ONE-PUNCH-MAN 一撃男と愛娘のユメ物語   作:叶夢望

6 / 23
ハンマーヘッド登場です。それとうんこという言葉が連発しますが、原作でもあったので気にしないでください。


六撃目 ハゲ悪党と二撃娘と忍者

「何故働かなければならないんだ!何故金を払わなければ衣・食・住その他もろもろが成立されないんだ!金持ちが我々庶民に財産を分け与えればいいじゃないか!」

 

スキンヘッドの大男がF市付近の駅前で大衆の前にスピーチをした。彼の名前はハンマーヘッドであり賞金首だ。常人の何倍も分厚い頭蓋骨を持っていので通常の人の頭より一回りくらい大きいのだ。そのおかげで何度も命拾いし、喧嘩は相当強いらしく過去に何度も暴力事件を起こしており、路上の喧嘩で二十人ほど病院送りにした経歴を持っていた。

 

「金持ちのヤツはクズだ!特に政府のヤツはもっとクズだ!税金だの何だのと住民を騙し金や居場所を奪い、その奪った金で必要の無い公共物の設立や無駄な工事なんかしやがって!それに外国にまでも住民の税金をばらまきやがって!ふざけんな!オレはそんな事させん!金を持っているヤツは金がないヤツに渡し、その金のないヤツは自由に暮らす理想郷を我々で作るのだ!」

 

ハンマーヘッドは二十人ほど頭がハゲた舎弟を連れ出し、周りの人間に聞こえるように大声でハンマーヘッドは叫びまくるが、通行人はハンマーヘッドの主張を見て見ぬフリしていたので、ハンマーヘッドは自分の意見が本気だと分からせる為にその街一番の大富豪ゼニールの家を襲う事にした。

 

「ボス!この辺に富豪カネーアルの銀のうんこビルがあります!いかがいたしましょう!」

「うむ!名前からして汚いから壊せ!どうせ名前通り汚い方法で金を稼いでいるんだ!ビルの一つや二つどうという事もない!やれお前ら!」

「イエッサー!」

 

ハンマーヘッドをはじめ舎弟の全員はとある組織から奪った黒いスーツを身に纏い、ただのパンチによってビルを破壊する事はたやすかった。そして舎弟の一人の拳により富豪カネーアルのビルは崩壊した。

 

「ぃよっしゃあ!大富豪ゼニールのついでに他の金持ちが所有するビルだのマンションだの全部ぶっ壊すぞ!」

「あそこにそこそこ富豪サツアールの銅のうんこビルがあります!」

「そこもだ!壊せ壊せー!」

 

ハンマーヘッドの一喝により舎弟はやる気に満ちて次々と大富豪や富豪が持つ家などを壊し続けていた。

一方、Z市のサイタマ宅のリビングにてユメは頬を膨らませ怒っている表情を浮かべ、サイタマは正座のまま俯いていた。どうやらユメがとっておいたプリンをサイタマがそれを勝手に食べたからといった理由でユメはぷんぷんと怒っていたようだ。

 

「わ、悪かったよ、あのプリンは二つちゃんと買ってやるから怒るなよ、な?ユメ」

「・・・三つがいい」

「くっ!あのプリン一個百五十円もするのに!なんてヤツだ!」

「買ってあげなきゃ許さないからね」

「わ、分かった・・・とほほオレのお小遣いが・・」

 

父親としての威厳が丸つぶれであり六歳の子供からお小遣いを奪われ思わず涙目になってしまうサイタマは小さな財布を取り出し六百円と細かい小銭が数枚しか存在しない事に絶望となってしまった。つまるところプリン三個買えば百円とそこそこくらいしか手持ちの金として無かったのだ。

貯金引き出しは父親のはずのサイタマよりしっかりしているユメが担当なのでどうしても必要な時は預金通帳からユメがお金を引き出すのだ。

 

「あのぉ、お小遣いアップとか無いのかな?ユメ」

「ないもん、そんな余裕。パパも分かってるでしょ?そんなにお金を貯めてないって事。ママがものスゴくパートで頑張ってお金貯めたから、そのお金を大事に大事にしないとダメだもん」

