のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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日間ランキングで3位だった…しかもお気に入り登録がすごく増えた…まさかここまでみんなから評価されるなんて思ってもいなかった。


18話 あやとりと粘土で遊んだ

 

 

夏休みが終わり、2学期が始まる。しかし、夏休み中も頻繁にみんなと会っていたため、日常はそれほど変わらない。俺はいつも通りに学校へ登校した。しかし、ナツ姉は俺とコマ姉が幾ら起こそうとしても起きる様子が無かったためほっとくことにした。まぁ自業自得という奴である。

 

「おはよう〜」

 

「カズにぃコマちゃんおはようなん」

 

俺とコマ姉がドアを開いて挨拶するとすでに来ていたれんげが挨拶を返した。

 

「おはようさん、れんげ。」

 

「なっつんはどうしたん?」

 

「起こそうとしても起きなかったから置いて来た。」

 

そう言って俺たちは机に座った。ちなみに一穂先生も起きなかったためれんげに置き去りにされたらしい。本当に大丈夫かうちの先生…

 

「おはようございます一輝先輩」

 

すると、蛍が俺に挨拶して来た。

 

「あ…おはよう蛍、元気にしてた?」

 

「はい、一輝先輩も元気そうで良かったです。」

 

「ま…まぁな」

 

肝だめし以来、俺は蛍をさらに意識するようになっていた。思えば蛍の家では抱きしめてしまって肝だめしはペアを組んで手まで繋いでいたのだ。この短い間に多くのことがあった。

 

(そうだっけ…俺、蛍と手を繋いだんだよな…ヤバい…蛍になんて言えば良いんだろう…)

 

「…先輩?」

 

考え事をしていると、蛍が声をかけて来た。

 

「え?…あぁ悪い蛍」

 

「すいません、何か悩んでいるみたいだったので…」

 

「いや、大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから」

 

ガラッ

 

「すいません、寝坊しましたー!でもウチが悪いんじゃないんですっ!起こしてくれなかった姉ちゃんと一輝が悪いんですーってあれ?先生まだ来てないの?」

 

慌てた様子でナツ姉が教室に入って来た。てゆうかナツ姉…俺たちのせいにするなよ…

 

「なんか今日は遅刻してるみたいですけど…」

 

「ねぇねぇは布団の中で"あと5分だけ"を1時間以上続けてたので放っておきました…何回も起こしたのに全然起きなかったのん…」

 

まじか…あの人何やってんだ…

 

「あ〜そりゃ起きない先生がわるいよしゃあない先生だね〜」

 

ナツ姉…あんたがそれを言える立場じゃないよ…

 

「あ、姉さん一輝、おはようございます」

 

ナツ姉は席に座ると俺とコマ姉に敬礼した。

なんかものすごい腹たつ。

 

「ねーねー、先生いないってことは来るまで外で遊んでても良いのかな?」

 

「ダメだよナツ姉、一応今は授業中なんだから遊ぶなら教室でたよ」

 

「………チッ」

 

ナツ姉が舌打ちをするが俺は無視した。

ふと蛍を見ると蛍が毛糸であやとりをしていた。

 

「蛍、それってあやとり?」

 

「あ、はい。家庭科で使った毛糸が余ってたのでオリジナルで猫を作って見たんですけど…」

 

蛍が見せたあやとりを見ると、なるほど確かに猫が出来ていた。

 

「すごいな…オリジナルとか作れるんだ…」

 

「ウチもあやとりするーん」

 

「ウチも暇だししようかな」

 

「あ、毛糸ならたくさんあるのでどうぞ〜」

 

こうして俺たちはあやとりをすることになった。

ていうかナツ姉あやとりできんのか?

 

「ウチの独特な感性なら簡単簡単」

 

ナツ姉は相当自信があるようだ…俺も少し見てみるが、何か考えながらいろいろ動かしているが…

 

「あ、出来た出来た。これなんだと思う?」

 

「なにそれ?家?」

 

なんかぐちゃぐちゃしているが…

 

「正解は見ての通り…ただの毛糸でした〜」

 

なんかさらに腹が立った。

 

「ウチもオリジナルあやとりできたー」

 

どうやられんげも出来たようだが…なんかさらに訳の分からんものになっているが…

 

「これは見てのとおりーみなさんご存知のー宇宙でしたー」

 

「スッゲー宇宙だー!!」

 

れんげの作品にナツ姉が驚く、嘘でしょナツ姉、アレをどう見たら宇宙になるんだ!?

