のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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皆さん!!長らくお待たせしました!!
「のんのんびより 輝く星」久しぶりの投稿です!!


36話 飛行機に乗った

「私が東京から帰ってくる間に間にそんなことあったんだ」

 

「俺もまさかスグ兄が当たるなんて思わなかったよ」

 

デパートでの一件から数日後、帰省してきたひか姉に俺達は沖縄チケットの事を話していた。テーブルの上座では『今日の主役』と書かれたタスキをつけたスグ兄がジュースを飲んでいる。

 

「で、結局沖縄行くの?」

 

「もちろん行くよ、だって沖縄だもん」

 

チケットは4人分なので俺、ナツ姉、コマ姉、スグ兄、蛍、れんげ、このみさん、駄菓子屋、一穂先生でいってもチケット代をかなり抑えられる。

 

「まさか沖縄に行けるなんて夢にも思ってなかったよ。今からすごい楽しみでさ〜」

 

「へぇ〜沖縄…ねえ…」

 

すると、ひか姉が黙り込む。あ、これはやはり…

 

「ひか姉は沖縄行きたくないん?沖縄海ものすごく青いのんに?」

 

「べ、別に行きたくないし、沖縄とか今めちゃ暑いっしょー?青いものくらい東京にだってあるしー」

 

れんげが問いかけるがひか姉は強がる。

 

「沖縄より断然東京だよ。そうだれんげ、東京みやげのおまんじゅう仏壇にあるから食べてきな」

 

「おまんじゅう!?食べてくるーん!!」

 

ひか姉の言葉にれんげは嬉しそうに仏壇へと駆けていった。

 

扉が閉まった瞬間、ひか姉はものすごい速さで俺に土下座してきた。

 

「沖縄行きたい沖縄行きたい沖縄行きたい沖縄行きたい!!お願いしますお願いします!!連れてってください!!沖縄沖縄ーーーー!!」

 

「変わり身はえーな」

 

あまりの変わり身の速さに俺は思わずツッコんだ。

 

「まったく、行きたいなら行きたいって言えば良いのに」

 

「妹の前で土下座なんて出来るかーー!!」

 

いや、土下座する必要ないから

 

「これが私の生涯最後の土下座だ!!ここまでしても駄目かーー!!」

 

「いやだから金払うのは一穂先生なんだから俺に頼んでも無駄だって」

 

「チクショーー!!」

 

俺の言葉でひか姉は床を叩きながら叫んだ。

 

「はぁ…心配すんなって、そう言うと思って一穂先生がひか姉の分もチケット用意してくれてるから」

 

「っっっしゃーー!!」

 

俺がそう言うとひか姉は歓喜の雄叫びを上げてガッツポーズをした。

 

「あ………」

 

すると、仏壇からお饅頭を持ってきたれんげがお饅頭を食べながらこっちを見ている。ひか姉もそれに気づいてガッツポーズをしたまま固まる。

 

「ま、チケット取ってくれたなら行ってやっても良いけど?」

 

「仏壇のとこまできこえてきたのん」

 

ま、そりゃあれだけ大声を上げてりゃそりゃそうなるな

 

 

 

 

 

 

 

旅行当日

 

『8時35分発 沖縄行き135便はまもなく搭乗手続きを開始いたします』

 

空港にたどり着いた俺達はその広さに、人の多さに絶句した。

 

「すげ…これが東京……」

 

ここにくる途中も田舎には無いような巨大な建築物や大勢の人がいた。越谷家に来る前にいたところもここまで凄くはなかった…

 

「駄菓子屋!!飛行機どこなん!?」

 

「待て待て、今センパイ達が荷物預けているからその後だ、迷子になったら沖縄行けなくなるから勝手にどっか行くなよ」

 

「んー」

 

れんげも空港に興奮しているようで駄菓子屋がそれを抑えている。

 

(ふむ、やっぱ駄菓子屋ってとことんれんげに甘いよな…)

 

れんげが赤ん坊の頃から面倒見てたのもあってすっかりれんげの母親状態になっている。

 

「一輝先輩、沖縄楽しみですね」

 

そんな俺を見て蛍が話しかけてくる。

 

「そうだな、俺も今から楽しみでしょうがないよ」

 

「はい!私、沖縄に行くのは初めてなのでやりたい事が沢山あります!!

