転生これくしょん~転これ~ 【一時休止中】   作:上新粉

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もう少し続きますよ〜(・ω・)ノシ


平和なひととき〜朝〜

ー午前十時、珈琲屋店内ー

 

 

深雪がケーキを食べ終えた後は珈琲を飲みつつ山本達とこれからの予定なんかを相談しながら時間を潰していた。

まあザラは頼んだチーズケーキを食べ終えた後は引き続き白雪を睨み付けていたが……

そ、それは兎も角この後の予定があらかた決まり、商店街も徐々に活気に満ちて来る頃合なのでそろそろ出ようかと考え今なお白雪と話している龍田の方へ顔を向ける。

そんな俺の視線にどうやって気付いたのか分からないが、龍田は白雪の死角になる場所で指で輪を作りオーケーサインを俺達に見せた。

そこから俺は龍田の意図を読み取り行動に移す。

 

「それじゃあ司令官、時間も良い具合だしそろそろ出ようか」

 

「お、確かにそうだな。すみませーん、会計良いっすかー?」

 

白雪の気持ちに一切気付いていない山本は支払いを済ませると気にする事なく龍田を呼び戻し、そして……

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「へっ?あ……」

 

呆気に取られる白雪を他所に山本達は店を出ようとしている。

大丈夫かと心配になった俺は龍田を見やるが龍田は真っ直ぐと白雪を見つめ、いつもの笑顔のまま声を出さずに口を動かした。

 

──臆病なのねぇ?──

 

読唇術の心得など無い俺でもはっきりと読み取れたのだ。白雪に向けて伝えられた言葉を白雪が理解出来てないなんて事は無いだろう。

その証拠に臆病者呼ばわりされた白雪は怒りを露わにしている。

そんな爆発寸前の白雪に対して龍田は更に刺激していく。

 

()()()()()()()()()お独りで羽を伸ばしてどうぞ〜」

 

「──っ!ま、待ちなさいっ!!」

 

直後、白雪は大きな音を立てて立ち上がった。

その為既に扉に手を掛けていた山本を含め全員が白雪の方へ向き直った。

そんな中、大声を上げた事で少し冷静さを取り戻してしまった白雪はしどろもどろになりながら何とか言葉を紡ごうとしていた。

 

「あの…………ですね……その…………わっ、私もついて行きますっ!あ、貴方達が変な事をして海軍の名に傷を付けないように……で、あって……私が行きたいとか……そういう事では有りませんので勘違いしないで下さい!」

 

ここまで言えば流石の山本も察したらしく白雪の前まで来ると手を差し出して言った。

 

「分かった、じゃあ白雪も一緒に遊びに行こうか」

 

「…………はい」

 

白雪は真っ赤になった顔を隠すように俯きながらその手を取った。

 

「まぁ……及第点と言ったところかしらね〜?」

 

そんなやり取りを見ていた龍田はニヤニヤしながらも何処か不満そうに呟いていた。

俺は龍田の言葉の意味を考えながら再び白雪を見やる。

確かに白雪は山本と共に休日を過ごすという目的は達した。

しかしそうか、あの言い方だとついて行きたいという意図は伝わっても山本に好意を抱いている事は全く伝わっていない。

白雪的には今はそれでいいのかも知れないが龍田は今一つ納得していないのだろう。

だから龍田は二人の仲を進展させる為に次の作戦を俺に持ち掛けてきた。

 

「────という事なんだけれど手伝ってくれるかしら〜?」

 

「是非手伝わせて貰おう。けど長門(七世)はどうするんだい?」

 

作戦としては単純なものだ。

山本と白雪を二人きりにして見守りつつ山本に白雪を意識して貰うべく後方からこっそりと支援すると言ったものだ。

俺はこの作戦に快諾したのはそもそも逆らえないと言うのもあるがそれ以上に上手く行って山本が()以外を好きになってくれれば山本を気にしなくて済むのだ。

いや、気にしなくてというよりは負い目を感じなくて済む……のか?

と、とにかく俺に取っても山本に取ってもこれが最善の結果なのだ。

だが、その為には先に話したように不安要素である長門(七世)を二人から遠ざける必要がある。

それでも龍田は余裕の笑みを崩さずに続ける。

 

「そうねぇ〜。だから長門さんあなた達に任せようと思うのだけれどやってくれるかしら〜?」

 

「私達……が?」

 

「そう、私は後方支援しなきゃ行けないし〜。ザラ(この子)が誘った所で長門さんが付いて行くとは思えないから〜……ね?」

 

確かに龍田の言う事は尤もだ。

だからといってあんな危険人物を誘い出さなければならないと言うのはあんまりである。

だが、それでもやらねばならぬと言うのならせめて……

 

「…………お?」

 

深雪を危険に晒すわけには行かない。

大丈夫、俺が一人犠牲になれば済む話だ。

 

「……分かった。但し深雪はそっちで連れて行って欲しい」

 

「ええっ!?わ、私は響と一緒にっ──」

 

深雪の気持ちを嬉しく思いつつも言葉を遮る様に言い聞かせる。

 

「深雪、あいつは駆逐艦(私達)の様な見た目が幼い少女が大好物の大変な変態な上に戦艦なんだ。正直に言って奴から深雪まで護れる余裕は無い、済まないが分かって欲しい」

 

(酷い云われようね〜長門さん、ほんのちょっとだけ同情するわ〜)

 

なんて事を龍田は考えてそうだが、全て事実だ。

それ以外のスペックがどんなに高かろうとあんな奴を信じたらろくな事にならない事だけは間違いない筈だ。

 

「響……分かったよ。響も気を付けてなっ!何かあったら直ぐに助けに行くぜ!」

 

「ああ……ありがとう深雪」

 

さて、不安はあるが山本や白雪、引いては自分自身の為だ。

響、作戦を開始するっ!

こうして龍田発案のやまXしろ作戦が発動されたのであった。




山城「あんなリア充製造作戦に私の名前が使われるなんて不幸だわ……そもそも山本と白雪ならやまxしら作戦じゃないのかしら…………

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