のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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37話 沖縄で海水浴をした

「おーすごい海青い」

 

「ちょっと前々!!」

 

沖縄にたどり着いた一輝達は沖縄の道路をレンタカーで走っていた。

一輝は一穂先生が運転する車に乗っているのだが肝心の一穂先生は運転中にもかかわらず窓から海を見ていてこのみさんに怒られている。

まぁ今の一輝には関係ない…なぜなら

  

「ちょっと一輝大丈夫!?」

 

「先輩、生きてますか先輩!?」

 

「うぅ……蛍……」

 

初めての飛行機&墜落するのではという恐怖によって一輝はグロッキーになっていた。

 

「蛍……俺初めて知ったよ……雲の上に天国って本当にあったんだな」

 

「先輩!?何言ってるんですか!?大丈夫ですか!?」

 

「雲の上は青空と真っ白な雲…それどころか蛍にそっくりな天使がいたんだよ…」

 

空な目で笑いながら一輝は蛍にそう言う

 

「先輩違います!!それ天使じゃなくて隣に座ってた私です!!」

 

「そうか…蛍は天使だったのか…道理で可愛いと思ったら…」

 

「え!本当ですか…じゃなくて戻ってきてください先輩〜!!」

 

ぐったりしながらそういう一輝を蛍は涙目で揺さぶっていた

 

 

 

 

 

「ふっかつ!!」

 

しばらく車に乗った俺はなんとか正気を取り戻した。

 

「いやー…なんか空港出てからの記憶がほとんど無いんだけど…なんか変なこと言ってなかった?」

 

「い、言ってなかったですよ…///」

 

俺が質問すると蛍は恥ずかしそうに顔を逸らしながらそう答えた。

 

 

 

 

「お、おぉ〜沖縄、沖縄なのん!!」

 

駐車場に着いて車から降りた俺達は今日からお世話になる民宿まで歩いていた。れんげは初めて見る沖縄の景色に大はしゃぎしていた。

…まぁさっきまで沖縄だったんだけどな

 

「すっげ〜雰囲気あるな〜」

 

「初めて見る造りだな」

 

家の造りもうちの村とも全然違うし見るもの全てが新鮮だ

 

「なっつん、カズにい探検なん!探検するん!」

 

「お、れんちょん威勢いいね〜」

 

「よーし、あの角の向こうがどうなってるのか見に行くぞー!!」

 

「「おぉ〜!!」」

 

俺とナツ姉はれんげと一緒に走り出した。

 

「あー待て待て勝手に行くな、テンション上がるのは分かるがまず宿に行ってからだ」

 

「「「はーい」」」

 

はしゃぐ俺達を駄菓子屋が止めたので俺達は言う通りにした。

 

 

 

 

「な……」

 

「これは……」

 

しばらく道を歩いていると、道の草むらから一頭の牛が現れた。草をもそもそ食べているその牛はいつも見ている牛よりも大きい角を生やしていた。

 

「ここも田舎なのん?」

 

「沖縄だぞ」

 

 

 

 

「お、ここだ」

 

そんなこんなで俺達はついに目的の民宿にたどり着く。

『やど家のにいざと』というこの民宿はナツ姉がガイドブックで見つけてみんなの満場一致で決まった所だ。

 

「趣があって良いところだな」

 

「瓦綺麗ですね」

 

色鮮やかな瓦で周りの草木と合わさり写真で見た時よりも素敵な民宿だった。

 

「すいませーん、予約していた宮内ですけどー」

 

「はいめんそーれ、中はどうぞ〜」

 

一穂先生が扉を開けると中から優しそうなおばさんが挨拶しながら出てきた。

 

「えんぽーる?」

 

「何言ってんのひか姉?」

 

「蟹食ってんのイカ天?」

 

本当に何言ってんだひか姉

 

「めんそーれだよ、沖縄の挨拶なんだって」

 

俺はため息を吐きながらひか姉に教えてあげる

 

「はー沖縄の挨拶ってめんそーれだと思ってた。えんぽーるってのもあるんだ」

 

「鼓膜大丈夫かひか姉!?」

 

飛行機の気圧で耳が変になってるとしても限度があるぞ!?

