魔法少年リリカル良太!?   作:高町 優希

7 / 16
7話

 

 

 

ギンガ「ん…こ、ここは」

 

 

ゲンヤ「気がついたか?」

 

 

ギンガ「お父さん?」

 

 

ゲンヤ「事件は解決したぞ。六課の連中が全て解決してくれた」

 

 

ギンガ「そっか、よかった…」

 

 

ゲンヤ「今、医者を呼ぶな」

 

 

ゲンヤはナースコールで看護婦を呼んだ。すると看護婦は病院内携帯で医師を呼んだ。

 

 

シャマル「ギンガ、目を覚ましたのね」

 

 

ギンガ「シャマル先生」

 

 

シャマルも一緒に来た。

 

 

シャマル「融合されてたレリックはスバルの魔法で砕かれたから心配ないわ」

 

 

ゲンヤ「そうか」

 

 

ギンガ「スバルが…」

 

 

シャマル「大人しくしていれば直ぐに退院出来ますよ」

 

 

ゲンヤ「すまねぇな」

 

 

シャマルと医師は部屋を出ていった。

 

 

ギンガ「そうだ、お父さん」

 

 

ゲンヤ「どうした?」

 

 

ギンガ「良太君は大人しくしてる?」

 

 

ゲンヤ「ッ!あ、あぁ。大人しくしてるぞ」

 

 

ギンガ「ちゃんとご飯あげてね」

 

 

ゲンヤ「あぁ」 

 

 

ギンガは疲れたのかそのまま眠ってしまった。

 

 

ゲンヤ「……」

 

 

ゲンヤは何も言えなかった…良太が生死をさ迷ってる事さえも。

 

 

 

 

 

 

 

スバル「ギン姉、退院おめでとう♪」

 

 

ティアナ「おめでとうございます」

 

 

ギンガの退院日、ゲンヤとスバル、ティアナがやって来た。

 

 

ギンガ「みんなありがとう♪でもちょっと残念だな~。良太君が来てくれると思ったのに」

 

 

スバル、ティアナ「……」

 

 

ギンガ「帰ったら良太君にただいまをしなきゃ!」

 

 

ゲンヤ「ギンガ…」

 

 

ギンガ「どうしたの?みんな暗い顔して」

 

 

ゲンヤ「家に帰っても良太には会えねえ」

 

 

スバル「お父さん!」

 

 

ゲンヤ「スバル、黙ってろ」

 

 

ギンガ「会えないってどう言うこと?あ!どっかの施設預けちゃったの?良太君、きっとプンプンだよ?」

 

 

ゲンヤ「ギンガ…良太に会う勇気はあるか?」

 

 

ギンガ「どう言うこと?何があったの?」

 

 

流石にギンガもゲンヤの様子がいつもと違う事に気付いた。

 

 

ギンガ「ねぇお父さん!良太君に何があったの!」

 

 

ゲンヤ「付いてこい」

 

 

ゲンヤは病院に入っていった。

 

 

ギンガ「お父さん待って!」

 

 

スバル、ティアナ「……」

 

 

スバルとティアナも後を追いかけた。

 

 

ギンガ「何で病院の中に…何処か怪我したの!?」

 

 

ゲンヤ「……」

 

 

カシュ

 

 

ー集中治療室ー

 

 

良太「……」ピッ…ピッ…ピッ…

 

 

ギンガ「良太…君……ッ!何で!?何でこんなことになってるの!?」

 

 

ギンガはゲンヤに掴みかかった。

 

 

スバル「ギン姉、落ち着いて!」

 

 

ゲンヤ「ギンガ、聞く勇気はあるか?」

 

 

ギンガ「え?」

 

 

ゲンヤ「聞く勇気はあるか?」

 

 

ギンガ「教えて!」

 

 

ゲンヤ「…わかった」

 

 

スバル「お父さん!」

 

 

ゲンヤ「スバル黙ってろ。それともお前から話すか?」

 

 

スバル「……」

 

 

スバルは押し黙った。

 

 

ゲンヤ「最初の怪我は六課の隊舎が襲われた時だ。良太が寮母とヴィヴィオを逃がす為に殿を勤めた。ガジェットを何機も壊してな、だが大型には勝てなかった。見つかった時は既に大怪我だった。それでも集中治療室に入る程じゃなかった」

 

 

ギンガ「でも!」

 

 

ゲンヤ「その次だ。六課がアースラに拠点を移したのは、それと同時に良太はスバルの所にお前の温もりを求めて転がりこんだ。そして戦闘が始まった。良太は一体の戦闘機人の前に向かった。満身創痍でな、本来なら動くのも辛いのに無理矢理戦場にでた。戦闘機人を止めようしてな」

 

 

ギンガ「戦闘機人を止めようと……ま、まさか」

 

 

ここにきてギンガの手足が震え始めた。

 

 

ゲンヤ「そうだ。お前止めようと正面からお前に挑んだ」

 

