翌日、山本の口から全員へ南一号作戦が達成された事が伝えられた。
どうやら本来居たはずの敵主力艦隊は重巡棲姫が討たれた事により侵攻を止め、撤退して行ったらしい。
その為撃滅対象の侵攻艦隊が居なくなったので事実上達成という事らしい。
何はともあれ一ヶ月以内に鎮守府正面海域の制圧という本部からの課題は達成されたので山本より二日間の休暇が与えられたのだ。
「という訳で明日から二日間存分に羽を伸ばして貰いたい訳だが、なにか質問はあるかな?」
山本は全員を見渡して質問が無い事を確認してからこう言った。
「よし、それじゃあ今日の予定は最初に話した通りに頼む。以上解散!」
「「了解っ!」」
俺達は敬礼で返しそして執務室を後にした。
さて、明日から二連休な訳だけどどうしよう。
俺は深雪と二人で練習航海に出る為準備をしながら明日からの予定を練っていた。
「…………給料も入ったし辺りの散策も兼ねて出掛けて見るか。いや、そもそもそんな簡単に外出許可がでるのか?」
「ひーびきっ!」
「うえっ!?深雪っ?」
だが、深雪が突然後ろから飛びつき思考を強制的に中断させてきた。
「なにブツブツ言ってんだよぉ?」
「あ、ああ。明日からの予定を考えていたんだよ」
このままでは艤装が着けれないので深雪を引き剥がしながら答えた。
「へぇ〜?やっぱり響も休みが待ち遠しいんだなぁ」
深雪が意外そうにしているので俺はどういう事かと首を傾げる。
そんな
「あ、いや!響ってほら、海に出てる時の方が生き生きしてるなぁって思っただけで。と言ってもそれが悪いとかそういう事でも無くて、ええと……」
「ふふっ、何をそんなに慌てているんだい?深雪は何も悪い事は言ってないから安心して大丈夫だよ」
「え?そ、そうかな?」
「うん、悪口でも何でもないし仲間の事を良く見てるのは大事な事だと思うよ?」
「え、えへへ……そっか、さんきゅ」
う〜ん、ここの深雪はどうしてこうも庇護欲をかき立てられるのだろうか。
電ちゃんという最愛の嫁というものがありながらなんて不埒な男なんだ俺は!
「響っ!ど、どうした?やっぱり私が気に障る事を言っちゃったか?」
深雪が不安そうに声を掛けた事で自分が頭を抱えている事に気付き慌てて手を離した。
「ち、違うんだ……ちょっと違う事で自責の念に駆られていただけだよ」
「自責の念?」
「そ、そうそう!私が海に出てる時の方が生き生きしてる様に見えたんだよね?それは多分集中してるからそう見えたんだと思うよ」
「え?お、おう……?」
「他の響がどうだかは解らないけど私は休みはあった方が嬉しいかなっ!じゃあ先に港で待ってるよ!」
「え?ちょっ!?」
早口で捲し立てながらさっさと準備を終えた俺は急いでその場を離れてった。
まあ……かなり強引だったが余計な事は口走らなかったから良しとしよう。
少しして港にやって来た深雪に心配そうな目で見られていたが何とか誤魔化しつつこの日最初の遠征が始まったのであった。
予想以上に短くなった!?ガ━(ŎдŎ;)━ン
しかしここから先を書くと逆に長すぎてしまう恐れがありますのでここで一先ず。