のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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お待たせしました!!


13話 みんなで海に行った

所変わって、ここはとある地方の海水浴場。

電車を何回か乗り換えてようやく到着した俺たちは、善は急げと早速準備を開始した。

俺たちは水着に着替えるために更衣室へ行き、保護者の一穂先生は外でみんなを待つことにする。

どうやら先生は海に入る気が無いらしく、海の家でパラソルをレンタルすると適当な場所に陣取ってさっさとくつろぎ始めた。

 

「いやっほ~う!!」

 

「海だぁ~!!」

 

「いよっしゃぁぁぁぁあ〜!!」

 

俺たちはテンションマックスで海へと向かった。れんげの水着は、肩紐のリボンが可愛らしいピンクのスカート付きワンピースで、対するナツ姉の水着は、赤を基調としたスポーティーなビキニである。そしてコマ姉はなぜかTシャツを上から着ていた。

 

「よーし一輝、どっちが砂で高い山作れるか勝負すっか〜」

 

「いいよ、制限時間は10分でいこうか」

 

「よっしゃあ〜〜れんちょん、絶対勝つぞ〜」

 

「カズにいに絶対勝つん!!」

 

俺たちは砂浜で砂山作りを始めた。ちなみに蛍はまだ来ていない。

 

 

 

 

「くそ…まさかれんげがあんなに砂掘りが上手かったなんて…」

 

砂山作りは1秒差で俺の負けであった。れんげが思いのほか強敵であったのだ。その後、シュノーケルをしているスグ兄の顔を埋めたりして遊んだ(呼吸は出来るようにしている。)

 

「ん?コマ姉泳がないの?」

 

ふと気づくとコマ姉がパラソルの下で持って来たキュウリを食べていた。

 

「…海眺めるのが好きなだけだし…」

 

なんか目が少し虚ろであった。

 

「とか言いつつ、水着着ると中学生に見えないから嫌なんでしょ〜」

ガリッ

 

一穂先生の言葉にコマ姉の怒りがMAXになった。どうやら地雷を踏んだらしい。

 

「そうですよ!!せっかく海満喫して忘れようとしてたのにぃ〜〜!!」

 

そう言いながらコマ姉はキュウリをやけ食いしだした。

 

「あ…ごめんね…ってかコマちゃんって身長幾つだっけ?」

 

「140無いくらいです…」

 

ごめんコマ姉、俺には140近くあるようには見えない…でも言わないでおこう…

 

「まあまあ、周りに同い年がいないだけで、みんなそんなもんじゃないの?たしか、14歳の平均身長はだいたい140センチって聞いたことあるし…」

 

「っ!!本当ですか!?」

 

一穂先生の言葉にコマ姉は歓喜の表情を浮かべた。でも確かそれって…

 

「先生、それって確か明治の人の平均身長じゃ…」

 

俺の言葉にコマ姉は再び絶望の顔を浮かべた。

 

「私って明治の人よりちっちゃいんですか!?140でもかなりサバ読んでたのに!!」

 

やっぱコマ姉サバ読んでたんだ…

 

「すいませ~ん、水着着るの手間取って遅くなりました~!」

 

すると、着替えが終わったらしく蛍が来た。

 

「………っ!?」

 

そのとき、俺の顔がマグマのように熱くなった。なぜなら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛍の水着は、胸元をリング状の金具で繋いだとても大胆なデザインの青いビキニで、オシャレなパレオと相まって彼女の年齢ではありえないような色気を発散していたからだ。

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜っ!?ほ……ほた……る……?」

 

「……?どうしたんです一輝先輩、顔真っ赤ですよ?」

 

そう言って心配そうに蛍は俺に近づいて来た。

 

「いや…その…大…丈…」

 

「もし日射病だったら大変です!!ちょっと休んだ方が…」

 

そう言って蛍は俺の手を掴んだ。瞬間、俺の中のナニカが弾けた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

