東方想本録   作:蒼霜

1 / 9
初めまして僕は蒼霜(アオシモ)と言います。

 以前から書きたいと思っていましたが、理系の運命なのかなかなか書けませんでした。
至らぬ点がかなりあると思いますが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。

それでは『東方想本(そうほん)録』
始まり始まり……です(*´・ω・`)b


第1章 幻想郷という所に迷いこんだらしい?
第1話 見知らぬ土地で


 頭が割れるような痛みで目が覚めた。

「うぅ……頭が痛い」

思考が纏まらない。何でこんなに痛いんだ。

額を押さえてフラフラと立ち上がる。

しかし足に力が入らない。受け身をとる事も出来ず、うしろに倒れこんだ。

 

バシャーン「うわっ!冷たっ!?」

 

 幸いなことに地面ではなく水の中に倒れたことで、頭に怪我をすることはなかった。

水の冷たさが意識を完全に覚醒させた事で、やっと周りが見馴れない景色であることに気がついた。

 

「ここは……何処だ……?」

上半身を起こして辺りを見渡すと霧が立ち込める大きな湖だった。

自分が倒れていたのは、その湖の岸だったらしい。

湖は見慣れているので、湖と海の違いはよく分かる。

だから海ではない事はすぐに分かった。

しかし、深い霧のせいで他に目立つものは確認できない。

 

 

しばらく湖を眺めていたが、こんなことをしている場合じゃないと我に帰った。

 

「……痛っ」

しかし、なぜこんなところに倒れていたのか。

記憶がない。思い出そうとすると頭に鈍い痛みが走る。

何か手掛かりになるような物を持っていないかと見回すと、分厚い革の装丁の本が落ちていた。

手に取ると、見た目に反して意外と軽かった。

「そんなことより…」

関係無い思考を打ち切り、手掛かりを求めてページをめくるも、何も書いていない。

「手掛かりは無しか……」

僕はため息をついて、立ち上がり伸びをした。

 

 その時、湖の向こう岸に建物が見えた気がした。

もしかすると、あの建物に行けばここがどこか分かるかもしれない。しかし見間違いかもしれない。

僕はしばらく考えた末、行くことにした。

「湖に沿って歩いていけばその内何とかなるか」

もし途中で誰かと出会ったらその人に聞けば良い

そう考えて僕は歩き始めた。

 

 

 

 

この湖は考えていたよりも小さいようだ。

湖の向こう岸まで行くのに、恐らく1時間もかからない気がする。きっと濃い霧がこの湖を大きく見せていたのだろう。

 

 

歩き続ける事1時間、ようやく目指していた建物に着いた。

それはとても広い敷地を持つ紅い洋館だった。

紅色の建材をあらゆる所に使用され、屋敷の主の紅色へのこだわりを感じる、とてもセンスが良い屋敷なのだが……

「それでも空まで紅くすることはないだろ」

空が紅色なので、洋館の雰囲気が不気味なものになっている。

 

「まるで吸血鬼の館みたいじゃないか」

あり得ないことを呟き、静かに笑った。

誰かいるかもしれないと思ったことで、そんな軽口を言う余裕が出てきたのだ。

 

「ここからどうしようかな……」

屋敷の門自体は既に見つけている。

問題なのは、その門の前に立っている門番なのだ。

別に門番の顔が恐ろしいから躊躇しているわけではない。

チャイナドレスを纏った凛々しい女性の門番だ。

その女性門番のどこが問題なのかと言うと……

 

 

「Zzz……(爆睡)」

 

 

……寝ていることだ。

そりゃあ門番だって人間だし、疲れるのは仕方ないよ?

けど仕事中に寝るのもどうかと思うよ?

しかも立ったまま寝てるし、あれは絶対常習犯だよね!?

 

 心の中でツッコミまくったところで、この状況が変わるわけでもない。

起こせば良いだけだと分かってるけど、爆睡してるって事はそれだけ疲れてる事だから……

 

 

「おや、どちら様でしょうか?」

 

 

突然後ろから声をかけられ、慌てて振り向いた。

 

 声をかけてきたのは、左右のもみあげに三つ編みを結った短い髮の、青と白が基調のメイド服を着た若い女性だった。

きっとこの洋館の人だろうと思い、自分がかなり不審者に見えていた自信があったので弁解しようと、

 

「め、目が覚めたら湖の近くに倒りぇていまちた‼」

 

……かなり噛んでしまった…恥ずかしい(泣)

 

 ありがたいことにそのメイド(?)さんは、気にする様子を見せなかったのですごく助かった。

 

「なるほど、外の世界の方ですね」

「外の世界?」

気になる言葉が出てきた。『外の世界』

まさかここは異世界だとでもいうのだろうか?

「ここは幻想郷という所です。元の世界とは結界で隔てられているだけなので、異世界とは少し違います」

「…って事は元の世界に帰れる?」

「ある人に頼んだら帰れますよ」

 

 なるほど、どうやらここは幻想郷という場所で、

僕はなぜか迷い込んでしまったて、そしてある人に頼んだら帰れるということか。

「じゃあ幻想郷をいろいろと見てから帰るか……」

幻想郷を観光してから帰る事にした。

 

「あまり一人では歩かない方が良いですよ」

 

「大丈夫だって、野生の動物に襲わ「()()が出ます」

 

……………………は?

 

「聞き間違えたみたいです。もう一度お願いします」

 

()()が出ます」

 

「…………どんな奴らなの?」

 

「人間を食べます」

 

 

 

…………何それリアルに危険じゃん!!!

 

 

 

とうとう頭が理解できる範囲を越えたのか、

 

突然、全身に力が入らなくなりその場に崩れ落ちた

 

あのメイドさんが駆け寄って来るのを見て

 

僕は意識を手放した

 

 




初投稿なので拙い文章でしたが、いかがでしたか?
まだ未熟者なので、アドバイスを頂けると嬉しいです。
近いうちに第2話を投稿するつもりですので、
これからもどうかよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。