のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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25話 部屋の片づけを手伝った

文化祭を行なってから数日後の午後、

 

コマ姉とこのみさん、俺の3人が揃ってゲームをしていた。現在やってるのはコマ姉とこのみさんの対決でありどちらが強いかなどは聞くまでもない。

 

「わわ!あ〜・・・」

 

「はい、これで5戦中5勝〜」

 

コマ姉はこのみさんになす術なくやられてしまい、これで5戦中5連敗であった。

 

「んも〜このみちゃん強すぎ〜一輝私と代わって〜」

 

「はいよ、そんじゃあ勝たせてもらおうかこのみさん」

 

「ふっふーん、手加減しないよ〜」

 

こうして俺とこのみさんはゲームで対戦した。その結果、俺は5戦中3勝し勝つことができた。ゲームをひと通り遊んでいると、このみさんが突然話しかけてきた。

 

「そういえばさ〜一輝くんたちの家って物持ち良いよね〜このゲーム機だってかなり昔のやつだしDVDデッキもビデオ観れるやつでしょ?」

 

「まぁゲーム機は父さんが昔から持ってたやつだしね」

 

そもそも最新ゲーム機なんて買ってすら貰えない。まぁ別に無くてもこれはこれで楽しめるし

 

「あーいたいた、3人ともちょっとこっち来てもらってもいい?」

 

すると、ナツ姉がやって来た。

 

「どうしたのナツ姉?」

 

俺たちがそのままついてくると

 

「いや・・・その、実は・・・部屋の片づけ手伝ってくれませんか」

 

ナツ姉の部屋はいろんなものがぐちゃぐちゃで足の踏み場も無かった。

 

「ないない」

 

「自分の部屋は自分で片づけないとね」

 

「ナツ姉ふぁいと」

 

そう言って俺たちは立ち去ろうとしたが

 

「無理ー!!母ちゃんに今日中に片づけないとご飯なしって言われたのー!!助けてよー!!」

 

ナツ姉は涙目になって俺の体にしがみついて来た。

 

「知らないよそんなの!!というかあのレベルは1日で片づくレベルじゃないでしょ!?」

 

「だから頼んでるのー!!お願いしますお願いします!!」

 

この慌てよう・・・どうやらマジのようだ・・・

 

 

「・・・はぁ、しょうがないな・・・文化祭の準備の時に部屋貸してもらったしね・・・それに、俺たちも母さんのとばっちりうけたくないしな・・・」

 

「このみちゃんはどうする?」

 

「んー2人がやるなら別にいいよ」

 

「あざっす!!」

 

ナツ姉は全力で頭を下げた。

 

「じゃあじゃあこちらへどうぞ〜お見苦しい部屋ですがー」

 

全くだよ・・・ほんとに足の踏み場も無かった。

「もーよくこんなに散らかせたねゴミ袋とかあるの?」

 

「あ、うんこっちに」

 

というかナツ姉・・・よく見たら制服まで転がってんじゃん・・・とても女子の部屋とは思えない。蛍の爪の垢を煎じて飲ませたいよ

 

こうして俺たちはナツ姉の部屋の大掃除を始めた。

雑誌をまとめたりゴミをゴミ袋に詰めたりとかなりの重労働であった。

 

「ん?おもちゃ箱に変なもんが・・・」

 

おもちゃ箱を片付けてると、中に弾力のあるゴムでできた半球型のおもちゃが出て来た。

 

「あーそれ?これはこう裏返して・・・地面に置くと・・・」

 

ぺちん!!

