ONE-PUNCH-MAN 一撃男と愛娘のユメ物語   作:叶夢望

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最終回となりました。長い間お世話になりました!
さて、今回の話は非常~に長いかもしれませんので時間がある時に読んでもらえれば幸いです。

次回作はドラゴンボールを書こうかなと思っていますのでしばらく構想を練らせてください。その間、ちょっとしたオリジナル短編を投稿すると思いますのでそちらをご覧ください。恐らくその短編のタイトルは『黄泉の世界へ』だと思います。その作品は明日の朝八時ほどに投稿すると思いますのでそちらも楽しみにしてください。


最終撃目 お帰りなさい

ジェノスはG4との戦いに大苦戦しつつなんとか勝利を掴み、そのおかげでG4の高度な人工知能と凄まじい力を備わった高性能のパーツを研究所に居るクセーノ博士に渡し、自信の力を底上げするように、自分はもっと強くなりたいという想いを込めて頼んだ。

 

「分かったジェノスはもっともっと強くなれる余地がありそうじゃ。さて、例の暴走サイボーグの居所は分かりそうか?」

 

クセーノ博士の質問にジェノスは自分の故郷と家族を失わせた暴走サイボーグに怒りを感じた。しかし同時にその怒りは消え去ったような気がした。サイタマとユメは怪人の手によって大切な人物であるサクラを失ったはずでも、怪人そのものの怒りや憎しみ、恨みは無い様子だった事を思いだしていた。彼らは二度と失わない為に戦っているに過ぎなかったのだ。まだまだ大切な場所や人がいるから彼らは頑張れる事が出来るのだ。ジェノスの場合はどうか?自分の居場所は故郷や家族のもとのはず、それは分かっていた。しかし、もしも暴走サイボーグを倒したとしても失った大切な物が戻ってくるはずもない事も分かっていた。

だけど、今までのジェノスは違っていた。故郷や家族を失っても大切な居場所がまだある。そこはジェノスにとって命と同じぐらい大切な存在であり、命の恩人のクセーノ博士やサイタマそれにユメも大切な人である。そして大切な宝物である。それらを守るついでに暴走サイボーグを倒すのも悪い気分ではなかった。

 

「分かりません。ですけど、気長に探します。まだまだ俺は弱いですから」

「っ!ジェノス!オヌシ、変わったのぉ?よほどいい師匠達を持ったものよのぉ」

「・・・、そうですね。以前までの俺だったら憎悪で前が見えていなかったでしょう。先生や師匠のおかげでどこか余裕が出来たでしょう。視界が広まったような気がします」

「今度その師匠達を研究所へ連れてこい。興味が湧いたわい」

「はい。俺としてもいずれ紹介したいと思っていた所でしたよ。師匠の凄さに驚くかもしれませんので心の準備だけでもしておいてください。本当に凄い人達です」

「なるほどの?それは非常に楽しみじゃわい」

 

ジェノスの変わりようにクセーノ博士はジェノスの師匠達に感謝した。憎む相手を目の前にしたらジェノスは絶対に無理をして暴走サイボーグを倒そうとするだろう。そしてそれが強すぎて倒せなくてもジェノスは諦めないで自爆でも何でもするだろう。もしも、ジェノスがやられたら暴走サイボーグを誰が破壊するだろうか?ジェノス以外で誰も倒してはいけない。ジェノスではないといけないのだ。ジェノスは故郷の為にそして家族の為に戦わなければならないので他のヤツらが邪魔してはいけないのだ。

 

(ジェノスよ、まだまだ強くなれる。身体も心も一流の戦士となれる。じゃから無理をするなよ)

 

クセーノ博士はジェノスを強くする為にG4のパーツを改造して性能を高めつつジェノスに組み込む一方、ヒーロー協会本部は慌ただしかった。裏社会に潜む賞金首や脱獄犯などの数々の悪党を呼び出してシッチはある会議を行おうとしていた。悪党がシッチに襲いかかるかもしれないのでランク上位のA級ヒーローを四人呼び出し、そのヒーロー達はシッチを見張りつつ、地球がヤバい予言緊急対策チームを作っていた。しかし、ヒーローの前に悪党共を集めさせるのは愚行であり、シッチがやった行為に納得いかないとA級5位ヒーロー重戦車フンドシというニメートル超えの巨漢で筋肉隆々の鼻毛が太く鼻の穴からブーメランのように鼻毛が曲がりくねっていたおじさんが不機嫌顔で悪党共を睨んでいた。

