のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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文化祭編です!!


24話 文化祭がはじまった

「よーし、準備オーケーだ。もう少ししたらみんなも来るだろうからそろそろ持ち場についていようか」

 

今日はいよいよ待ちに待った文化祭、飾り付けも無事に終えてあとは卒業生が来るのを待つだけだ。

今回来るのはこのみさん、ひか姉、そして駄菓子屋こと加賀山 楓(かがやま かえで)さんである。あとで聞いた話だと初めは駄菓子屋は来ないつもりだったらしいがれんげの泣き落としに屈したようである。あの人は相変わらずれんげには弱いらしい。

 

しばらくすると、廊下を一穂先生、このみさん、ひか姉、駄菓子屋が歩いてきた。それを俺と蛍、れんげの3人で迎えることになった。

 

「いらっしゃいませー、わざわざ足を運んでもらってありがとうございますー」

 

「どうぞ楽しんでってください」

 

「らっしゃいん!!」

 

「お?なにその耳」

 

すると、一穂先生が俺たちの頭についてる耳に気づいた。

 

「今回俺たちがやるのは動物の喫茶店なんだ」

 

「みんなで動物の格好して喫茶店をすることになったんです」

 

ちなみに俺は白猫の耳、蛍は黒猫の耳である。

お揃いなのでちょっと嬉しい。

ちなみにれんげは・・・

 

「駄菓子屋!!ウチ、なんの格好だと思うん?」

 

「ん・・・なんだそれ?虫の触覚にしか見えん」

 

れんげの頭には2本の角や触覚のようなものが付いていた。

 

「触覚じゃないのーん、駄菓子屋わかってないのんなー。これは皆さんご存知のー・・・キリンさんですっ!!」

 

「わっかりにくっ」

 

確かにキリンにはそんな角が付いてはいたが他にも強調できるところがあったと思う。まぁれんげがこれが良いといったのだが。

 

「あ、これメニューとパンフレットになりますー」

 

そう言うと蛍はパンフレットを4人に渡した。

 

「夏海主催とか聞いてたからどうなるかと思ってたが結構ちゃんとしてんだな」

 

「まぁせっかく来たんだしちゃんとしてくれないと」

 

ナツ姉ひどい言われようである。まぁ駄菓子屋の言う通りではあるんだが・・・

 

「ねぇこれもう入っちゃって良いの?」

 

「どうぞ、お楽しみください」

 

俺の案内でひか姉たちが教室に入ると・・・

 

 

 

 

 

 

 

ハサミで紙袋に穴を開けて目が見えるようにし、ダンボールで作ってある耳をガムテープでつけている得体の知れない生き物になったナツ姉が出迎えていた。

 

 

「ウッス!!いらっしゃい、皆さんご存知のUMAです」

 

なんのUMAだよ。これを初めて見たとき俺は思わずそう突っ込んでしまっていた。UMAをやるならせめてチュパカブラとか某擬人化動物アニメに出て来るツチノコとかわかりやすいのがあっただろ・・・何故それをやらない

 

「とりあえず注文なににしますか?」

 

「あーどうしようかな」

 

「それじゃあ私はこの一番安いガーリックトーストと紅茶で」

 

「じゃあわたしは・・・」

 

こうして注文を取っていると

 

「ねーなにあの黒い穴空いてるやつ?」

 

一穂先生が離れたところに展示している展示品の1つに目をつけた。

 

「それはれんげが作ったやつですよ。なんでも最新のおもちゃとかで・・・」

 

「これなーこうやって裏から顔を出して・・・」

 

そう言うとれんげはそれを近くに持って来ると裏から顔を出すと、

 

「とほほ・・・もういたずらはこりごりなーん・・・」

 

あぁ・・・漫画やアニメに出て来るやつか・・・なんとも難易度高い遊びをどんどん思いつくもんだ。

 

「そう言えばこまちゃんは?」

 

現在ここにはコマ姉がいない、ちなみにスグ兄は教室の隅っこで犬の耳と口をつけて『忠犬』と書かれた犬小屋の隣で正座していた。

 

