それでは、本編どうぞ
「
シロウは身体強化をして疾走する
「move_speed()、gain_mgi(32)、gain_str(32)、gain_con(32)…」
白野も続けざまにコードキャストでシロウの能力を底上げする。
シロウは弓でヒュドラの注意を集めながら接近していく
ヒュドラはその多くの頭からブレスを放ち絨毯爆撃でシロウを仕留めようとする。
しかし、シロウは先読みしたかのように弓で幾つかのブレスを相殺して抜け穴を作る。
後方で白野が仮契約カードを額にかざしている。
そう、白野は状況を正確に判断しシロウに指示を送っている。
それは、のどかがアーティファクトでネギを支援した時のようだ。
白野はその観る才能と経験を駆使しアーティファクト使用時ののどかを越える正確な指示をシロウに送っていた。
これを見た面々はその正確無比な射撃に、目で捉えるのもギリギリなその速度に、完璧な指示を送る為の状況判断能力に目を奪われる。
「す…凄い…」
「なんなのよ…、一体…」
「ハハハッハハハ!なんだ、これは!?こんな奴らが学園に居ただと?この私やあのジジイに一切気取られずに?これは愉快だ!それに、あの弓の技術、前に私達の戦いに割り込んだのはあやつか!」
エヴァはこの戦いに滾っていた。
「どれ、ここは私も少し力を貸すとするか。」
そう言い魔法を詠唱しようとした。
「邪魔しないで!」
しかし、それは白野の叫びに止められた。
「言ったでしょ!足手まといだって!今手を出したら折角作ったバランスが、流れが崩れる!そうしたら流石に厳しくなる!だからやめて!足を引っ張らないで!」
「なっ…!貴様!最強の魔法使いの私を足手まといだと!」
白野の言葉に反論するエヴァ、しかし、その時状況が一気に動いた
シロウが一気にヒュドラに接近したのだ
「来た!gain_str(32)、gain_mgi(32)」
白野は力と魔力のコードキャストを掛け直す
そしてシロウがヒュドラを射程圏内に捉える
「
シロウの手には大きな岩をそのまま削ったような剣が現れる。
「
シロウの周りに無数の剣が現れる。
「全工程投影完了
計100の斬撃がヒュドラの頭を正確に消し飛ばしていく。
「矢張り頭の数が100を超えていたか…」
しかし、ヒュドラの頭はまだ十数も残っていた。
シロウは岩剣を破棄して後方に全力で飛ぶ
そして弓を構える。
「
シロウが投影したのは捻じれ曲がった一本の剣
「
「
放たれる剣、そして、着弾した瞬間
「
一瞬の閃光、そして音が消えた
凄まじい爆発が周囲を飲み込む。
爆風が止み、ヒュドラの周囲には蒸発した水が煙となって立ち込めていた
「「「「………」」」」
この一連の攻撃に全員絶句する。
エヴァでさえも口をあんぐりと開けて茫然としている。
「や…やったんですか?」
ネギが我に返り白野に問いかける
しかし、その答えを聞くことは出来なかった。
「不味い!!
白野がシロウを強制召喚する。
そのタイミングで晴れかけていた煙の中から無数のブレスがシロウの居た所に降り注ぐ
晴れた煙の中から殆どの頭が再生しているヒュドラが出て来た。
「ふむ、再生スピードが異常だな」
「やば、こっちに気づいた。」
ヒュドラが転移したシロウを発見する。
「そら!見た事か!倒しきれなかったではないか!」
ここぞとばかりにエヴァが揚げ足を取りに来る。
「対魔力も想像以上だわ、あれだけの魔力爆発でも仕留めきれないなんて…」
「マスター、最早アレを使うしかないと思うのだが、どうする?」
「そうね…、許可するわ、魔力は一部こっちで請け負う。さっきの仮契約でかなり貧弱だけどパスが通ったわ。思う存分お見舞してやって!」
「無視するな!」
エヴァそっちのけで次の一手を考える二人
「おっと、あちらもまだやる気のようだ。」
「こっちにブレスって、勘弁してよね…」
「ついでだ、此れも何とかしよう。」
白野達に向けて絨毯爆撃が襲い掛かる
「さて、全員私の後ろに集まりたまえ
I am the bone of my sword
花弁を模した7枚の盾が咲き誇りブレスを防ぎ続ける。
そしてシロウは決着をつけるべく詠唱を開始する。
贋作者であるシロウの数少ない唯一無二
<ruby><rb>Steel is my body,and fire is my blood.</rb><rp>(</rp><rt>血潮は鉄で 心は硝子。</rt><rp>)</rp></ruby>
直訳しただけでは意味が分からない言葉の羅列
しかし
言葉が分からずともこの分に込められた思いが
聞く者に意味を伝える
かつて体現者である為に体を折れない剣に例え考えた言葉
その場の全員が聞き入る、
そして言葉に込められた悲しみに胸を締め付けられる
この詩を歌い続ける事が出来る限り、彼は正義を貫き続けるだろう
この詩はシロウの人生そのものなのだから
いた。