 

「連中に何の用があるのか知らんが我々の前に悪党をこんなに並べやがって・・・我々も舐められたものだな」

 

その近くに居たA級6位ヒーローブルーファイアというクンフー使いが着る袍(ぱお)を着ている青年とA級7位ヒーローテジナーマンというシルクハットと目元には仮面をつけて黒いマントと白色のスーツを着ている手品師のヒーローが重戦車フンドシの考えに同感するように、悪党共が妙な動きをしたら消し炭にしてやると宣言した。そしてもう一人のA級2位ヒーローユメは頬を膨らませて怒っていた様子だった。

 

「ダメだよ!おじさんたち!悪い人でも手伝って欲しいってシッチおじさんか言っているよ?だから今はダメ!本当に悪い人が居たらわたしが退治するよ?」

 

A級ヒーロー三人の視線の下に小さい子供がリスのような可愛らしい顔をして、目をクリクリとした上目遣いで睨んでいるけど、全然怖くなかった、むしろ可愛い。そんなユメに重戦車フンドシは強面の顔をしがめながら睨み、悪党を退治できるのかと質問するとユメはうんと力強く元気に答えた。

 

「フン、貴様のようなガキに何が分かるんだ?というか本当にA級ヒーローなのか?そうとは思えんが」

「別にいいじゃん・・・ん?あ、あれは!」

 

ユメは数多くの悪党の影に見覚えのある顔が見えたので満面の笑みを浮かべてその顔めがげて飛びつくように抱きついた。その顔の主は心底嫌そうな顔をしていたが、ユメはそんなこと一切気にせずその見覚えのある顔の主の胸元に顔をうずくませた。その顔の主の名は音速のソニックであった。

 

「ユメ、この協会本部に住んでいたのか?」

「ううん、シッチおじさんが護衛して欲しいって言ったからわたしはここにいるの。パパやジェノスくんは呼ばれてないみたい」

「そうか・・・そろそろ離れて欲しいんだが」

 

ソニックはひっつくユメを剥がそうとしたが、ユメは目をトロンとさせ嬉しそうな顔をしていてソニックから離れようとせず、ソニックはそのままの状態でヒーロー協会本部から盗んだ会議資料をばらまいた。その会議資料は今回の地球がヤバい緊急対策の会議で扱う資料であり、シッチはそれに目を疑った。厳重なセキュリティによって守られていたはずの資料によると最近災害レベル虎以上の災害が相次いで起こり災害発生率が異常に高く

過去三年間の災害発生率の平均を大幅に上がっていて今年に入って六倍だ。恐らく大予言師シババワが予言した地球がヤバいという予言の前兆かもしれないもしくは、もう地球がヤバい状態に入っているかもしれない。もしも大災害や強力な怪人が相次いで襲いかかったらいくらヒーローでも疲弊するのは当然。しかも予言が半年以内に起こるものなので過去最大の危機が示されており、その危機は去っていない事は容易に分かる事。なので、シッチは今後いっそう激化するであろう大災害や怪人から人類を守る為に人格の善悪問わず戦闘に長けている者に協力要請する事を決意した。だから悪党共の手でも借りて危機をなんとか乗り越えようと考えていた。

 

「お断りだ。貴様らとヒーローごっこするつもりはないぞ。帰らせてもらう」 

「わたしも反対かな?そんな事したらもっとたくさんの人達が危ない目に遭うよ?あと帰らないで忍者。もっと構ってよ忍者」

「断る」

 

ユメの発言に悪党共は激怒した。ふざけるなガキ、殺すぞガキ、ナメるなガキ、今ぶっとばすぞガキと大勢の悪党共はユメに向かって拳や刀を向けた。それを重戦車フンドシや重い一撃を悪党の一人をにくらわせて一同騒然としていた。その悪党の手足はあらぬ方向に向いており、彼らはヒーロー達に刃向かうのを辞めた。しかし、一人の男だけは面白そうに高らかに笑い、その予言が当たっていると叫んでいた。

 

「ハッハッハッ!前代未聞の災害レベル神の大災害が起こるんだろう!?スゲェぜ!大予言師様ってヤツが分かっていたんだろう!?」

 