 

ギンガ「じゃ、じゃあ…良太君をこんなに…したのは…わ、私なの?」

 

 

ゲンヤ「…そうだ」

 

 

ガクッ

 

 

ギンガは崩れ落ちた。

 

 

スバル「ギン姉!」

 

 

ギンガ「わ、私が…良太君を…」

 

 

スバル「私がいけないの!部屋をロックしておかなかったから!」

 

 

ギンガ「違うよ…スバル。操られてるって言われても…やったのは…私なんだよ」

 

 

ギンガは俯き泣き出した。

 

 

 

 

 

 

 

ギンガ「……」

 

 

退院してからギンガは部屋に閉じ籠った。

 

 

スバル「ギン姉」

 

 

スバルはギンガが心配で一時帰宅していた。

 

 

ゲンヤ「……乗り越えるの待つきゃねぇ…」

 

 

スバル「うん…」

 

 

ーギンガの部屋ー

 

 

ギンガ「良太…君…」

 

 

良太『お姉さん』

 

 

ギンガ「良太君…」

 

 

良太『お腹ペコペコ』

 

 

ギンガ「良太君」

 

 

良太『お姉さん、いい匂い』

 

 

ギンガ「私が…あの子を……」

 

 

ー居間ー

 

 

ピリリリ!ピリリリ!

 

 

スバル「はい?ナカジマですが?」

 

 

医師『こちら○△病院です!良太君の容態が急変しました!ご家族の方は急いで来てください!』

 

 

スバル「わ、わかりました!」

 

 

ゲンヤ「どうした!?」

 

 

スバル「病院からで良太が急変したって!」

 

 

ゲンヤ「俺は車を用意する!スバル!ギンガを引っ張ってこい!」

 

 

スバル「う、うん!」

 

 

ーギンガの部屋ー

 

 

ドンドンドン!

 

 

スバル「ギン姉!ギン姉!大変だよ!良太の容態が急変したって!」

 

 

ギンガ「…行かない」

 

 

スバル「え…」

 

 

ギンガ「私があの子に会う資格無いもん…」

 

 

スバル「何言ってるのギン姉!ギン姉!」ドンドンドン!

 

 

ゲンヤ「退けスバル」

 

 

スバル「お父さん?」

 

 

バキッ!

 

 

ゲンヤは体当たりしてドアを打ち破った。

 

 

ギンガ「お父…」

 

 

スパン!

 

 

スバル「お父さん!?」

 

 

ゲンヤ「ギンガ、俺はお前をそんな薄情もんに育てた覚えはねえぞ!罪があるなら償え!何年かかってもいい!一生かけてでも償えばいい!謝って謝って!謝り抜け!それでも駄目なら一生かけて償え!罵倒されようも何されようと償い続けろ!それともお前はあの子に償うことも出来ねえ程落ちぶれたのか!」

 

 

ギンガ「お父さん…」

 

 

ギンガは叩かれた頬を押さえながら立ち上がった。その目には光が戻っていた。

 

 

ゲンヤ「全く、世話の焼ける娘だ。ほら、行くぞ」

 

 

ギンガ「うん!」

 

 

ギンガ達は病院に急いだ。

 

 

ー集中治療室ー

 

 

ギンガ「看護婦さん!」

 

 

看護婦「あぁナカジマさん」

 

 

ギンガ「容態は!?」

 

 

看護婦「さっき急に吐血して心拍数が弱まってきてるんです」

 

 

ギンガ「良太君!良太君!」

 

 

スバル「良太!」

 

 

ゲンヤ「良太!」

 

 

良太「…お…お姉さん……」

 

 

ギンガ「良太君!?」

 

 

良太「無事……なん……だね…」

 

 

ギンガ「私は大丈夫だよ!だから!良太君も頑張って!」

 

 

良太「美味しい…ご飯…」

 

 

ギンガ「うん!作ってあげる!だから!だから!」

 

 

良太「たの……し…み……」ピーー

 

 

ギンガ「良太…君?良太君!」ドンドンドン!

 

 

医師「電気ショックだ!」ピービリッ!

 

 

ギンガ「良太君!」

 

 

医師「もう一度だ!」

 

 

何回も電気ショックが行われた。が…

 

 

医師「……」

 

 

医師はライトで目を覗きこんだ。

 

 

そして窓の方を振り向いた。

 

 

医師「残念ですが…」

 

 

スバル「そんな…」

 

 

ゲンヤ「クッ!」

 

 

ギンガ「嘘だよ…良太…君……良太くーん!!」

 

 

ピー…ピッ!ピッ!

 

 

ギンガ「良太…君?」

 

 

電子音の変化にギンガがいち早く気付いた。

 

 

医師「これは!?蘇生した!急いで手当ての続きだ!」

 

 

看護婦達「はい!」

 

 

ギンガ「良太君!」

 

 

ギンガの叫びが奇跡を呼んだ。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。