のんのんびより 輝く星   作:クロバット一世

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このあいだフェイトグランドオーダーのガチャで星五つのマーリンが二枚出た。


11話 みんなでスイカを食べた

 

今日は夏休み前の終業式、俺とナツ姉とれんげは川で冷やしたスイカを取りに来ていた。我らが旭丘分校では、夏の終業式にはみんなで作ったスイカを食べることになっている。なぜそうなったかは誰も知らないが昔からそうなっているらしい、そんなこんなで今俺たちは川にいるわけだが…

 

「れんちょん、そっちいった!!」

 

「いっけぇぇーれんげぇぇぇえ!!」

 

「………とわっ!!」

 

バシャァン!!

俺とナツ姉と指示を聞いたれんげは思いっきり水面をすくった。

 

「カニとったのーん。」

 

「なんか…鮭を獲る飢えたヒグマみたいに獲ったな…」

 

ポチャン

 

れんげは持って来た小さな水槽に捕まえたカニを入れた。

 

「そのカニどうすんの?飼うの?」

 

「飼うんーこいつの名前は《お塩》にするのん。」

 

なんでカニに調味料の名前をつけるんだ、このあいだのタヌキも《具》だったし…やっぱり…

 

「前から思ってたけど…れんちょんってネーミングセンスないよね。」

 

「え?」

 

ナツ姉の言葉にれんげは驚いた。やっぱり自覚なかったのか…

 

「おそいー!!何してんのー!!川で冷やしているスイカ持って来てって言ったじゃん!!」

 

すると、俺たちが戻ってこないのでコマ姉がみんなを連れて来た。

 

「いけねっ忘れてた。」

 

「も〜こうならないために一輝についてってもらったのに〜」

 

「悪いコマ姉、最初はそのつもりだったんだけど…川に大きなカニがいてつい…」

 

「よいしょ、よっこいせー」

 

れんげが重たそうにスイカを川から取り出して、

 

ゴツンッ

 

「あ、スイカが」

 

予想より重かったらしく川から引き上げたあと岩にぶつかった。

 

「おもいんー」

 

「ちょい貸してみ、ヒビ入ってないといいけど…」

 

れんげから一穂先生がスイカを受け取るとスイカを確認した。

 

「おおっ、いい感じに冷えてんな〜」

 

どうやらスイカは無事だったようだ。

 

「じゃあさっそく食べようよ〜」

 

「その前に通知表配るから、みんな集まってー」

 

「げっ」

 

一穂先生の言葉にナツ姉は固まった。

 

一穂が、持ってきていたカバンから通知表を取り出して、みんなに配っていく。

 

「はいれんちょん、はじめての通知表」

「あーい」

 

れんげが、人生ではじめての通知表を受け取って、開いて眺めてみる。その中身は…

 

オール5

 

「うおー! 5がいっぱいなーん! たしか5が一番いいのんな!」

 

「れんちゃんすごーい。私算数が苦手で」

 

「わーい」

 

俺は…国語と理科、体育、算数が5、図工、美術が4、そして社会が3であった。くそっ…やっぱり社会の成績が落ちたか…

 

「ナツ姉ー。さっさと通知表の中見たらー?」

 

「えー、だってなんか怖いじゃーん。成績悪いと母ちゃんにどやされるし…」

 

「開けても開けなくても中身は変わらないんだからさ、確認だけでもしたら?」

 

「うぅ〜…」

 

俺の言葉にナツ姉は渋々通知表を開いた。その結果、

 

「どれどれ…えっ?」

 

通知表は5と4で埋まっていた。

 

 

「5がいっぱい!」

 

「なっつん、おめでとなん!」

 

「ありがとーございます!」

 

れんげが褒め称えて、夏海もそれに応えて上機嫌になる。

 

「良かったねナツ姉、なんでか知らんけど…」

 

「いや〜夏海ちゃんの時代がとうとう来ちゃった感じ〜?」

 

 

 

 

 

 

 

しかし、現実は残酷である。

 

「あーそうそう」

 

思い出したように一穂が全員に語り掛ける。

 

「小学生は5段階、中学生は10段階評価だから、気をつけるようにねー、それじゃあスイカ切った順に配ってね〜」

 

その言葉にナツ姉はフリーズした。

 

「……ナツ姉本当にごめん、俺も中学から成績が10段階評価になるなんて知らなかった…」

 

「………気をつけまーす……」

 

「ほ、ほらナツ姉、スイカ食べよっ?」

 

「人生ってとんでもねー…」

 

「ナツ姉ぇぇ!!お願いだから戻って来てぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよスイカタイムになった。スイカは学級菜園で作ったとは思えないほど甘かった。

 

「人生もこれくらい甘いといいのに…」

 

ナツ姉はまだ傷が癒えていないようだ…

 

「一応塩持って来たよ〜かける人言ってね〜」

 

そう言って一穂先生が塩を出した。

 

「うーん…私はかけてみるかな…」

 

「そんじゃあ俺もかけてみよ〜」

 

「ウチもかけてみるかな…」

 

俺たちは塩をかけてみることにした。なるほど、しょっぱいあとに甘くなった。面白くはある。

 

「そーいやスイカに塩をかけるのって初めてだな…」

 

「ウチじゃかけないしね」

 

ナツ姉も塩をかけたスイカに噛り付いた。

 

「しょっぱっ」

 

「人生みたいに?」

 

「…………………………。」

 

再びナツ姉がフリーズした。れんげ、お願いだからこれ以上追撃しないでやって……

 

「な、ナツ姉?」

「……母ちゃんになんて言おう…………」

 

確かにあんな通知表見せたら母さんがブチ切れるぞ……

 

「どうしたのそのカニ〜」

 

すると、一穂先生がれんげがさっき獲ったカニを見つけた。

 

「さっき獲ったのん」

 

「飼うの?夏は飼いにくいよ。」

 

「ダメなのん?」

 

「ダメじゃないけどね〜」

 

「まぁ暑いからね」

 

「秋だと飼いやすいんじゃない?」

 

「…………。」

 

すると、れんげはカニの水槽を持つと川にカニを逃した。

 

「次学校が始まったら捕まえるん」

 

その後は夏休みに何をするか話し合った。

 

「成績悪かったし、夏休みはストレス解消に勤しむか〜」

 

「そう言って宿題終わらなくなるんでしょ?」

 

そう話しながら帰り始めると、れんげは1人校舎の前に残っていた。

 

「どうしたれんげ?」

 

「んー。…………また2学期に」

 

びしっ、とれんげが敬礼した。

俺もふと校舎を見た。思えば一年生の夏にこっちに越して来て…もう俺は六年生か…この学校では色々なことを教わってるよな…

 

「また二学期に」

 

そう言って俺も敬礼した。

 

「2人とも〜何してんの〜」

 

遠くからナツ姉の声がした。

 

「ごめんナツ姉、今いくよ」

 

「今行くん〜〜」

 

夏の日差しが、古い、趣のある校舎に降り注いでいた。

 




そんなわけで次からは夏休み突入です。

年末はどうですか?
自分は今年もゆく年くる年見て初詣に行く予定です。


また少しずつ飼いてく予定です。






感想も出来れば書いてほしいな〜

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