「やり過ぎた…」
私は今、少し後悔している。
「全く君は…」
シロウも呆れている。
「で…でも、これで問題は解決したわ!」
「はぁ…」
そう、ちょっとした問題はあったものの、遂に、魔法関連の詳細な情報を入手したのだ。
「全く、家にネットを繋いだと思ったら、学園のみならず世界中にハッキングを仕掛けるなど、挙句の果てにはハッキングに気づかれて場所を特定されそうになるとは…、外は大騒ぎだったぞ…、幸いこの場所と君がハッキングしたことはバレてはいない。随分危ない橋を渡ったな?せめて一声掛けてくれると有難いのだがな。」
「は、ははは…」
つい目を逸らしてしまう
「どうやら、今日の夕食がいらないと、そう言う事のようだ。」
「えっ!」
「そうか、仕方ない、夕食は麻婆豆腐にしようと思ったのだが、今日は私一人で食べるとしよう。いや残念だ、今日は良いスパイスが手に入ったのだが…」
全身から血の気が引く
「どっ、どうかそれだけはお許しをっ!!!」
魔力も使用し全力、全速でDO.GE.ZAを敢行する
シロウが作る料理が食べられない、今の私には耐えられない。
更にそれが、激辛麻婆なら尚更である。
「ふむ、取り敢えず今手に入った情報を報告しろ」
「イェッサァーー!」
現役軍人も素足で逃げ出しそうな綺麗な敬礼で受け答えPCを起動する。
「まず、情報源なんだけど、マホネットっとか言う魔法使い専用のサイトがあったわ、特殊なプロテクトが掛かってたけどこの程度じゃ私を止められないわ」
「君に侵入できないなら、まず侵入できる者は居ないだろな」
「まあ、それは置いておいて、まずこの学園だけど、世界でも結構重要なポジション見たい、あのデカい樹、世界樹って言うらしいけど、あれが原因でかなり異形なものや、悪巧みしてる連中が集まってくるみたい。だから、一般人に紛れて魔法使いが守護しているみたい。・・・・・・」
それから、結構長い時間話し合った。
そこから出た結論が。
「やはり早い段階で魔法使いに接触しなかったのは正解だったな。」
「そうだね、魔法使いの歴史と現状起きている状態を見る限り、今深入りするのは、不都合ね。」
「まあ、魔術師よりは倫理的にマシではあるがな。」
「正義の魔法使い…か」
「彼らのこれは正義などでは無いよ。これは只の独り善がりの自己満足だ。周りや後のことを考えていないのだから。」
「正義の体現者が言うと言葉の重みが違うね。」
「と言っても、これは極論な上に一方的な情報で塗りか固められた物だ。全ての魔法使いがそうと言うわけではあるまい。」
「そうだね…」
「さて、これからは此方の魔法とやらも取得していく、出ないといざと言う時に言い逃れできない。」
「それじゃあ、頑張りますか。」
こうして、この世界での手札を揃える事の出来た二人の平和な日常は、まだ少し続いていく。何時か必ず来る試練に勝利するために。
この身は、私達は、
ただの一度も敗走は無いのだから…
ただの一度も敗北を許されたことが無いのだから…
「だから!ごめんって言ってるじゃない!」
その後、麻婆豆腐を美味しそうに食べるシロウと、殆ど泣きながら懇願し続ける白野の姿が有ったとか無かったとか。
これで、この章は終わりかな