クリスマスも間近になった真冬・・・
「と言うわけで!!みんなでクリスマスパーティーを開催しようって話!!」
こたつの中で俺とナツ姉、コマ姉、スグ兄がくつろいでいると突然ナツ姉が言い出した。
「・・・・・・夏海もまたまた突然言いだすなぁ・・・」
「いや〜だってせっかくのクリスマスじゃん、大勢で盛り上がりたいと思ってね」
ナツ姉はワクワクしながらそう言った。
「・・・言っとくけどやるからにはちゃんとやるんだよ?文化祭みたいなことになったら俺も本気で怒るから」
「げっ・・・わかってるって一輝、もう一輝の怒りは買いたくないしさ・・・」
俺がジト目でナツ姉を見つめるとナツ姉は冷や汗をかきながらそう言った。
「さーて、それではクリスマスパーティーに向けての会議を行いまーす」
それからナツ姉はれんげと蛍を呼ぶと早速作戦会議をすることになった。
「ええと・・・とりあえずクリスマスパーティーで何やりたいかとかを話し合いたいんだけどさ・・・何か意見とかってある?」
「ええと・・・私はプレゼント交換とかしてみたいです」
すると、蛍が手を上げて提案した。
「なるほどぉ・・・イイネイイネ、他に意見は?」
「ケーキ食べたい!!」
そう提案したのはコマ姉だった。
相変わらず子供らしい意見である。
「手品みたいな出し物とか?」
俺も思いついたアイデアを出してみる。
こうして、いろいろなアイデアが次々と出ていき、クリスマスパーティーの大体の出し物を決めることができた。
出し物も決まったので早速俺たちは準備をすることになった。
「れんげ、そっちの折り紙で飾り作って」
「わかったのーん」
「ほたる、そっちの刺繍終わったらこっちもお願い」
「わかりました」
俺とれんげ、ナツ姉は折り紙でいろいろな飾り付けを作り、コマ姉と蛍が刺繍でいろいろなものを作っていた。他にも綿を使って雪を作ったりと飾りはだいぶ出来てきた頃、
「あ、そうだ。ケーキはどうしよっか」
ナツ姉がケーキのことを思い出した。街まで買いに行くのもアリだがかなり遠く手間もお金もかかってしまうだろう・・・
「あ、それでは私が作ってきます。確かちょうど材料があったはずなので」
「お、ほたるんの手作りかぁ〜楽しみだなぁ〜」
蛍の提案にナツ姉は嬉しそうにした。
しかし、
(・・・蛍だけにやらせるのもなんかひけるなぁ・・・)
何か俺も手伝わなければ・・・
「じゃあ俺も手伝うよ」
「本当ですか、ありがとうございます」
俺の提案に蛍は嬉しそうに微笑んだ。
「それじゃあ私も手伝いを・・・」
「「コマ姉/姉ちゃんは手伝わなくていい!!」」
俺とナツ姉の全力のツッコミが炸裂した。・・・コマ姉が手伝ったらケーキに砂糖の代わりに大量の塩をぶちこまれたり変なものをケーキに入れたりしかねない・・・
「と・・・とにかくケーキの方はほたるんと一輝の2人に任せるよ」
「あいよ」
「任せてください」
こうして俺と蛍にケーキ作りの使命が出来た。それからもクリスマスパーティーの準備は着々と進み、あとはケーキ作りだけになった。ケーキ作りはクリスマスパーティーの前日に行うことになった。
クリスマスパーティー前日
「母さーん、俺ちょっと蛍の家に行ってくるからー」
「はーい、夕ごはんまでには帰っておいでよー」
「わかったー」
俺は蛍とケーキ作りをするために蛍の家に行くことになった。
(・・・蛍と一緒に料理かぁ・・・なんだか楽しみだなぁ)
好きな子の家で一緒に料理を作る、それがなんだか楽しみで仕方がなかった。
しばらく歩いていると蛍の家に着いた。
ピンポーン
『はーい、どちらさまですかー?』
ガチャリ
扉が開くと蛍のお母さんが出てきた。
「あら一輝くん、話は蛍から聞いているわよ。蛍は今キッチンで準備しているわよ」
「ありがとうございます」
「良いのよお礼なんて、一輝くんのことは蛍から聞いているわよ。いつも自分に優しくしてくれるって、これからも蛍と仲良くしてあげてね♪」
「あ・・・はい///////もちろんです・・・」
思わず顔が熱くなってしまった。
「ふふっ、頑張ってね♪」
「///////っ!!そ・・・それは・・・」
蛍の母さんは微笑みながら部屋に戻って行った。
