今まで待たせてすんません!!
のんのんびより無印編はここまで、次からはりぴーとになります。
「いや〜晴れた晴れた。野草採りには絶好の天気なんじゃないかな〜」
「そうだね、あとは蛍が来るのを待てば良いだけだし。」
「カズにぃ、ほたるんもう直ぐ来るん?」
「うん…そろそろだと思うけど…」
今日は道普請という村の行事が行われる。
どのようなことをやるのかと言うと、簡単に言えば周辺の掃除である。冬の雪解けで汚れた用水路の点検や掃除、道端に伸びて来た植物の枝打ちを村のみんなでやろうと言うものだ。まぁかなりの重労働と言うことで子供達は近場で遊んで良いとのことなのでれんげの家が持ってる山で野草採りをしようと言う話になったのである。
「……蛍まだかな…(そわそわ)」
そろそろ来る頃だと思いながらそわそわしていると
「一輝〜〜そんなにほたるんが心配なら迎えに行ってきなよ(ニヤニヤ)」
そんな様子を見たナツ姉がニヤニヤしながらそう言って来た。
「あぅ……その……//////」
「(ボソッ)昨日からすごい楽しみにしてたもんね〜」
たしかにナツ姉の言うとおり、昨日はすごく楽しみで無意識にニヤニヤしていた覚えがある…蛍にいろいろな野草を教えようって張り切っていたのだ。
「それじゃあ…俺ちょっと行って来る。」
「よしよし、行ってらっしゃい」
ニヤニヤしながらそう言うナツ姉を背に俺は歩き出した。
「いたいた、おーい蛍」
しばらく歩いていると、両親と一緒にいる蛍が一穂先生と話していた。
「あ、一輝先輩おはようございます♪」
俺が声をかけると蛍はこちらに気づき嬉しそうに駆け寄って来た。
「それじゃあ蛍ちゃん、一輝くん達と遊んできなさい」
「はーい♪」
蛍のお母さんは優しく蛍に手を振ると道普請のために水路の方へと向かっていった。
「それじゃあ行こうか蛍」
「はい一輝先輩、すみません遅くなってしまって」
「へいきへいき」
そう言うと俺は蛍の手を握って歩き出した。
「あ//////……えへへ♪」
すると、蛍は嬉しそうにすると手を握り返した。
「ナツ姉〜〜蛍来たよ〜〜」
「ほたるん来たーん」
ナツ姉たちは俺たちを見つけると手を振って来た。
「すいません、待たせてしまって」
「おっけーおっけー、にしても…(チラッ)」
「ん?…あっ!!//////」
ナツ姉が俺の手を見たのでそこを見ると、蛍とまだ手を繋ぎっぱなしであることに気づいた。
俺と蛍は顔を赤くして手を離すも
「いや〜〜相変わらず見せつけてくれちゃいますな〜〜(ニヤニヤ)」
「あぅ……」
ニヤニヤしながら弄ってくるナツ姉に俺たちはタジタジだった。
それからもしばらくナツ姉に弄られた。
それから少し歩いていると
「そう言えば先輩、私野草採りって初めてなんですけど…どんなのが取れるんですか…」
ふと、蛍が見た方を見ると『この先私有地』と書かれた看板があった。
「あのーーー…私有地って書いてありますけど…まずくないですか?」
「あー平気だよ蛍。」
「大丈夫なんほたるん。ここ、ウチの山なん」
「…?…?」
れんげの言葉に蛍はよくわからなかったようだ。
「要するにここの山全部れんげんちの土地だって事だよ」
「この山って…えっ!?ええええ!?どこからどこまでが!!?」
「ウチもよくわからないん大体ここらへんの山ぜんぶなん」
まぁウチもおじいちゃんが山持ってるしそんなに珍しくないな
「ほたるん東京にいたときとかは山持ってなかったん?」
「持ってるどころか周り見渡しても山自体なかったし…もっといえば砂場とかも公園に行かないとないくらいだもん」
そう言えば前にテレビで観た街は土の道すら無かったな…そう考えるとウチの村って相当田舎なのかな…
「おーいそんなことしてる間に山菜ゲットして来たー」
「んなー!?先越されたん!!なっつん何とったん!?」
「タラの芽ー」
俺たちが話しているうちにナツ姉がタラの芽をゲットしていた。こう言うときナツ姉輝くんだよな…
「そんじゃあ蛍、俺たちも山菜探すとするか」
「ふふっ、そうですね先輩」
ナツ姉たちの様子をみて俺たちも山菜を探すことにした。
