Fate/cross silent   作:ファルクラム

110 / 116
第53話「混戦、乱戦、接戦」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 巨大な戦槌を手に、睨みつける少女。

 

 天翔ける雷を操る、最強の英霊。

 

 対して、

 

 立ち向かう少年は、あまりにもちっぽけな存在に過ぎない。

 

 ただ、

 

 手にした刀が放つ存在感は、尋常ならざるものがあった。

 

 造りは何の変哲もない日本刀。

 

 三日月にも似た美しい刀身が戦場に映えている。

 

 しかし、

 

 その鮮烈にして面妖なる輝きは、存在からして既に尋常ではありえなかった。

 

 まるで、刀自体が一匹の魔物であるかのように、恐るべき姿を見せていた。

 

 対して、

 

「『あたしを斬る』だァ?」

 

 切っ先を向けられたベアトリスは、不機嫌さを隠そうともせず響を睨む。

 

 確かに、響が刀を抜いた時は一瞬、気圧されたのは事実である。

 

 しかし、落ち着きを取り戻した雷神少女は、既に元の圧倒的な存在感を放っていた。

 

「テメェ、まさかそんなナマクラ1本出してきた程度で、このあたしと対等のつもりかよ?」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 響は無言。

 

 ただ、刀の切っ先をベアトリスに向け、いつでも切り込めるタイミングを計っている。

 

 対して、ベアトリスは嘲笑を隠そうともしない。

 

「ハッ とんだお笑い種だなッ たかがこんな傷一つで、もう勝った気かよ?」

 

 言いながら掲げたのは、響に斬られた左腕。

 

 手甲が斬り飛ばされた腕は真一文字に切り裂かれた傷がある。

 

 しかし、既にその傷は塞がり掛けているのが見えた。

 

「ガキがッ 思い上がるのも大概に・・・・・・」

 

 最後まで言い切る前に、

 

 ベアトリスは言葉を止めた。

 

 視界の中で刀を構えたい手はずの響。

 

 その姿が、いつの間にか消えている。

 

 次の瞬間、

 

「んッ 来ないなら、こっちから、行く」

 

 響の姿は、ベアトリスの視界から斬り込んでくる。

 

 逆袈裟に振るわれる斬撃。

 

「チィッ!?」

 

 舌打ちしながら後退するベアトリス。

 

 大きくバックステップで距離を取る、雷神少女。

 

 だが、

 

「ッ!?」

 

 その脇腹から、微かに鮮血が滲む。

 

 確実にかわしたはず。

 

 にも拘らず、響の振るった切っ先はベアトリスに傷を負わせていた。

 

「テメェッ」

 

 口を開こうとするベアトリス。

 

 しかし、それよりも早く響は斬り込む。

 

 口上に付き合う気はない。

 

 徹底した先制攻撃の連鎖で、ベアトリスにターンを与えずに倒しきる。

 

 まさしく暗殺者(アサシン)の発想だった。

 

 身を低くした姿勢から、地を這うように迫る暗殺少年。

 

「んッ!?」

 

 間合いに入ると同時に、横なぎに振るう斬撃が少女の足元を狙う。

 

「おおっとォ!!」

 

 対して、ベアトリスはとっさに跳躍し、響の振るう斬撃を回避する。

 

 同時に、手にした戦槌を大きく振りかぶった。

 

「ガキがッ 消し炭になりやがれ!!」

 

 眼下に見える、響の姿。

 

 収束する雷。

 

 だが、

 

「ん」

 

 次の瞬間、

 

 響の姿は、

 

 空中で振り被ったベアトリスの、

 

 更に、

 

「遅い」

 

 上

 

「クッ テメェ!?」

 

 とっさに攻撃にキャンセルを掛け、空中で回避行動を取ろうとするベアトリス。

 

 だが、響はその前に、手にした刀を振り下ろす。

 

 交錯する一瞬。

 

 ややあって、2人は同時に着地する。

 