・・・蛍の母さんにバレてしまったかもしれない。
「あっ、いらっしゃい一輝先輩」
すると、俺がきたのに気づいたのか蛍がキッチンから出てきた。
「あっ・・・」
そのとき、蛍の姿は私服の上にエプロンを羽織っており、とても大人びていた。どこか大人びておりとても似合っていた。
「あ・・・あぁ・・・ごめんな、待たせちまったか?」
「いえ、準備をしていただけなので・・・」
「「・・・・・・///////」」
いつの間にか2人きりになっていることに気づいた蛍は顔を赤く染めて黙ってしまった。
「・・・作るか」
「・・・はい」
少し顔を赤くしながら俺と蛍はキッチンへと入った。
「そういえばどんなケーキを作るんだ?」
「ええと・・・いちごがたくさんあったのでいちごケーキにしようかと思っています」
「なるほど、みんなも好きだし良いと思うよ」
いちごケーキは俺も大好きである。前にいちごケーキのをみんなで食べた時にいちごを巡ってナツ姉と取り合いになったことがある。あのあと母さんのげんこつが炸裂したっけなぁ・・・
さっそく俺たちはケーキ作りに取り掛かることにした。
「蛍、クリームはこれくらいかき混ぜれば良い?」
「はい、それが終わったらいちごを切ってもらえますか?」
「あいよ、生地の方は調子はどう?」
「はい、だいぶ出来てきましたよ」
俺がクリームとトッピングを、蛍は生地を作り始めた。
クリームはうまい具合に作れ、俺はいちごを切り始めた。
(・・・チラッ)
俺はふと生地を作っている蛍を見た。
ボウルに入った生地をかき回している蛍はとても大人っぽく、しかし可愛らしさもありとても魅力的だった。
その時、
「・・・痛っ!!」
突然指に痛みが走った。どうやらいちごを切っている時に指を少し切ってしまったようだ。
「あっ・・・先輩大丈夫ですか!?」
それを見た蛍は慌てて戸棚から救急箱を取り出した。
「あ・・・いいよ、大して切れてないしほっておけば・・・」
「ダメです!!ばい菌が入っちゃったら大変です!!絆創膏を貼りますから!!」
蛍は俺の手を取ると血を脱脂綿でふき取ると可愛らしい絆創膏を俺の指に貼り付けた。
「・・・//////////////」
暖かく柔らかい蛍の手が俺の手に触れていた。
「・・・よしっこれで大丈夫ですよ・・・どうしました?顔が赤いですよ?」
「・・・っ///////だっ大丈夫!!・・・ありがとな」
俺は慌てて立ち上がった。
「そ・・・それじゃあそろそろオーブンに入れるか」
「あ、はい。そうですね」
そして俺たちはケーキの生地を型に入れるとオーブンに入れて焼き始めた。
「今日は手伝ってくださってありがとうございます。先輩が手伝ってくれたおかげでとても上手く出来ました」
蛍は嬉しそうに笑みを浮かべながらお礼を言った。
「あ・・・いや、蛍の料理が上手いからだよ」
「そ・・・そんなお世辞なんて・・・」
「「//////////////」」
2人は互いに顔が赤くなった。
チーーーーン
突然オーブンの音が響いた。
「・・・そ、それじゃあ私、生地を出しますね」
「あっ・・・それなら俺が・・・」
慌てて俺はオーブンに手を出した。
「「・・・あっ///////」」
瞬間、2人の手が重なった。
「///////っすまん蛍!!」
「い・・・いえ、こちらこそすいません・・・」
2人の顔はもう燃えているのかと思うほど赤くなっていた。
「あ・・・はい・・・」
俺たちは生地をオーブンから取り出すとクリームを塗りトッピングを盛り付けた。
「なんとか出来たな」
「はい、とても上手く出来て良かったです」
自分たちで作った手作りのケーキに達成感を感じた。
その日の晩、クリスマスパーティーを明日に控えた俺は空を見ながらある決心した。
「・・・俺・・・決めた・・・」
俺は蛍につけてもらった絆創膏を見ながら言葉を続けた。
「俺は・・・このクリスマスパーティーで・・・」
眼に浮かぶは、自分の好きな人。自分より1つ年下だがどこか大人っぽくしかし、可愛らしい少女、一条 蛍であった。そう、俺は・・・このクリスマスパーティーで・・・
「蛍に・・・告白する!!」
越谷 一輝、覚悟を決める
次回・・・乞うご期待!!
感想待ってます!!