 

「こうやって飛ぶおもちゃ」

 

大きな音とともに思いっきり高く飛んだ。

 

「あーそう言えばそんなのあったような・・・」

 

「懐かしー昔これでよく遊んだっけな・・・えーと、他には〜」

 

「ちょっとナツ姉、見つけた俺が言うのもなんだけど掃除から脱線してきてるよ」

 

俺は慌てて止めようとしたが

 

「まぁまぁ、ウチのおもちゃ箱は思い出箱だから、みんなと思い出共有したいっていうか?」

 

「まったく・・・ちょっとだけだよ?」

 

すると、ナツ姉はおもちゃ箱からバネのようなのを出して来た。

 

「じゃあみんなこれは知ってる?」

 

「あぁそれ知ってる。階段降りるやつだ、神社の階段でよく遊んだっけ・・・」

 

考えて見たら俺ってこの村に来てからよくナツ姉に連れられて遊んでたっけな・・・まぁたまにナツ姉のいたずらに巻き込まれて大泣きして母さんに慰めてもらってたけど・・・

 

「うちに階段ないから仕方なく神社でやってたんだっけ」

 

「・・・そういう思い出つぶしはやめてくださいますー?」

 

ナツ姉はコマ姉の言葉に文句を言った。

「・・・さっきから思ってたけど・・・それうちらの時代に流行ったおもちゃじゃないよね?」

 

このみさんが衝撃的な発言をした。

 

「え?ほんとにこのみさん?」

 

「それって駄菓子屋で買ったおもちゃでしょ?5年前はまだ駄菓子屋のおばあちゃんがお店やってたから先代の時は20年近く品揃え変わらなかったって噂だし・・・」

 

「・・・まじか・・・・・・」

 

「え?じゃあ他の子供は駄菓子屋で何のおもちゃ買ってたの?」

「駄菓子屋自体ないとこ多いんじゃない?」

 

そうか・・・そういやここは田舎なんだっけ・・・

 

「うわ!!そこなんか毛虫みたいなのがいた!!」

 

そのときコマ姉の悲鳴が聞こえた。

 

「え!?どこどこ!?」

 

このみさんも慌てて辺りを見渡すと

 

ふわふわのカラフルな虫のようなおもちゃでナツ姉か遊んでた。

 

「ちなみにこれは・・・」

 

「それもけっこー前のだと思う」

 

やっぱり脱線したよ・・・たしかそれって『モーラー』とかってやつだったよな・・・

 

「えーおかしいな・・・もっとほか見てみよ、スライムとかミニカードダスとか・・・」

 

ナツ姉は再びおもちゃ箱を漁り出した。

 

「ナツ姉?遊んでんなら俺たち手伝わないよ」

 

「えー待ってよあとちょっとだけ・・・」

 

「そんなの待ってたらいつまでたっても終わらないから言ってんの」

 

まったく・・・こりゃ1人で片づけ出来んわけだ。

 

「次は何読んでんの?紙っぽいけど・・・」

 

「いやなんだかわかんないんだけどさ・・・姉ちゃんが小1の時の感想文見つけちゃった」

 

「え!?」

 

何それちょーみたい

 

「えーと『わたしはこまりといいます。わたしは大きくなったらお花さんになりたいです。わたしはチューリップさんになります。』」

 

「あ!何読んでんの一輝!!返してよ!!」

 

「まぁまぁコマ姉、1年生の作文ってこんなもんでしょ?」

 

「いいから返して!!どうせ心の中で笑ってるんでしょ」

 

「ワラッテナイヨ」

 

後から聞いたがこの時俺の顔は思いっきりニヤケてたらしい

 

「笑ってんじゃん!!返してったらそれ!!」

 

「待ってコマ姉、あと5分で読み終えるから」

 

「読まなくていいの!!」

 

コマ姉は俺に飛びかかり俺はそれを避けていた。

 

 

 

「ん?こっちは一輝の小1の時のか」

 

ナツ姉の言葉で俺は凍りついた。

 

「ちょ・・・前言撤回!!ナツ姉返して!!」

 

「えーとなになに・・・『将来の夢 こしがやかずき、ぼくは大きくなったらかあさんにいっぱいおんがえしがしたいです。ぼくはかあさんが大好きです。なつねぇやコマねぇ、スグにぃやとうさんも大好きなのでみんなにもおんがえしがしたいです』あーこれか〜たしかこれ一輝が読んだ時母ちゃんが泣いちゃったやつだ〜」

 

「やめろぉぉぉぉ!!音読すんなぁぁあ!!」

 

ヤバイ、マジでこれは恥ずかしい!!さっきのコマ姉を笑えない!!