「オレもフリーターとして、ものスゴく頑張ったよ!?なにサクラだけ頑張ったみたいな雰囲気なの!?」

「ふーん・・・あ、テレビテレビ」

「オレの頑張りよりテレビを優先すんな!」

 

サイタマのツッコミをよそにユメはテレビをつけニュースが始まるチャンネルへと変更させた。どうやらそのニュースはハンマーヘッドと名乗る身長ニメートル十五センチの百キロを超える身体を誇るハゲ男とその仲間であるハゲ構成員約二十名がF市付近の街の建物を破壊しているというのだ。なのでスキンヘッドの人を見かけたらただちに避難をしろとF市及びその付近の市の住民達を警告していたのだ。

 

「わぁ、ハゲの人を見かけたら注意してね、だって。ぷぷぷ、パパ出かけたら危ないね?みんなが、ぷぷっー」

「ユメぇぇぇ!!この野郎ぉぉ!」

 

ニヤニヤと笑いかけてサイタマをバカにするユメに腹が立ちサイタマはお仕置きとしてユメの脇腹を擽って擽って擽りまくったのだ。

「あひゃひゃひゃひゃ!」と無邪気に笑うユメをよそにお仕置きしながら両脚で床に拡散された黄色いバトルスーツを掴み器用に足の指を使いバトルスーツを着用した。ユメはどうにかお仕置きから逃げて桜色のバトルスーツを着用し、亡きサクラの仏壇に二人は手を合わせいってきますと言い放ち、サクラからいってらっしゃいと言われたような気がした二人は我が家を出て行った。

 

「あんなハゲが暴れたらオレがヒーローになりにくくなるじゃん!あのハゲ、オレのパクりだし!」

「うんっ!強いハゲはパパだけで充分!だからわたしも成敗するよ!」

「まだ言うかー!またお仕置きするぞ!娘可愛がりシリーズお尻ペンペンするぞ!」

「うへぇ、それはやぁだ~。お尻がお猿さんみたいに真っ赤になるのはやぁだ~、ていうかそれ全然可愛がってないじゃん」

 

そんな会話をしているサイタマとユメをよそにF市は大混乱となっていた。ハンマーヘッドとその構成員約二十人ほどが暴れ回りいくつもの建物を破壊していたのだ。その彼らのもとに一人のヒーローが現れた。

 

「正義の自転車乗り無免ライダー参上!そのうち自転車に免許がいるかもしれない世の中になったが、それでもオレは無免ライダーと名乗るんだ!」

 

彼はボディースーツに競輪風ヘルメットとゴーグルを身に付けた装いをしている。元々は原付免許を持っていたが、事件に急行するためにスピード違反を繰り返したため失効しており、今現在は自転車をジャスティス号と名付けを愛車としているらしい。その無免ライダーはハンマーヘッドにめがけて突進するが、ハンマーヘッドは無免ライダーの顔面をパンチし、無免ライダーはあっけなく倒された。

 

邪魔者が居なくなったのでハンマーヘッド一行は大富豪ゼニールが所有する金のうんこビルというふざけた名前のビルへと向かっていった。名前の通りにビルの屋上に金のグルグルうんこの像が掲げていたのだ。

 

「ふざけやがって!ぶっつぶしてやる!」

 

F市の林を抜けた先にその金のうんこビルが天高くそびえ建ちハンマーヘッド一行はその方向へと林の中を歩み続けていくと、黒い影が現れた。

 

「オレはゼニールの遣いだ。お前達を倒しに来た」

 

その影の人物は音速のソニックであり最速の移動速度を誇り、そのスピードに誇りを持っていて実力は非常に高く、衝撃波を巻き起こすほどの速さで動いたり、残像が数体残るほどの移動速度と技術を持つらしい。中性的な美男子に髪を結い上げ、紫のマフラーと黒い忍装束と銀色の忍鎧(にんがい)を着用した忍者である。

 

その音速のソニックは目の前にいるヘッドハンマー率いる構成員の首を次々と自慢の刀で切り落としていた。ヘッドハンマーはその様子を信じられないと驚いた表情を浮かべどうする事も出来なかったが、舎弟がやられているのにリーダーとして見過ごせる訳がなかったので地面を思いきり叩き、大きな岩山を作り出しソニックに向けて投げ出すが、素早く動き出せるソニックにとっては欠伸が出るほど遅く感じ、その岩山を避けて岩山は金のうんこビルの屋上に掲げている金のうんこの像が破壊された。

