やはり猫が可愛いのは間違っていない。   作:如月の夢

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今年の文化祭は面白くなかったなぁ、って言うのが作者の感想……
あ、ぼっちじゃないよ?


猫の思いは高まる

「えー、本日は総武高校の文化祭に(ry」

おい作者、一行目からサボるな。

とにかく、本日は文化祭の一般公開である。

OBはもちろんの事、近所の中学生が、学校見学を兼ねて、文化祭を見に来るのだ。

廊下を歩けば、懐かしい先輩と、まだ中学生の後輩と、話に花を咲かせるものが多い。

俺?いる訳ないだろ。

各教室は、昨日よりやる気が上がっているようで、クラスの出し物の広告を、首にぶら下げ声を出し宣伝していたりする。

「中広場で、焼き鳥売ってまーす!ぜひ寄ってくださーい」

「特別棟、奥の教室にてお化け屋敷やってます!みんな来てねー」

だの、いろいろである。

さて、そんなことをなぜ知っているのか。

それは現在、強制的に文化祭を回ることになったからである。

「どうしたの?ひーくん」

そう、前川と共に……

「もしかして嫌だったかにゃ?」

「いや、そんなことはないぞ」

そんな事は無い、急にこうなった原因は、霧谷が

「あーお客さん少ないねー、こんなに人いらないよね?」

などと、完全に棒読みをした発言があったのだが、何故か、前川と俺に休憩が与えられたのである。

教室を出る時、葉山がサムズアップして来たのは、後で覚えとけ。

 

 

「ひーくん!なにか食べる?」

「あー、適当に買うか。」

「うん!」

そして、行列の出来ている、焼鳥の出し物があった。

本来なら人混みは嫌いなのだが、まぁ、ここまで列ができるのも珍しい、との事で並ぶことにした。

15分以上並び、ようやく順番が来た。

これ程までに人気のある店だ、誰が作っているのか見たくなったので、ふと奥を見る。

…………………………

何も見ていない。

「?どうしたのひーくん。」

「嫌、なんでもない、なんでもないんだ。」

何事も無かったかのように注文を済ませ、品を受け取ると、頼んだ数より多い気がする。

嫌な予感がして、奥を見ると、涙を流してサムズアップする

 

 

材木座がいた…………

 

 

 

 

 

行儀が悪いのは承知だが、歩きながら食べていると、ふと前川が廊下の隅を歩き出した。

何事かと考えていると、目の前にはお化け屋敷。

「ほほう。」

「い、いきなりどうしたのかにゃ……」

「いや?面白そうなお化け屋敷を見つけてな。」

すごく悪い顔をしている自覚はある。

「そ、そうなんだ…」

「どうした?苦手なのか?」

「へ、平気だにゃ!……あ」

「よし、入るぞ。」

「ふぇ」

ふぇ、ってなんだよ。

 

 

 

結論から言おう、疲れた。

何があったのかといえば簡単で、京都のお化け屋敷の時のように、横から前川が抱きついて、離れなかったのである。

お化け役の人が、うわ!と出て来る度、抱きつかれるので、少し痛い。

なんなら、抱きつかれるのを目撃する度に飛んでくる、殺意的な視線も痛い。

今は、近くの休憩スポットにいる。

「うぅ、ひーくんのばか……」

「悪かったって」

さながら、喧嘩したカップルの様だが、そんなことはもちろん無い。

 

 

約束の時間になり、休憩をやめ、本格的なピークを迎えた。

「ほら、ヒキオ!さっさとするし!」

「いって、何そんなに慌ててんだよ。」

「それは俺から説明するよ」

 

 

葉山曰く、昨日の評判が、認知していたよりはるかに高く、SNSを通してかなりの口コミが広がり、わざわざ、この出し物目当てで来る客もいるのだという。

「ヒキオ!あんたの考えた商品なんだから!早く!」

考えた商品とはスイーツである。

まぁ、マッ缶の甘さがベースだがな。

流石女子、甘いものには目がなく、団結力(笑)が高い。

 

 