 だが、

 

 ベアトリスの肩は僅かに切り裂かれ、そこからも鮮血が浮かんでいるのが見える。

 

 危なかった。

 

 傷口を手で押さえつつも、ベアトリスは僅かに戦慄せずにはいられなかった。

 

 あと少し、斬線が上方に反れていたら、頸動脈を切り裂かれた位置だ。

 

 響は確実に、迷いなく、ベアトリスの命を取りに来ていた。

 

「クソガキがッ」

 

 忌々しそうに響を睨みつけるベアトリス。

 

 その視線は、少年が持つ刀に向けられていた。

 

「何なんだよッ その刀はッ!?」

 

 美しくも禍々しいその刀。

 

 村正

 

 それはかつて、不世出と言われた天才刀鍛冶の名であり、彼が生涯を通じて鍛え上げた刀の総称。

 

 元は伊勢の国に生を受けた刀匠であったが、いつしか世に恐れられし妖刀として知られるようになった。

 

 曰く「徳川に仇成す刀」。

 

 後の世に征夷大将軍となる徳川家康(とくがわ いえやす)

 

 その祖父で、「30まで生きれば必ずや天下を統一する」とまで言われた大大名、松平清康(まつだいら きよやす)

 

 しかし25歳の時、父を清康に殺されたと誤解した家臣から惨殺される事になる。

 

 この時、清康を斬り殺した刀が村正であった。

 

 これがいわゆる「村正妖刀伝説」の始まりである。

 

 清康の死後、家督を継いだのが家康の父である松平広忠(まつだいら ひろただ)であったが、彼も家臣から反感を買い、脇差で刺される事になる。幸いにして命は取り留めたが、この時に広忠を刺した脇差も村正。

 

 家康の嫡男である松平信康(まつだいら のぶやす)(後の2代将軍となる秀忠の兄)が、母である築山御前(つきやまごぜん)にそそのかされる形で、時の天下人である織田信長に対し反旗を翻そうとした事がある。この企みは事前に察知されて鎮圧。信康は切腹を命じられるが、この時、介錯に使われた刀も村正。

 

 信康切腹と同時に、築山御前も処刑されるが、その際の斬首に使われた刀も村正。

 

 とある武将が戦場での槍働きを家康に褒められ、自慢の槍を家康に披露しようとしたが、その際、家康自身が手を滑らせ、槍の穂先で手を切ってしまう。その際の槍も村正。

 

 このように、村正と言う刀は事ある毎に、徳川家康の近親者の命を奪い、更には家康自身をも傷付けたのだ。

 

 これらの噂が、すべて真実であるかどうかは定かではない。

 

 しかし家康が、事ある毎に自らに仇成す刀を、妖刀と呼び嫌い、諸大名や武士たちに所有を禁止したのは確かだった。

 

 それ故に、徳川に反旗を翻した多くの武士たちが、「打倒徳川」の念を込め、村正を愛用したと言う話もある。

 

 徳川家康自身が参陣した最後の戦であり、宿敵、豊臣を滅ぼした戦いである「大坂の陣」

 

 その大坂の陣において、豊臣方の武将の中で最も活躍。当の家康本人をして「日の本一のもののふ也」と言わしめた、真田信繁(さなだ のぶしげ)こと、真田幸村(さなだ ゆきむら)

 

 江戸初期、浪人たちの困窮を憂い、幕府に反旗を翻す事を企図した由比正雪(ゆい しょうせつ)

 

 更には徳川幕府打倒を目指した、多くの幕末維新志士達。

 

 など、多くの「反徳川」を掲げた者達が、村正を佩刀としたと言う言い伝えもある。

 

 今、響の手の中にあるのも、その中の一振り。

 

 刀匠、千子村正(せんじ むらまさ)が鍛え、とある世界に蔓延った怪異を切り払った刃。

 

 余りに「斬れ過ぎる」が故に、岩石や金剛石(ダイヤモンド)、果ては神仏や妖魔の類ですら斬り捨てる、正真正銘、妖刀の一振り。

 

