それと新しいアンケート始めました。良かったらお願いします
「ぬーりぬり♪ーぬーりぬりー♪まっ黒にぬーりぬりー♪あの日のこともぬーりぬりー♪」
現在越谷家、れんげの歌がナツ姉の部屋に響いていた。
そこではれんげかダンボールをマジックでまっ黒に塗っていた。
「なっつんダンボールに色塗れたん」
「ほいお疲れさーん。姉ちゃんそっちは縫い物はできた?」
「まだだってーそんなにすぐには縫えないから。ていうかうちの学校文化祭なんてそもそもないじゃん、なんで夏海は勢いで文化祭したいとか言い出すのかなー?」
そう、現在俺たちは学校の一大イベントである文化祭の準備をしている。しかし、コマ姉の言う通り俺たちの学校には文化祭は無いのだが突然ナツ姉が文化祭をやろうと言いだしカズ姉の賛同もあって初の文化祭をやることになった。ちなみにスグ兄は外で木材を切って何かを作っていた。あの兄のことだから凄いものが出来る気がする。
「えー?だってやってみたいじゃん文化祭、ねぇ一輝?」
「そりゃ俺だってやってみたいけど幾ら何でも今週の週末開催は急過ぎるよ。まぁオーケー出すカズ姉もカズ姉だけどね」
「ふふっ、そうですね」
俺の言葉に蛍は微笑みながら賛成した。
このあいだのデートから俺と蛍はなんだかさらに親しくなれたような気がする。
本当に気のせいかもしれないがそれでも自分にはそう感じていた。
「ところで…招待客とかはどうするんですか?」
そうか、せっかくの文化祭なのだからお客さんがいなければ意味がない。
「普通に母さんと保護者で良いと思うけど……」
「はー?何言っちゃってんの一輝くん、親はありえんでしょ?母ちゃんなんて来たら文化祭が地獄絵図になるよ」
ナツ姉はここぞとばかりに母さんのことを好き放題言っていた。しかし……
「ナツ姉……その……そのくらいに……」
「だって事実じゃーん、奴ぁ地獄の使者ですよー?」
「いや……そうじゃなくて……後ろ……」
ナツ姉の背後には大皿に乗ったフルーツを持っている母さんが恐ろしい笑みを浮かべて立っていた。
ゴチンッ!!
そして母さんの怒りの鉄拳がナツ姉の頭に炸裂した。
「じゃあ蛍ちゃんもれんげもゆっくりしていってね」
「は…はーい」
蛍も少し唖然としていたがすぐに母さんに返事した。
「そうそう一輝、小鞠、そのフルーツこのちゃんが持って来たのよ」
「あれ?このみさん来てんの?」
「台所でフルーツ切ってくれたんよ。ちょい待ってね。このちゃーん、こっちおいでー」
「はいはいはーい」
母さんの呼びかけに呼ばれてこのみさんが部屋に来た。
「じゃあみんなの面倒見ててあげてね」
「わっかりましたー」
このみさんに俺たちの面倒を頼んだ母さんは夕飯を何にするかを考えながら台所へ向かっていった。
「…………で?なになに?みんな揃って何してんの?」
「文化祭の準備を…………」
「文化祭るあの学校そんなこじゃれたことしてなかったじゃん」
「ナツ姉がやりたいって言い張ってそれで…………」
「ふーん、それで何するの?」
「一応いま考えてんのは工作展示と喫茶店をやることになってる」
この2つは文化祭の定番とからしくてナツ姉が強く押していた。あと俺たちでもできるだろうとのことらしい。
「ひらめ王(おう)!!」
突然さっきまで母さんのげんこつ食らって黙っていたナツ姉が大声でそう叫んだ。
「「「「「………………」」」」」
部屋を静寂が包みこんだ。
「えー…………閃いたってのをひらめきんぐって言おうとしたんだけど…キングは王様だからこんな感じでもいけるかなーと…」
さすがに滑ったのをわかったのかナツ姉が解説しだした。解説するくらいなら言うなや。
「卒業生!!文化祭に卒業生を呼ぼう!!」
ナツ姉の提案は文化祭にこの旭丘分校の卒業生を呼ぼうとのものであった。
「お?私も呼んでくれるの?」
「もち!!あと思いつくとかはひか姉と駄菓子屋か」
