のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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続けて投稿です。


27話 雪の中で遊んだ

 

学校でのお泊まりが決まりそれぞれの布団で眠る深夜、

 

「うーん・・・なんだか寝付けないな・・・」

 

どうもあまり俺は寝付けずにいた。いつもならすぐに眠っている頃のはずなのにどう言うわけか眠れなくなっていた。おそらく枕がいつもと違うからだろうか・・・

 

「仕方ない・・・すこし外に出てみよ」

 

そう思った俺はコートを体に羽織り外へ出た。

 

 

 

 

外はもうすでに吹雪も止んでおり、新雪が積もっていてとても綺麗だった。そして何より星が空いっぱいに輝いておりとても綺麗だった。

 

「・・・・・・思えば俺がこの村に来てもう6年も経つのか・・・そう考えると早いな・・・」

 

母さんに引き取られてからいろいろなことを体験した。ナツ姉やコマ姉、スグ兄といった兄や姉を得て、このみさんや駄菓子屋、れんげといった友人や頼れる人にも出会えた。そして、今年には生まれて初めて好きな人ができた。蛍のことである。気づけば自分は彼女のことを目で追っており、さらには彼女のことをふと気づけば考えていた。おそらくこれが『好きになる』と言うことなのだろう。

 

「あれ?一輝先輩?」

 

ふと声がしたのでふりむくと、そこには蛍がコートを羽織って立っていた。

 

「蛍?どうしたの?」

 

「いえ・・・なかなか寝付けなくて・・・そしたら雪がすごい積もっていたのでつい・・・」

 

どうやら蛍も俺と同じ目的で来たようだ。

 

「確かに、ここしばらくでは一番降ってるなぁ・・・」

 

「私・・・こんなに雪が積もってるのって初めて見ました。東京じゃこんなにすごい雪見れません」

 

蛍はとてもワクワクしていた。どうやら本当に嬉しいようだ。

 

「なぁ蛍、もしよかったらちょっと一緒に遊ばない?気を紛らわす程度にさ」

 

すこし遊べば寝つきも良くなるだろうし・・・

 

「はいっ!!是非!!」

 

蛍もノリノリのようだ。よかったよかった。

 

 

 

 

 

((ほたる/ほたるんと一輝が、真夜中の校庭でなんかしている))

 

その様子を、夏海と小鞠が様子を見ていた。

小鞠が蛍が外に出るのを目撃しよく見たら一輝もいなかったので夏海を起こして様子を見に来たのだ。

 

「な・・・なにしてんの2人とも・・・」

 

「しっ!2人に気づかれる!!」

 

夏海は2人の様子を分析し・・・

 

「なぁるほどねぇ・・・」

 

「え?夏海なんかわかったの!?」

 

「いやぁ〜別になにも〜(ニヤニヤ)」

 

ある程度は予測できた。

 

 

 

 

 

 

「とりゃっ」

 

「きゃっ、えいっ」

 

俺と蛍は一緒に雪合戦をしていた。新雪なので柔らかく当たっても痛くないので雪合戦にはちょうどよかった。

「やるなぁ蛍、でも・・・これでどうだっ!!」

 

俺は2つの雪玉を蛍へと投げた。雪玉は2つのうち1つが蛍に当たった。しかし、

 

「えいっ!!」

 

蛍は動じず大きな雪玉を俺に投げて来た。

 

「ぶふぉっ!!」

 

 思わぬ蛍の反撃に、俺は思わずバランスを崩して倒れる。

 

 そのまま、雪の上に尻餅を着いてしまった。

 

 その姿に、思わず蛍は慌てる。

 

「すいません先輩!大丈夫ですか!?」

 

蛍は慌てて駆け寄ると 倒れている一輝を覗き込むようにした。次の瞬間、

 

「隙あり」

 

「きゃっ!?」

 

一輝は蛍の手を取って引っ張った。

 

今度は蛍が雪の中に倒れる番だった。

 

雪だらけになって2人は互いを見つめあった。

 

「・・・ぷっ」

 

「あはは・・・」

 

すると、互いに笑みを浮かべあい笑っていた。

 

 

 

 

「ふぅ・・・結構楽しめたな・・・」

 

「はい・・・すごく楽しかったです」

 

遊び終えた俺たちは雪に座って空を見上げていた。

 

「・・・くしゅんっ」

 

すると、蛍がなんとも可愛らしいくしゃみをした。

 

「大丈夫か、蛍?」

 

「いえ・・・すこし冷えてしまって・・・でももう少し星を見ていたいので・・・」

 

「・・・・・・///////」

 

俺はすこし考えるとコートを脱ぎ

 

「はい、着なよ蛍」

 

蛍へと渡した。

 

「そ、そんな・・・それじゃあ先輩が冷えちゃうじゃないですか!!」

 

「俺は平気だよ、鍛えてるから・・・くしゅんっ」

 

・・・かっこ悪い

 

