ぼっちな僕と彼女   作:諍 歌油

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どうも皆さんこんにちは、初めてオリジナル作品を投稿しました。

楽しんでいただけると嬉しいです。

では、本編どうぞ


不幸とはすぐ傍にあるものだ

 突然だけど皆様、学校生活は楽しいでしょうか?

 

 僕は楽しいかと聞かれたら楽しくありません。

 

 例えば部活動、スポーツでも何でもそれに没頭するのはいい事で、ほとんどの人は何かしらの部活動に励んでいる事が多い。

 

 でも僕は別に何の必要性を感じないのです。

 

 スポーツや他の文系の部活動でもなんでもいいけど、それが将来に何かの役に立つ事なんて、それこそその道に対してのプロフェッショナルになれる天才とかならいいけど、そう言う人はごく一部だ。

 

 もちろん将来に役立つとかは、どうでも良くてそれに打ち込む事が重要と言う人はいるし僕は別にそれを否定するつもりはない、ただ僕がそれをどうでもいいと見るだけだ。

 

 こんな事を言ったけど別に僕は部活動の話をしたい訳じゃない。

 

 今までは、物の例えで僕が話したいのは学校生活は楽しいか、という話だ。

 

 まぁ良くも悪くも、部活動にしろそれ以外にしろ、なにかに打ち込むにしろそうでないにしろ、学校とは順位なんてものがあるのだ。

 

 俗に言うスクールカーストなるものがあるのだ、きっとそれは、人間の性と言うものだろう。

 

 動物は群れの中に順位があるように人間にもあるのだろう。

 

 それを止める事は出来ない、まぁ色々言ったけど僕が言いたい事を先に言うと、

 

「不幸だ……」

 

 僕がそんな事を言うと周りのクラスメイト達はまるで家の中で一瞬幽霊でも見たかのようにちょっと静かになった。

 

 僕は別に何もしてないというのに、何故こんなに静まり返るのだろうか。

 

 まぁ今までの話をしたのも、なんでクラスメイトからこんな扱いをされてるのも入学式、今僕は高校二年生の五月なので、一年と一ヶ月ぐらい前?に遡る。

 

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「堺 祐太«さかい ゆうた»です。これからよろしくお願いします」

 

 あの時、高校生になって初めての挨拶は、そこそこ上手くいったはずだ。ちなみにどうでもいいが僕の名前の祐太の 『祐』 は神様が右手を差し出して助ける的な意味があるらしい。

 

 まぁ神の右手がどうとかは置いておいて、こんなどこにでもいそうな名前を紹介して、僕はそこそこ楽しい高校生活を送る筈だったんだ

 

 けど、残念な事に僕は誰にも話しかけられる事はなく友達なる物が出来る事なんてなかった。

 

 いや、話しかけられる事はたまにあったんだ。例えば、

 

「堺君、この前の旅行でお土産持ってきたから皆に配ってるんだけどいる?」とか、

 

「なぁ堺、体育の組一緒に組もうぜ」とか、

 

 そんなどうでもいい事ばかりだった、まぁでも人間の関係を築くのには、こう言う事が必要なのだが、僕は素っ気ない答えをしていたのだ。

 

 例えば、さっきの二つなら、

 

「いらない」とか、

 

「嫌だ」とか、

 

 二つ目に関しては、素っ気ないと言うより拒絶と言うべきだが。

 

 とにかく、今思えばそれが原因と考えられるが僕は寂しい高校生活を送るようになった。

 

 そして、時が経つにつれて僕の噂は広がっていった。

 

 噂と言ってもいい噂ではない。

 

 何処から聞いた噂だか、どうやら僕は皆から中二病と思われているらしい。

 

 僕は確かに物思いにふける事が好きなのでよく考え事をしている、だから僕は休み時間なんかは、誰とも話さないで物静かに過ごすのだが、それとさっきの素っ気ない返答のせいで、僕は孤独を気取ってる中二病と思われているらしい。

 

 なんで静かに暮らしているだけで孤独を気取ってると解釈したんだ!!と言いたいけど、高校生とはよくわからない生き物らしいのでしかたない。

 

 他にも茶髪に染めてるとか、パーマを作ってるとか、なんでかわからないけど噂がひとり歩きしてこんなんになってしまった。

 

 茶髪もパーマも全部地毛だって言うのに迷惑な話だ。

 

 しかもイケメンならまだしも顔は普通なので頭髪は全部キャラ作りだと思われさらに噂を酷くしたらしいのだ。

 