「この良さがわかるとはさすがなっつん!!」

 

「わかるわかる!その左手のとこらへんが宇宙っぽい!」

 

「どちらかというと真ん中が一番の見どころなのん!」

 

どうやらナツ姉の読みは外れたらしい

さらに言うとれんげ曰く「ねじれてるから宇宙じゃないのん?」とのことらしい………訳わからん

 

「マンガ読も……」

 

ナツ姉諦めたな…

 

「ナツ姉学校にマンガ持って来ちゃダメなんだよ〜あ、そのページもうちょっと見せて」

「なにしてんの一輝も〜あ、ページめくるの早い」

「2人とも見んのかよ」

 

俺たちはそのままナツ姉の持って来たマンガを読むことになった。

 

「あ、私これ好きなんです〜」

 

「俺もこれ好きだな、あとこれなんかも面白い」

「私もこれ好きですよ」

 

俺と蛍は好きな漫画の話で少し盛り上がった。

 

「ウチも見るん」

 

そう言うとれんげはナツ姉の膝に座ってマンガを見始めた

 

「っ!ぷぷ〜い」

 

突然れんげがおかしな声を上げた。

 

「ここ、ここおもしろいのん!!ここの前ページのーここからのー次ページのたたみかけがおもしろいのん!!」

 

れんげの言うページを見ると少女マンガの絵から一気にギャグの絵になっていた…だけどこれって…

 

「これ1ページとばしてます」

 

次ページから『バナナ課長』という別の作品になっていた。でもな…『バナナ課長』って急にバトルものになって微妙になったんだよなー

 

「ウチ粘土で遊ぶん…」

 

れんげはナツ姉の膝から降りて粘土で遊びだした…うん、やっぱり…

 

((((感性が違いすぎて話が合わない))))

 

「お…俺も粘土であそぼ…」

 

「私も…」

 

こうしてみんなで粘土で遊ぶことになった。

 

「あ、一輝先輩作ってるの可愛い…」

すると、蛍が俺の作ってるのを見てそう言った。

 

「あ、これ?まぁラッコと子猫を合わせて『ラッこねこ』って言うんだけど…」

 

前にコマ姉が作ってた。『クリオねこ』を真似て作ったやつなんだけど…蛍に褒められて少し嬉しかった。

ふと見るとナツ姉がスグ兄に助け舟を求めていた。スグ兄はかなりやる気満々のようだ。俺もスグ兄の作品が少し気になるので見ることにした。

スグ兄はみるみると粘土をこねて形を作っていく…そして出来たのは…

 

猫耳と猫尻尾をつけた可愛らしい獣人だった。

 

「スグ兄すげー!!」

 

なんだこの完成度は!?本当にスグ兄ってなんでこんなハイスペックなんだろう…

 

「すごいなナツ姉、早速みんなに見せ…」

 

グチャッ

 

ナツ姉が獣人を叩き潰した。

 

「あぁぁぁぁ!?なにすんのナツ姉ー!?」

 

なんてもったいないことを………すごいうまかったのに………!!

 

「一輝………今のほたるんに見せてたら引かれてたかもよ………」

 

「え………?マジで………?」

 

「大マジで………」

 

いつにも増して真面目な顔で言うナツ姉の顔は本気の顔であった。しかしなぜ獣人がダメなんだろ………

 

「………?」

 

ふとれんげを見ると、れんげは何か丸いものをこねていた。

 

(アレは………団子?いや………月か………?)

 

「れんちょんそれボールだよね?」

 

「いや団子じゃない?」

 

「もしかしてタマゴとか?」

 

みんなもおんなじようなものを連想したらしい

すると、れんげがイラっとして…

 

「………さっきの流れ的に………どう見ても肉球なのん……」

 

あぁ………肉球か……肉球ね………わかんねーよ

 

「でもそれならこんな感じにした方が肉球っぽくない?」

 

ナツ姉が作ってれんげに見せていた。なるほどそれなら肉球ってわかるかも…

 

「それは猫の手でしょーが!!!」

 

どうやられんげは気に入らなかったようだ

 

「さっきからみんな変なのん!!何言ってるかわからないのん!!」

 

みんなと話が合わずれんげはかなりご立腹のようだ…

 

ガラッ

 

「みんなごめんね〜寝坊しちゃった〜授業始まるよ〜だと言ってももうお昼休みか〜」

 

ピンポンパンポーン

 

一穂先生が来たがもうお昼休みだったのでそのまま休み時間になった。

 

「あ、いいこと考えた。細かいことは考えず、外で遊ぼうか」

 

「うん、そうしよう」

 

それが一番平和な解決になりそうだ。みんなも賛成のようである。

 

「遊ぶーん!!」

 

さっきまでの不機嫌が嘘のようにれんげはご機嫌になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

スグ兄はまだ潰れた獣人の前で嘆いていた。

………結構うまかったのにな………




新学期スタートです!!
これからも応援宜しくお願いします!!

まさかここまで評価されるとはとは思ってもいませんでした。






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