月と正義の魔法使い   作:ユーリ・クラウディア

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書きたい衝動が…!
う…治まれ俺の右腕…!

すいません、急に中二発症しました…


それでは、本編どうぞ


33話

「そろったようだな、では始めるとしよう。」

 

早朝、衛宮邸の道場の地下に四人の人影があった。

 

「凄いですね…」

 

刹那は道場の地下空間に驚きを見せていた。

 

それもそのはず、広さは小さく見積もっても東京ドーム四つ分はあり高さも相当なものだ。景観は荒野、出入り口付近には池があり。ごく一部砂漠化している所も見受けられる。

如何してこの空間があるか、どうやってこの空間を作ったのか。これは語らずとも分かるだろう…

 

「これくらいの広さが無いと全力で修行など出来ないからね。それではまず木乃香から始めるとしよう、その間刹那は白野と組手をしていてくれ。」

 

「了解」

 

「分かりました。」

 

刹那と白野が離れて行く。

 

「それでは木乃香、これから君には自衛の手段として八極拳や合気柔術、システマなど実戦で使用可能な状態にまで短時間で確実に習得してもらう。これはあくまで使用が可能なだけで通用すると言う意味ではない、その事を覚えておいてくれ。そして、これは苛烈を極める訓練だ、普通に暮らしていてはまず体験する事のない苦痛を伴う可能性がある…、それでも君はやるかね?」

 

シロウが木乃香に最終確認をした。

 

「…勿論や、どんな訓練にも耐えて見せる…。ウチにはそれしか残せれてへん。このままやと何も出来ないまま自分の人生が終わってまうって事、この前のシロ兄の話しで分かったから…。せめて周りの足引っ張らないようにせなアカン!」

 

木乃香は関西呪術協会の重要人物、その事を修学旅行で知りこの危険性も体験した。そこに先日のシロウと白野の話しを聞き自身のこれからを必死に、それこそ眠る事が出来ずに過ごした夜が有ったりもした。その中で見出した答えが此れだ。

魔法の存在を知った今、魔法を習得する事は必要不可欠だ。そこは、仮にも天才と呼ばれているネギ先生に師事してもらう事で解決した。

しかし、それだけでは足りないと頭によぎった、この先自分は否が応でも関西呪術協会の近衛の名を背負っていかねばならない。だから、魔法だけではどうにもならない事が起きた時にも自身の身ぐらいは守れるようにと考えた末、あの戦闘で圧倒的武力を見せつけたシロウに教えを乞う事にしたのだ。

 

「…分かった、その意気込みは評価に値する。ではレッスンワンだ。君は制限時間内に私に近づきタッチすれば今日はそれで終了だ。出来なければ休憩してから再びやる、成功するか夜が来るまでこれを続ける。」

 

そう言ってシロウはタイマーを三分にセットしスタートさせる。

木乃香は簡単すぎるメニューに訝しみながらシロウに近づこうとした。

 

 

 

しかし、足は動かなかった

 

 

 

そして、呼吸は一気に荒くなり立ってるのがやっとになる。

木乃香の顔は青を通り過ぎて白くなっている。

 

 

 

『恐怖』

 

 

それが木乃香を支配する。

 

 

シロウがしたことは単純、殺気を木乃香に当てただけ

しかし、本気では無いとは言え殺気なんて物を浴びる事無い生活を送って来た木乃香には十分な効果を発揮した。

 

 

 

 

 

 

 

タイマーが鳴る

 

途端に殺気は無くなり木乃香は地面にへたり込んだ。

 

「ふむ、最初はこんな物か…、さて、暫く休んでいると良い、私は向こうで刹那の相手をしてくる。」

 

そう言って去って行ったシロウ

木乃香はそれに気付く事すらなく只茫然としていた。

 

 

 

 

***********

 

 

 

 

 

