑みになってそのまま廊下を走っていった。

 

「虫歯なのに飴あげてよかったのかな…」

 

「ほたるん虫歯なん?」

 

「いや、知らんけど」

 

教室から蛍を見ながらコマ姉たちが話している中、一輝はただ蛍を見ていた。先ほどの喜び方はやはり小学生のそれであった。いくら大人びているといってもやはり彼女は小学生なのだ。

 

「……かわいいな。」

 

その時、俺はすこし顔が熱かった。

 




すこし遅れましたが更新です。





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