 明神切村正(みょうじんぎりむらまさ)

 

 まるで、何かに引き寄せられるかのように自分の手元にやってきたこの刀を、士郎は別世界から来た弟に託した。

 

 美遊を守るために。

 

 村正の切っ先を、ベアトリスに向けて構える響。

 

 次の瞬間、

 

「ん、行く」

 

 地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 響がベアトリス相手に戦っている頃、

 

 他の戦線でも、一進一退の攻防が続いていた。

 

 イリヤとバゼットは、巨大な方天画戟を振るう狂戦士(バーサーカー)を相手にしていた。

 

 まるで暴風の如く、巨大な長柄の戟を振るう狂戦士(バーサーカー)

 

 その一撃が、目の前の民家を文字通り「殴り倒す」。

 

「クッ 散弾!!」

 

 空中に跳び上がったイリヤが、面を制するように魔力を放射する。

 

 放たれる無数の弾丸。

 

 しかし、拡散される事で、威力を減殺された魔力弾に致死の効果は無い。

 

 案の定、狂戦士(バーサーカー)は、構わず向かってくる。

 

 だが、

 

 イリヤの狙いは、初めから別にある。

 

「バゼットさん!!」

 

 イリヤの合図と共に、

 

 封印指定執行者たる女が駆けた。

 

 加速

 

 強化

 

 硬化

 

 相乗

 

 かつて、黒化したギルガメッシュの心臓を、一度はえぐり出す事に成功した、人の域を遥かに超えた一撃。

 

 イリヤの散弾によって間合いを狂わされた狂戦士(バーサーカー)は立ち尽くしている。

 

 そこへ、

 

 バゼットは斬り込んだ。

 

 振り抜かれる手刀。

 

 一撃は、確実に狂戦士(バーサーカー)を必殺すべく繰り出される。

 

 しかし、

 

 最速の一撃を、狂戦士(バーサーカー)は真っ向から迎え撃つ。

 

「■■■■■■■■■■■■!!」

 

 激突する両者。

 

 交錯。

 

 しかし、

 

「クッ 失敗かッ!?」

 

 舌打ちしつつ、バゼットは態勢を立て直す。

 

 バゼットの攻撃が当たる一瞬、

 

 狂戦士(バーサーカー)は敢えて前に出る事で、バゼットの攻撃点をずらして来たのだ。

 

 目測を誤ったバゼットの攻撃は、失敗に終わってしまった。

 

「■■■■■■■■■■■■!!」

 

 咆哮を上げる狂戦士(バーサーカー)

 

 手にした方天画戟を振り翳し、バゼットへと迫る。

 

 だが、

 

 そこへ、援護が入る。

 

「バゼットさん!!」

 

 急降下する魔法少女(カレイドルビー)

 

 手にしたステッキに魔力を込め、全力で振り抜く。

 

斬撃(シュナイデン)!!」

 

 薄く鋭い魔力の刃が、狂戦士(バーサーカー)へと迫る。

 

 頭上を取ったうえでの奇襲攻撃。

 

 本来であるならば、防ぐことは難しい。

 

 だが、

 

「■■■■■■■■■■■■!!」

 

 雄叫びと共に、狂戦士(バーサーカー)は方天画戟を振るい、イリヤの斬撃を振り払った。

 

「そんなッ!?」

 

 愕然とするイリヤ。

 

 まさか、あのタイミングで仕掛けた攻撃が弾かれるとは思っていなかった。

 

「どうやら、並の狂戦士(バーサーカー)ではないようですね」

 

 傍らに降り立ったイリヤを守るように、バゼットは前に出ながら呟く。

 

 昨夜の作戦会議の時点で、アンジェリカから狂戦士(バーサーカー)と言う英霊の特性については聞いていた。

 

