操虫棍使いの日常   作:初代小人

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操虫棍使いの日常、いよいよ最終回です!
今まで読んでくださった方、ありがとうございました!

いよいよ大一番となります!どうぞ!



追記:2017.3/19の13:00時点でUA3000越えました。本当にありがとうございました


終焉

warning!warning!

視界が赤く染まる。

サイレンが鳴り止まない。

うるさくて仕方ないのに止め方がわからない。

 

 

そして僕は…僕は…あれ?

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。長い夢を見ていた気がする。

何か、大切なものを忘れているような、そんな途方もない虚無感に襲われて動けなくなる。

 

 

 

「目が覚めたのね!?大丈夫!?」

見知らぬ女性が僕がいる部屋に入ってきた。

「小人!小人!どうしたの?そんな顔して!」

女性はヒステリーを起こしたように僕の体を揺する。

 

 

 

「もしかして…私のことが分からないの!?お母さんよ!あなたのお母さんよ!そんな、そんなぁ…」

そう言って彼女は泣き崩れた。

 

 

 

お母…さん?

ちょっと待ってくれ。

僕の…正体は?僕って何者だ?

 

 

ぼくは…ボクは?ダレ?

 

 

分からない。

 

 

 

ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ…

 

 

そんな時、声が聞こえた気がした。

「てめぇ!俺をギルドのヤツらに売っといて腑抜けんな!しゃんとしろや!」

「そうだよ…僕を下した君は紛れもない強者だ。自信を持つんだ。」

 

 

そして、一際大きな声が言った。

「強く生きやがれ!爆弾で俺を吹き飛ばしたお前はそんなもんだったのかよ!」

 

 

なんだろう、少し自信がついたような気がする。そして、懐かしいような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

それからの日々は流れるように過ぎた。

俺はどうやら暴走車に突っ込まれて吹き飛ばされたらしい。

生きているのが無事なくらいの重傷だったらしい。

どうやら一緒にいた友達が車との接触直前に助けてくれたらしい。

その友達は…残念ながら助からなかったそうだ。

それから俺は二ヶ月の間意識不明だったそうな。

 

 

記憶はまだ戻らない。俺の名前は初代小人というらしい。

 

 

 

 

そして、数ヶ月の療養とリハビリの後、無事退院することが出来た。

家に帰ると、ゲーム機が机の上にぽつんと置いてあった。

半年近く充電をしていなかったはずなのに、何故か電源は入ったままだった。

 

 

パカリ、と開いてみた。

モンスターハンター4というカセットが入っていて、集会所とかいうところが画面に映っていた。

そこにはふらっとハンターとして狩友(男)というプレイヤーがいた。

「ああ…あ…う…」

全てを思い出した。

今までの人生、事故の瞬間。

そして…

 

 

 

 

眠っている間の狩猟生活。

 

 

 

 

ゲーム機は役目を終えたようにプツリと電源が切れた。

 

 

 

そうか、俺は、狩友(男)に二度助けられたんだ。

そして狩友(男)はもう先に逝ってしまっているのだ…

 

 

 

俺は誓う。

狩友(男)の分まで、強く、長く生きると。

そして、アイツみたいにたくさんの人を助けられる立派な人に、絶対なってやる!

 

 

 

 

 

The end

 




操虫棍使いの日常はこれにて終了となります。
ダブルクロス編は新しく操虫棍使いの日常第二期として投稿する予定となっています。
ここまで読了してくださり、支えてくださった読者の方。
狩友(男)、狩友(女)それぞれのキャラのモデルを快く承諾してくれた二人の友人に果てしない感謝とともに完結とさせていただきます。
本当にありがとうございました!

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