そんな大反響のおかげで、客が溢れ、接客に葉山を投入するが、余計に溢れ、在庫は瞬く間になくなった。

後の話だが、制作している写真を撮られ、学校中に出回ったとか、無かったとか。

 

 

在庫がなくなったため、クラスは解散することとなり、各々、ほかのクラスへ向かう。

俺は、教室で寝てようかと思ったが、バンドを見に来るよう、強制されていることを思い出し、体育館へ向かうことにした。

廊下に出ると、背後から衝撃が走る。

それは、小町だった。

「よぉ、小町。」

「お兄ちゃん!すっごい美味しかったよ!」

「おう、サンキューな」

「友達と食べに来たんだけどね、あまりにも美味しくて。これ、お兄ちゃんが作ってるんだよ!って言っちゃった。てへっ」

「あざとい……」

「いやぁ、美味しかったよぉ、あ!前川さんも可愛かったよ!」

「それがどうした。」

「お兄ちゃんなら、気になるかなぁって。」

「そうだな。」

「お、おお、お兄ちゃんが…み、認めた……」

「驚きすぎだろ。」

「あの、お兄ちゃんだよ?」

「あーはいはい。」

「んもー、適当だなぁ」

「とにかく、体育館に行くんだよ、俺は。」

「なにしに行くの?」

「ライブでも見に。」

「珍しいね。お兄ちゃんが進んで、うるさい所に行くなんて。」

「あぁ、呼ばれてなかったら、行かないな。」

「?だれに?」

「霧谷」

「ほほう、それは女の子ですね。旦那」

「小町ちゃん、はしたないわよ。」

「キモいよ、ごみぃちゃん」

酷すぎる……

「新たなお嫁さん候補かな?」

と、その発言を聞いた途端、俺のテンションがわかりやすく下がる。

「お兄ちゃん、どうしたの?」

「霧谷には、告白された……」

目を丸くする小町。

「だか、俺が振った……」

「だから、少し元気なかったのか…」

「あぁ」

「まぁ、それだけ、前川さんへの気持ちが強い、ってことだよね。」

その言葉に頷き、体育館への歩を進める。

そして、何故か葉山が待ち構えていて、観客席の最前列真ん中に座る。

「おい、葉山なんだこれは。」

「まぁ、いまにわかるさ。」

どういう意味だ…

 

 

「さぁ!皆さん、お次はこちら!3年生仲良し3人組によるバンドだよ!去年のバンドを超えられるか?

それではどうぞ!」

そうして、舞台の幕は上がった。

 

 

 

 

sideみく

時は遡り今日の朝。

前川は昨日と同じく、支度をしていた。

つもりだった。

集中できない理由は、明白。

昨日、琴音ちゃんが、ひーくんに、告白したかもしれないからだ。

もし、付き合っていたらどうしよう。

小町ちゃんに似てるし、ひーくんの好みだよね……

そんな、暗い思いで登校した。

 

教室へつくと、朝から、文化祭のお客さんの予想をたてるみんながいた。

そんな中、琴音ちゃんの表情は、憑き物が取れた、そんな明るい笑顔だった。

成功したのかな……

そんな私の視線に気づいたのか、トコトコとやってくる。

「みーくちゃん!元気ないね?どうしたの?」

「いや、その……」

「ん?……あ、そっか!」

「?」

「私ね!振られたよ?」

「!?」

「やっぱり気にしてたかー」

バレていたか……

「大事な人がいるんだってさ。」

「大事な人?」

「そう、だから、まだ分からないでしょ?諦めちゃダメだよ!」

「……うん、そうだね!」

「頑張れ!」

 

 

そうして、文化祭2日目は始まり。

周り?の取り計らいで、デートが出来た。

材木座くんがなぜかサムズアップしていたりしたけど……

 

 

 

 

 

とにかく、時間は過ぎ、今はライブ目前だ、

アイドルの時の曲は使えないけど、

私は、この歌に君への思い全てを乗せる!

 

司会の紹介と共に、幕が上がる。

そして始まる、私の君の心への大きな1歩が。




短くてすいません。
かける時はネタがポンポン出ますよね、
分からんけど……
次で終わります、多分。

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