 それによれば、本来狂戦士(バーサーカー)とは、力の弱い英霊の理性をあえて封じ、狂化する事によって、爆発的な力を得た存在だと言う。

 

 ただし、圧倒的な力の代償として、よほどの適性が無ければ、およそ10分で理性は完全に失われる事になる。そうなれば、もはや接続解除(アンインストール)しても、元に戻れる保証はない。

 

 だが、

 

 今、目の前にいる狂戦士(バーサーカー)は、通常の枠にはとらわれない存在だった。

 

 呂布奉先(りょふほうせん)

 

 後漢末期の中国の武将であり、彼の三国志史上最強の武人とも言われる存在。

 

 武勇においては比類なき最強と謳われる一方、裏切りを重ねたその生涯から多くの敵を創り出した反骨の将でもある。

 

 元は丁原と言う武将に仕えていたが、やがて中央政権を掌握すべく動き出した董卓と結託する事になる。

 

 やがて権力を手中にした董卓の下で武勇を振るう呂布だったが、美女、貂蝉を巡って董卓と対立。再び主君を裏切るに至る。

 

 その後も、中国大陸の各地を放浪しながら、一定の地に留まる事は無かった。

 

 しかし、その行動故に多くの敵を作りすぎた呂布はやがて、姦計によって捕らえられ、ついには処刑台の露と消える事になる。

 

 ある意味、武においては如何なる相手にも負けを知らなかった、正に無敵の武将であると言えるだろう。

 

 その呂布を夢幻召喚(インストール)したシフォン。

 

 華奢だった少年の姿は一変し、筋骨隆々とした武人の姿が、イリヤ達の目の前にある。

 

 数ある夢幻召喚(インストール)の中でも、異色である事は間違いない。

 

 しかも厄介な事に、通常の狂戦士(バーサーカー)ならば、生前に培った武芸は失われ、ただ己の膂力と狂気のみを武器に暴れるだけの存在となる。

 

 しかし、呂布奉先と言う狂戦士は違う。

 

 どうやら僅かではあるが、生前の武技を残したまま狂戦士(バーサーカー)となったらしい。その証拠に先程、イリヤが仕掛けた奇襲攻撃を紙一重で回避して見せている。

 

「厄介な存在ですね」

 

 自信もリアルバーサーカーなどと密かに呼ばれているバゼットは、相手から視線を放さずに呟く。

 

 膂力においては圧倒的であり、その上、生前に極限まで研ぎ澄まされた技術まで継承している。

 

 ある意味、呂布と言う存在は狂戦士としては最強の一角と言えるかもしれなかった。

 

「シフォン君・・・・・・・・・・・・」

 

 かつて、囚われた城で最も心を通わせた相手を想い、イリヤは呟きを漏らす。

 

 シフォンは自身が仕えていたエリカのみならず、囚われて心細い思いをしていたイリヤの事も、常に気にかけてくれた。

 

 そのシフォンが今、自分の敵として目の前に立っている。

 

 イリヤにとって、あまりにも苦しい戦いと言わざるを得なかった。

 

「イリヤスフィール、辛いのなら下がっていてください。ここは私が」

 

 イリヤを守るように、バゼットは前に出る。

 

 勿論、いくら英霊すら凌駕する戦闘力を持つバゼットとは言え、勝てると言う保証はない。

 

 勝つ為には、イリヤの参戦が絶対不可欠である。

 

 しかし、

 

 イリヤの優しさは、バゼットも分かっている。

 

 だからこそ、知り合いと戦うようなむごい戦いはさせたくないと言う想いもまた、バゼットの中にはある。

 

 たとえそれで、自分が倒れる事になろうとも。

 

「ありがとう、バゼットさん」

 

 年長者の気遣いに感謝しながら、しかしイリヤは決意の籠った眦を上げる。

 

 既に賽は投げられた。

 

 ならば、この戦いから逃げる事はできなかった。

 

「決着は、私が付ける!!」

 

 決意と共に、少女が掲げたカード。

 

