のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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タイトルどうりです


29話 好きな子に告白した

物語は少しだけクリスマスパーティーの数日前にさかのぼる、俺はあるものを買いに街の方へ来ていた。

まず、クリスマスパーティーで交換するプレゼントを、そして、蛍にあげるためのプレゼントを買うためである。

 

「交換用のプレゼントはみんなが使えるものを買うとして・・・蛍にあげるプレゼントは何がいいのかなぁ・・・」

 

はっきり言って俺には特定の女の子にプレゼントをあげたことなど一度もない・・・よく「自分がもらって嬉しいものや自分の気に入ったものをあげる」といいと言うが、自分のセンスで大丈夫だろうか・・・

 

「とりあえずいろいろ見てみよう」

 

そう思った俺はとにかくいろんな店を回ることにした。

 

 

「うーん・・・蛍が好きそうなもの・・・何がいいかな・・・」

 

交換用のプレゼントを買った俺は早速蛍にあげるプレゼントを探しているのだがなかなか見つからなかった。

 

「・・・・・・ん?」

 

ふと俺はある店が目に入った。そこには小さいながらもどこか小洒落たアクセサリーショップがあった。

 

「ちょうどいいや、ここで何か探してみよ」

 

そう思った俺はすぐに店の中に入っていった。

 

カランカラン

 

扉を開くと鐘の音がなり中から年をとったおばあさんが出て来た。

 

「いらっしゃい、何をお探しでしょうか?」

 

おばあさんは皺くちゃの顔でニッコリと優しく微笑んだ。

 

「あの・・・女の子にプレゼントするアクセサリーを探しているんですけど・・・何かあるでしょうか?」

 

俺の問いかけにおばあさんは再び優しく微笑むと

 

「そうですね・・・それならこれなんてどうでしょうか?」

 

おばあさんはカウンターから『それ』を取り出すと俺の前に置いた。

 

「これは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ今日はクリスマスパーティー当日、俺たちは部屋に飾り付けを済ました部屋に集まっていた。

 

「えー、それではこれより、クリスマスパーティーを開催しまーす!!」

 

「開催するのーん!!」

 

ナツ姉の開催の宣誓とともにれんげが叫んだ。

俺たちは今回クリスマスパーティーということで頭にはサンタの帽子を被っている。ちなみにれんげはトナカイの角である。テーブルには持って来たお菓子、そして昨日俺と蛍の2人で完成させたケーキが並んであった。

 

「いやー今日はいい天気でクリスマスパーティーにはいい日和だねぇ〜」

 

「部屋の中でやるのに天気関係あんのか?」

 

「気分が違うでしょ〜♪」

 

まぁ確かに言われてみればそうではある。

 

「そんじゃあみんなコップ持って〜」

 

ナツ姉の言葉に従い俺たちはジュースの入ったコップを手にした。

 

「そんじゃあせーの・・・」

 

「「「「「カンパーイ!!」」」」」

 

こうして俺たちのクリスマスパーティーが始まった。

 

 

 

 

「このケーキおいしー♡一輝も蛍もありがとー♪」

 

コマ姉はとても幸せそうにケーキを食べていた。

 

「あっ、おいナツ姉!!いちご取りすぎだぞ!!」

 

ふと気づいたらナツ姉が自分のとったケーキにいちごをさらに乗っけていた。

 

「えーいーじゃんべつにー」

 

「よくねーよ!!俺たちのいちごがなくなっちゃうだろ!!」

 

「まぁまぁ、こんど飴玉あげるから」

 

「割りに合わねーよ!!」

 

ヘラヘラしているナツ姉に俺は怒った。

 

「お・・・落ち着いてください、夏海先輩も、ケーキは1人2つはあるので取りすぎないように・・・せっかくのクリスマスパーティーなので・・・」

 

蛍は慌てて俺たちをなだめた。

 

「あ・・・悪りぃな蛍」

 

俺は慌てて蛍に謝った。俺はポケットに入った『それ』を静かに握りしめた。そうだ、俺は今日蛍にこれを渡して告白するんだ・・・落ち着け落ち着け・・・

 