 

一方、その金のうんこビルのうんこ像が破壊されるほんのちょっと前、F市付近にサイタマとユメがハンマーヘッド一行を探し出す為、住民に聞きこみしようとするがスキンヘッドのサイタマを見た住民は悲鳴をあげ逃げ出していった。

 

「パパ、わたしが変わりに聞きこみしてあげるよ?」

 

ユメはサイタマのマントをグイグイと引っ張りながら困った表情を浮かべていた。やはりスキンヘッドの人物ならばその人物が一般人でも怖がってしまう。だからとユメがやると言い出すのでサイタマはやるせない気持ちになりユメの提案を断りつつ辺りを探すがサイタマは近くにあった金のうんこビルの屋上にあるうんこ像が大きな岩石により破壊されたのを目撃し、その岩石が投げられた方向らしき場所へと目を移し、そこは樹林地となっていた。

 

「よし、いくぞユメ」「んぇ?どこに?」

 

場所変わってソニックは既にハンマーヘッドを倒していた。ハンマーヘッドは岩石を使ってソニックを誘い込み正面突破の攻撃を試みるもソニックの素早いスピードでハンマーヘッドの背後に回りハンマーヘッドの頭部にクナイを刺したのである。それはそうとソニックは携帯電話を懐から取り出しゼニールへ報告していたが、電話に集中していてハンマーヘッドが逃げていくのを気づかなかった。どうやらハンマーヘッドの頭部がデカくてクナイが深く刺さっていなくて致命傷を負わなかったのだ。

 

「良かった!オレの頭部が普通より大きくて良かった」

 

ハンマーヘッドは自分の頭部を褒めつつ林の中を彷徨い続けたが目の前に黄色いバトルスーツのハゲ男と桜色のバトルスーツの幼女が手を繋いでいる姿を目にした。

 

「あ、パパ!悪そーなハゲいたよ!」

「ホントだ、なんか黒い鎧着ているな」

 

サイタマとユメはハンマーヘッドの存在に気づき、彼に近寄りいきなりお前を倒すと宣言した。ハンマーヘッドはその二人がヒーローだと気づきブチ切れて攻撃を仕掛ける事にし、鎧の機能をフル活用して凄まじい力とスピードを得た。まずはとハンマーヘッドはサイタマに向かい、両手によるグルグルパンチの攻撃を放つがサイタマは難なく両手で掴みその攻撃を止めた。

 

「パパ労りシリーズ!抱っこしてー!」

 

ユメは満面の笑みを浮かべ地面を蹴り、ハンマーヘッドの腹部へと両腕を真っ直ぐ伸ばし両手を広げ突進し、あまりの威力に鎧は砕け散り、ハンマーヘッドは全裸で空高く消え去っていた。ちなみにユメのパパ労りシリーズは一般人に向けたらただでは済まないのでサイタマから怪人や悪者にしか使ったらいけないと制限されていた。

 

「むぅ、あのハゲ強そーだったのになぁ、もっと戦いたいけどなぁ」

 

ユメは相手の実力が物足りないのか頬を膨らませ怒っているようだった。以前阿修羅カブトと戦った時サイタマがユメと共に戦ったら一瞬で敵がやられると言っていた意味がユメはようやく分かったような気がしていた。だって本当に一瞬で相手を倒してしまったからつまらなくなったのだ。ユメは戦いにおいて強者らしき人物が思っていたよりも弱かったら無気力となり子供のように駄々をこねるという弱点の一つがあったのだ。

 

「ならばオレが相手になろうか?小さき女よ」

 

後ろから何者かが現れたのでサイタマとユメは振り返り、謎の黒い忍者らしき人物が居た・・・その名は音速のソニックであった。

 

「に、に、に、忍者だぁぁぁー!!かっこいー!!はっ!アレ分身の術じゃないの!?本体はどこなの!?火遁の術は出来る!?それともいろんな属性もった術出来るの!?ねぇねぇ!!」

 

ユメは満面の笑みを浮かべ大興奮し、サイタマはユメの大興奮気味に呆れた様子で落ち着けと促し、ソニックと相見えたのだった。




次は音速のソニックとユメが戦うかもしれません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。