ドッボーン

 

俺は顔をとてつもなく真っ赤にして蛍の手を払い海へと飛び込んだ。いつの間にかコマ姉は絶望に染まった顔でみんなのジュースを買いに行っていた。

 

 

 

 

「2人とも…どうしたんでしょうか?」

 

「それは自分の胸に聞きなよ…しかし君は本当に小5かね?」

 

 

 

 

熱くなった顔が海の冷たさである程度冷え、コマ姉が戻ってくるまでの間、俺達は浜辺でボール遊びや砂遊び、海水浴を楽しんだ。昼食時間になり、パラソルに行くが、コマ姉はまだ戻ってない。おかしい、ジュースのある自販機は目と鼻の先のはず、迷うことはまず無いと思うのだが…

 

「まさか誘拐されてたりして〜〜」

 

不意にナツ姉が冗談を言った。瞬間、蛍の顔が凍りついた。

 

「ゆ…誘拐…?」

 

その反応にナツ姉は不味いと直感で感じた。

「や、やだなぁ…冗談だって…あはは……」

 

「でもありえなくはないじゃないですか!!先輩可愛いですし!!ちっちゃいですし!!持ち運びやすいですし!!」

 

蛍…持ち運びやすいってのは言わんでくれ…まぁたしかにコマ姉なら飴玉一つで釣れちゃいそうだよな…

 

「うわぁぁぁあん!!先輩が誘拐されちゃったぁぁ!!」

 

「うわぁぁぁどうしよ母ちゃんになんて言おう〜!!」

 

「やばい…すごい心配になって来た……」

 

「お…落ち着いて、まずは状況を整理しよう」

 

一穂先生がみんなをなだめ始めた。おおっ、大人の判断力で解決か!?

 

「こほん、あのね?私は今日は友達として来てるから、あなた達を見守る責任は無くてね…だからその…ね?」

 

「「「「だめだこりゃ、(私/俺)たちがなんとかしないと…」」」」

 

「と、とにかく二手に分かれて探そう!!ナツ姉とれんげはあっちを、俺と蛍はこっちを探すから!!」

 

こうしてコマ姉大捜索が始まった。

 

 

 

 

 

 

「先輩〜〜どこですか〜!?」

 

「コマ姉〜〜!!」

 

俺と蛍は一緒にコマ姉を探した。トイレ近くや売店、ゴミ箱の中から自販機の中まで……後半パニクって何をしてたのか…

 

「一輝〜」

 

ナツ姉たちと合流した。

 

「そっちはどうだった?」

 

「だめ、どこにもいない…」

 

こんなに探しているのに見つからない…俺たちは焦り出し、蛍も今にも泣きそうになった。そのとき、

 

 

 

 

 

ピーンポーンパーンポーーン

 

 

『迷子センターからのお知らせです。身長130センチ程度、ロングの髪の毛、お名前越谷 小鞠ちゃんというお子様を『お子様じゃないって言ってんじゃん!!』』

 

放送とともにコマ姉の元気な声が聞こえた。どうやら無事みたいだ。

 

 

「迷子じゃないのに迷子センターに連れていかれた!!『お母さんどこ?』って聞かれた!!なんだこれ!?」

 

幼女と間違われて迷子センターに連れてかれたのが本気で気にくわないようだ。どうやらコマ姉を見て迷子と思ったスタッフが心配して迷子センターに連れていったみたいだった。スタッフにお礼を言ってコマ姉を保護した。コマ姉のプライドはズタズタなのだろうが…

 

「そういやナニカ忘れているような…」

 

ナツ姉がなにか忘れているのに気づいた。

 

「あっ!!」

 

そして俺も気づいた。

 

 

 

スグ兄回収するの忘れてた……

 

その後、あのまま微動だにしないスグ兄にスタッフが来ておおごとになりかけたのはまた別の話……

 

 

 

 

 

 

 




水着回、俺の好きな話の一つです






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