ブレスが止み、世界が侵食される。
空は明るさを持ち、大きな歯車がいくつも回っている。
大地は錆びた鉄ような土が地平線の彼方まで続き、無数の剣達が墓標のように突き刺さっている。
「なんだ…これは?」
「マスター、GPSによる位置情報を完全にロストしました。再受信も不能です。先程まで居た場所とは完全に別の場所です。」
茶々丸が冷静に現状を分析し、結果をエヴァに伝える。
「別の場所だと!?転移…、いやGPSが反応しないという事は…、まさか…!」
エヴァが答えに辿り着き驚愕する。
「自身の力だけで異世界を作り出したと言うのか!」
「凄い、なんて魔力だ…」
「この剣は…、凄い…、」
そして、ネギは周りの剣に込められた魔力に、刹那が剣一本一本が超がつく業物な事に感嘆とする。
他の面々も各自驚愕と動揺をあらわ露わにする。
「神話の怪物よ、貴様が挑むのは無限の剣、剣戟の極致、恐れずして掛かって来い!」
シロウは腕を上げる。
それと同時に周囲の剣が宙に浮かび上がる
そして手を振り下ろすと同時に剣がヒュドラに向けて雨のように降り注ぐ
「今回、降り注がせた剣は全て龍殺し、不死殺しのどちらかの概念が付与された物だ、流石に堪えるだろう?」
その後も無数の剣でヒュドラをハリネズミにする。
「龍殺しの方は傷の治りが遅いだけ、不死殺しは元々不死って訳じゃ無いから効果無いみたい。」
白野が分析する。
「そうか…、恐らく今刺さっている剣の壊れた幻想でも仕留めきれないだろう、先程の攻撃で頭を落とせたのはかつてヘラクレス本人から憑依経験で得た射殺す百頭で在ったためにヒュドラ特攻の概念が付与されていたのだろう。しかし、あの技は連射が出来ん。」
「…シロウ、今私の魔力全部上げるから、アレを投影して。」
「いや、アレを出すのはいいが君の魔力は必要ない、代わりにコードキャストで私の身体と魔力を限界まで強化してくれ」
「分かったわ。」
白野が有りっ丈の魔力でシロウを強化する。
そしてシロウは壊れた幻想でヒュドラを少しの間だけ足止めしてからいつの間にか隣に刺さっていた黄金に輝く剣を手に取る。
その剣の名は
その剣にその場の全員が目を奪われる。
「
創造理念、鑑定
基本骨子、解明
構成材質、解明
制作技術、模倣
経験共感、完了
蓄積年月、再現」
剣の輝きが増していく
しかし、それにしたがってシロウの体が魔力で内側から切り裂かれていき、あまりの情報量に尋常じゃない頭痛に見舞われ、目から血の涙が流れる。
「
シロウに握られる剣は燦然と輝きを放つ
「凄い、これが本物…」
「三つの記憶それぞれの情報を鑑定・解析し、私の半身とも言える鞘も解析し直し、強度の上がった自身の限界を更に突破させて作り上げた物だ、今までのイマージュとは訳が違う。しかし、これも劣化した贋作だ、本物には程遠い…」
そしてシロウは空いているもう片方の腕を前に向ける。
「
その手に握られたのは黄金の剣と対を成すもの、固有結界と同じくシロウが有する数少ない唯一無二の真作、鞘だ。
シロウは剣を鞘に納める。
シロウは此方の世界に来てからずっと鞘に魔力をため続けていた。その魔力を剣に移しているのだ。
「マスター、下がってくれ。」
白野は無言で距離をとる。
それを見てシロウが鞘から剣を抜き鞘を消す。
そしてゆっくり振りかぶる。
足止めしていたヒュドラがブレスを放ったのはほぼ同時の事だった。
「この剣は永久に届かぬ王の剣
」
音も無くただ光に支配される世界
そして、次に目を開けた時には元の湖のある場所に戻っていた。
「さて、帰ろう」
「ええ」
そう言ってシロウと白野は二人で山道を去って行った。
全員がその場に茫然とし、我に返ったのは二人が去ってしばらく経ってからの事だった。
ちょいとヒュドラちゃんが強すぎる気がしますが気にしてはいけません。
シロウにハッチャケてもらうにはこれくらいしないとダメなんです。
約束された勝利の贋作剣のネーミングはかなり悩みましたが、結局シンプルに行く事にしました。今回、ハッチャケ過ぎて今後何時出すか困り果ててますがきっとまた出てくれるでしょう。
エクスカリバーですが本家の方もアルトリアがサーヴァントの器にお押し込められ能力低下しているうえ、通常は鞘の無限の魔力を使って使用するものなので、今回のこれも、これくらいの過剰表現をしても本家の本気の本領はもっと凄いって言い訳できるよねって事で、魔力耐性?何それ美味しいの?って威力を発揮させました。イマージュ改造の詠唱には若干のアレンジ(つっても殆ど全部士郎のセリフのバリエーションを弄っただけ)を加えてます。
それと今回の外野組は凄すぎて声でねー状態なんですが。エヴァにはちょいちょいセリフを割りまして、そしたら基本自分本位で我儘なあまのじゃく発言のせいで若干扱いが酷いです。多分この先も(毎回じゃない)扱いが荒い事があるかもです。エヴァファンの方、すいません。