ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

17 / 38
スクールアイドル部設立までグッと近づいたその日の夜の事です。

千歌と曜には色々思いを馳せる事があるようで…。
※少し番外編的要素かもしれません


第15話 その日の夜 ~千歌side&曜side~

 

 

 

「もう、あと2人かぁ……!」

 

相変わらず広い従業員用の風呂に浸かるオレンジ色の髪の少女。頭の頂点には、相変わらずぴょこん、と髪が跳ねている。

 

「会長はあんなこと言ってたけど…。翔くんも、曜ちゃんも部活に入ってくれたし。きっと、なんとかなるよね…?」

 

『中途半端な人間に人が寄ってくるわけがない』

 

しかし、昼間に会長に言われた一言が胸を締め付ける。…自分でも、それは良く解っている。一人では起きられないし、特に何かが秀でているということでもない。そう、『普通』なのだ。

 

「でも…『そんなことない』って言ってくれる人もいた。」

 

バシャバシャ、とお湯で顔を洗いながら、自分を肯定してくれた人物_____榮倉 翔を思い浮かべる。

 

「あの時の翔くんの言葉、すっごい嬉しかったなぁ…。 …まぁ、その後のせいで1週間、って期限はついちゃったけどね。」

 

ふふっ、と一人で頬を緩ませる。…まぁ、そんな後先考えずに先走ってしまう所は自分も同じなので、人の事は言えないが。

 

「翔くんと一緒なら、きっと、なんとかなるよね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

曜ちゃんもいるし、と呟き、交友のずっと深い幼馴染より先に浮かんだ転入生に顔をボッ、と赤くしながら、風呂の中で時を過ごすのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よーそろー。」

 

自宅の足がギリギリ延ばせるくらいの風呂___これに浸かってると十千万の大浴場に行きたくなる___に入りながら、小さい子供のころからの口癖をなんとなく、呟いていた。

…そう言えば数日、あまりこの言葉を言ってなかったような気がする。そう、千歌ちゃんが『スクールアイドルやりたい』と言い始めたときから。

 

「……翔くん。」

 

ぼそっ、と自分を励ましてくれた、もう一度親友を信じさせてくれた男の子の名前を口に出す。

…思えばあの転入生がいなかったら、私は今スクールアイドル部に関われない___どころか、大切な親友とも疎遠になっていたのかもしれない。

 

「…翔くんには、感謝しきれないよ、、、なんとしても、スクールアイドル部を設立させなきゃね。」

 

応援してくれた翔くんの思いを無駄にしないためにも、と意気込んだ時同時に昨日の事も思い出してしまう。

 

『曜ちゃんはかわいいよ!俺が……』

 

しまった、と思ったときには時すでに遅し。みるみる顔が赤くなり、体中が熱くなる。

 

「う、ううう…///思い出さないようにしてたのにぃ…///」

 

 

 

 

 

 

 

忘れろ、忘れろとぶくぶくと湯船に沈んでいく。

この翔に対する思いが変化していくことに、気付きつつある曜なのであった…。

 

 

 

 

 




翔クン、知らぬまにモテモテです。

さて、次回は1年生組が登場…?

お楽しみに。
※できるだけ早くお届けできるように頑張ります…。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。