ちなみに今回はどうしても描きたかった過去編を投稿します。
これは・・・越谷 一輝が旭丘分校に来て間もない頃のお話
「やっすみじかんー♪やっすみじかーーん♪」
現在授業が終わって休み時間に入った時間である。
「ウチ、ブロックであそぼー♪一輝も一緒にやろー」
そう言って元気よくブロックのあるおもちゃ箱へと向かったのは、当時小学2年生のナツ姉こと越谷 夏海である。
「う・・・うん、ナツ姉」
そのナツ姉の後ろについて来ているのが当時小学1年生だった俺、越谷 一輝である。
「えへへ、小吉さ〜ん♡」
その後ろでランドセルの中に入っていたぬいぐるみの小吉さんで遊びだしたのが当時小学3年生のコマ姉こと越谷 小鞠である。
「あ、小鞠ちゃん学校にぬいぐるみ持ってきちゃダメじゃない」
そんなコマ姉に注意をしているのが当時中学1年生の富士宮このみさん、
「先生に見つかったら没収されるぞー」
頬杖をつきながらコマ姉に声をかけたのが当時中学3年生の駄菓子屋である。
「センセも授業中に遊ばなきゃいいっていってた」
コマ姉はこの小吉さんのぬいぐるみが大好きでいつも大事に持ち歩いていたのである。
「・・・このみさん・・・ひか姉って今日休みなの?」
ナツ姉とブロックで遊んでた俺はふと当時小学5年生だったひか姉の姿がないことに気づくとこのみさんにそう聞いた。
「風邪でも引いたのかな?」
「昨日までピンピンしてたぞ?あーでも今日の給食カレーだからひかげの分も食べれるなー」
「だっ・・・ダメだよ駄菓子屋!!ひか姉苦しんでるかもしれないんだよ!?心配しなきゃ!!」
俺は慌てて駄菓子屋に言った。
「じゃあ一輝はおかわりなしだな♪」
すると、駄菓子屋がからかうつもりでそう言った。すると、
「・・・ふぇぇぇんだってぇぇぇぇえ」
「うおっ!?待て待て悪かったって一輝!!」
「もう駄菓子屋!!一輝くん泣かせちゃだめだよ!!」
このみさんは慌てて俺を撫でて慰めた。幸い今回はすぐに落ち着いた。
そう、当時の俺はものっすごい泣き虫だったのである・・・何かあるとすぐに泣いてこのみさんや母さんに泣きついていた・・・今思うとすごい恥ずかしい・・・
ガラッ
「ういーっす」
すると、噂をすれば影とやら・・・ひか姉が遅れてやってきた。
「おっ、ずいぶん余裕の登校だな」
「いやーちょっとごたごたがあって遅れた」
すると、ナツ姉がひか姉を見つけた
「ひか姉遅刻かー!?」
「いいじゃんか別にー」
「いーけっないだーいっけないんだー♪ほら、一輝もー」
「えっ!?えと・・・せーんせいにいっちゃーおー?」
ナツ姉に催促された俺はナツ姉に続いた。
「お前ら子供か」
子供である。
「って・・・」
「あれ?」
すると、俺たちはふとひか姉の後ろにいるソレに気づいた。
「ひか姉の後ろになんかいる!!」
「うわぁ・・・赤ちゃんだ・・・」
そう、そこにいたのは皆さんご存知、当時赤ん坊だったれんげである。
「えっ!?ひかげちゃん学校にそんなの持ってきちゃダメじゃないっ!!」
「先生に見つかったら没収されるぞ」
「おおーーー動いてるっ!!」
「か・・・噛みつかない?」
「あんたら人の妹なんだと思ってんの」
まだ幼かった俺には赤ん坊とは未知の生命体のような存在であったので恐る恐るそう聞いたのだ。
なんでも親が仕事で忙しく、当時は大学生だった一穂先生もいなかったため今日は学校で面倒見てもらうことになったらしい、なお、今日の給食がカレーだと覚えていたため学校に来たとのことだ。
「じゃあ駄菓子屋はい」
そう言うとひか姉はれんげを駄菓子屋に差し出した。
「え?」
「先生がさ、一番年長者の駄菓子屋がれんげの世話係やれって言ってた」
「はぁ!?なんだよそれっ!!こういうのはこのみのほうが適任だろ!!」
「そう言われても決まったもんは決まったんだしよろしくたのむよ年長者」
駄菓子屋は慌てて抗議するがひか姉は聞く耳持たんらしい
「はーい、なっちゃんと小鞠ちゃんと一輝くんは一緒に遊ぼうねー眼鏡君もおいでー」
「あっおい!!」
このみさんは俺たちを連れてその場を離れた・・・ちなみに眼鏡君とはスグ兄のことである。
「このみさん、駄菓子屋ほっといていいの?」
「へいきだよー♪駄菓子屋強いから」
心配する俺にこのみさんは優しくそう言った。
「一輝〜早くブロックやろー、今日は2人で積み木の高さ最高記録作るんだよー」
すると、ナツ姉が俺をせかしはじめた、
「あ・・・ごめんナツ姉」
「おー、なっちゃん、一輝くんふぁいとー」
ナツ姉はよく俺をいろんなところに連れ出して遊んでくれる。トラブルに巻き込まれることも多いが当時から一番一緒に遊んでいたのは間違いなくナツ姉だろう
「一輝そっちを積み上げろ〜」
「い・・・いえっさぁ・・・」
ナツ姉の指示に従って俺は恐る恐る積み木を積み上げていった。
積み木はどんどん高くなっていきあと1つ俺が積み上げれば完成というところまで来た。
「よっしゃーいけ一輝〜高みの道へー」
「まっ・・・まかせろ!!」
ナツ姉の声援もあり勢いが出て来た俺は慎重に積み木を開こうとした瞬間、
ガラァァァンッ!!
