転生これくしょん~転これ~ 【一時休止中】   作:上新粉

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こっちはすらすら書けるんですがこっちに集中してしまうとメインの方が進まなくなってしまうので結果的にどちらも投稿が遅くなってしまうんですよ〜(言い訳)


あ、それと響乱交狂曲の次話投稿時にも再び報告しますが響乱交狂曲 第三十六番より 「レ級改flagship」の挿絵投稿しました。
上新粉クオリティの拙いアナログですが良ければ見てやってくだせぇ旦那。


疑問の答え

山本との話を済ませた第一艦隊は俺を含め六人とも被害を受けており、提督の指示のもと順番に入渠する事になった。

出来る限り彼女達との風呂場での接触を避けるため入るのは一番後にして欲しいと山本に申し出たものの、入渠ドックの効率的利用と長門(七世)の性別的事情により俺の申請は通る事は無かった。

……まあ、この身体で七世と一緒に入りたくはないし必要以上に怪しまれる訳にも行かなかったし仕方ないヨネ?

 

ただ…………

 

「それじゃあ、ちょっと直して来るわ〜。行きましょう?響ちゃん」

 

「響ちゃん、龍田お姉様の裸を見たら……赦しませんからね?」

 

「はは……そんな無茶な……」

 

どうしろと言うんだ……

俺だって可能な限り見ないようにしますよ!?

そりゃあまだ死にたくありませんからねっ!

それでも同じ空間にいる以上目に入ってしまうものは目に入ってしまうものでして……

なんて心の中で弁明しているとおもむろに龍田に手を引かれドックへと連行されていた。

 

「響ちゃんっ!?何やってるのよぉっ!!」

 

「いや、私に言われても……」

 

ザラが騒ぎ立てるのも気にせず龍田は揚々とドックへと足を運んだ。

その結果どうなったかと言うと…………まあ予想通りザラは浴場まで着いてきた。

ついで浴場で欲情するという勘弁願いたいボケまで体現している。

 

「龍田お姉様の!ハァ……ハァ……チラッ。あられもない姿は!!ハァ……ハァ……チラッ。ざ、ザラが守りますっ!ジュルリ……」

 

自分のあられもない姿は守る気が無いらしく龍田を背に腕を広げて俺の視界に龍田が入らない様にしていた。

そして風呂に入る前だと言うのに鼻から赤い汁が滴っている。

 

「あー……取り敢えずその鼻から溢れ出てる物をどうにかした方が良いんじゃないかな?」

 

「そうやってお姉様を盗み視るつもりですねっ!その手には乗りませんよ!!ドババババ」

 

「ちょっ!?ザラさん不味いレベルで流れてるって!」

 

「粘り強いのがモットーですから!ジャババババ」

 

粘ってないから!すっげぇジャバジャバ出てるから!!

早く止めないと更衣室が事件現場みたくなってしまうとなにか方法を考えていると龍田が笑顔を貼り付けたままザラの肩を叩いた。

 

「ザラさぁん?ちょっといいかしら〜」

 

「は、はいっ!」

 

突然龍田に呼ばれたザラは嬉しそうに赤い液体を撒き散らしつつ思いっ切り振り向いた直後、龍田が何処からか持ってきた強力クリップで鼻を挟んだ。

 

「い、いひゃ、ぐひゃあぁぁぁっ!!!?」

 

そして続けざまの目突きにより一時的にザラの視界を奪った。

 

「貴女にも話があるから〜、落ち着いたら来るのよ〜?」

 

龍田はそう言い残し浴室に入って行き、俺も付いてく形で浴室へと入っていった。

そしてかけ湯をしてから湯船へと浸かりつく事が出来た所で長かった一日を振り返ろうとするが……

 

「響ちゃん?貴女に幾つか聞きたい事があるのだけれどいいかしら〜?」

 

「ふぇっ?ど、どうしたんだい?」

 

意識を内側に向けようとしていた所で龍田に声を掛けられ慌てて意識を龍田へ向けた。

すると龍田から思いもよらない質問が飛んできた。

 

「ね〜え?貴女は記憶がないって聞いてるのだけれど、

それってぇ……」

 

───────嘘、でしょ?────────

 

その瞬間湯船に浸かっていると言うのに俺の背筋が凍りつくほどの寒気を覚えた。

 

「え?……いや……」

 

まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいっ!!!

