ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

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さて、スクールアイドルをやりたい、と言い出す千歌ちゃん。
翔クン達の反応やいかに。


第12話 ~平凡な高校生と勧誘~

 

 

 

「……で?本気でやろうと思ってるのか?」

 

時刻は午後6時半。曜ちゃんは、終バスが来るから、とついさっき帰って行った。…さすが田舎だな、終バスが超早い。

 

「うん! こんな偶然、もう神様が「やれ」って言ってるようなもんだよ!! 明日、すぐに部活を立ち上げる!!」

「ま、まじ…?」

 

いつもながらに思うが、千歌ちゃんの行動力には驚くものがあるねまったく。…いきなり明日からって、すげぇな。

 

「ち、ちなみに…。もう部員のアテがあったりは?」

「……へ?」

 

ぽかーん、とする千歌ちゃん。…あぁ、なんも考えてなかったんだな。

 

「ま、まあまあ!明日から勧誘していけばいいよ!!なんとかなるなんとかなるっ!」

 

 

…ホントに大丈夫なんだろうか。

 

「翔くんも手伝ってね! …なんてったって、男の子の転校生だし?目立つ事間違いなしだもんねぇ。」

「ま、マジすか…。」

 

ぐへへ、と笑う千歌ちゃん。…もしかして、最初から俺を使う気満々だったんじゃ。

 

「じゃ、明日は早く起きてね! あっ、曜ちゃんにもメールしとかなきゃ!」

 

そういってスマホに向かい、メールを打ちこんでいく。

 

「ホントにやるのか…。」

 

不安な気持ちでいっぱいになるのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

ピピピピッ、ピピピピッ……。カチッ。

眠気で重い瞼をこすりながら、いつもより一時間早い起床になんとか成功する俺。カーテンを思いっきり空ける。 …うん、今日もいい天気だ。

 

「さて…。いいだしっぺは起きてるといいんだけどな…。」

 

そういって、パジャマ姿のまま隣の千歌ちゃんの部屋へ。  ガチャ。

…まぁ、予想はしてたけどさ。

相変わらず、起きる様子もなくベッドで安らかな寝息を立てている千歌ちゃん。

 

「ったくもう…。しょうがねぇな。」

 

そう言って、今朝も眠れるアホ毛との格闘戦が始まるのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく…。自分で言い出した日くらいは起きようぜ?」

「えへへ…。」

 

いつもより約45分早いバスになんとか間に合い、息をつく俺と千歌ちゃん。千歌ちゃんの小脇には、『輝け! スクールアイドル部(仮)大募集!!』と書かれたチラシ。

…これを昨日、いきなり作り出すとか言い出すからなぁ。結局、日をまたぐまでかかってしまったため、いつもよりか眠い。

 

「だって、早い方がいいでしょ? あぁ…、楽しみだなぁ~!」

「そうだな…、はぁ…。」

 

果たしてうまくいくのだろうか。不安で仕方ないまま、バスは今日も浦女へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

「スクールアイドル部でーすっ!!」

 

校門の前、絶好のポジションをとった俺と千歌ちゃんと、途中から合流した曜ちゃん。

 

「お願いしまーすっ!」

「お願いしまーす…。」

 

なぜかノリノリでチラシを配る曜ちゃんを尻目に、俺も登校してくる生徒たちにチラシを配る。

その俺たちの後ろで、どっからか持ってきたみかんの段ボールに乗り、これまたどっからか持ってきたメガホンで、千歌ちゃんが声掛けをしている。おでこには、『スクールアイドル愛』と書かれたハチマキをしている。

 

「あなたも、あなたもっ!スクールアイドル、やってみませんか?」

「輝けるアイドル!!」

「スクールアイドル~~!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ぴゅおおおぉぉ……。

 

「全然、受け取ってもらえなかったよ…。」

「俺もだ…。」

 

がっくしうなだれる俺たち三人に、少し冷たい風が吹き込む。

 

「……おっ?」

 

何かに気づいた千歌ちゃんが、顔を上げる。

 

つられて見上げた先には、赤色の髪のツインテールの子と、薄い茶色の髪の女の子。

 

「「美少女…?」」

 

思わず声が漏れる俺と曜ちゃん。…ってあれ、千歌ちゃんがいな…!?