その後もみんなでお菓子を食べながら楽しんだ。ケーキはみんなに高評価でとても嬉しかった。

お菓子の数が少なくなって来た頃・・・

 

「よーし、それじゃあそろそろプレゼント交換しよーか!!みんな持って来たプレゼントだしてー♪」

 

ナツ姉の合図とともに俺たちは交換用のプレゼントを取り出した。

 

「えーとですね、それではプレゼントに番号を貼った後、くじを引いてその番号と同じプレゼントももらえまーす♪ちなみに自分のプレゼントの場合はやり直しで〜」

 

ナツ姉は俺たちの持って来たプレゼントに番号を貼り付けるとくじの入った箱を持って来た。

 

「そんじゃあ誰から引く?」

 

「ジャンケンでいいんじゃね?」

 

「そうだね、そんじゃあ行くよー」

 

ナツ姉の合図とともに俺たちは身構えた

 

「「「「「じゃーんけーんポンッ!!」」」」」

 

俺、ナツ姉、蛍、れんげがグー

 

コマ姉がパー

 

「ヤッタァわったしー♪」

 

「うげぇ、姉ちゃんかぁ・・・」

 

蛍は嬉しそうにくじを引いた、

 

「ええと・・・3番かぁ」

 

コマ姉は3番のプレゼントを手に取り箱を開けると・・・

 

 

画用紙で出来たちょうちょのような羽と触覚が出て来た。

 

 

「それうちが作った『妖精さんなりきりセット』なのーん!!」

 

れんげのプレゼントのようである。

 

「・・・・・・・・・」

 

ヤバい、コマ姉にめっちゃあってるかも・・・

コマ姉はなんとも言えない顔になっておりナツ姉は笑いを全力で堪えていた。

 

「それじゃあ次は俺の番ね?」

 

次は俺の番である、俺はくじを引いてみた。番号は1番だった。

 

(蛍のプレゼントが当たったら・・・嬉しいなぁ・・・)

 

そんな風に少し希望を抱きながら俺は1番のプレゼントの包みを開けてみた。

 

中からは弾力のあるゴムでできた半球型のおもちゃ、バネのようなおもちゃ、ふわふわのカラフルな虫のようなおもちゃが出て来た・・・

 

 

「・・・・・・これってひょっとしなくても・・・」

 

「あ、それウチのやつだ」

 

やっぱりあんたのか・・・てかこれって要らないおもちゃを入れただけじゃねーか・・・

 

次はナツ姉、ナツ姉はくじを引いてその番号のプレゼントを開けてみた。

 

中からはオシャレなマグカップが出て来た。

・・・そのプレゼントは・・・

 

「よりにもよってナツ姉が俺のプレゼントを開けるか・・・」

 

「へぇ〜一輝いい趣味してるね〜♪」

 

「さんきゅ〜一輝♪」

 

コマ姉は羨ましそうにそれを見つめナツ姉も気に入ったようだ・・・まぁいいか、蛍にあげるプレゼントはもう決まってる・・・

 

その後、れんげと蛍は余ったプレゼントのうち、自分のプレゼントでない方を手にした。れんげは蛍の持って来たアロマキャンドル、蛍はコマ姉の選んだシュシュであった。

蛍はとても嬉しそうであった。

 

 

その後もみんなで盛り上がり、俺は少し風に当たりたくなったので外に出た。

 

「・・・やっぱりなんだかんだで結構盛り上がったな・・・」

 

ガラッ

 

「あ、先輩どうしたんですか?」

 

すると、扉から蛍が出て来た。

 

「蛍・・・ちょっと風に当たりたくなってね・・・」

 

「あ、私もです・・・」

 

こうして俺たちは2人、庭で風に当たっていた・・・すると、

 

「あっ!!先輩、雪ですよ!!」

 

空を見ると白い雪がチラチラと降り出した。

 

ホワイトクリスマスとはなんとも風情がある・・・

 