 

「そうだよな、沖縄料理に、南国フルーツ、マングローブに海水浴…」

 

「海も楽しみですね、水着も新調しましたし…あ///」

 

「み、水着………///」

 

水着というワードに俺達は顔が赤くなる。その理由は数日前に遡る…

 

 

 

 

 

 

「水着を買いに?」

 

「そー、ほら姉ちゃん水着学校指定のしか無いじゃん?それでデパートで新しく水着買おうってことになってさ」

 

沖縄旅行の準備をしているとナツ姉が俺にそう提案してきた。たしかにせっかくの沖縄旅行、水着を新調するのはいいと思う。

 

「ちなみにほたるんも一緒に行くって」

 

「なっ!?」

 

蛍も来る、その言葉に俺は顔が真っ赤になる。

 

「おやおや〜一輝くんは何を想像したのかな〜」

 

「い、いや違…」

 

かつての海水浴、そこで見た蛍の水着姿…

 

「あっはっは!!一輝わっかりやすいな〜ほたるんを付き合い出してからさらにからかい甲斐があるな〜!!」

 

「ふん!!」

 

「あいたぁ!?」

 

思いっきり揶揄うナツ姉に俺は渾身の拳骨を繰り出した。

 

「全く…ここぞとばかりに俺をからかいやがって…」

 

俺はそう呟きながら準備を進める。しかし…

 

「蛍の…水着か…」

 

ちょっと見てみたくなった。

 

 

 

 

「はあっ!?行けない!?」

 

水着を買いに行く当日突然ナツ姉とコマ姉がドタキャンした。

 

「いや〜今日姉ちゃんに宿題見てもらう約束しててさー悪いけど一輝はほたるんと2人で行ってきて」

 

「宿題?いつも宿題サボってるナツ姉が…?」

 

「あーもう!!ウチの事はいいから行ってきて!」

 

ナツ姉はそう言うと俺の背中を押して外に出した。

 

「頑張れ一輝♪」

 

「な!?そう言う事か!!ナツ姉おい!!」

 

ナツ姉の言葉に俺は狙いに気付くがナツ姉は扉を閉め出してしまった。

 

「はぁ…まったくしょうがないなぁ」

 

 

 

「そうですか…夏海先輩達が…」

 

「全く…ここぞとばかりに俺をからかってさ…」

 

蛍と合流した俺はナツ姉達のことを蛍に話してため息をついた、

 

「えっと…じゃあ行こうか」

 

「は、はい…」

 

蛍は恥ずかしそうに頷くと俺の手を握って歩き出す。

 

「「…………////」」

 

お互い恥ずかしくなるが互いの手を優しく握るとデパートへと入って行った。

 

 

 

 

 

「うん、やっぱりこれだな」

 

俺は自分の水着を選ぶとカゴに入れた。我ながら中々良いやつが予算内で見つかって良かった。

 

「あ、一輝先輩。ちょっと良いですか?」

 

すると、蛍がこちらに声をかけてきた。何やら少し顔が赤い

 

「ん?どうしたの蛍?」

 

「えっと……水着を選んで欲しいのですが……」

 

 

 

 

 

「ゑ?」

 

衝撃の発言に俺は一瞬思考が停止した。

 

「み…水着を…」

 

「はい……」

 

顔を真っ赤にしてそう言う蛍に俺の顔はどんどん熱くなる。

 

「一輝先輩に……見てほしいんです。」

 

その言葉に嬉しさと恥ずかしさが込み上げてくる。

 

「わ…わかった…」

 

俺は頷くと蛍の持ってきた水着から俺は白をベースにしたフリルのついた水着を選ぶ

 

「こ…これなんか良いんじゃないかな?」

 

「え…えと…じゃあ試着してきます」

 

蛍はそう言うと更衣室に入っていった。

しばらくするとカーテンの向こうから微かに服を脱ぐ音が聞こえる。

つまり今カーテンの向こうには…

 