「どこかなーっとあったあった」
探しているとぜんまいがたくさん生えているところを見つけた。
「蛍、一輝〜ぜんまいとれた」
「あ、それ写真か何かで見たことあります。よーし…じゃあ私も…」
蛍も負けじと周囲の草を探し…
「先輩、これなんて植物ですか?」
植物を手に見せて来た…うん…これは…
「「ただの雑草だな(ね)…」」
「雑草…どれが食べられるのかわかんないです…」
俺とコマ姉の言葉に蛍はとてもがっかりしていた。
「じゃあ俺が食べられる山菜とか教えるよ」
「え、本当ですか?ありがとうございます♪」
俺の言葉に蛍は一気に嬉しそうな顔をした。
「蛍、これがよもぎだよ、天ぷらとかおもちとかにも使える奴で…」
「うわぁ…たくさんありますね」
いくつか山菜を探しているとよもぎがたくさん生えているところを見つけた。
「山の中ってたくさん食べられる野草があるんですね」
「まぁね、けど気をつけないといけないんだよ」
「なんでですか?」
「山菜の中にはそれにそっくりな毒草もあるんだ。中には人を殺しちゃうような危険な奴もあるからしっかりと見分けないといけないんだ」
「…一輝先輩詳しいんですね」
「まぁね、ナツ姉と一緒に採りにいったり母さんに教わったりしたからね」
ナツ姉こう言うのすごく詳しいし母さんも結構詳しいからな…
「…私、この村に初めて来たとき、友達が出来るか心配だったんです。」
突然、蛍がそう呟いた。
「蛍?」
「ずっと東京で暮らしていたから…みんなと馴染めるのか…とても心配だったんです。けど、れんちゃんや夏海先輩、小鞠先輩あと卓先輩…なにより…」
顔を少し赤くして俺を見ると
「一輝先輩に会えた…」
「蛍…//////」
「私、ここに来てとても幸せです。」
俺と蛍は頬を赤く染めて見つめあっていた。
「蛍…」
「一輝先輩…」
…すると、
「ぶっうぉうぉーん!カズにぃ、ほたるーん!」
突然背後かられんげが走って来た。よく見ると頭にれんげ(花)の冠、背中に大きな葉っぱの羽を付けていた。
「お、どうしたれんげ、なかなかイカす格好だな」
なかなかファンシーな感じじゃないか?
「なっつんにつくってもらったん!!この格好ふぁ………ふぁん…この格好ファンキーなん?」
「ファンキー!!?」
ファンキーのほうか!?ファンシーじゃなくて!?
隣では蛍もどうリアクションすれば良いか困ってる…
「ま…まぁ見ようによってはファンキーかも…?」
「ファンキーなのーん!!」
れんげは大喜びで雄叫びをあげた。
「どう一輝?野草とれた?」
すると、ナツ姉たちも戻って来た。よく見るとスグ兄は口に大量のカタバミを加えてもそもそしていた。スグ兄…流石にそれはやりすぎだ……
「じゃあ向こうもそろそろ休憩だろうしもどろっか」
「はーい」
「そんじゃあこの後どうすっか?」
「うちおなかへったん」
確かに俺も少しお腹が減っていた。
「せっかく野草とったんだしウチでお昼ご飯にする?」
「あ、それなら私お母さんに言わないと」
「ご飯食べたらみんなでなんかして遊ぼうよ。」
「良いね、その後駄菓子屋に行くか」
どんどんこの後の予定が出来てきた。
「うち妖精ごっこしたいん!!こまちゃんも妖精になっていいん!!」
「いや私は妖精じゃなくて人間役がいいけど…」
……いや、コマ姉は絶対に妖精役の方が似合ってる。下手したられんげよりも似合うかも……そう思いながら必死に俺は笑いを堪えてた。
「本番に備えて妖精の正しい飛び方教えるのん!!」
「いやちょっと……私やるって言ってないからね」
「しょうがないんなーじゃあウチとなっつんが妖精役なんなー」
「えー流石にウチも妖精ごっこは無理だって〜〜」
「こうやって手を前にだして前かがみになりながらぶっうぉうぉーんって言って走るん!」
「ぶっうぉうぉーん!」
ナツ姉ノリノリじゃねえか
「…ははっ」
…思えば俺もこの村に来て良かった。
母さんやナツ姉、コマ姉、スグ兄、れんげ達、そしてなにより蛍に出会えた…やっぱり…うん
「俺は今幸せだな」
はい!!これで無印編終了デス!!
次は新章りぴーとですのでお楽しみに!!