記憶が無い事が疑われるなんて考えていなかった。

いや、落ち着け俺っ。龍田はまだ知り合ってそんな経っていない!ならただ単にカマをかけてるだけかも知れない。それならばっ!

 

「ど、どうしてそう思ったんだい?」

 

疑う以上なにか俺に不審な点があったに違いない。

だったらそれを聞いた上で適切な返答をして疑念を解消させよう。

質問に質問を返す形に龍田は不審感を更に募らせるが、変わらぬ口調で答えてくれた。

 

「まあ〜色々あるけれど〜、一番は他の響ちゃんを知っているからかしらね〜?」

 

他の響……なるほど俺の所作言動が響らしくないからという訳か。

だがそれだけでは転生者かどうかは分かっても記憶が無いかどうかまでは解らない筈だ。

だが、そんな俺の心を見透かしたかのように龍田は話を続ける。

 

「なんかね〜響ちゃんを知ってる何者かが響ちゃんを演じてるみたいな〜……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「なっ!……そ、そうか……な?」

 

まさか……響を演じようとしたのが失敗だったのか……

慣れない口調で頑張って来た事全てが間違いだったなんて………

 

「ねぇ〜?貴女は一体誰なのかしら〜」

 

「あ……あ……わ、わたし……は……」

 

どうしようどうするどうすればいいっ!!

正直に打ち明けるか?

いや、どう考えても状況が悪過ぎる。

いま元男ですなんて白状したら此処に墓標を建つことになる。

だからと言って下手な嘘は無意味だし誤魔化すことも出来るとは思えない。

…………もう駄目だ、おしまいだぁ。

こうなれば一か八か龍田さんに事情を話して内密にして貰うしかない!

 

「う〜ん。言わないつもりならぁ〜、更衣室にいるあの子にある事ない事言っちゃおうかな〜?」

 

「わわわかりましたっ!話します!話しますからそれだけはっ!!」

 

ああ……言わなければ今日が命日、言っても命日になる確率大……最初から選択肢なんて無かった…………

 

「う〜んっ♪素直な子はすきよ〜?」

 

「はぁ……じゃあ最後まで()()()聞いてくださいね」

 

「はぁ〜い♪︎」

 

「まず私の正体ですが……思ってる通り転生──いえ、特異体って奴ですね。名前は小山響夜、享年十七歳。此処で言うのはとても気まずいけど性別は男です」

 

「……っ////」

 

龍田が反射的に俺の視力を奪おうと目突きを繰り出すが予想してたので咄嗟に手をかざし防いだ。

 

「そちらは見ないようにしますので落ち着いて下さいお願いします死んでしまいます」

 

「……っええ、そうだったわ〜。()()我慢するわ」

 

うわぁ……話し終わった後生きてたらいいなぁ(遠い目)

肌で感じる程の殺意を俺は背中に受けながらこっちを睨んでるであろう龍田へ話を続ける。

 

「えっ…と、それでどうして隠してるかと言いますと……原因は山本、それと七世ですね」

 

「提督と……長門さんの事だったかしら〜?」

 

「はい、七世に知られれば中身が同性なのをいい事に何をされるかなんて考えたくも無いですし。山本は……正直親友として申し訳ないんです。」

 

「申し訳ない?」

 

「ええ、あいつは他を見捨ててでも護ろうとするくらい響を愛してるんすよ。そんな大切な人の中身が偽物のしかも野郎だなんて悲しすぎるじゃないですか。だから……」

 

俺は響を演じ続け山本を騙しそして傍に居続ける。それが俺を助けようとしてくれたあいつへの恩返しでありあいつを死なせてしまった俺の償いだから。

 

