鬼と楽園   作:maou0719

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やばい‥ネタが‥



第2話

鬼は一人住処の端で座っていた

 

隣には女の子が寝ていた‥永遠に起きない眠りについていた‥

起きたらまた同じ1日‥楽しかった女の子との日々‥戻ると思った‥楽しかったあの日々が帰ってくると思った‥

起きたらまたおはようと笑顔で言ってくれると思った‥俺の所にきて遊んでくれって駄々こねてくると思った‥

 

けれど現実は甘くはない

起きればまた元どおり‥なんて幻想にかられて‥かなわない奇跡に期待して‥バカみたいだな‥俺は

 

鬼はまた涙を流した‥鬼は思った‥もう涙は枯れることはないって‥

女の子が死んでしまったあの日から‥涙は止まらず流れ出る‥

止めようと思えば思うほど‥女の子に会いたいと思えば思うほど‥涙は滝のように流れ出た‥

 

「また泣いているのね‥フフっ」

隙間から体を覗かせ舐めるように鬼を見ている

「なにしに来た」

「様子を見に来ただけよ」

いたずらが好きな無邪気な子供みたいに紫は答えた

 

あれから紫は鬼に毎日会いに来ていた

いつか自分の国‥幻想郷に連れて行くために

(やっぱり欲しい‥この鬼‥)

まるで恋した女のように紫は鬼を欲しがった‥

 

 

 

 

 

鬼と出会ったのは女の子が死んでしまったあの日

紫は強く心打たれた‥

 

鬼という生き物は人を喰らい女を襲い殺しを楽しむ‥

その鬼が女の子を抱えて泣いている

周りには村の人間だったのであろう人達が死んでいる‥

その真ん中で‥無残にも血だらけの女の子を抱え‥泣いている‥

「‥どうして‥なんで‥俺のせいで‥」

その後紫は鬼に近づき話をかけた‥

その時からだった‥紫は鬼から目が離さずにいられなくなってしまった‥

幻想郷に帰っても頭の中では鬼の事で頭がいっぱい

寝る時も鬼の事を考えてしまうのか寝むれぬ夜が多かった

 

 

どうしてあんなにも‥

紫は不思議で仕方なかった‥何故私はあの鬼の事しか考えららないのだろうと‥

たった一目‥泣いている鬼を見ただけで‥

それを知るために‥何としてもこの鬼を幻想郷に連れて行く必要があった‥

何としても‥

 

あの日をきっかけにに紫は鬼に毎日会っていた

最初は相手にされなかったがここ最近は少しずつ話すようになっていた

あの日から2ヶ月‥まだ鬼はあの子をみて泣いていた‥

やはり捨てきれないのだろう‥

 

紫は思い切って聞いてみた

「ねぇ鬼さん?あなたとその子にはどんな関係があったの?」

鬼は無表情で固まった‥

まるで時が止まったかのように

「言いたくないなら言わなくても‥「友人だった‥俺を怖がらずいつもこんな俺なんかのために笑顔を見せてくれた優しい友人だ‥」

鬼は固く閉じていた口開けた

「俺なんかには勿体無いくらいだ‥」

鬼は語った‥女の子との事を

 

思い出

 

約束

 

 

出会いから別れまで

 

何もかも紫に話した‥

 

 

 

紫は泣いていた‥

そしてわかった‥なぜ私がこの鬼を思い続けていたのか‥

私はこの人の悲しみを背負ってあげたかった‥あの時一目見た時から‥

一人で何もかも背負ってしまう‥全て自分の責任と言ってしまうこの鬼を‥

 

私は助けてあげたかったのだ‥

 

「すまないな‥お前にとってはつまらない話だったろう‥さあもう帰れ‥そして二度と俺の前に姿を表すな「来なさい‥私の元に」

紫は鬼を欲しがった‥

「私の国に‥幻想郷に‥何が何でも連れて行くわ‥もうあなたを悲しませなくないもの‥」

紫は泣きながらも笑顔で鬼を見た‥

 

「幻想郷‥まさかあの‥「そう‥忘れられた物の最後の楽園‥」

 

最後の楽園‥人間に忘れられてしまった者たちの楽園、鬼もまた忘れられた妖怪の一つ‥

 

「ダメだ‥俺みたいな化け物が行っていいとこではない‥俺が行けばそこは楽園から地獄になってしまう」

鬼は幻想郷に行くのを断った‥

 

 

 

また誰かを傷つけてしまうから‥

 

もうこれ以上見たくないから‥人が死んでいくのを‥

 

 

 

 

 

大切な物が‥なくなってしまうのは嫌だから‥

 

 

それなら一人がいい‥一人ならなにも失わない‥一人なら悲しい事は何もない‥

 

「何言ってるのよ‥本当あなたは馬鹿ね‥そんなわけないじゃない‥」

紫は鬼を抱きしめ

「これ以上自分に嘘をつかないで‥」

 

紫は鬼を強く抱きしめ離さなかった‥

 

「すまない‥紫‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

その日鬼にはまた友達ができた‥大切な友達が‥

鬼は心に誓った‥もう二度と離さないと‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もうなんか謝ります
本当すいません‥

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