赤ん坊れんげが積み木に突進して積み木は崩れてしまった。
「あ・・・・・・積み木が・・・・・・」
「ウチらの・・・さいこうきろくがぁーー!!」
一瞬の静寂の後、ナツ姉と俺の泣き声が教室に響いた。
「うわぁぁぁん!!あと1個だったのにー!!」
「どういうことーーっ!!」
「ちょ・・・2人ともそれくらいで泣かないのっ!!」
そんな2人を見てコマ姉が俺たちを慰め出した。
「ほら、2人とも落ち着いて、家に帰ったら私のお菓子半分2人にあげるから」
「え・・・まじで?」
「・・・ゔんなぎやむ・・・」
瞬間、2人は泣き止んだ。
「おおーーーさすがお姉さんだね、えらいよ小鞠ちゃん」
俺たちを慰めたコマ姉にこのみさんは感心した。
「ふふーん、私もう3年生だもーん。これくらい当然・・・」
コマ姉は得意げになるが・・・ふとコマ姉が隣を見ると、
コマ姉のとっても大事なぬいぐるみの小吉さんがれんげに噛みつかれ、その後床に叩きつけられ・・・よだれでベットベトになっていた。
「小吉さん小吉さん小吉さん小吉さんがーーー!!小吉さんがべっとべとー!!」
瞬間、コマ姉は大泣きした。強がってもやっぱり当時からコマ姉はコマ姉であった。
「・・・あれ?れんげちゃんがいない?」
するとま、俺はれんげの姿がないことに気づいた。
慌てて俺は廊下へと走った。
廊下へでると・・・配膳室へと入っていくれんげが見えた、
「たしかあそこって・・・カレーが置いてあるところ!!」
みんながずっと楽しみにしていたカレー・・・慌てて俺は配膳室へと入った。
中に入ると、れんげがよりにもよってカレーの鍋を引っ張りだそうとしていた。
「ちょ・・・だめだよれんげちゃん!!それみんなが楽しみにしているカレーなの!!離して!!」
「んなー!!」
慌ててれんげを引っ張るがれんげはカレーを離さない
「おい一輝!!そっちにれんげいんのか!!」
すると、騒ぎを聞きつけた駄菓子屋たちが配膳室に入って来た。
「ほら!!れんげちゃんカレーはだめ!!離して!!」
「なぁーっ!!」
俺はれんげを引き剥がそうと必死で引っ張るがれんげはなかなか離さない・・・そして
「ちょっ・・・待って一輝くん!!そんなに強く引っ張ったら・・・」
ガコッザバァッ!!
遂にカレーは床へと盛大に溢れていった。
「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」
その光景にみんなが沈黙する・・・-
ふとれんげが溢れたカレーを指で舐める
パァァァ
「うままっ」
どうやら気に入ったようだ・・・
「カレーが・・・」
「楽しみにしてたのに・・・」
ぷるぷる・・・
幼いナツ姉とコマ姉は目に涙が溢れていき・・・
「あ・・・ご・・・ごめんなさい・・・だって・・・カレーを守りたくて・・・」
責任を感じた俺も涙が溢れていき遂に・・・
ダム決壊
「「カレーカレーカレー!!ずっと楽しみにしてたカレーがーーーーー!!」」
「うわぁぁぁん!!ごめんなさぁぁぁぁい!!ぼくのせいでぇぇぇぇ!!」
「「カレェェェーーー!!!あああああっ!!!」」
「ごめんなさぁぁぁぁい!!」
「「ぴやぁぁぁぁぁぁ!!!カレェェェェェカレェェェェェかれええーーーー!!」」
「ふぎゃぁぁぁぁぁあ!!!ごめんなさぁぁぁぁい!!」
教室に俺とナツ姉、コマ姉の3人の絶叫が響き続けた・・・
そして現在
「こうして赤ん坊のれんげは初登校にして学校を制圧したってわけ」
「す・・・すごい話ですね・・・」
給食の時間、偶然カレーだったことでふとこの時のことを思い出した俺は蛍に教えたのだった。
「あれは本当に衝撃的だったよ・・・しばらく俺はれんげがトラウマでひどい時は見ただけで泣きそうになったからな・・・」
まぁ今ではいい思い出だが・・・
「ウチそんなことしたん?」
れんげはその日のことを覚えてないんだよな・・・
俺はため息を吐きつつカレーを口にした。
つい書きたくなった過去編書きました!!
感想待ってます!!