 高校生にもなって中二病だったらそりゃ友達も出来ない訳だ。

 

 まぁ要約すると、不幸に不幸が重なって今の寂しい高校生活を送るはめになってる訳だ。

 

 これを不幸と言わずしてなんというのか。……まぁ半分くらいは、僕にも原因があるけど。

 

 まぁいいや、今更こんな事を考えても何も変わりやしないのだ。

 

 それに不幸なんて今に始まった事じゃない、車に引かれたことなんて何回もあったし、受験の時に学校側のミスで受験の時間が遅く知らされていて第一志望の高校に入学できなかったし、こんな不幸はよくある事だ。

 

 そんな悲しい事を考えながら僕は今日も寂しい、どこにでもある学校生活をおくるのだった。

 

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 極普通の放課後の話だ、学校帰りの途中で不良に絡まれたり、不良から逃げた先の公園にどこの悪ガキが作ったのか、めっちゃ浅い落とし穴があってそれにはまって転んだり、そのせいで不良に捕まって財布にある金を全部取られてボコボコにされたりしたのだが、それはよくある事だ。

 

 とにかく僕は金を取られて金がないからゲームセンターに行く事も出来ないので僕は図書館に行く事にした。

 

 なぜ図書館に行ったかと聞かれたらわからない。

 

 他にも行ける所はあった筈だ、けどなんとなく図書館に行ったんだ。

 

 僕が図書館に着くと一人女の子がいた。

 

 特に特長はみられない、いやひょっとしたら凄く可愛いのかもしれないがなにせ下を見て本を読んでいるので顔は見えないが、ぱっと見た感じでは特長はないのだ。

 

 こんな所に誰と来た訳でもなく女の子が一人とは、ひょっとしたら僕と同じなのかもしれない。

 

 まぁいいや、どうせ僕と話す事なんてないし。

 

 さて、何を読もうか、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』かな?同じぼっちの話だし、それとも今日はラノベじゃない小説を読もうか、

 

「あの……すいません」

 

「ん?」

 

 誰だこの可愛い子は?こんな可愛い子と僕は知り合いな訳がないし、それに片目に眼帯をしているとなるとさらにわからないぞ?ひょっとしてさっきの子かな?

 

「なんでしょうか?」

 

「えっと、二年B組の堺さんですよね?」

 

 ありゃ?同じ学校?こんな特長的な子いたっけな?

 

「そうだけど」

 

「はじめまして私、一年A組の米田 晴香«まいだ はるか»です」

 

「えっと……何処かで合ったっけ?」

 

「いえ、合った事はないんですけど、その……噂で、」

 

 あーなるほど、そりゃああれだけ噂が広がったら僕の事を知ってる人も少なくはないか、ひょっとして僕って有名人?

 

「あっそう、それで僕に何の用?」

 

「す、すみません、ちょっと堺さんと話して見たくて……それで要件なんですが……」

 

 どうでもいいけど、やけにオドオドしてるな。

 

「私の財布知りませんか?」

 

 この子ひょっとして僕が金を不良に取られたのを見てたのか?そして財布がないから僕が盗んだと思い込んでるのか?だとしたら相当失礼だな。

 

「知らない」

 

「そうですか……じゃあ一緒に探してくれませんか?」

 

「嫌だ」

 

「お願いします!!」

 

「なんで僕が君の財布を探さなきゃいけないのさ」

 

「確かに助けてもらう義理は有りません、けど大切な物なんです」

 

「そりゃあ金が入っているんだ大切な物でしょ」

 

「お金だけじゃ有りません、あれはおじいちゃんの形見なんです」

 

 へー形見なのか、まぁなんでもいいか。

 

 それにしても、勢いで「お金なんてどうでもいいです」みたいな事言ったら即座に論破してやろうと思ってたのに。

 

「それで、その大切な形見をなくしたと?ずいぶんとお粗末な大切だね」

 

「す、すみません……けどお粗末でも一応大切なんです、だからお願いします」

 

 自分の大切な物をお粗末と言われても怒らないで認めると……いいね、さっきの金の事を勢いで大切な物じゃないと言わない所といい、人間性として僕の好みだ。

 

「わかった、気まぐれだけど探してあげる」

 

「本当ですか!?」

 

「うん」

 

 はぁ、まったく金を取られたあげくこんな厄介事に巻き込まれるなんて、

 

「不幸だ」




はい、どうでしたか?

次回も頑張ります。

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