 

「あおいー、お客様お部屋に案内さしあげてー」

 

「はーい!」

 

すると、ナツ姉くらいの褐色の少女が駆け寄ってきた。

 

「お暑い所ご苦労様です!お部屋、奥のところになりますのでご案内しますね!」

 

あおいと呼ばれた少女はテキパキとした様子で俺達を部屋に案内する。ナツ姉も同年代とは思えないその動きに思わず動揺していた。

 

「夏海同い年なのに敬語使ってる。」

 

「うっさいな…」

 

「ははっ、たしかに」

 

「あ〜!一輝も笑ったな!!」

 

こんなナツ姉は新鮮でなんか笑ってしまった。

 

 

 

 

「では、お部屋にお茶とお菓子がございますのでお召し上がりください。浴衣とタオルもございますので他に何かありましたらお呼びください」

 

部屋に案内したあおいさんは丁寧な口調でそう言ってお辞儀をすると駆け足で戻っていった。

 

「ほぉ〜夏海と同い年とは思えないくらいにしっかりしてるね」

 

「ナツ姉もあれだけしっかりしてれば我が家のアルマゲドンも無くなるのにね」

 

立ち去ったあおいさんを見た俺とコマ姉はうんうんと頷いた。

 

「それで、部屋はどうする?4人部屋2つと2人部屋1つなんだか…」

 

ふむ、普通に考えれば4人部屋①に俺達越谷兄妹、4人部屋②に宮内姉妹と駄菓子屋、2人部屋にこのみさんと蛍だが…

 

「はい!!4人部屋はウチら子供組だけで使わせてもらいたいです!!」

 

子供組…ってことは俺、ナツ姉、コマ姉、れんげ、蛍ってことか…でもそれだと…

 

「それだとベットの数足りなくね?」

 

「大丈夫!!旅行当ててくれた兄ちゃんは2人部屋を1人で使ってもらいます!!そんで2人部屋の布団を地べたに履いて、誰かはそこで寝てもらいます!!そんなわけで良いよね一輝!!」

 

俺で確定かよ

 

「まぁ布団で寝るのは別に平気だし…良いよ」

 

前にあった布団争奪戦と違ってちゃんと布団で寝れるしな

 

「まぁ一輝がいいなら良いが…とりあえず荷物置いたらそっち行くからな、先に明日の予定を決める」

 

「「「はーい」」」

 

部屋に入るとナツ姉が早速クーラーをつけていた。まぁいつも家ではよほどの気温じゃない限りクーラーつけさせてもらえないもんな。

 

 

 

 

「で、明日の予定どうするー?確か昼が予定が決まってないんだっけ?」

 

荷物を置いた俺達は部屋で予定を決めていた。

 

「そうだな、明日の午後は灯台に行ってその後沖縄料理を食べる。次の日は午前午後共に観光だ。1秒たりとも無駄には出来ん、一銭でも多く元を取って帰ろう」

 

出たよ駄菓子屋の貧乏魂、お金にうるさいというかドケチというか…さて、確か昼の時間のイベントにシュノーケルとマングローブをめぐるカヌーがあったはずだ。

 

「私カヌーって乗ってみたい」

 

「あ、私も乗ってみたいです!」

 

コマ姉と蛍はカヌー派のようだ

 

「ウチはシュノーケリングが良い」

 

ナツ姉はシュノーケリングか、2つに割れたぞ。時間的に2つは無理だからどっちかに絞らないと

 

「ひか姉とれんちょんもシュノーケリングだよね」

 

「ん?うん?はいはいおっけ」

 

「ウチもそれでいいん」

 

れんげとひか姉はシュノーケリングか、てかひか姉まだ耳治ってないのか

 

「スグ兄はシュノーケリング?」

 

「…………………(ぺけ))」

 

スグ兄はカヌーらしい

 

「それならそれぞれ分かれてやるってのでどうかな?レンタカーも2台あるしさ」

 

「それもそうか、一応電話して聞いてみる」

 

そういうと駄菓子屋は電話で確認した。

 

「そういえば一輝はどっちにするの?」

 

ナツ姉が聞いてきた。そうだったまだ俺は決めてなかった。

 

「そうだなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしっ、これで予定は決まったな」

 

「じゃあみんなで海行こうよ!!」

 

俺はどっちに行くのかを決めるとナツ姉が俺達を海に誘う

 

「海!!ウチも海いくん!!」

 

れんげも俺達に賛同して大はしゃぎする。

 

「おーっし、早く水着に着替えよー!」

 

「あ、私も行きまーす」

 

「私も着替えよー」

 

蛍とコマ姉も海に行く準備をする。

…ん?待てよ

 

「あ……」

 

「………。」

 

そうだ、ここにいる中で俺とスグ兄だけ男だ

 

「スグ兄、俺達は隣の部屋で着替えよ」

 

「…………………(こくっ)」

 

こうして俺とスグ兄は部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「海きたー!!すげー真っ青〜!!」