「・・・・・・よしっ」

 

そして俺はある決心をした。

 

 

 

 

 

「蛍・・・ちょっとだけついて来てくれる?」

 

「え・・・?あ、ハイ・・・」

 

俺たちは懐中電灯を手に歩き出すと少し離れたところにある川辺についた。

 

「まず最初に・・・蛍、これプレゼント」

 

そして俺は買っておいた蛍へのプレゼントを出した。

 

「え・・・これって・・・」

 

「蛍に似合うと思って・・・買って来たんだ、開けて見て?」

 

そう言われた蛍は小箱を開けて見ると、

 

「わッ これってッ」

 

 途端に、目を輝かせた。

 

 小箱の中に入っていたのは、小さなネックレスだった。銀色の素体に美しい装飾が施された2枚のリングが安置されている。

 

「こ、これを私に、ですか?」

 

「あ、ああ」

 

 尋ねてくる蛍に対し、俺もまた、少し照れくさそうに目を逸らしながら答える。

 

そして俺は言葉を続けた。

 

 

 

 

 

 

「俺さ・・・蛍にずっと言いたかったことがあるんだ・・・」

 

「・・・え?」

 

俺の言葉に蛍はキョトンとした。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

顔が熱い・・・心臓がばくばくする・・・でも、言わなければ前に進めない・・・

 

(勇気を出せ越谷 一輝!!今日はそのために来たんだろ!?)

 

 

「・・・・・・先輩?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺・・・蛍のことが好きだ」

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

俺の告白に蛍は顔を赤く染めた。

 

「え・・・?先輩・・・それって・・・」

 

「ずっと一緒にいて・・・いつしか蛍のことを目で追っているようになった・・・そして・・・気づいたんだ、この気持ちに」

 

心臓がドキドキする、しかし、自然と言葉が出て来た。

 

 

 

 

「俺、越谷 一輝は一条 蛍のことが好きです。もしよければ俺と付き合ってください」

 

そして、俺は蛍の目を見て再び告白した。

 

 

「わ・・・私も・・・」

 

すると、顔を真っ赤に染めて蛍が言葉を続けた。

 

「私も・・・一輝先輩のことが好きです・・・こんな私でよければ・・・よろしくお願いします」

 

こうして、2人の思いが通じあった。

 

「あは・・・なんか・・・恥ずかしいな・・・」

 

「えへへ・・・そうですね・・・」

 

2人は見つめあって恥ずかしそうにはにかんだ。

 

「あ・・・そうだ、実は私からも・・・」

 

そういうと蛍は蛍手に持っていた紙袋を取り出すと俺に差し出して来た。

 

俺が包みを開けると

 

 

 

「マフラー・・・」

 

そこには手編みの白いマフラーがあった。

 

「編んでくれたの?」

 

「はい・・・」

 

蛍は照れながらそう返した。すると、蛍は手を伸ばしてマフラーを俺の首にかけて来た。

 

「あ・・・蛍・・・」

 

「苦しくないですか?」

 

俺の首にマフラーを巻き終えると蛍は手を離した。

・・・マフラーはとても暖かく少し顔が暑かった。

 

「それで・・・このネックレスなんですが・・・」

 

「・・・?」

 

「付けて・・・もらえますか?」

 

考えて見たらそうである。プレゼントされた蛍としては、取りあえず付けてみたいと思うのは当然の事だった。

 

「貸して」

 

 俺は蛍の手から小箱を受け取ると、ネックレスを手に持って蛍に近付く。

 

 近付く2人。

 

 互いの吐息が重なるくらいに近付いた状態で、俺は蛍の首にネックレスを付けてやる。

 

「ど・・・どうですか?」

 

顔を赤く染めて聞いてくる蛍に俺はストレートに答えた。

 

「似合ってる。とても似合ってる。綺麗だよ」

 

「・・・嬉しいです」

 

その言葉に蛍はとてもしあわせそうだった。

 

 

 

空には綺麗な雪がなお降り続いていた。

 

 

 

 




祝!!カップル成立!!




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