ラブライブ!サンシャイン!! ~平凡な高校生に訪れた奇跡~   作:syogo

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こちらはオリジナルキャラ、榮倉翔(えいくら かける)の簡単な紹介と、内浦に転校する理由を書きつづる話です。
※サンシャインのキャラはまだ出ません。


~平凡な高校生、奇跡の始まり~
第1話 ~平凡な俺に訪れた転機~


「……つまらない。本当につまらない。」

 

 

携帯ゲーム機をいじりながらそう呟く俺。榮倉翔(えいくら かける)、16歳。高校2年

生。

 

埼玉に生まれ、埼玉育ち。一人っ子。父親は普通のサラリーマン。母親は…、覚えて

いない。俺が1歳の頃に交通事故で亡くなってしまったらしい。だが、母親の事は全

くといっていいほど覚えていないため、特にさみしくもないし、いない事は気にもな

らない。だって、1歳だぞ?覚えているわけないじゃないか。

と、家族構成は俺、父親の二人暮らしと少し変則だが、問題はここからだ。

 

俺本人が、もう、「平」が百個つくレベルの凡人なのだ。

 

 

では、俺が生きてきた16年間を紹介しようじゃないか。

 

 

1月2日生まれ。生まれたときの身長=50センチ。体重=3000グラム。…ド平

均。

 

小学校入学。以来今までのすべての成績オール3。得意教科、なし。苦手教科、な

し。特技、なし。趣味、ゲーム、読書。小学校のクラブ、中学校の部活、共に卓球

部。

友達は…多くもなければ少なくもない…と、お、思いたいね。うん。

ちなみに、彼女なんていたこともない。バレンタインデーも貰ったことないぜ。

 

 

……さあ、どうだろうか。あまりに平均すぎないだろーか(というか、平均よりひど

いんじゃ…)。

 

というくっっっっっそツマラナイ、将来居酒屋なんかで、「お前の少年時代の話、聞

きてぇなぁ~」 なんて言われても、なんにも話すことなんてない(実際話すことに

なるのかどうかは謎だが)、人生を歩んできた。そして、これからも………。

 

 

 

そんな俺に、転機が訪れた。

 

 

 

今は夏休み初日。偏差値が50くらいの、ド平均高校に入った俺は、1年間、なぁ~ん

もないまま過ごした。 …あ、友達はできたよ?そこは大丈夫だよ?うん。

通知表も安定のオール3(……ちなみに、学年末テストで、全教科平均点ピッタリを取

って、担任を苦笑いさせた)。 うん。つまらない。安定の平凡人生だ。

 

…とまあ、特になにもないまま春休みに突入。今は自分の部屋で絶賛ゲーム中、とい

うわけだ。

 

「なんか、ねぇかなぁ…。なんというか、こう…、ちょっと変わった事。 例えば…

親父が急に転勤決まるとか。」

 

と、今流行りの某狩猟ゲームをカチコチやりながら、そんな事を呟く俺。

 

 

……まさか、フラグを回収してしまうとは。

 

 

 

 

「ふぅ。今日はこんなもんで終わっとくか。」

 

時計を見ると午後6時。そろそろ親父が帰ってくる時間だ。

 

「今日の飯はなにかなぁ…」

 

と言いつつ、部屋を出てリビングに向かう。親父が帰ってくるまでに風呂を洗って、

洗濯物を取り込んどかなくては。(※因みに、榮倉家は一軒家です。)

 

リビングに来た俺。まずは空気清浄機をつける。部屋に冷気が漂い始める。気持ちい

い。

 

お次はベランダ。窓を開けると暖気が顔に当たる。さすが春。穏やかだね。

手早く取り込み、洗濯物を畳む。さすが二人といったところか、物が少ないからすぐ

畳み終わった。ま、いつものことだけどね。

 

最後の風呂掃除をしている途中に、玄関のドアが開いた音がした。親父だ。俺は手早

く湯船についている洗剤を落とすと、スイッチを入れて、リビングに向かった。

 

 

「お帰り、親父。お疲れ。」

 

「おう。」

 

定番の挨拶を済ませると、親父は早速夕飯を作りに取り掛かる。

 

「今日の飯何?」

 