・・・スグ兄、あんたそれで良いのか

 

「先輩は待機中です、先輩の耳とかわたしが作ったんですけど一番出来がいいので楽しみにしてて下さい」

 

蛍はとても得意げにしていた。

 

「じゃあ注文も聞いたし家庭科室いって料理始めますか」

 

「あいよ、じゃあれんげ、あとよろしく」

 

「わかったのーん!!」

 

 

 

 

 

 

「さて・・・早速料理に取り掛かるか・・・」

 

家庭科室で俺はナツ姉、蛍と料理の準備をすることにした。実を言うと俺は料理が得意である。母さんの手伝いをしていたのである程度は作れるのだ。

ちなみに俺たち越谷4兄弟の料理できるランキングは

 

1位 スグ兄

2位 俺

 

超えられない壁

 

3位 ナツ姉

4位 コマ姉

 

である。どうしてもスグ兄には勝てないのだがいつか追いつくことが目標である。

ちなみにナツ姉もコマ姉も料理出来ないのだがコマ姉は芋ご飯でご飯に水を入れるのを忘れたり初歩的な間違いしたりたまにとんでもないゲテモノアレンジをするのでナツ姉より下にランクインしている。

 

 

すると、

 

 

 

『ぽんっ!ぽっ!ぽこぽんっ!ぽんぽん!!ぽこぽんっ!ぽこんぽん!ぽんぽこ!ぽん・・・ぽこ・・・』

 

 

 

コマ姉とれんげのお遊戯が教室から聴こえて来たがやはりコマ姉には荷が重すぎたか・・・どんどん声に力が無くなっていった。

 

 

 

ガラッ

 

 

 

「・・・・・・ふぇぇぇん一輝ぃぃぃ」

 

教室からタヌキの着ぐるみを着たコマ姉が泣きながら俺に抱きついてきた。

 

「はいはい、泣かないの。よく頑張ったね」

 

「あー、コマちゃんやらかしちゃったなぁ〜ここはウチが余興をしないとな・・・」

そう言うとナツ姉は教室へと向かっていった。

 

「・・・ああ言ってる時のナツ姉たまにさらに面倒ごと拗らせるからな・・・とりあえず俺はなんか簡単な軽食のサービス作って持って来るか」

 

そう思った俺はコマ姉を蛍に任せ簡単なサンドウィッチを作って持ってくことにした、

 

 

 

「さて・・・向こうはどうなって・・・」

 

ガラッ

 

「ひえぇぇぇ一輝あと任せた!!」

 

教室の扉が開くとナツ姉が慌てて逃げていった。

 

「なんかしでかしたなこりゃ」

 

そう思いながら教室に入るとテーブルクロスが床に落ちてコップが散乱し床は水浸しになっていた。

 

 

「駄菓子屋・・・これは一体?」

 

「夏海がテーブルクロス引きミスって関節キメようとしたらそのまま逃げた。」

 

「さいですか・・・持ってきてよかった。これはお詫びということで・・・」

 

そういうと俺は床を雑巾で拭くと持ってきたサンドウィッチをテーブルに置いた。

 

「たっく・・・小鞠はへこんで引っ込むし夏海はいらんことするし、一輝ぐらいだろちゃんと仕事してんのは。どうなったんだよ越谷家・・・」

 

「まぁコップがプラスチックだったのが不幸中の幸いだったね」

 

「本当にすいません・・・」

 

全くもって不甲斐ないことこの上ないです。

 

それからもナツ姉の机の引き出しにカチカチになったコッペパンが入っていたりとハプニングがいくつか起こり俺がそれに対処していた。

 

 

 

 

 

 

「それにしても・・・あれから何分たった?」

 

30分たっても注文が来ない、どうなったんだ?