俺はナツ姉から感想文を取り返そうと飛びかかった。

 

「ちょっと2人とも!そんな暴れたらおばさんに怒られるよ!!」

 

「いいじゃんかーさっきも一輝姉ちゃんの読んでたし〜」

 

「それでも恥ずいから返して!!」

 

そのまま俺とナツ姉は取っ組み合いを始めようとした途端

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドッベタッ!!

 

突然このみさんのアイアンクローが俺とナツ姉の後頭部に炸裂した。その瞬間、

 

ガラッ

 

「ちょっと夏海!!どたばた騒いでるみたいだけど掃除できたの!?」

 

あんまり騒いでいたから母さんが入ってきた。

しかし、そこにはアイアンクローを食らって倒れている俺とナツ姉がいた。

 

「あらこのみちゃん、もしかして夏海の掃除の手伝いしてくれてた?」

 

「ちょうど暇だったんで・・・」

 

「・・・2人は何してんの?」

 

「ちょうど雑誌か何かにつまづいたようで・・・夕飯までに片づけるよう見張っときまーす」

 

なんとかこのみさんは母さんをごまかしたようだ。

 

「ごめんね、どうせならそのあと夕飯食べてく?」

 

「はーい、すいませーん」

 

母さんは納得して下手から出て行くと、このみさんは俺たちを解放した。

 

「いやー危なかったねーもう少しでおばさんの雷落ちてたよ」

 

まぁアイアンクローは痛かったけど雷よりはましである。

 

その後は片づけを真面目にやり、午後4時になんとか片づけを終えることができた。

 

「大体こんなもんかな?」

 

「疲れたーこれ貸しだからねー」

 

「今度なんか奢ってよー」

 

「皆さまあざっした!!」

 

ナツ姉は再び全力のお礼をした。

 

「じゃあ夕飯までゲームでもするか」

 

「あ、それならさっき行きの見つけた」

 

すると、ナツ姉は何かを持ち出した。それは・・・

「・・・ビデオ?」

 

「そうそう、プリティキュットの録画したビデオ♪」

 

「へぇ・・・そんなのあったんだ・・・」

「一輝が来る前のやつだからね〜まぁせっかくだしみんなでみよ」

 

しかし、コマ姉は何かを思い出して考えていた。

 

「でもそれって間違えてホームビデオ上書きしちゃったやつじゃなかったっけ?」

 

「うそ?まぁ見ればわかるっしょ」

 

そう言うとナツ姉はビデオを入れた、しばらくするとテレビが映りウチの庭が、映った。どうやらホームビデオのようだ。しばらくするとボールで遊んでる小さなナツ姉が映った。ナツ姉は母さんの呼びかけでこっちに来た。すると、

 

『あ、わぁい兄ちゃんだー』

 

ナツ姉の視線の先には当時のスグ兄が映っていた。

・・・て言うかスグ兄今と変わってないするとナツ姉はスグ兄に抱きつくと

 

『ウチ兄ちゃん大好きーウチねー大きくなったら兄ちゃんのお嫁さんになるのー』

 

ビシィッ!!!

 

瞬間ナツ姉はビデオの電源を切った。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・///////」

 

ナツ姉の顔は真っ赤だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ子供ならあんなもんだよナツ姉、いやー今日は思い出共有できて良かったわ〜」

 

「夏海ゲームやる?好きなソフト選んでいいよ」

 

「あーー!!あーーーー!!!」

 

それから夕飯までナツ姉はパニクってた。

 

ふふっ・・・いつも俺を蛍のことで冷やかしてるからな・・・今日は徹底的にからかってやるよ・・・

 

「『ウチ兄ちゃん大好きー』かぁ(ニヤニヤ)」

 

「わぁぁぁやめて一輝ぃぃぃぃぃ!!」

 




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