「ん? 唐揚げ。」  おお、俺の好きな奴じゃないか。ラッキー。

 

親父が米を研ぎ始めたところで、俺はまた自室に戻る。いつもは宿題をやるのだが、

今日は春休み初日。なんかそうゆう気分になれない。

 

「ま、初日だしな。いいかぁ。」

 

俺はまた携帯ゲーム機に手を伸ばすのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、飯できたぜーい。」

 

親父の声だ。時計を見ると午後7時半。もうそんな時間か。

リビングに降りる。親父はもうテーブルに着いていた。習って俺も向かいに座る。

 

「「いただきます。」」

 

二人同時に食べ始める。う~ん、うまい。最高。

黙々と食べ進める俺。すると、親父が食事の手を止め、

 

「おう、翔。ちょっと話があるんだが…」

 

俺は唐揚げをほおばりながら、

 

「ん?なにさ改まって。」

 

珍しいな…親父が話なんて…。それよりうめぇなこれ。何個でもいけちゃうぜ。

すると、唐突に親父。

 

「お前も、もう高校生か…。17になったんだっけ?」

「まだ16。今春だろ?俺の誕生日冬だぞ。1月だぞ。」

 

大丈夫か親父…季節真逆だぞ。

 

「ちょっと前まで、こんなんだったんだけどな…」

 

そう言って、テーブルの脚の半分くらいに手をやる。……ておい。それ何年前だよ。

どう見ても60センチくらいしかないぞ。

 

「で?なんだよ親父。話があんでしょ?」

「お、そーだったそーだった。」 忘れてたんかい。

 

俺は唐揚げに伸ばす手を止め、お茶を飲む。 そのタイミングに、

 

「実はな。俺、ナイジェリアに転勤が決まったぁ。」

 

ブフーーー!!! 思いっきり噴き出してしまった。やべえ、人生初。

 

「ゲホッ、マ、マジでぇ!?」

「うん。」

 

うん。じゃない!なんでそんなにのんきなんだよ!!今人生で一番驚いたわホント

に!てかナイジェリアってどこだよ。

 

動揺する俺に、親父がさらに追い打ち。

 

「でな、俺、単身赴任すっから。お前転校な。」

 

ガタタッ!! 立ち上がる俺。…あれ、なんで立ち上がった?

 

「なんで転校!?!?」

「いや、お前一人暮らしさせられるわけないじゃん?心配ジャン?家事できないじゃ

ん?彼女いないジャン?」

「彼女いないの関係ねぇ!!!」

「まぁとにかく、もう決まった事だ。しょうがない。お前は転校。これ決定事項。」

「ど、ど、ど、どこに!?」

「内浦。」

「どこだよ何県だよ!!」

「静岡県。」

「なんでそんなとこに!?」

 

やべぇ、頭が追いつかない。どうしよう。

 

「いやぁ、な。俺の古い友人がな。そこに住んでてさぁ。この話をしたら、おう、じ

ゃあ家連れて来いよ。っていうからさぁ。ラッキーって。」

 

いやなんだよその流れ!?ラッキーじゃねぇだろ!?俺その人の事なんも知らねぇん

だぞ!?てか相手も相手だなよく許したな軽いなオイィィィ!!!

 

「てな訳で。1学期から内浦の学校な?もう転入手続きしといたから。」

「行動がハェェェェ!!!!!」

「あ、あと。いつ帰ってこれっかわかんないから。多分、最低でもお前が高校卒業す

るまでは帰れないけど。」

「えええええええええええ!?!?」

「じ、じゃあもう会えないかも…ってことこもしれん、ってことか!?」

「おう。そうだな。」

「い、いつ発つんだよ日本を。」

「お前の春休み終わり1週間前から。」

 

もういいよ…なんも驚かないよ…。うん…。

 

「じゃ、とりあえず話は終わり。飯食おうぜ。」

「ちょ、ちょっと待て、一つ聞かせてくれ。 俺の居候先の家の名前、なんなんだ

よ。」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高海家。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……平凡だった俺に突如訪れた奇跡。

 

これから、俺の非日常な日々が始まるのだった…

 




これから、どんなことが翔に訪れるのでしょうか…
次回から、本編開始です!!

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