彼の名前はガロウであり怪人に憧れて数々の武闘道場を潰し続けていて、この場にいる悪党共やA級ヒーローが束になっても負ける事は無いと断言するほどに自分の強さに自信があるというのだ。彼の容姿は逆立った金髪に鋭い眼光、常に黒い笑みを浮かべてどんな敵が来ても負ける事がない自信があると挑発するような顔であった。ユメはガロウの名をどこかで聞いた事があるような気がしたが、忘れてしまったので首をこてんと傾げるしかなかった。

 

「せっかく強いヤツらが来たんだ!一番強いヤツを決める大会にしようぜ!俺はその為だけに来たと言ってもいい!さぁ!来い!」

 

ガロウの挑発に誰も挑戦するはずもなく、そもそもガロウがどんなヤツか知らないし、戦う気力もなかった悪党共及びヒーロー達はただガロウの様子を見るしかなかった。シッチはガロウに帰れと促すも、ガロウはそんな事を聞くはずもなく、まず手始めとして近くに居たテジナーマンの首を絞めた。テジナーマンは呆気なく失神し、その場に倒れた。

 

「ククク、ハッハッハッ!弱えよ!悪を執行する俺の前では正義なんて脆いものだ!」

 

ガロウは怪人に憧れていたから正義のヒーローを憎んでいた。いつも人気者のヒーローが勝って、嫌われ者の怪人が負け続けるのが心底嫌であった。だったらと自分が最強の怪人となり自分が思う最高のシナリオを作るしかないと決意したのだ。

そんなガロウに向かって重戦車フンドシは大きな拳を高らかにあげて殴りこむも、ガロウの素早くそして重い数撃を重戦車フンドシの拳を粉々に砕いた。

 

「あ~あ、そんなもん無くても強えヤツは強えんだよ!ば~~っか!」

 

ガロウは重戦車フンドシの顎を蹴り上げて、重戦車フンドシは顎の骨を砕かれつつ数メートル先まで吹き飛んだ。その様子を見た悪党共はいいぞもっとやれとガロウを応援しているが、ガロウとしては悪党共も退治するつもりであった。ガロウは怪人側だし、他の人間達はその被害者に過ぎなかった。ヒーローは必然的に遅れてくるけど、怪人は絶対に先手を打ち人々を困らせるのが常識であった。

 

「ふん、人間が怪人と名乗るのは愚か者がやる事だ。そして、クズでもある」

 

ガロウの前にブルーファイアが立ちはだかり、ブルーファイアは手元に仕込んだ火炎放射を放とうとするも、ガロウに見切られて腕ごと引き千切られた。A級ヒーローが次々とやられる光景を見たシッチはヒーロー協会本部の作戦室に連絡をとり、ヒーローや医療班を呼ぶようにと応援を頼んでいるが、ガロウは次々と悪党共を倒し続け、数分もしないうちに全滅する恐れがあった・・A級ヒーローの彼女が居なかったら、の話だが。

 

「お前悪いヤツだ!わたしが倒してあげる!」

 

ユメは頬を膨らませてガロウの前に立ちはだかり、ガロウに向けて指を指してまるでわたしが相手だと言わんばかりの表情を浮かべていたのを見たガロウはニヤリと笑った。そうか、コイツもヒーローなのか?だったら倒すしかないとそう思ったガロウは強者にでも見えない速度の蹴りをおみまいしようとしたが、蹴った感触はなくその目の前にいたはずの少女の姿が無いのでガロウは辺りを見渡したが、ユメは居なかったがガロウの頭に妙な感触があった。

 

「遅いよ、ガロウおにぃちゃん」

 

ユメはガロウの頭に乗っていた様子だったがガロウは笑みを浮かべていた。本気ではなかったけど蹴りを躱されてしかも遅いとまで言われたのでガロウは闘争心をメラメラと燃やしていた。

 

「面白ぇ!ちょいと油断したがほんのちょっとだけやるじゃねぇか!クソガキ相手でも容赦しねぇ!」

「本気で来てよ、そうじゃないとわたし怒るよ」

 

ユメの挑戦にガロウはユメに襲いかかった。

 

「超連続普通のパンチ」

 

ユメはガロウの身体に向けて連打の嵐を撃ち込んだ。ガロウの身体は少しずつ少しずつ削られていくが、ガロウは連打に夢中のユメに向けて蹴り飛ばし、ユメは吹き飛びながら協会本部の堅い壁を砕きながら飛んでいったのを見たギャラリーはユメが死んだと思い込んでいた。しかし、ユメは頬を膨らませてプンプンと怒った表情を浮かべて砕けた壁から出てきてガロウのもとへずんずんと歩いていた。