ちなみに一穂先生は待ちくたびれて眠ってしまった。

 

「一輝、ちょっとあたしらも様子見に行くよ」

 

「あ、すいません。それじゃあお願いします」

 

こうして俺たちは家庭科室に向かうと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未だにへこんでいるコマ姉を励まそうとしている蛍、

ぐで〜としてれんげに引っ張られているナツ姉がいた。

 

「あ・・・なんだこのやる気のなさは、注文したのは作ってんのか?」

 

すると、気だるそうにナツ姉が答えた。

 

「ん・・・いやそれがさーなんか一輝が作ったレシピ見ても作り方よくわからなくてさーそれにコマちゃんもへこんでてんでわんやで・・・何より・・・喫茶展・・・飽きちゃった・・・」

 

瞬間、俺の中で大事な何かがキレた。

 

「いやー喫茶展も難しいね、勢いでやるもんじゃないわ。あ、材料はあるから自由に作っていいよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「そういや一輝この仮面似合うんじゃない?ほれかぶってみ?」

 

そういうとナツ姉は俺の頭に被り物をかぶせた。

 

「うん!思ったとおり似合ってるよ一輝!!」

 

ガシッ

 

瞬間、俺の手はナツ姉の頭にアイアンクローしていた。

 

「あ・・・あれ?・・・一輝?」

 

「ナツ姉・・・へこんでいるコマ姉とそれを励ましてた蛍はまだ良いとして・・・」

 

もうダメだ・・・言わせてもらう。

 

 

 

 

 

「企画者のあんたが・・・いったいぜんたい何ふざけた事ほざいてんじゃゴラァァァァァ!!!」

 

「ギニャァァァァァァ!!!」

 

学校にナツ姉の断末魔が響いた。

 

 

 

 

 

 

「ほんとーにごめんなさい駄菓子屋、来賓なのに作らせちゃって・・・」

 

あのあと結局駄菓子屋たちも協力してみんなで食事を作ることになった。

 

「まぁ気にすんな、良いもん見ながらの食事だからな・・・」

 

そう言う駄菓子屋の視線の先には

 

 

 

 

 

 

 

「えーこの度は調子に乗りすぎたため皆様に多大な迷惑をおかけしたことをここにお詫びします・・・」

 

れんげ作のダンボールの板の穴から顔を出して謝罪するナツ姉がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの・・・一輝先輩」

 

「・・・どうした蛍?」

 

突然こっそりと蛍が俺に話しかけてきた。

 

「前に先輩が聞いていた答えなんですが・・・」

 

「・・・/////っ」

 

その瞬間、俺も思い出した。

以前蛍に聞いた『好きな人はいるのか?』と言う疑問のことだろう・・・

 

「あ・・・いや・・・アレは・・・その・・・」

 

俺が慌てていると・・・

 

「前の学校では・・・そういった人はいなかったんですが・・・」

 

突然耳元に蛍が近づくと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今はいます」

 

そういった蛍は顔を真っ赤にしていた。

 

「すいません、ちょっとトイレに・・・」

 

そういうと蛍は早足で教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な〜に話してたんだ一輝〜」

 

突然駄菓子屋がニヤニヤしながら聞いてきた。

アレ・・・コレッテマサカ・・・

 

「なあ一輝、お前あの蛍って子のこと好きなんだろ?」

 

「んなっ・・・!!」

 

まさかこの人にまで知られるなんて・・・とんだ伏兵が・・・

 

「あ、それ私も思った」

 

しかもこのみさんにまでバレている!!

 

その後、俺はこの2人に散々冷やかされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

(しかし・・・蛍に好きな人が・・・いったい誰なんだ・・・まさか・・・俺?彼女に聞いて見るか・・・いや、もし違ったら絶対恥ずかしい・・・)

 

 

 

 

その頃、蛍は

 

「ふわぁぁぁぁ〜言っちゃった・・・ど・・・どうしよう・・・勢いに任せて言っちゃった〜」

 

1人自分のしたことを思い出して顔を真っ赤にしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、文化祭は半分グダグダ、半分ドキドキで幕を閉じました。




文化祭しゅーりょー!!





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