「ふ〜ん?でもそれってただの自己満足じゃないかしら〜」

 

「確かにその通りだと思う。それでも山本が()を響と思い込んでいる間は響として傍にいようと思う」

 

ま、七世と同じ理由も多少含まれてはいるけどな。

 

「信じていいのかしらね〜?疚しい気持ちもあるわよね〜」

 

「ゔっ……電ちゃんと一緒に寝れるのは役得とは思ってるけど…………」

 

「私達の裸が見れてらっき〜とか思ってるんじゃ無いのかしら〜?」

 

「そういうつもりはないっ!……といってもつい目がいってしまうのは男の子なので申し訳ない限りですが……」

 

「……………………」

 

「あの……入渠については何かしら対策を講じますのでこの事は内密にして頂けると助かります」

 

だが、龍田は顎に手を当てて何か考え始める。

やっぱり虫のいい話だっただろうか……

そうこう考えている内に俺の修復が完了するが、俺はこの状況で上がる訳にも行かずただ龍田の返答を待った。それから数分程して龍田は漸くその口を開いた。

 

「まぁいいわ〜、貴方が居なければ私はもう居なかっただろうし〜?誰にも言わないでおいてあげる」

 

「ほ、ほんとかっ!?」

 

「こっちを見るのは禁止されてます〜」

 

「ごぼぁっ!?」

 

驚きを隠せず反射的に龍田の方を振り向いた直後、龍田によって湯船へと沈められていた。

 

「ごべごぼぼぼがぼぼっ!!」

 

「分かったかしら〜?」

 

「がぼぼぼ!ごぼぼがっ!(分かりましたっ!ごめんなさい!)」

 

「あはは〜!分かれば良いのよ〜?」

 

そういって龍田は漸く()の頭から手を離した。

 

「はぁ……はぁ……と、とにかくありがとう龍田。それとよろしく頼みます」

 

「よろしくね〜、私の下僕さん?」

 

「え"っ……」

 

「うふふ、冗談よ冗談〜」

 

あまり冗談に聞こえないのが怖いけど今は龍田を信じよう。

 

「あは、あはは……それじゃあ俺……私は上がるとするよ」

 

「まったね〜♪︎あ、ついでにあの子を呼んで貰えるかしら〜」

 

「あの子?あ、うん分かった」

 

俺は最後お湯で体を流し浴室を出て更衣室にいるザラへ龍田が呼んでいる事を伝えてから電達のいる工廠へと歩いていった。

ザラに物凄い形相で睨まれていたが疲れて居たので気にしない事にした。

あ、そう言えば……まあ後で誰もいない時にでも身体を洗いに戻ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「龍田お姉様……」

 

「来たわねザラちゃん〜?」

 

「お姉様っ!()()()()を放って置いたらお姉様が穢されてしまいますっ!!」

 

「そ〜う?貴女と同じ特異体だけれど私は貴女よりは安全だと思うわ〜?」

 

「そんなっ!わ、私は特異体なんかじゃ……」

 

「提督とか他の特異体の反応を見てれば大体察しがつくわよ。それで?貴女は何者か教えて貰えるかしら〜?」

 

「わ、私は……」

 

「ああその前に、もしも貴女があの子の事を言いふらしたりして私の姉だけじゃなく私の…………下僕まで奪おうと言うのなら貴女が誰であろうが容赦しないわよ〜?」

 

「うっ……どう……して……どうしてお姉ちゃんはいつまで経っても私の気持ちを分かってくれないのっ!!」

 

「え……?ど、どういう事かしら〜?」

 

 




なんかザラさん書いてると申し訳なさに押し潰されそうになります。
作中でキャラ崩壊が一番酷いですが前にも言った通りあまり好きじゃないキャラは登場すらしませんのでそこだけは本当にご了承くださいませ。
特にザラ姉妹は海外艦の中でもビス子の次位にお気に入りです。
持ってないけどなっ!( 涙目 )

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