 

「あの!!」

「ずら!?」 「ピギッ!?」

「スクールアイドル、始めませんか!?」

 

瞬間的にその子たちの前に立ち、チラシを見せる千歌ちゃん。は、早い。そして距離が近い。

鼻がくっついてしまうんでは、という距離までずずっ、と接近する千歌ちゃん。…おいおい、二人がめっちゃ驚いてんじゃねぇか。

 

「だいじょーぶ!悪いようにはしないから!あなたたち、きっと人気が出る!」

「で、でもマルは…。」

 

困っている薄い茶色の髪の子。ちらっ、と後ろを見る。そこには、チラシをガン見している赤い髪の子が。

 

「興味あるの!?」

 

嬉しそうに、その子の手を取ろうとする千歌ちゃん。…指先が軽く手に触れたその時。

 

「………ぴ、ピギャァァァァ!!!!」

 

みるみる顔が赤くなり、いきなり叫びだした赤髪の子。…うおっ!?なんだ!?

 

「ルビィちゃんは、究極の人見知りずら…。」

 

茶色の髪の子が、ボソッ、と呟いた瞬間。

ガサガサっ!!

…ん?なんだ?頭上の木から音がしたような……って!?

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

すたっ。木の上から落ちてきたのは、これまた大層な美少女。…親方、空から女の子が。

 

「うぅぅぅ…足……。 …ぐえっ!!」

 

さらに、その子の頭上から、飛○石ではなく、バッグが。見事その子の首筋に直撃。…だ、大丈夫か?

 

「い、色々大丈夫…?」

 

心配そうに恐る恐る近寄る千歌ちゃん。その瞬間。

 

ギランッ!

いきなり、目がキリッとなったその女の子。青と紺の間のような髪の上に鞄を乗せながら、「ふ、フフフフフ…」といきなり笑いだす。 …変な所でも打ったんじゃ?

 

「ここはもしかして…、地上?」

「「「「「うえっ!」」」」」

「「「「「だ、だいじょぶじゃ…ない…。」」」」」

 

ヤバい奴だ。全員がそう感じたに違いない。

 

「ということは、あなたたちは下劣で下等な人間ということですか…?」

「うわっ!」

 

思いっきり引く曜ちゃん。

 

「それより足…。大丈夫?」

 

つん、と足をつつく千歌ちゃん。びくっと足が反応する。…絶対痛がってるな。

 

「痛っ…!たい訳ないでしょう?この体は単なる器なのですから。」

 

おお、まだ突き通すか。

 

「ヨハネにとっては、この姿はあくまで仮の姿…。 …おおっと!名前を言ってしまいましたね…私は、堕天使ヨハ「善子ちゃん!?」 」

 

…ん?

 

「やっぱり善子ちゃんだぁ~!花丸だよ!幼稚園以来だねぇ~!」

「は…な…ま…るぅ!?  に、人間風情が、何を言って…「じゃ~んけ~ん、」」

「ぽんっ!」

 

唐突に始まるジャンケン。花丸…?ちゃんがグー。善子?ヨハネ?ちゃんが出したのは…。

なんだこりゃ。

今まで見たこともない、指がぐにゃぐにゃしている手。…こりゃなんだ?チョキ?

 

「そのチョキ…!やっぱり善子ちゃん!!」

「善子ゆーなぁ!!」

「いい?私はヨハネ。…ヨハネなんだからねぇ~~!!」

 

そう言い残すと、脱兎のごとく逃げていくヨハネ(善子?)ちゃん。

 

「あっ!善子ちゃーん!」 「マルちゃーん!!」

「善子ゆーなぁ~!!」

 

それを追いかける二人。…あっという間にいなくなってしまった。

 

 

「「「あの子達…。」」」

 

「後でスカウトに行こう!」 「「何者なの(なんだ)?」」

 

ええ……。

そっちかよ、と二人で千歌ちゃんを苦笑いしながら眺めつつ、さて、とりあえず教室に行こうか、と歩きだそうとすると。

 

 

「あなたたちですの?このチラシを配っていたのは。」

 

 

不意に、後ろからの声。

 

「いつ何時、スクールアイドル部なるものがこの浦の星女学院にできたのです?」

 

振り返ると、そこには黒髪ストレート、前髪ぱっつんの美人さん。

ん?…ちょっと待て、タイが緑色、ってことは…。

 

「あなたも一年生?」

 

のんきなトーンで問いかける千歌ちゃん。おい、違うぞ、その人は多分…。

 

「千歌ちゃん!違うよ、その人は新入生じゃなくて、三年生。しかも……。」

 

コショコショ、と耳打ちする曜ちゃん。…やっぱり三年生だったか。だが、なんだ?最後の部分がよく聞き取れ……

 

 

 

 

 

 

「嘘っ…!? ……生徒会長!?」

 

 

 

 

 

…終わった。

まだ設立もしてないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、今回の話は原作1話に沿って書きました。(とりあえず、1年生組+ダイヤ様を出したかったのです。)

※どこか、変な箇所などありましたら、コメントでお伝えください。





スクフェス感謝祭、行きたかったなぁ…。


次回もお楽しみに。

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