なんでもありな人間も問題児と共に異世界にくるそうですよ?   作:ゆっくりキリト

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念話は『』でいかせてもらいます。


第二話だそうですよ?

「で、呼び出されたはいいけど何で誰もいねえんだよ。この場合、招待状に書かれた“箱庭”の事を説明する人間が現れるもんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明も無いままでは動きようが無いもの」

 

「………。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

 

 

いつまで経っても案内人が出て来ないと、苛立った十六夜が、そう口にした。

それに同意した二人も、同じように言った。

と、ここで何かに気づいたアルトリアが死鬼に念話で話し掛けてきた。

 

 

 

「あはは…。君もね…」

 

『シキ、あそこに誰かが…』

 

『うん、分かってる。俺がやろう』

 

「―――――仕方がねえな。こうなったら、其処に隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱いてる奴も気づいていたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「………へえ?面白いな、お前。それじゃあ死鬼も―――死鬼?」

 

「………其処な奴。十数える内に出て来なければ、貴様を爆撃する。『投影開始』」

 

 

 

死鬼はジャージのポケットの中で小石ほどの神秘が詰まった宝石を投影し、草むらの陰に隠れている者にそう言い放った。

 

 

 

「そら、出て来ないのか?……ならば―――「ちょちょちょちょっと待って下さい!」…最初からそうすればいい物を」

 

 

 

死鬼が攻撃しようとすると草むらから慌てて一人の人物が出て来た。

 

 

 

「や、やだなあ御五人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼と爆撃はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心に免じてここは一つ穏便にお話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「返答次第……かな?」

 

「私もシキと同じです」

 

「あっは、取りつくシマも無いですね♪」

 

 

 

黒ウサギと名乗った少女はバンザーイ、と降参のとった。

すると、今度は耀と名乗った少女が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、頭に生えているウサ耳を根っこから鷲摑み―――

 

 

 

「えい」

 

「フギャ!?」

 

 

 

―――力いっぱい引っ張った。

 

 

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程があります!」

 

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

 

「………。じゃあ私も」

 

「ちょ、ちょっと待―――――!」

 

 

 

今度は十六夜が右から、飛鳥が左から摑んで引っ張る。左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。

ちなみに死鬼は十六夜達に弄られる黒ウサギを―――

 

 

 

(説明まだかなぁ)

 

 

 

―――なんて思いながら、終始傍観に徹していた。


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