 その絵柄には、

 

 咆哮を上げる、獣人の姿が描かれている。

 

夢幻召喚(インストール)!!」

 

 凛とした声と共に、稼働する魔力回路。

 

 光に包まれる、少女の姿。

 

 その光が晴れた時、

 

 少女の姿は一変していた。

 

 纏められた長い銀髪。

 

 下半身は大ぶりな腰布で覆われている反面、ほぼ裸に近い上半身は、胸にのみ布がまかれている。

 

 そして、

 

 ズンッ

 

 地鳴りとともに、地面に突き立てられる巨大な斧剣。

 

 自身の身体よりも巨大な、その斧剣を、

 

 イリヤは自らの細腕で、軽々と持ち上げて見せる。

 

 狂戦士(バーサーカー)

 

 その可憐でありながら、どこか狂気に満ちた戦姿が、立ちはだかるシフォン、呂布奉先(りょふ ほうせん)を睨み据えた。

 

「行くよ、シフォン君ッ そこは通らせてもらう!!」

「■■■■■■■■■■■■!!」

 

 2騎の狂戦士(バーサーカー)は、同時に吼えた。

 

 

 

 

 

 突き立てられた無数の刃。

 

 林立する剣の群れを、駆け抜ける英霊が2騎。

 

「ウフフ、こんなに頂けるなんて。とっても嬉しいです。わたし、包丁の扱いはとっても得意なんですよ」

 

 文字通り狂った言動と共に迫る桜。

 

 対して、クロエは後退しながら、次々と剣を投影、地面に突き立てていく。

 

「まだまだ行くわよ!!」

 

 言いながら投影魔術を発動。

 

 更に突き立てられた剣が増える。

 

 それだけではない。

 

 クロエは空中にも剣を投影、迫る桜目が目がけて射出する。

 

「こいつもあげるわッ 遠慮なく受け取りなさい!!」

 

 射出する切っ先。

 

 更にクロエは、両手に構えた干将と莫邪を投げつける。

 

 前方と左右から、桜を包囲するように飛翔する剣。

 

 しかし次の瞬間、

 

 桜は左手に持った剣を手放すと、飛んできた干将をキャッチ。そのまま支配権を奪い、残る剣も叩き落してしまう。

 

「新しい包丁、ありがとうございます。輪切りが良いですか? みじん切りが良いですか? それとも3枚下ろしにしましょうか? ウフフ、色々あって迷っちゃいますね」

 

 仮面の下で、ニタリと笑う桜に、クロエの背筋に強烈な怖気が走る。

 

 見た目の狂気通りの不気味さ。

 

 だが、それ以上にクロエを驚愕させている物は、桜の戦闘力だった。

 

 判断は壊滅的。

 

 本来であるならば、およそ戦闘を行える状態ではない。

 

 にも拘らず、クロエを圧倒しているのはひとえに、常軌を逸するほどの武技を備えているからに他ならない。

 

 加えて、あの武器の支配権を奪い取る能力は厄介極まりない。

 

 何しろ、繰り出す武器をそのまま奪われてしまうのだ。

 

 多数の武器を投影し、射出する戦術を得意とするクロエにとっては天敵である。攻撃すればするほど、桜の攻撃力が増す結果となる。

 

 まともにやれば、負ける。

 

 だからこそ、策を仕掛けるのだ。

 

「頼んだわよ、美遊」

 

 切り札たる少女に語り掛けるクロエ。

 

 繰り出される桜の攻撃を回避しながら、クロエは再び剣を投影するのだった。

 

 

 

 

 

 響 VS ベアトリス

 

 イリヤ、バゼット VS シフォン

 

 美遊、クロエ VS 桜。

 

 敵味方、入り乱れるようにして戦う戦線は混沌としたまま先行きが見えず、

 

 彼方では尚も、泥が流れ込む絶望の光景が続いていた。

 

 

 

 

 

第53話「混戦、乱戦、接戦」      終わり

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。