ちなみにひか姉とはれんげの姉でカズ姉の妹の宮内 ひかげのことであり現在東京の高校へ通っている。この前こっちに帰省して来て都会風吹かしていた。なんでも新幹線に乗ったことを俺たちに自慢しようとしていた。俺としても少し興味はあったが蛍がその時さらに衝撃的な事実を口にしたのだ。なんと蛍はこっちに来る時新幹線ではなく飛行機を使ったのだ。そんな衝撃的な事実を知った俺たちは蛍に飛行機についてひたすら話を聞いたのである。あとでちゃんとひか姉の話も俺は聞いてあげた。
「じゃあウチひか姉に電話するん!!」
「おーしじゃあ電話してみるか」
「あ、私も久しぶりに話したい」
「じゃあ電話して来るから姉ちゃんと一輝あとよろしく!!」
「はいはい、早く済ませて来てよー?」
ナツ姉とれんげ、このみさんはそのまま電話をしにいった。
俺と蛍、コマ姉はそのまま作業をしていた。
「一輝先輩、これはどこを縫えば良いですか?」
突然蛍が俺に聞いて来た。
「あーこれね?これは俺が今縫っているのと合わせるやつだから俺のが終わったらやるよ」
「先輩って刺繍とかも上手ですね、以前粘土で作ってたのも上手かったですし…………」
「そうでも無いよ、蛍が前作ってたぬいぐるみほほうが…………」
「あわわ…それはあまり…」
蛍が顔を真っ赤にして俺の言葉を止めた。どうやらあまり触れてもらいたく無いようだ。
「あ、ああ…ごめん」
「い、いえ…」
「「…………」」
2人の間に沈黙が出来た。
「うーん、赤の布が足りないかな…一輝、私取って来るからちょっと蛍とやってて」
作業をしていたコマ姉が布を取りに部屋を出てってしまい。とうとう部屋に2人きりになってしまった。
「…………続けるか…/////」
「…………はい/////」
(うぅ〜〜ダメだ…………やっぱり2人きりになるとどうしても言葉が出てこない…)
(ふわぁ〜〜先輩と2人きりになっちゃった…どうしよう…嬉しいけど恥ずかしい…)
2人は言葉が思いつかずそのまましばらく黙りながら作業をしていた。しかし、沈黙に耐えかねたのか一輝が喋りだした。
「そういやさ…ひとつ聞きたいことあるんだけど…蛍って東京ではどんな友達がいたの?」
単純にそのことについて知りたかったのもあるが本当は別にある。このあいだのガールズトークの時に蛍は恋をしている顔を確かにしていた。それがどんな人なのか…俺が気持ちを伝えても大丈夫なのか…どうしても知りたかったのだ
「ええと…同学年の女の子がほとんどでしたね。いつもよく話したりしてましたよ。今でもよく手紙書いたりしてます」
少し緊張が途切れたのか表情が和らいだ蛍はそう答えた。
「そっか…」
(どうする…………やっぱりやめるか…蛍に変なふうに思われたら…)
俺は悩んでいた。『このこと』を聞くかどうか…しかしどうしても怖かった。嫌われるんじゃ無いかと…しかし、
(ダメだ!!一歩を踏み出さなければ進めないじゃ無いか!!)
そして俺は聞いた
「それじゃあ…男の子で仲よかった子とかっている?」
「えっ…?」
突然の質問に蛍はキョトンとした。
「その…だから…蛍って…好きな子とか…」
ガラッ
「あったあった。やっと見つけたよ」
扉が開くと同時にコマ姉が布を見つけて入って来た。
さらに
「ただいま〜いや〜流石の駄菓子屋もれんちょんの涙には弱かったな〜」
「帰ってきたのーん!!」
ナツ姉たちも帰ってきた。
「あ…はは…おかえり…………」
(一輝先輩…さっきの質問…)
『蛍って…好きな子とか…』
一輝が何を聞こうとしたのかはなんとなくわかった。
しかし、なぜ彼がそのようなことを聞いてきたのだろう…
(………っ!!もしかして…先輩の好きな人って……私?)
自意識過剰かもしれない…でももしそうなら…そう思ったら蛍は顔がどんどん熱くなってきた。
(もしそうだったら…………嬉しいな…)
そして、いよいよ文化祭、2人に待ち受けるのは果たして…
久々に投稿です。
いよいよ始まる文化祭…………
感想いっぱい欲しいなあ…………