刹那と白野は一進一退の攻防を繰り広げていた。

普通なら現状白野の方が実力がある為、一方的になるのだが、シロウとの組手がメインなので白野が体を温める程度に抑えているのだ。

 

「やっている様だね。」

 

シロウの声に剣を収める二人

 

「さて、刹那組手私と組手だったかね?ふむ、私は寸止めはせず君に当てる。勿論殺傷性の無い物を使う。それでもかなりの痛みを伴う、覚悟は良いな?」

 

「はい!」

 

「それでは、やるとしよう、君も寸止めは不要だ、全力で掛かってこい。」

 

そう言うとシロウは虎竹刀を二本投影し両手に持つ。

 

そのタイミングで刹那が切りかかって来た。

 

 

    ・

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    ・

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地面に倒れ伏す刹那、その体のあちこちには痣が出来ていた。

二人の組手は序盤シロウが刹那がギリギリ認識できない速度で攻撃を放ち刹那が直感でそれを防ぎ避けていたが徐々に体力と精神を摩耗させた刹那が防ぎきれずに被弾数を増やし今に至る。

 

ただ、認識できないギリギリでの攻撃は刹那の認識能力を通常の修練より遥かに早くの成長を促していた。更に、終始極限の集中を余儀なくされた為続ければ続ける程に精神消耗への耐性が上がりその回復率も上がって行く。

 

「ふむ、それではこれを持って休憩していると良い、その間に私は木乃香の処へ戻って続きをしてくる。」

 

シロウは全て遠き理想郷(アヴァロン)を投影し刹那に渡した。

勿論贋作だがそれでもごく少量の回復能力は持っている。持っているのと居ないのとでは雲泥の差だ。自己再生能力を高める事を若干阻害するが訓練の効率化の為には必要な事だ。

 

 

 

 

この日は、このローテーションを一日中繰り返した。

 

 

木乃香は最終的に三歩前に進むことが出来るようになり。刹那は疲労の為回数を重ねるごとに組手の時間が少なくなっていったが疲労で動きが本能的に最適化されて行き、徐々に無駄のない洗礼された剣に近づいて行った。

 

 

 

***********

 

 

 

「今日は此処までだ、各自寝る前にストレッチを忘れるな、木乃香はそこまで動いて居ないが筋肉がこわばっている。それに体が硬いと武術などやってられんよ。」

 

「「……は…はい…」」

 

二人のは疲労困憊のようで殆ど生返事だ。

 

 

こうして、修行初日を終えた三人だった。

 

因みに白野は一人で自主練をしていたらしい。

 

 

「あの二人、どお?やっていけそう?」

 

「ふむ、根性だけは人一倍ある奴らだからな、大丈夫だろう。」

 

「そっか、よかった。それはそれとして今日の夕食は?」

 

「…………麻婆豆腐だ。」

 

 

「イヨッッッッシャアアアァァッァッァァァーーーーーー!!!来たぜ麻婆!!ヒヤッホォーーーイ」

 

 

 

こうして平和なひと時を楽しむ二人であったとさ。




という事で修行パートに突入です。
こうして、修行・ギャグ・バトル関係なく誰かを程ほどにボコボコ(主に主人公以外を)にしているシーンを書いてて楽しいとか思ってしまう私は矢張りドSのようです…。
まあ、ガチ勢には全くついて行けませんがね。
私はサイコパスなんかじゃない!決して!

まあ、それはそれとして
現状白野の方が刹那より強いです。フルボッコに出来るくらい。
しかし、潜在的な才能的に物語終盤には多分刹那の方が強い?
ってな感じにするかなーと思ってます。
まあ、実際どうなるかは書いてみてから考えますが…

木乃香はまあ、初心者向けの修行と言ったらまずは殺気に耐えるでしょ。って思ったと言いますか思いついたと言いますか。定番なのでこうしました。これからもバンバン精神を蝕みますよ、きっと…多分。ゴメン、やっぱ程々にする…。後は気分w

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