「な…何考えてんだ越谷一輝!!色即是空煩悩滅殺…」

 

俺はやましいことを考えてしまい慌てて目を閉じて心を無にしようとした。

 

「着替えました…」

 

しかし、その頃には蛍が着替え終えてカーテンを開けた。

 

「ど…どうですか?」

 

「…………………。」

 

その美しさに俺は言葉を失った。以前海水浴で見たものとはまた違うが可愛らしいタイプでありながら蛍のスタイルの良さを引き出していた。

 

「す…すごい似合ってる。とても綺麗だ…」

 

「ほ、ほんとですか…ありがとうございます」

 

俺の言葉が嬉しかったのか蛍は恥ずかしがりながらも嬉しそうに笑った。

 

「ん?」

 

俺はふと気配を感じその方向を見る。するとそこにはニヤニヤしながらこちらを見つめるこのみさんとナツ姉がいた。

 

「「〜〜〜〜〜〜っ!!///////」」

 

俺たちの顔は烈火の如く熱くなった。

 

 

 

 

 

「あの後…散々弄られたっけな…」

 

「あはは…そうですね…」

 

今思い出すとすごく恥ずかしくなってくる。

 

「おーいお前らーさっさとこーい」

 

すると、駄菓子屋がナツ姉とひか姉をヘッドロックして俺達を呼んでいた。

 

 

 

荷物を預けた俺達はいよいよ検問へと移った。ここで金属探知を行なっていよいよ飛行機に乗り込むのだ。

 

「反応しないか心配だな…」

 

「服のチャックとかは大丈夫かな?」

 

「それくらいなら良いんじゃない?」

 

「引っかかってお縄になるとか俺やだよ」

 

「大丈夫だってー早く行ってよ2人ともー」

 

中々入ろうとしない俺達をコマ姉が急かした。

仕方なく俺とナツ姉はゲートをくぐる。

 

「お、鳴らなかった」

 

「良かったお縄にならなくて」

 

「だから言ったじゃん、時間取らせないよね」

 

俺とナツ姉にそう言ってコマ姉はやれやれとゲートをくぐった。

 

ビィィィィ!!

 

「あ、少し失礼しまーす」

 

その瞬間、ゲートが大きな音を響かせて係員がやって来た。

 

「少し調べさせてもらいますねー。手、あげてもらえますか?」

 

そのままコマ姉は金属探知器で調べられる。

 

「うわー姉ちゃん捕まった」

 

「一番大丈夫って言ってたのに捕まったよ」

 

「容疑者小鞠の写真撮っとこう。地元じゃこんな写真撮れないわー」

 

すると、ひか姉が携帯でその様子を取り出した。

 

「やめてよー撮らないでよーやめてよー」

 

「いいよーその表情、捕まった悲壮感半端無いよー」

 

「コマ姉逮捕ナウ」

 

「あいつら何してんだ」

 

 

 

 

いよいよ飛行機に乗り込んだ俺は蛍の隣に座る。

 

「いよいよ飛行機かーまさか空を飛ぶ日が来るなんてなー」

 

「楽しみですね一輝先輩」

 

隣の蛍も楽しそうだ。

 

「ご搭乗ありがとうございます。非常設備についてご案内します。緊急の際は…」

 

その時、アナウンスが聞こえて緊急時についての話をする。

 

「……………。」

 

その時、俺は気づいた。飛行機は雲の上まで飛ぶことを、仮にそこから墜落なんてしたら…

 

「ほほほ蛍…だだだ大丈夫だよね…墜落したりとかしないよね…」

 

「だ、大丈夫ですよ一輝先輩!墜落なんて殆どしませんから!!」

 

固まる俺を蛍が慌てて宥める。

 

瞬間は飛行機が動き出す。

 

「ひっ!?」

 

そして滑走路をものすごく速いスピードで進み出し機体が持ち上がった。

 

「うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「沖縄に出発なーん!!」

 

俺の絶叫と共にどこかでれんげの声が聞こえた。

 




久しぶりにこちらも投稿しました。
こっちもこれから現在書いている「仮面ライダーリューマ」とは別に書いていこうと思いますので応援よろしくお願いします。

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