まあ、原作でも半年くらい掛けて書いているのでそれも道理ですね。
それでは、本編どうぞ
奈良、シロウと白野はのほほんと鹿に煎餅をやる。
「平和っていい事ね、シロウ。」
「そうだな」
つかの間の休息、二人は平和が如何に尊く儚いかを理解している。故に今この瞬間の平穏を噛み締めている。
「明日菜は大丈夫かな…」
「心配あるまい、彼女は馬鹿だが阿呆ではない、直ぐにでも答えにたどり着くさ。」
「そうかな…、うん、そうだね、きっと大丈夫だよね。」
二人はそのままゆっくりとした時間を過ごしていく。
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side.明日菜
明日菜は浮かない顔をして一人皆から少し離れたベンチでボーとしている。
「私は…」
「あ~ら、辛気臭い顔をして一体どうしたのですの?」
「うっさいな、何でも良いでしょ。どっか行って。」
そこに、雪広あやかが声を掛けて来た。
「嫌ですわ、折角貴女が珍しく弱っている所なのにそれをいじらないなんて勿体ない事はしたくありませんわ。」
「しつこいな、こっちは今真剣なの!本当に茶化しに来たのならどっかいってよ!」
「あ~ら、怖い怖い野獣が吠えて来ましたわ。」
雪広は構わず明日菜を挑発する。
「またアンタは…、いつもいつも腹立つ事ばかり…」
「ええ、私は私の思った事を思ったように、やりたい事をやりたいようにしているだけですわよ。貴女がどう思うと知った事ではありませんわ。」
「アンタね!」
「あら、私とした事が野獣にかまけて用事を忘れていましたわ。それでは、失礼しますわ。オホホホ。」
去って行く雪広
「何だったのよアイツ…」
「自分の思ったことを思ったように、やりたい事をやりたいように…か」
私の思う事、やりたい事ってなに?
「私は…、私は…」
明日菜は何かに気づいた。
「そっか…こんなに簡単な事だったんだ…」
そして明日菜は答えにたどり着いた。
「よし。」
明日菜の顔はさっきまで出ていた影が晴れ決意に満ちた目をしていた。
「全く、世話が焼けますわね。今回の事は一つ貸しですわよ。」
どこか満足そうな雪広が一人り呟いていた。
side out
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「アレはネギと宮崎…」
「シロウ、ここから離れるわよ」
「フッ、了解した。この状態でのこのこ近づいていくほど無粋では無いよ」
朴念仁がよく言うわ!
白野は口に出かけた言葉を必死に飲み込む
「それにしても、あの引っ込み思案の宮崎さんがね~」
「大した勇気だ。」
二人は事情を察し、宮崎の勇気を褒める。
「シロウ先生!」
呼び止められたシロウが振り向くと明日菜が立っていた。
「先生、今回の事、やっぱり私にも協力させて!」
「ふむ、覚悟の無い者はお断りと言ったはずだが?」
「そんな事分かってる!でも、私は木乃香を…親友を助けたい!この気持ちは紛れも無い本物!私はバカだから、必死に考えても答えが出なかった。でも、自分の気持ちに少しだけ素直になったら分かったの…、死ぬのも痛いのも嫌、だけど、私は親友が!木乃香が傷ついて苦しむのを見るのはもっと嫌!だから、私は木乃香を助ける!意地でも先生達に付いて行く!異論は認めないわ!」
「それの先には破滅が待って居るかもしれんぞ?」
「そんなの知らないわ、未来に破滅が待って居るなら、それを叩きのめして最高のに変えてやるだけよ!」
「ふむ…」
シロウは一瞬考え込んだが直ぐに結論を出した。
シロウが何処かへ歩き去ろうとする。
明日菜は自分が認められなかったと顔を伏せ肩を落とした。
しかしシロウは足を止め振り向かずに言葉を紡ぐ
「君のその考えは自身より他者が大切だと言う事だ、その考えでは自己犠牲で何時か身を亡ぼす。だから忘れるな、それは友の心を見殺しにしてしまう事だ。本当に誰かを救いたいならば自身と他者、両方を守るようになれ。だがまあ、及第点をくれてやろう。」
言い終わったシロウは再び歩き始める。
「やっぱりシロウは不器用だね~」
「えっと?どう言う事?」
「OKだってさ。」
「え?で…でも、」
「シロウが最後に言った事、忘れないでね。自己犠牲で死ぬ何て後々ロクなことに成らないから。」
「わ…分かったわ。」
「それじゃあ、一緒に頑張りましょう。」
そう言って白野はシロウの後を追って行った。
こうして、奈良での一日が過ぎていった。
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「ふむ、これは思ったより重症のようだ」
「あ!シロウさん!ぼぼぼぼ、僕はどうしたら!?」
「まあ、落ち着きたまえ。」
「そうよ、ネギ先生、取り敢えず深呼吸でもして落ち着いて。」
「は、はい!…ヒッヒッフゥ~」
「それはラマーズ法だ」
「あははは…、完全にテンパってるわね…」
「で何が在ったんだね?」
宿に戻った一行だがネギが宮崎に告白されテンパっていた所で更に朝倉にバレたそうだ。
よりにもよってあの朝倉にだ。
あーあ、ネギも終わったわね。
「そうか、まあ…なんだ、君の事は忘れないよ。強く生きなさい。」
「オコジョになっても先生は先生よ、それじゃあ、サヨウナラ…。」
二人は我関せずとばかりに去って行く。
が
「いたいた!ネギ先生!」
狙いすましたかのように朝倉がやって来た
「あ、朝倉さん!」
「私、朝倉和美はカモッちの熱意にほだされ、ネギ先生の秘密を守るエージェントになる事にしました!」
「え!魔法の事、秘密にしてくれるんですか!?」
「勿論!」
「あ…ありがとうございます!」
取り敢えず何とかなったようだ。
しかし…、朝倉が黙って特ダネをスルーするとは思えない、何を企んでいるのやら…
「そう言えば、シロウ先生とはくのんも魔法使いなの?」
チッ、朝倉め、目ざとい。
「…似たようなものだ」
「朝倉さん…、余計な事したら1月程重病で入院生活を送ってもらうから。覚悟してね。」
「あ…あははは……」
何かされたらガンドを使って寝込んでもらおう
そんな事を考える黒い白野が居たとか。
そして、矢張り何か良からぬ事を考えている朝倉が今回の事件である意味一番厄介な存在である事に気づくのは、ほんの少し先の話しだ。
修学旅行編での最大の敵は朝倉だと思うのは私だけですかね?
後半は基本部外者を連れてくる朝倉が最も厄介だと個人的に思います。
ぶっちゃけ魔術師組がいる時点で過剰戦力な訳だし…