笑顔は太陽のごとく…《艦娘療養編 完結済》 作:バスクランサー
テストの結果…\(^o^)/
…もう少ししっかり勉強しよ…←執筆はもちろんやめませんよ!
本編どうぞ。
ーーー第35鎮守府
俺は響と大淀とで、現在の戦況についての書類を整理していた。と、いきなり、突き上げるような揺れの地震が襲いかかる。
「わっ!?」
「きゃあっ!」
「はっ!?」
揺れが大きい。しかし、それは普通の地震とはどこかが違った。初期微動なしにいきなり大きく来て、そして遠くーーーちょうど山の方角から、何かの咆哮が聞こえてくる。
「な…なんでしょう…!?」
「司令官…!」
「ああ…!嫌な予感がする…
大淀、近くの山で、近い過去に火山などの活動があったものはあるか…!?」
「はい…!?」
「いいから!」
「は、はい!…そうだ、確かこの鎮守府と街を囲む山地の山の一つが、提督がここに着任される前にごく小規模な火山活動を…」
「まじか…大淀、その山の方に、今鎮守府近海を警備しているマットジャイロを、すぐに向かわせてくれ!」
「了解!」
マットジャイロに通信を入れる大淀。響が心配そうに、俺の腕を掴んでくる。
「司令官…これって…!」
「ああ…!最悪の事態が発生した可能性が極めて高い…!」
そして数分後。大淀が、先程向かわせたマットジャイロからの通信をキャッチした。
「はい、こちら第35鎮守府…えっ…!?
提督、マットジャイロから入電、例の山間に体長60mほどの巨大怪獣を確認したと!!」
「すぐに写真を!」
「はい!」
程なくして、部屋のモニターにその怪獣の姿が映し出される。
「まさか…そんな…!」
「し、司令官、こいつは!?」
「見覚えがあるやつだ、ちょっと待ってろ!」
俺は響の問に、祖父の遺したデータブックから答えをさがす。確か、ここのだったはず…!俺は、MATのファイルを片っ端から調べ始めた。
「えっと、えっと…あった!こいつだ!」
俺は机の上にページを広げる。そしてそこには、モニターと同じ怪獣の写真があった。
「これって…!モニターに映ってたのと同じ…!」
「そうだ、間違いない!凶暴怪獣アーストロンだ…!!
大淀、やつの進行方向は!?」
「それが、山から街の方へと向かい始めました!」
「大変だよ司令官…!こいつが街に着いたら…!」
「いや、その前もにやばいことがある!
街の小学生たちが、やつの進行ルート上の山に遠足に行ってる!金剛と比叡もだ!!」
「そんな!!」
「提督、どうします!?」
「とにかくやつを食い止める!幸い、小学生たちのいる所と、怪獣の出現地はやや距離がある。大淀は大本営経由で空軍に通達、攻撃隊を要請!響は鎮守府の全員にこの事態を伝えてくれ!街への防衛ライン突破時から攻撃する旨も同時に頼む!俺はスカイマスケッティで、空軍とともに上空からやつを足止めする!」
「わかった!」
「了解です!」
俺は出撃のためにジオアトスなどの駐車場へ、響は艦娘寮へ走り、そして大淀は通信を大本営へと送るのだったーーー
ーーー同時刻 山中
怪獣出現に、泣き声や叫び声が飛び交う中、金剛と比叡は、小学生達を誘導しつつ、必死に避難していた。
「みんな、とにかく速く逃げるネー!」
「ひ、ひえぇぇぇーーー!」
少し開けた、舗装された山中の道路にでる。すると、まだ距離があるものの、怪獣ーーーアーストロンの姿が見えた。と、金剛の通信機が鳴る。提督からだった。
「金剛、大丈夫か!?」
「こっちは大丈夫デース!今、ヒエーと子供たちと、避難してマース!怪獣とも距離がそれなりにあるデース!」
「わかった!今から、空軍と俺とで怪獣を空から食い止めるから、その間に逃げてくれ!」
「Roger!」
そう言って通信を切る金剛。子供たちの泣き声が増し、引率の教師もほぼパニック。しかし、なんとか緊急事態に対し、艦娘である2人は上手く避難を手伝っていた。特に金剛は、街での精神リハビリ中に子供たちとも交流していたので、彼らを守りたいという気持ちが人一倍強かった。