 

「むぅ!もう怒ったもんね!謝っても許してやんないからね!覚悟してね!ガロウおにぃちゃん!」

「ハッハッハッ!とことんやろうってんのか!?面白ぇ!面白すぎんだろぉー!」

 

ユメは高速移動し、ガロウの後ろへと回り込んで背中に向けて回し蹴りをするが、ガロウの流水岩砕拳によっていなされ、ガロウは反撃による拳の一撃をユメの腹部へと当てようとするも、ユメは素早くガロウの手首を両手で持ちクルリと自分の身体を回転させ、飛び上がるように両足でガロウの顔面に突っ込みユメの両足はガロウの顔に直撃した。

 

「クソガキが~~っっ!!消え失せろ!」

 

戦いの最中、リミッターが徐々に外れかけているガロウの鼻からボタボタと鼻血が出てふらつきながら流水岩砕拳による静かなで強力な一撃をユメの腹部や頭部、後ろに回り込んで背中に蹴りを入れたりと激しい攻撃によってユメはボロボロの姿となりながら地面や壁に何度も身体を叩きつけられ、ガロウはトドメと言わんばかりに倒れているユメに向かって全体重をのせてのしかかった。するとガロウの凄まじい攻撃によってヒーロー協会本部の床がずっぽりと抜けだし、地下らしき場所へと移動しながらユメを何度も何度も壊し続けた。

 

「くたばりやがれー!!」

 

ガロウはまだ幼いユメを本気で殺しにかかるその刹那、ユメの弱点が発動してしまった。サイタマに横腹をくすぐられることよりも、気に入った者に大好きになってしまうことよりも、ヒーローになり続けたいからサイタマやジェノスにどんな事を言われても辞められないことよりも、大好きな人がやられて思考回路がショートするよりも、大きな弱点が発動してしまった。

 

ーーー負けたくない。誰にも負けたくない。絶対に負けないんだ。

 

ただただ負けたくないと気持ちがユメに襲いかかり、ユメは誰の声も聞かないし、聞こえもしないワガママ娘になってしまう最大の弱点である。その弱点はユメに全身に力を与え、弱点はユメを守り、弱点はユメを支え、弱点はユメの背を押して、弱点は頑張れと応援するようにユメを救おうとしていた。そしていつしかその弱点は強さになっていた。しかしその強さは弱点が発動しないと身につかないという弱点があるという弱点が奇跡的に重なり、ユメはガロウに立ち向かう勇気と根性を見せつけた。

 

「必殺マジシリーズ!マジ殴りぃ!!」

 

一つの拳はガロウの顔面に、一つの拳はガロウの胸元ににユメの本気の二撃をくらわせてガロウは、ほんの一瞬だけ意識を失いかけながらユメの横腹を蹴り飛ばすという反撃を与えながら数十メートル先まで吹き飛び、ユメの本気の二撃の衝撃波で協会本部内はめちゃくちゃとなり、悪党共や倒れているA級ヒーロー達も死んではいないがユメやガロウは吹き飛びながら壁や地面に何度も叩きつけながら転がり続けていた。

 

「げほっ!げほっ!はぁっ!はぁっ!」

 

ユメは血反吐を吐きながら全身打撲だらけのままフラフラとした足取りでガロウの元へ歩みよると、ガロウは床に倒れていたのでユメはよくやく勝てたかと思ったその刹那、ガロウはニヤリと黒い笑みを浮かべてギロリとユメを睨んだ。

 

「ハッハッハッ・・・ハーハッハッハッ!」

 

ガロウは高笑いしながら立ち上がって、ユメの前に立ちはだかり、ニタァと黒い笑みを浮かべ、ユメを抱き上げた。

 

「お前は主菜になるなァ~?オイ。そんな美味しいもんを先に食べるのは勿体ねぇ。だから後からじっくりといただく事にしたぜ」

「???わたしもショートケーキ食べる時、最後にイチゴを食べるタイプだけど、それが何なの?」

「ハッハッハッ!俺達気が合うな!だが覚えておけよ?俺は怪人ガロウだ。だからヒーローを根絶やしにしてやる。その後じっくりと遊んでやんよ」

「わたしはヒーローなんだけど、それはいいの?」

「んなもん分かりきってる。が、今お前を狩るのが勿体ねぇだけだ。お前ならもっと俺を楽しませる事ができそうだ。期待してるぜ?クソチビ」

「クソチビじゃないよ、ユメだよ?ガロウおにぃちゃん。それとヒーロー潰しはさせないからね?絶対に」

 