 

沖縄の海は地元の海よりも青く宝石のように輝いている。

 

「こんな海がみれるのもスグ兄が旅行当ててくれたおかげだね」

 

「……………(ぐっ)」

 

相変わらずスグ兄は喋らないがその顔は誇らしげだった。

 

「お待たせ〜」

 

すると、着替えを終えは女子チームが合流した。

 

「ごめんね〜水着着るのに手間取っちゃって」

 

「……………(うんうん)」

 

このみさんが謝るとスグ兄が女子達を見て何か頷いている。

まぁうちの女子達って容姿は良いからね。こうしてみると絵になる。

 

「か、一輝先輩!!」

 

すると、蛍が俺に声をかける。そちらを向くと

 

「あ………////」

 

「ど、どうですか…?」

 

俺はその水着姿に見惚れてしまう。蛍の水着姿はこの前水着を買いに行った時見ていたはずなのに…白い砂浜、青い海と空、それらと合わさることで更に美しく見えてしまった。

 

「ほらほら一輝〜ちゃんとほたるんの水着を褒めてやんないと♪」

 

「そうだよ一輝くん、蛍ちゃんがせっかく一輝くんに感想聞いているんだからさ」

 

俺が固まってるとナツ姉とこのみさんがここぞとばかりに小声でイジってくる。

 

「うう…わかったよぉ…」

 

恥ずかしくなりながらも俺は蛍の前に立つ

 

「ええと…すごい似合ってる…本当に…」

 

「あ……ありがとうございます……」

 

俺が素直な感想を言うと蛍は顔を赤く染めて嬉しそうにそう言った。

 

「そ、それじゃあ泳ぎに行くか…」

 

「そ、そうですね…」

 

俺達が海へ向かおうとするとナツ姉、このみさん、駄菓子屋がニヤニヤしていて更に恥ずかしくなった。

 

 

 

 

こうして始まった海水浴、俺は蛍達とビーチバレーで遊んでいた。れんげはジュースを飲む駄菓子屋の膝の上でヤシの実を飲んでいた。2人ともサングラスをつけており中々様になっていた。ただれんげがつけてるサングラスはひか姉の物のようでれんげに返すよう文句を言っていた。

スグ兄はビーチバレーをやるナツ姉とこのみさんを見て静かに頷いていた。

 

「あれ?コマ姉泳がないの?」

 

浜の方を見ると浮き輪をつけたコマ姉が波打ち際にいた。もしかして…

 

 

 

 

「まさかコマ姉が泳げないなんて…」

 

「お、泳げないわけじゃないから。浮き輪があれば泳げるし…」

 

「コマ姉本当に中2だよね?」

 

仕方ないのでコマ姉の手を引いて海に入れてあげる。しかし、そんなに深くないところで足がつかなくなってコマ姉はベソを描いていた。

 

 

 

 

「あ、一輝先輩」

 

「蛍…どうしたの?」

 

ある程度泳いで少し疲れた俺は浜辺でまったりしていたら蛍が近寄ってきた。

 

「少し疲れたので休もうかと…」

 

「俺も、いっぱい遊んだからね」

 

「はい、私もとても楽しくて…」

 

そういうと蛍は俺のそばに腰掛ける。

 

(……やっぱりかわいいな)

 

隣に座る蛍はとてもかわいい。

水着姿の蛍は美しく、まるで人魚のようだ。

 

「先輩?」

 

すると蛍は俺の視線に気づきこちらを見つめた。

 

「あ…ご、ごめん!!蛍に見惚れていて…あっ!!」

 

思わず漏らしてしまった本音に蛍は顔を真っ赤にした。

 

(うう…自分で言って恥ずかしい…)

 

「…えいっ」

 

すると、蛍は俺に寄りかかってきた。

 

「ほ、蛍!?」

 

「しばらく…こうしてて良いですか?」

 

恥ずかしそうに言いながら蛍はさらに擦り寄ってくる。

 

「…良いよ」

 

恥ずかしくなるが俺はそう言って肩を引き寄せる。

 

「「…………………。」」

 

温かい、蛍の温もりが…心臓の鼓動が聴こえてくる。

 

「先輩、大好きです。」

 

「俺もだよ蛍」

 

2人は互いを見つめて微笑んだ。

 

 

 

 

 

その後、一部始終を見ていたナツ姉とこのみさんにめちゃくちゃ弄られた。

 

 

 

 

 

 

「いや〜ご飯めちゃくちゃ美味かった〜」

 