「きっと大丈夫デース、とにかく先生、もう少しで空軍が到着するみたいデスカラ、山の麓の広場で点呼をするデース!」
「は、はい!」
なんとか怪獣と距離をおきつつ、金剛と比叡、そして小学生に教師たちは広場に着いた。各クラス、一斉に行われる点呼。…が。
「大変です!二年二組の児童、2人の消息が掴めません!」
「なんだって!?」
そのやりとりを聞いた金剛、比叡は、すぐに飛んでいく。パニックとなり泣きじゃくる、二年二組の担任の女教師。周りに集まっている他の教師たちが対策を考えている。その時、金剛は反射的にその中へ飛び込んだ。
「行方不明になった子は、私達がrescueシマース!」
「金剛さん!?」
更に比叡も加わる。
「私も行きます!」
「比叡さん!?し、しかし2人とも、怪獣が迫っているんですよ!?これから対策を考えますし、もう少しで空軍も来るので…」
「そんなこと言ってる場合じゃないデース!とにかく先生の皆さんは、今ここにいる子を連れて、安全な場所にescapeするデース!ヒエー、行きますヨ!」
「はい!お姉様!!」
2人はつい先程までいた山に、子供たちを探すために戻って行った。しかし、彼女達は、そのことを提督に通信することも頭の中になかったーーー
ーーーその頃街の方は、艦娘たちが必死に、住民の避難誘導をしていた。
「こっちです!落ち着いて避難して下さい!」
「慌てるな!あ、おい!大丈夫か!?」
更に。
「目標を確認!」
近くの基地から、空軍が到着した。
「全機攻撃開始!ミサイル発射!!」
次々と、合計5機の戦闘機からミサイルが放たれ、アーストロンへと命中していく。が…
「なん…だと…!?」
「ミサイルが…、全く効いていない!?」
そう、元々アーストロンは高圧の地底に生息している。その圧力に耐えるため、必然的に体は装甲をまとったような硬さになるのだ。
「くそっ、怯むな!旋回して再攻撃だっ!」
1度アーストロンから距離をおく戦闘機。ところがその瞬間、反撃と言わんばかりに、アーストロンの口から、超高熱のマグマ光線が発射され、戦闘機に被弾してしまった。
「ぐわっ!こちら5番機、メインエンジン損傷!」
「4号機も同じく被弾!操縦不能!」
「無理をするな!脱出しろ!」
「了解…!」
「あぁ…チキショー…!」
その後も、アーストロンは戦闘機のミサイルをものともせず、逆にそれらを全て撃ち落としつつ、街の方へと侵攻していった。そしてそれに伴い、金剛と比叡が向かった山との距離も、だんだんと縮まっていたーーー
ーーー避難所
「さあ、着きましたよ!」
「本当に、本当にありがとうございます…!」
「お礼なんていいです、さぁ!」
俺は本来、アーストロンを攻撃するつもりだった。だが、進行ルート上の山、その頂上付近に要救助者がいるのを発見し、それで、救助を優先し、スカイマスケッティで要救助者を避難所に運んでいた。彼らを避難所担当の艦娘ーーー響と暁に引き渡す。
「わかったわ、こっちよ!もう大丈夫だから!」
暁が必死に励ましつつ、救助者を避難所の中へ連れていく。こうして見ると、彼女もまた、一人前のレディーに近づいたということだろう。
「ありがとう司令官、ここは僕達に任せて、怪獣攻撃に戻ってくれ」
「すまん響、ありがとう。ここを頼む。」
俺は再び、ジオアトスの方へ行こうとしたその時。響の通信機が鳴った。応答する響。しかし、応対するうちに、その顔がみるみるうちに、焦りと不安の表情へと変わっていく。
「どうしたんだ、響!?」
「司令官、大変だ…!
いま、山の方の街の入口担当の電から連絡が来て、小学生の一行が街に入ったんだけど…金剛さんと比叡さんが、逃げ遅れた児童の救助のために、山に戻ったって…!!」
「なっ…!?」
今回も読んでくれてありがとうございますm(*_ _)m
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また次回!