ユメはガロウに抱き上げながら頬を膨らませて睨むが、目がクリクリとしていて上目遣いの可愛いリス顔の女の子の表情にガロウは思わず吹き出すように高らかに笑い、ユメを抱き上げから解放して床に女の子座りにさせた。

 

「ハッ!やれるもんならやってみろよ・・・ユメ」とガロウはユメの頭をポンポンと叩き協会本部から姿を消し、ヒーロー潰しへと向かっていく一方、ユメはガロウの攻撃のダメージによって気絶し床に倒れてしまった。近くに居たシッチは救急車を呼びユメを近くの病院に運び、ユメを数日間入院させるようにした。

そんなユメが入院しているという情報を聞いたサイタマとジェノスはユメが居るという病院へと走り、数分もしないうちにユメの病室へとたどり着いた。

ユメの見た目は痛々しい格好であり、頭には包帯が巻かれ、頬にはガーゼ、腕や腹などあらゆる場所にも包帯が巻かれていて、腕には栄養を送っている点滴注射が刺さっていた。

 

「あ、パパ、ジェノスくん。やっほ~」

 

ユメはいつもの満面の笑みを浮かべてのほほんとした声でサイタマとジェノスを歓迎したが、サイタマは思わずユメに抱きついてしまった。我が娘が大怪我を負っている姿を見た父親らしいサイタマの行動にユメは思わずだらしない笑みを浮かべていた。

 

「大丈夫だよ、一週間もしないうちになんとかなるらしいよ?だから安心してよ、パパ、ジェノスくん」

「そうか!そうなのか!良かったな!ユメ!」

「退院したら祝杯をしましょう!師匠!」

 

ユメは大人しく入院するがユメの事が大好きなサイタマはしょっちゅうユメに大丈夫か?リンゴをウサギさん型に切ろうか?他に何か欲しい物はあるのかと聞き出し、その様子を見たナースはサイタマの溺愛ぶりに冷たい視線を向けたり、ジェノスもユメの事を慕っているのでしょっちゅうユメに、俺がついていますとか、頑張ってくださいとか、退院祝いに何が欲しいですかとかユメに過保護する事一週間が経ったある日、ユメはようやく退院し、Z市にある我が家へと戻る事となっていた。

 

「久しぶりに帰ってきたなぁ~。パパ!ジェノスくん!退院祝いは!?早く早く!」     

 

ウキウキ気分のユメは大興奮し、サイタマとジェノスのズボンを掴み退院祝いを早く寄越せと待ちきれない様子で、サイタマとジェノスはユメをリビングへと案内するとユメは思わず感激した。様々な色合いをしている折り紙の輪っかがいくつもくっついた物が飾られ、天井付近の壁には大きな看板が掲げられ「退院おめでとう」とカラフルな字で大きく書かれ、机にはホールケーキやローストチキンなどまるでクリスマスのような豪華な食事がユメを誘惑していた。そんなユメをもっと驚かす為にサイタマとジェノスは掌サイズの小さいクラッカーを鳴らし、色とりどりの紐や紙吹雪がユメを直撃した。

 

「ありがとう!パパ!ジェノスくん!大好き!」

 

ユメのその言葉にサイタマとジェノスは微笑み、ユメと共に豪華な食事を堪能する事にして、小皿に食べ物を分けて仲良く食べていく中、ユメの弱点は発動した。

 

大好きな人と共に楽しく暮らすとその倍楽しくなってしまい、時間を忘れてしまうという子供らしい弱点は夜明けになるまで治まる事が無く、そんな楽しそうにしている彼らのはしゃぎように亡きサクラの遺影は笑みを浮かびながら見守っていくのであった。

 

 




ガロウの性格なんかおかしくね?と思う方、すみませんでした。ガロウとマジで戦ったらユメが死んでしまうかもしれないので性格を変えてしまいました。本当に申し訳ないです。ユメとガロウをどうしても戦わせたかったので後悔はなかったです。

ただ、ガロウはユメより強いのは確かです。
リミッター外れガロウ>弱点発動+本気ユメ>通常ユメと思っていただければ幸いです。最後までお付き合いしていただき、ありがとうございました!それでは次回連載作でまたお会いしましょう!

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