海水浴を終えた俺達は宿で夕飯の沖縄料理を堪能した。見たことのない料理ばかりで初めての味に俺は感動しっぱなしだった。

 

「しかしあおいさんってほんとナツ姉とえらい違いだよな…」

 

夕飯の時もナツ姉がコップの水を誤って溢してしまった時も慌てずすぐに片付けていたし民宿の手伝いもちゃんとやってた。宿題もサボらずやりそうだ。

 

「ん?」

 

ふと外を見るとナツ姉とあおいさんが話していた。

 

「バドミントン好きなんだ」

 

「うん、中学でやってて…うちだと壁で練習するしか無いんだけどおかあちゃん、『壁が傷つくから練習するな』って…」

 

先程とは打って変わって砕けた喋り方をするあおいさんにナツ姉も同じように喋る。

 

(ナツ姉…楽しそうだな)

 

初めて出会う同い年の女の子、ナツ姉も嬉しいのだろう

 

「…部屋に戻ろ」

 

そう言って俺は部屋へと歩き出した。

 

 

 

「ぷあー、1日目から疲れたー明日のカヌー楽しみだね〜」

 

「ウチしゅのーけるなーん!」

 

部屋に戻るとコマ姉、れんげ、蛍、ひか姉が寛いでいた。

 

「俺も疲れた〜」

 

「一輝行きの飛行機でぐったりしてたしね」

 

「ゲートで係員に止められてたコマ姉に言われたくない」

 

 

「じゃじゃーん、宿の売店でカップラーメン買ってきたー」

 

「おお〜!!」

 

部屋に戻ってきたナツ姉が素晴らしいものを持ってきた。

 

「え?さっきご飯食べたばかりなのにまだ食べるの?」

 

「こういうのは別腹なんだよコマ姉」

 

俺はそう言ってナツ姉からカップラーメンを受け取る。

 

「ひか姉も食べる?」

 

「食べる食べるえんぽーるえんぽーる」

 

いい加減鼓膜治せ

 

「なっつん、かずにぃ、ご飯の後にラーメンなんて食べたら怒られるん」

 

ラーメンの準備をする俺達にれんげが注意する。ふ、分かってないなれんげは

 

「れんげ…この部屋には俺達しかいない…それがどういう意味かわかるか?」

 

「どういうことなん?」

 

すると、俺に続いてナツ姉が喋る。

 

「今ここに、怒る大人はいないんだよ?いわばここではウチらが法律」

 

「ラーメン食ってもお菓子食べでも、夜ふかししたって許されるってわけだ」

 

「それでもれんちょんは食べないのかなー?」

 

 

 

 

 

 

「ラーメンおいしーん!!」

 

「そうだろうそうだろう、夜中に食べるラーメンは格別なんだ」

 

家でやると母さんに怒られるけど

 

「もー夏海も一輝もれんげも変な道に走らせちゃダメだよー」

 

「そういう私達も食べちゃってますけど」

 

「よーし!これ食べたら…はい一輝!!」

 

「トランプやりましょー」

 

「もう9時なのにまだ起きてていいん!?」

 

「いいんです!!」

 

「すごいーん!!」

 

ふふふ…これが旅行の醍醐味よ!!

 

 

 

 

 

「ありゃ、一輝寝ちゃった」

 

トランプをやってると一輝が寝落ちしていた。

 

「珍しいね一輝が1番に寝ちゃうなんて」

 

「じゃあウチらもそろそろ寝るか…ってアレ?」

 

その時夏海は気付く、予定では床に寝るのは一輝だった。でも一輝が今いるのは蛍が寝る予定だったベット。このままでは…

 

「ほたるん、悪いけど一輝そのまま寝かせてあげて」

 

「あ、はいベットも広いので大丈夫ですよ」

 

蛍が快く引き受けてくれて良かった。あとは…

 

「ひか姉別に床でもいいよね?」

 

「んあ?あぁいいよいいよ〜」

 

寝ぼけているひか姉も承諾してくれた。そのままひか姉を床に敷いた布団に誘導する。

 

「そんじゃおやすみ」

 

「おやすみなさーい」

 

こうして長い一日が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで私が床なんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、目を覚ました一輝が自分に抱きつく蛍を見て顔を真っ赤にするのは言うまでもない




「そういえば一輝はどっちにするの?」

「そうだなぁ…」

《以下選択》
①やっぱり海でシュノーケリングだな

②ジャングルでカヌーとかやってみたいな




色々悩みましたがどちらも面白い話なのでシュノーケリングとカヌー、それぞれ選んだ場合で次回の2話を書いてみようと思います。

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