「そ・・・それじゃあ・・・」

 

「・・・?」

 

「・・・いっしょに使いません?」

 

そんなことを言って来た。

 

「え・・・でも・・・」

 

「だ・・・ダメですか?」

 

蛍は心配そうにこっちを見て来た。

 

ヤバい・・・すげーかわいい

 

「じゃ・・・じゃあ・・・よろしくお願いします」

 

そう言うと俺たちは体を寄り添いあい俺の大きなコートをいっしょに羽織った。

 

「「・・・・・・・・・///////」」

 

体が触れ合い時折蛍の髪が俺の頬に触れた。

 

きらっ

 

「あ、流れ星・・・」

 

そんな時、突然空に一筋の光が走った。

 

「えっ?どこですか!?」

 

「ほら・・・あの辺り」

 

きらっ

 

「あっ!!また見つけた!!」

 

蛍は嬉しそうに空を眺めた。

それからも俺たちは何度も流れ星を見つけてはしゃいでいた。

 

「そうだ・・・せっかくの流れ星なんだし、願い事でも・・・」

 

「あっ、そうですね」

 

俺の願い・・・そんなの決まってる・・・

 

 

 

(俺の願いは・・・)

 

(私の願いは・・・)

 

 

 

 

 

 

(蛍ともっと仲良くなれますように・・・)

 

(一輝先輩ともっと仲良くなれますように・・・)

 

 

 

 

 

 

「なんて願ったんだ蛍?」

 

「ふふっ秘密です。一輝先輩は?」

 

「俺も秘密だ」

 

いつか伝えよう・・・この気持ちを・・・大好きな君に・・・

 

「あっ・・・」

 

突然、蛍が何かを思い出した。

 

「私・・・水道の蛇口ちゃんと締めてないかも・・・」

 

「まじか・・・そりゃ大変だ・・・急いで見に行こう」

 

「はいっ!!」

 

そして俺たちは学校へと走った。

俺たちが廊下を走っていると・・・

 

「ほたるんとカズにぃが・・・夜の廊下を走ってるーん!!」

 

みんなを探していたれんげが俺たちを見つけた。

 

「な・・・なんなん?なんで走ってるん!!わかったん!お祭りなんなー!!?ウチも祭るーん!!」

 

れんげのテンションはマックスだった。

 

「あー・・・わりーなれんげ、起こしちゃったか・・・」

 

「あー・・・やっぱり締めきれてなかったみたいです」

 

蛍は慌てて蛇口を締めた。

 

「れんちゃん怖くなかった?真っ暗の中急いで走ったから・・・」

 

「お祭り始まったのかと思ったん・・・でも宇宙人見た方がもっとビックリしたと思うん」

 

「なんでだよ、なんでそこで宇宙人が出てくんだよ・・・」

 

「さっき宇宙人の夢見たのん、足いっぱいある火星人が出て来たん」

 

「ほう、そりゃよかったな」

 

 

ドザザッ

 

「「ぎにゃっ」」

 

すると、窓の外から大きな音が聞こえた・・・あと変な声も・・・まさか・・・

 

「今度こそお祭りなんなー!!うちも祭るーん!!」

 

れんげはテンションを上げて窓を開けた。俺たちも外を見てみると・・・

 

「「もが・・・グーガァー・・・」」

 

雪の中にナツ姉とコマ姉らしき人が埋まっていた。

 

「窓の外に目が光る8本足の火星人が寝転んでるーん!!」

 

「いやナツ姉とコマ姉だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく・・・まさか2人が見ていたなんて・・・」

 

あのあと2人を救出した俺は水を飲んでトイレに行ったあと寝ることにした。今ならぐっすり眠れそうだ・・・

 

「・・・・・・?」

 

ふとみると、ナツ姉が俺の使っていた1人用の布団に寝ていた。

 

「ちょっとナツ姉、そこ俺の布団なんだけど・・・」

 

「むにゃ・・・一輝はウチの使ってとこ入って・・・」

 

ナツ姉がさっきまで入ってた場所は蛍の隣である。

 

「んなっ!?馬鹿言うなよナツ姉!!ちょっと!!」

 

「むにゃ〜zzzzz」

 

そのままナツ姉は眠ってしまった。

仕方なく俺は布団の中に入った。

 

「はぁ・・・」

 

俺が溜息を吐きながら寝返りを打つと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?先輩・・・」

 

蛍の顔が数センチにも満たない場所にあった。

 

 

 

 

 

「///////す、すまん蛍!!」

 

慌てて俺は反対側へと寝返った。

 

 

(ヤバい・・・これはこれで眠れない・・・)

 

俺の顔は真っ赤になっていた。

 

 

 

 

 

ギュッ

 

「・・・え?」

 

「んみゅ・・・先輩・・・」

 

ふとみると寝ぼけた蛍が俺の体にすり寄っていた。

 

(うおおおおおおっ!!///////)

 

その晩、俺は一睡もできなかった。





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